「年齢を重ねたビル・マーレイの魅力の虜」オン・ザ・ロック よしさんの映画レビュー(感想・評価)
年齢を重ねたビル・マーレイの魅力の虜
【父と娘】そのわだかまり。ビル・マーレイ × ラシダ・ジョーンズ = チャーミングなふたり。【フランシス・フォード・コッポラの娘】として役者もしていた彼女がその繊細さを持ってして監督デビューを果たした『ヴァージン・スーサイズ』はまごうことなき傑作だった。続く代表作『ロスト・イン・トランスレーション』と『SOMEWHERE』は、ごくごくプライベートな題材を扱い私的ゆえに無自覚な傑作だった。それに対し本作はパッとしなかった『ブリングリング』の経験で自分が【洗練された上流階級】しか描けないことを痛感し、『ビガイルド』で『ヴァージン・スーサイズ』、『マリー・アントワネット』のように自身が【ガーリー文化に多大な影響を与え発信する功労者・創造主】であることと監督としての手腕を遺憾なく披露した後に、今映画界を席巻するA24と組んで製作された。そして、またしても彼女の描き続けてきた【父と娘】という題材をコミカルに扱ったものだった。いわば原点回帰、それも今回はより意識的に、時が経ったからこその中年の危機的側面も持たせて。彼女の旦那【フェニックスの楽曲】が流れるのも彼女の作品の特徴。とにかく愛しい。
今年映画館鑑賞51本目たぶん
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