犬部!のレビュー・感想・評価
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動物好きは見てほしい
タイトル通り、犬がてんこ盛り。ネコもかわいい。主役は林遣都くん。ともすれば熱意の塊でお腹いっぱいになりそうだが、淡々としてうるさくない。そのおかげで思い切り動物達の表情に心を寄せることができた。生きるために必死な姿や、本当に演技かと思うようなワンニャンには号泣。生き物を飼ったことのある人ならその子達を思い浮かべるだろう。動物達を見ているだけで、命の素晴らしさや動物に救われている自分に気づくと思う。それでいて信念を貫くためには努力をいとわない主人公の姿、命を思う気持ちの強さがずっしり心に残る。林くん、さすがです。相棒役の中川くんの純粋でまっすぐな瞳も印象的だった。思うことが多すぎて一回では消化しきれない。それだけ心に訴える素晴らしい作品なのだが、おかげで一回見ただけでは済まなそうなのでその分★マイナス。
観ると犬、猫、動物に、より優しくなれます。
自分自身、飼ってた犬には、 人生で数え切れないくらい心を救われてます。 ここ映画みてると、 当時の思い出を思い出しちゃって、泣き、 動物を思う人たちの健診な姿に、泣き、 愛くるしい動物たちの姿に、泣き、 見終わった後には より一層、動物、生き物を大切にしよう。 感謝しよう! そんな気持ちにさせてくれる作品です。
犬とイケメン!観るしかないでしょ、
という動機でも構わないので、多くの人に観て欲しいです。 獣医学生の花井颯太(林遣都)が、不幸なペットを無くすと決心して、仲間とともに「犬部」を立ち上げたいきさつと、16年後の現実を描いています。 かわいくてお利口な犬たちと猫、愛すべき犬バカ達の姿にほっこりします。 犬も俳優も演技は良いんですが、獣医になった颯太先生が最初のうち、ちょっと横柄に見えて、月日がたって人が変わったのかと勘違いしました。これは林さんが、モデルになった獣医さんを観察しているうちに話し方が似てしまったという事らしいです。たぶんご本人は気さくな方なのでしょうが、好青年の林さんが真似をすると私には横柄に見えてしまいました(笑) 構成はちょっと凝っていて、過去と現在を何度も行き来するんですが、もっとシンプルでも良かったと思います。子供や、後の事をよく考えずに安易にペットを飼おうとする人にも分かりやすいようにです。 私は動物の番組が好きなんですが、数年前に観た、ある動物愛護センターを取り上げた番組が印象的でした。職員Aさんが働き始めた当初、そこは不潔で蒸し暑く、蚊が多くて劣悪な環境でした。犬がかわいそうで蚊取り線香を置くと、最初は「どうせ殺処分になるのに」と言っていた同僚も理解してくれ、その後扇風機も置くようになったと記憶しています。 でも処分数は多く、ある時は年を取って歩けなくなった大型犬が来ました。殺処分までの数日間、一つずつ壁が動いて犬はガス室へと追い立てられるのですが、その犬は歩けないのでAさんが抱きかかえて移動させます。最初のうち抵抗しようともがいていた犬も、最後はもがく力がありませんでした。 また、家族旅行に行くために子猫を持ち込んだ家族が居ました。母親は子供たちに「今までありがとう、ってさよならしなさい」と言い、「子供たちが優しさを学べたから、飼って良かったと思います」と言い訳をしました。 Aさんは、「辛いけど、犬が好きだから辞めない」と話していました。あれから動物たちの環境が改善されていればいいのですが。 私は、あの時無邪気に猫にバイバイをしていた子供たちに、この映画を観て欲しいんです。
犬って演技ができるのね…
犬猫ちゃんたちの状態に合わせて脚本書いたんだろうか?と思うくらい、俳優を凌ぐような動物たちの表情や動きに驚愕。 怯えるニコ エルサをなでるハナコ 名演技でした。 どの世界でも、ルールに抗い現実に変化を起こす人は、受ける制裁や逆風を補って余りある「好き」があるんですね。そうした逆風に立ち向かうほどの情熱を持ち続ける強さもあれば、柴崎くんのように、正面から受け止めて苦しみながらも、また立ち向かう優しい強さもある。「やり方は違っても」ですね。 実話ベースとのことですが、とても勇気をもらえるいい映画でした。 社会問題を啓蒙するのに、エンタメの力は絶大。少しずつ状況は改善していると思いますが、この映画により更に改善が進むといいなと思います。
縁
自分自身、動物は大好きです。ただ、飼うことにはどうしても抵抗を覚えてしまう人間です。過去に愛犬を亡くしたことがあり、その一件以降、動物の死というものが怖くなり、動画やペットショップで見るだけになっていました。 そんな中、放映された今作。客入りは高年齢層が多めでした。 動物好きとして、とても刺さる映画でした。身勝手に動物を殺すということを許さない主人公が、とても真っ直ぐで理想形にも思えてしまいますが、実際このような方が沢山いたら、殺処分の世界は大きく変わるんだろうなと思いました。 ひたすらに犬を愛する主人公の葛藤がメインで描かれるのですが、嫌味もなくテンポ良く進んでいき、時系列もシャッフルされていますが、そこまで混乱する事はありませんでした。 ほっこりしながらも、シビアな現実も突きつけられる異色の作品でした。作品のバックボーンを知ってしまうと、なんとも言えない部分がありますが… 鑑賞日 7/26 鑑賞時間 13:05〜15:10 座席 F-9
ロングラン上映を希望します!
