劇場公開日 2021年5月7日

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「【故郷の伝統行事を誇りを持ち伝承する男達、支える女達の姿を幾つかの恋愛模様を絡めて描き出した作品。佐々部清監督、有難うございました。】」大綱引の恋 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【故郷の伝統行事を誇りを持ち伝承する男達、支える女達の姿を幾つかの恋愛模様を絡めて描き出した作品。佐々部清監督、有難うございました。】

2021年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

ー 伝統行事の継承が大変だろうことは、学生時代に世間で有名な祭りの下っ端の下っ端のそのまた下っ端をヤラサレタので、何となくは分っている積りである。
 今作は、父親が”川内大綱引の花形、”一番太鼓”を叩いた”男タケシ(三浦貴大)が、父の姿に憧れつつも一度は町を離れ、祭りからも身を引いていた過去もあり、祭りの下っ端として祭りを支える裏方に徹しようとするところから、始まる。ー

■感想
・後半、長時間かけて、俯瞰も含めて撮影された大綱引の熱気が、大スクリーンから伝わって来るシーンが圧巻である。

 ”令和元年”と良く出てくるので、当時撮影されたのであろうが、半裸の男達が“上方”"下方”の別れて大綱を三千人が参加した、観ている側も力が入るシーンである。
 そして、”上方”の”一番太鼓”を叩くタケシに声援を送る、韓国の研修医で恋仲になったジヒョン(知英)とタケシの病んだ母(石野真子)、そしてタケシの幼馴染の男勝りの”テンコ”(松本若菜)の姿と、
 ”下方”の”一番太鼓”を叩く漢気のあるゲンタロウ(中村優一)の恋人であり、タケシの妹アツコ(比嘉愛未)が応援する姿の対比。
 ー 祭りのシーンを映画で撮るのは、費用的にも構図的にも大変だとよく言われるが、この映画はこのシーンを観るだけでも、価値があると思う。
 実際の本番の6日後に再現したそうである・・。ー

・序盤は、奥手のタケシが父に引け目を感じながらも、ジヒョンと恋仲になって行く姿や、タケシの母の病が明らかになったり、カズコとゲンタロウの恋する姿が、散発的に描かれたり、韓国からの観光客がやってきたり、やや散漫な感じがあるが、
 比嘉愛未さんと、松本若菜さんをうっとりと見ながら(おバカである・・。)中村優一さんの、男らしい佇まい、顔が印象的で、”この人、誰だろう・・”と思いながら、楽しく鑑賞。

・大綱引の準備のシーンや、三役を任命するステップなども興味深く鑑賞。
 ー ”見ている人は、見ているんだよ”とタケシに声を掛ける大将の言葉。ー

・大役、”一番太鼓”に任命されながら、神社の階段から落ちるシーンは、”???”と思ったが、そういう事なのね。リュージ、漢気があるなあ・・。

<多少、ストーリー展開が粗い所もあるが、熱気あふれる”大綱引”のシーンが観れて満足した作品。
 祭りが暫く出来ない現況、この映画で祭り気分を体感するのも良いのではないかと思う。女優陣も、素敵なくキャスティングだったし・・。(個人的嗜好・・)
 そして、佐々部清監督へ。
 「チルソクの夏」を始め、「半落ち」「日輪の遺産」「ツレがうつになりまして」を鑑賞させていただきました。
 今作もそうですが、性善説に立った優しきトーンの映画が私は好きでした。
 安らかに・・。そして、お疲れさまでした。>

NOBU
りあのさんのコメント
2021年6月20日

NOBUさん
コメントありがとうござ。
比嘉愛未さんはよく観てたのですが、松本若菜さんは個人的にあまり観てなくて、沢尻エリカか?ちょっと違うか?なんて思ってて、観終わってから、その為だけにパンフレット買って確認したくらいです。
うっとり、一緒です。お気持ちよくわかります。

りあの
れいすけ(休眠中)さんのコメント
2021年5月20日

こんにちは。NOBUさんの見方も知れて良かったです。僕は最近、知英さんを知り好きになり期待値がかなり高くて届かなかったです。たぶんなぜか祭りの良さを感じる感性が私にはないですねえ(-_-;)

れいすけ(休眠中)