アンダードッグ 後編のレビュー・感想・評価
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森山未来さん、北村匠海さん、勝地涼さんそれぞれカッコよすぎる!
全編人間臭さが染みる素晴らしい作品。世の中、たくさんの人が大小脛に傷を抱えながら表には表れない。ボクシングというストイックな世界に3人の男を取り巻く全員が幸せとはかけ離れた世界でもがく人々。そこには何かを守らなければいけない、その一方で何かを捨てなければいけない。全編・後編約5時間、観る人の人生でそれぞれ涙を流す場面は違うだろう、ラストシーンは名作「ロッキー」を観たときに通じる心の躍動。森山未来さん、北村匠海さん、勝地涼さんそれぞれカッコよすぎる!
負けても最高なんてスゲェー生きる道
末永 × 龍太 = 前後編本作のすべて
おゝ、突然どうした --- と言いたくなるような、本作『後編』の幕開け、前半のあまりに唐突な滅茶苦茶さには正直、困惑と少し辟易とした。虐待ネグレクトにヤクザもの、暴力の過去か。が、後半からの武者震い。
龍太がなぜあそこまで、噛ませ犬で更に不甲斐ない試合をした主人公・末永に構い続けるかの理由が分かって、龍太のジムの前で顔を合わせる二人。このシーンが本当に最高で、構図としては向かい合った二人を、道路の向こうから捉えているのだが、それが単純に力の拮抗を表すわけでなく、若干画面左に中心・力点がズレていることで、現状落ちぶれた末永より若い龍太の方に勢いがあるのを含んでいるよう。そこからのステップ(?)を踏み、逆方向に走り始める二人を捉えるスローモーションがこれまた反則な気持ち良さで、個人的には試合本番より燃えたかも。いや、正直事情を知ったところで、龍太の過去は許せないし認められない、感情移入もできない。なのに引き込まれ始める自分がいた。特訓パートと満を持しての試合が今まで溜め込んできた分も全て解き放つように。前編のモヤモヤは確かに回収されていったかもしれないけど、【やはり末永昇と大村龍太の話に絞るべきだった】と感じた。
北村匠海の切れ味!普段、青空青春映画やつまらないメジャー映画に出ている彼は一度リング脇に置いてくれ。本作の彼は素直に良かった…。『前編』では観客が共感を覚えるように悶々と葛藤するのは主人公とヘタレ芸人・宮木の役割で、龍太に関しては特に情報もなく、ただただ生意気な感じで飄々とした風なイメージが残っただけだった(それも嫌いじゃない、むしろ良かったが)。いっそずっとこの髪型でいればいいのに。
特に宮木瞬(勝地涼)パートは改めて丸っと要らなかった気がしてならない。しかも、あれだけ前編の最後に宮木コール起こしながら、芸能界引退してるんかよ。ボクサーとしてそれだけ本気でしていたからということかもしれないけど。その気持ちを本作『後編』を見て、より強くした。だからやはり、後編の評価によって前編の評価が上がるものでもなく、むしろボクシングと性を同等に描いた前編に対してのモヤモヤはより増したかもしれない。
色々詰め込みすぎなのだ --- 例え、確かにネグレクトもヤクザによる暴力も、本作の軸となる龍太のバックグラウンドを重ね知る上では必要だとしても。キャラ描写・個性の際立たせ方が画一的・紋切り型な気がしてならなかった。この脚本家らしくまぁ泥臭く、日本映画らしく底辺からの輝き。ただ、試合シーンに関しては、主人公のコーチとの会話・セリフ祭要らなかった気がしてならなかった。あと末永・父もいざ息子が本気になり始めると結局あっさり応援していて拍子抜け。(黙って)パンチ出せ。
東京とボクシング。スカイツリーが度々映るのが印象的だった。なんだか見た勢いと熱量のままドバーッと書いてしまった。いつか清書でもしようかなと思ったけど、これはこれでありのままの思いの丈としていいのかも。
邦画史上最高のボクシング映画
2020年映画館鑑賞131作品目
前編に比べエロさが少ない
その代わり後編はバイオレンスが目立つ
日本映画の現状に批判的な映画監督はわりとセックスと暴力に走る傾向がある
映画において二つの要素は麻薬のようなものでそれなりのものはできるだろう
だがそれでは子供は観れないわけで山田洋次監督のような子供からお年寄りまで楽しめる作品をたくさん作る人が日本が誇る名監督だと僕は思う
今回女優陣では瀧内公美が1番良かった
娘を檻に入れて虐待する迫真の演技は圧巻
「うるさい!うるさい!うるさい!」は邦画の「うるさい」史上ベスト3に入る
なんといってもクライマックスでの末永晃と大村龍太のガチンコボクシング対決が面白い
最終的には泥試合
日本のボクシング映画史上最高クラスの名シーン
宮木が約束通り一度は引退したもののお笑い芸人としてまた活動再開しているのも良い
あいつのこと、ぶっ倒してこい!晃!
