劇場公開日 2021年6月18日

「徹夜で描いた2枚のサンタクロース画」ザ・ファブル 殺さない殺し屋 フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

徹夜で描いた2枚のサンタクロース画

2021年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

猫舌の男が車椅子の娘を歩かせる話

前作がなかなか面白かったのでちょっと期待して鑑賞

主演の岡田准一のアクションが凄い、冒頭のカースタントから終盤の団地の戦闘、なかなか見ごたえがありました。
予告編で見てはいたけれどスゲーことしてるな~とは思った。

「るろうに剣心」シリーズも殺陣とかすごかったけれどジャンルは違えど「ファブル」も負けてませんでしたね。両作品とも切ったり刺したり、多めなんで苦手な人はキツイかもですが。

しっかし昨今の邦画アクションって本当にレベル上がってるんですね。
アジアのアクション映画界でも邦画は格下ってイメージでしたが現代戦闘でもなかなか魅せてくれます。

アクションはよかったけれどストーリーは普通でしたね、半分ギャグってのもありますし、主人公が無敵なんで緊張感は少なめでした。
前作はファブルってどんな人間か、殺さない殺し屋とはなにか、が丁寧に説明されてたし所属組織もなんとなく説明あって世界観がわかりやすかった。
一方本作は極力説明を省いてるので、初見もしくは前作の設定忘れてる人にはちょっと不親切だったかな。
少々強引な展開もあるのでストーリーよりアクションを楽しむのが正解かも。
職場のシーンはお笑い多めで楽しかったけれど、橋本マナミと佐藤次郎の存在は薄めでしたね、一応ヒロインのはずなのに…
今作は平手友梨奈がメインヒロインだから仕方ないのかもですが、レギュラーの扱いもっと大切にしてほしかったですね。
ファブルシリーズがこれからもあるとすれば、毎回ゲストヒロインみたいなのが出てくる「寅さん」みたいな感じになるのかも。

平手の演技に問題は無かったけれど、出番が多い割には同情したくなるようなキャラでもないし、最後の展開もストーリー追ってれば当然のような着地なのでキャラとしては弱かった。
彼女は陰のある表情、何かをあきらめた顔を常にしてるので役にはピッタリだったけれど、笑顔が出たとしても逆に不自然なんだよなぁ。

今回の敵、堤真一と安藤政信もはっきりいってあんまり強そうには見えない。(演技はいい)
ファブルが強すぎるので仕方ないけれど、強敵感がない。
いくら綿密な作戦たてても勝てる気がしないわ。

どこから連れてきたのか子分と言うか殺し屋集団も大量に出てくるけれど、彼らは誰だったの?
金で雇ったのか?堤の組織の人だったのか?
多分ファブルを倒したいその手の家業の人達に声をかけて集めただろうけれども、唐突すぎて困惑してしまった。
仲間を招集するなり依頼するなり、員数集めるシーンをいれてくれればすんなり納得できたけれど、いや誰こいつら?ってなったのがちょっと不満ですね。

団地決戦ではやったら雰囲気ある強めのお兄さんが出てきたり、入れ墨マシンガン男とかちょくちょくいいキャラが出てたので雑魚戦とはいえ見ごたえありましたね。
足場を利用した縦の戦い、室内戦、バトルフィールドが広いのはいいですね、あっちもこっちこ敵だらけ、倒しても逃げても湧いてくる。
ジョン・ウィックみたいに次から次に殺し屋が襲ってくるのはいい感じでした。

その他好きなシーン
宮川大輔のジャッカルが出てくるシーンは毎回笑えた、「手とおっぱいの何が違うん?」は名言かもしれない(笑)

木村文乃が6秒で倒すと宣言するシーン、不利な状況でどの様に倒すのかわくわくしたし実際に倒す動きはカッコよかった。
「イコライザー」のオマージュ感ありありでしたけどね。

岡田准一が一人で敵陣に乗り込む時に木村が「私も行く」と言った後の「あ、足手まとい」の流れも笑えたな~。
この状況で足手まといって言えちゃうファブル好きです。

なんやかんや不満もあったけれど全体的に面白かった。
アクション映画ファンなら見て損はない作品ではないだろうか。

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劇中セリフより

「薬も多すぎれば毒になる」

甘やかされすぎると本人にも自分の為にならない。
心地よい環境は進化、進歩を促さない。

フリント