「【"次々に新しいモノを買う事は、幸せかい? 心に空いた穴を塞ぐのは、モノ?虚栄心?。本当に大切なモノは何?本当の幸せって何だろう・・” という事をコメディ要素を塗しつつ、問いかけてくる映画である。】」100日間のシンプルライフ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"次々に新しいモノを買う事は、幸せかい? 心に空いた穴を塞ぐのは、モノ?虚栄心?。本当に大切なモノは何?本当の幸せって何だろう・・” という事をコメディ要素を塗しつつ、問いかけてくる映画である。】
-パウルとトニーはアプリ開発の共同経営者。ある日、持ち主の性格を反映させるアプリを開発し、第二のジョブスと言われる若き天才、ザッカーマンに認められ、巨額の契約金を手に入れる事になるが・・・。-
◆最初に敢えて記載するが、ストーリー展開はやや、粗い。
だが、それでも私は観て良かった・・と思った作品である。
■感想
・パウルとトニーの性格は全く違うが、何故か気が合う。イロイロと面倒な二人なのだが、観ていて、憎めないのだ。
- パウルは、常に流行最先端のモノを手に入れる事に執着し、トニーは自らの外観をいつも気にする。特に育毛剤は欠かせないし、似合わないメガネは絶対にかけない・・。
だけど、皆、多かれ少なかれ、そういう事はないかなあ・・。-
◆で、二人はツマラナイ事から、"面白いルール"を課し、契約金を巡って、勝負を始める。
・前半はコミカル要素強めで物語は進む。
二人の全所有物を入れたレンタル倉庫に夜な夜な表れる、謎の美女ルーシー。
彼女が複数保有する倉庫には、それはそれは素敵な装飾品が沢山ある・・。
・トニーがメガネを嫌がる故に、結膜炎になるシーンと(気持ちは分かるが、コンタクトレンズの装着期間は守るように!)、トニーが目薬を優しくさしてくれるルーシーに惹かれていったり・・
- 男はねえ、弱っている時に優しくしてくれる女性には弱いのである。そして、魅力的な女性であるルーシーも、トニーが自分に似ている事に気付いたのではないかな・・。-
・しかし徐々に、ルーシー・デンスケの哀しき性癖が露になり・・(ヤッパリなあ・・)
・ザッカーマンも、遣り手だが、ナカナカ下衆な男である事が徐々に分かり・・
- 消費社会に生きる人々を、金を稼ぐターゲットにしか、観ていない。現代消費社会の勝者の象徴として、ザッカーマンを観るが、彼も余り幸せそうではないなあ・・。漂う孤独感・・。-
・パウルは、久しぶりに会った祖母から"ある大切な言葉”を聞き、今までの生き方に疑問を持ち始める。
-"幸せは、掴もうとすると・・・流れてしまう・・"-
◆パウルが、トニーのルーシーへの想いを知り、仕掛けた素敵な事。
そして、”全てを晒した”トニーが、漸く寄り添ってくれた大切な人。
- 彼は、今や、普通にメガネをかけているよ・・、そして、実に幸せそうだよ・・。-
<忙しい毎日を生きる中で、ついつい忘れがちな、
”本当に大切なモノって何だろう・・。”
”本当の幸せって何だろう・・”
という深淵な事を、コミカル要素を絡ませて描いた作品。
モノに溢れる現代社会に生きる中で、イロイロと考えさせられる作品でもあります。>