晃にとって、本気で戦う理由はなんだったんだろう。金?、女?、息子?、相手の気持ち?
そこがはっきりしないからグダグダに見える。だけど、そんなだらしなさこそが"負け犬"たる所以でもあるのだな。結局、なにかのドラマや映画やアニメの焼き直し。心振るわされるほどのストーリー展開はないままに。
ただね、脇役が抜群にいいんだよなあ。タイ人ボクサー役の清水伸。ニトリのCMで、あったか布団で温もってるあの人。なり切ってるもの。それだけでなく、店長木田役の二ノ宮隆太郎の別格の存在感。映画の後、調べたもの。この役者の演技を観れただけでも価値あり。
あ、そうか森山未來が無駄に「いだてん」で出来上がった身体してたのは、この映画のためだったか。と、余計なことを思い出している。
ドラマ配信でも臓物は掴まれるのか
前編の余韻を数日楽しんだ後の参戦となりましたが、良い熟成期間だったような気がします。前編の感想でも書いたけれども、前編ラストの鳥肌もんの煽りがやはり良かったみたいです。
後編を観る時点でようやくコレがドラマ配信用に計画された作品だと知りました。そして、後編を堪能して前後編に分けた事に納得。似て非なるテイストの2作品に仕上がっておりましたね。お見事でした。
ドラマ配信(8話)という事で更に広くの人の目に触れるのであろうことは、製作者でもない自分にしても嬉しい限りですが、画面・音響等々もきちんと映画サイズなので、やはり劇場で体感して頂きたいかな、なんて思います。やはり劇場は感じ方が段違いなので。まぁ、全ての映画に当てはまる事なのですけれどね。
暗い淵の片隅でうずくまる何かが、そこに開いている穴を覗いて、更なる闇の底へ堕ちるのが前編ならば、その闇の底でしくしくと泣き続けるもぞもぞとしたケモノが、その実暖かい何かに包まれていたと知る後編。試合終盤の主人公の独白には全身総毛立ちながら嗚咽が漏れてしまいました。
余韻を楽しみつつの劇場体験を是非。
彼らの『これから』を思わずにはいられない
お笑い芸人・宮木瞬(勝地涼)とのエキシビションマッチを終えた末永晃(森山未來)と1回戦KO勝ちを続ける大村龍太(北村匠海)を更に掘り下る第二章。
晃はボクサーをやめると決意するも消えかけた火は未だくすぶっていた。離れていく妻(水川あさみ)に未練を残し、救って欲しいと願うデリヘル嬢(瀧内公美)の手をつかめないくそ野郎だった。『くそ』を看板に生きてきた自分は晃とシンクロしながらクライマックスへ向かう。
順風満帆に見えた龍太には受け入れないと前に進めない罰があった。罪を犯した彼には真っ当な罰だった。彼には施設で共に育った妻(萩原みのり)がいた。彼女はこれからも彼の清濁を飲み込んで共に生きていくのだろう。きっと。
二人のボクサーは運命の糸で結ばれていた。終わらせるための、けじめをつけるためのファイトだった。清々しいファイトだった。
これもひとつの通過点だと思わせる第二章。
そう、彼らの『これから』を思った。
いや〜、傑作だったなぁ。『海辺の映画館』と『本気のしるし』の一騎討ちと思っていた今年のベストワンだが、ここにきて予期せぬ本命が登場した感じ。
行かないなら行くしかない
前後セットで観てしまいました
這いつくばる惨めさと力強さ
後編は一転!テンポもよく面白い!
【理由、決着】
後編は、龍太のボクシングを始めた理由や、過去が明らかになる。
そして、
晃と太郎と佳子。
明美の子供との交流。
明美の過去と虐待。
木田の大胆な行動と運命。
更に、龍太の事件と、最後の試合へのモチベーションが、交錯して、晃を運命の試合に駆り立てて行く。
引退を強く勧めていた会長やジムも徐々に一体となって行く様は、どこかスポ根ふうでもある。
試合の結果は、映画の通りだ。
決着はついた。
しかし、それは、その試合の決着ということだ。
前編の宮木を含めた、晃と龍太の三者三様の人生の決着ではない。
それは、エンドロールでも明らかだ。
宮木は別の道を歩み、龍太も自分と同じような境遇の子供達と交流を重ねている。
そして、晃はきっとボクシングを続けている。
だが、世界チャンピオンになれるとは考えていないだろう。
僕は、途中でトカイが晃に投げかける言葉がキーではないかと思う。
「お前が羨ましい。噛ませ犬と言われながらも、ボクシングを続けて、ボクシングが本当に好きなんだと思っていた」
子供、家族、仲間、金など、闘う理由はあったとは思う。
ただ、僕は、晃はボクシングが好きなのだと気がついたのではないかと思う。
前編の最初に、ハングリーとは異なるテーマがあるのではないかと書いたが、映画を見終わって、大きな意味で、今は、テーマはハングリーかもしれないと思っている。
ただ、それは、貧乏から抜け出したいという従来のものとは異なる、何か目標を定めて、それを追求したり、好きという理由で、それを黙々と続ける姿勢という意味でのハングリーだ。
それは、晃だけではなく、宮木や、その運命を受け入れた龍太も同じだ。
運命を受け入れることも強さだ。
それは、この3人だけではなく、他の人達、僕達にも同じことだ。
とかく近視眼的になりがちなテーマを、複数の視点から、理由や選択は一様ではないとの示唆も与える秀作だと思う。
往生際
前編から数ヵ月後、引退を決めたと言う晃と、過去に何やら持っている龍太の再起の話。
因みに瞬のストーリーはございません。
前編で宿題になっていた明美との話と、何故か木田の話まで湧いて出てくる序盤戦。
まあ、一応話はまとめたけれど、これ必要でしたかね?まあ、それだけ晃は底辺にいましたよってことですかね。
龍太の過去と、彼の晃に対する思いとかは単純ながら良い感だし、彼の闇とそこからの展開も良いのだけど、その人物との繫がりとかは狭過ぎませんか?
ボクシングの出来としてはガバガバだけど、それは仕方ないので目を瞑るとて、ドラマとして は非常に熱く、どういう結果になるのかと展開にも息を飲む。
引導を渡しあう二人の漢の友情の闘いが、とても素晴らしかったし、結果にも大満足。
非常に面白かった。
ちょっと含みを残した、というか曖昧にしたラストも、何か期待出来ちゃう感じだけれど、これでお終いで良いからね。
まあ、もし続編あったら間違いなく観ちゃうだろうけどw
ボクシングシーンのみ、必見!
TIFFにて前後編一気観です。感想まとめて。
ボクシングの試合シーン、練習シーン、とってもとっても良いです!
痛い!キツい!熱い!辛い!疲れる!
でも、でもっ!前に出る!放つ!立つ!
立ち上がる!
全部、ぜーんぶ入ってます。
選手はもちろん、セコンドも闘ってることがわかる!素晴らしい。
さらにラウンド間インターバルのコーナーでのやりとりもしっかり
描いているので、試合そのものにストーリーが生まれているんです。
さらにさらに、よくあるダイジェスト風のラウンド展開ではないから、
1試合を観戦した気分になります。
演者もすばらしいですが、この見せ方にした監督に拍手。
さて、前後編ある大作なんですが、残念な
ところも多数。ほんとに残念なんだよな。
期待外れだったから長くなります。あしからずです。
這い上がりストーリーなんだけど、末永の
気持ちにスイッチが入る理由、ぼんやりしてません?
よくあるやり方だけど、実はこーだったん
ですよ、、、みたいな後出しジャンケン理由をセリフで説明、
前振り回収するための、一気にあの頃を思い出させる周辺の方々の行動と言動。
なんだかなー感が溢れちゃって、、、。
冷めるんですよ。気持ち。
申し訳ないが、先読めました、あの人が
呟くんでしょ?あれを、、、あの人もなんか、、、するんでしょ?みたいに。
なんか、ロッキー動機付けの豪華版みたいな(笑)感じだった。
多いからインパクト弱いです。
さらに、一般的な生活者の比較対象となる人を沢山用意することで
わかりやすく動機付けさせる感じ、、、
安易なんだよな。安っぽいんだよな。
結果、ストーリーや人物の心情描写が薄い、薄っぺらい。
重いエピソード並べれば、
アンダーグラウンドな世界を描けば
人間のどん底を描けると思ってないかい?
重厚になると思ってないかい?
違うんじゃないかなー?
末永を動かしたのは、最後の試合の終盤、インターバルでの
会長との会話での発言とあの表情を作った気持ちだと思うのです。
(カッコ良かった。痺れた。心の中でイェーーー!って叫んでました。)
その気持ちに気がついたんじゃないの?
気づく何かがあったんじゃないのかな?
また、腹を決めた何かがあったんじゃない?
自分の気持ちに素直になれたから、
自分の今いる位置を認識して受け入れたからこそ
這い上がり開始のゴングが鳴ったんじゃないのー?
本当の根っこの気持ちが伝わらねーんです。画面から。残念ながら。
また、エピソードが散らばりすぎていて
さらに、それぞれが食い散らかされてる
から、心情的な回収が出来てない。
話の展開に必要な都合の良いエピソードが
陳列され、安易に繋がれて、良いように感動ポルノ的に使われてるだけ。
この作品がもたらすカタルシスは試合にあり、、、です。
そこで最高潮を迎えさせることが心情の部分でできてない。
ボクシングって気持ちでやるスポーツだからねっ!
故に心情が乗ってこないとしらけちゃうんです。
子供や家族を絡ませりゃ良いと思ってるーじゃ?
安っぽくなっちゃうんだよな。話がさ、気持ちがさ。
そもそも、これ前後編にする
必要なかったんじゃない?かな?
もっともっとブラッシュアップできたんじゃないかな?
冗長な感じが否めない。
せっかく宮木戦熱かったのにさ、後編に宮木戦の余韻が
何にもないもんな、感じないもんな。
前後編にしよう!って決めがあって作った感じがする。
それと、無意味なsexシーンが多すぎる。
意味ある?そんなに描く必要。
意味が見当たらない。なーんか、
描くことがリアリティだと思ってない?
マジで、マジで、ほんとーにこの作品期待していたから、
落胆が半端ない。もちろん泣くわけがない。絵に描いたような
「さぁ、感動しなさい」的な物語じゃね。
あー書き足りない。
悔しい、この作品。
物語としては2点以下だけど、ボクシングシーンはリスペクトで、この評点です。
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