多くの人に観ていただきたい映画だと思った。多くの人が観て動かされることで、動物たちに明るい未来が来ることを願います。現実はそう簡単ではないでしょうが、一人一人ができることを少しでもやってみようかと思わせてくれる映画でした。林遣都さんをはじめ俳優さんたちの演技が素晴らしかったです。
清々しく素晴らしい作品
林遣都さんを目当てとして鑑賞したのですが、とんでもなく泣かされました。 脚本の方が動物愛護をテーマとするとパッシングにあう、その覚悟はあるか?と問い、あると応えたプロデューサー。でも、その、テーマを散りばめられてはいるものの、重過ぎなくするすると頭に入る。それは、考えすぎず、動物が好きなんだもん、当たり前じゃん?と、真っ直ぐ生きる人間がいるから、清々しい。 観ている側も、気負わなくていい、出来る事をやればいい、と思えるから。 最後の林遣都さんなら眼差しが最高です。 こちらも背筋が伸びるというか、凛として、真っ直ぐ。気負っている訳じゃない。 動物に対して気負わなくていい。 可愛いから大切にするだけ、寄付しなきゃいけないんじゃない。したいと思えばすればいいだけ。なんだ、やれることあるじゃん、と何故か泣きながら思った。 気負わなくなったら、何故か飼っているウサギがさらに可愛く見えて話しかけてまくりです。 大変な世の中だからこそ観て欲しい。 清々しい気持ちになれますよ!
ペットを飼っていなくても子供も見た方がいい良作
「生きているものは全部助ける」 「一匹も殺したくない」 という信念を、学生時代は犬部というサークルを通して、卒業して獣医になってからも貫き通し、成長していく実話をベースにした物語。 動物の可愛いシーンだけでなく、目をつぶりがちな現実問題が全編通して出てくるが、辛いシーンは見せない。視聴側の想像にゆだねられる。 笑いがおきる場面も何ヵ所かあり、反対に涙がこぼれる場面もある。泣けと押し付けられるような演出はないが、自然と涙が流れてしまう。 学生時代と獣医になってからの二回、主人公が親友から同じ言葉をかけられるが、その反応の違いで主人公が成長したことがわかるし、ラストの表情が簡単ではない未来へ立ち向かっていく決意など全てを表していて秀逸だった。 悲惨さだけでなく少しずつでも世界は変えられるという希望も感じることができるので、ペットを飼っている人はもちろん、そうでない人も大人も子供も、現実を知り意識を変えていくきっかけとなりそうな作品。ぜひ見て欲しい。
ワンちゃんネコちゃん、いてくれてありがとう
動物ものの映画で、よく動物が演技しているテイで物語が進行することがありますが、これはそのような映画ではありません 飼い主を信頼している・懐いている動物なら、こんな動作をすることがあるだろうな、という自然な動作をしているんです! 映画という枠の中で、そのような「自然」な動きを撮影するのは至難の業でしょう 動物とそうした関係性を作った役者やスタッフの方たちには苦労があったでしょう でも観る時にはそんなことを考えず、楽しんで観られます 林遣都さんが演じる主人公は三度の飯より犬が好きな熱血一直線の獣医師で、冷静で周りをよく見る中川大志さん演じる獣医師(動物愛護センター勤務)とは一度は道を分かつけれど、しばらくぶりに出会って、そして…と人間のドラマも展開します 「犬部」の部員は、動物が自分を癒してくれたり助けてくれたりすることを知っているので、犬や猫の命を守ろうとします でも身勝手な人間は、自分勝手にペットを捨てたり、子供を産ませすぎて手に負えなくなったりするんです 見終わった後、そんな人間の傍にペットとしていてくれてありがとう、とワンちゃんネコちゃんたちに感謝したくなる映画です
【犬を飼うということ。動物を飼うということ。】
松島花さんというモデルさんがいて、自身のインスタグラムに、自分の身の回りのことや、自身の写真のほか、保護犬や、殺処分になりそうな犬の貰い手への呼びかけなどを頻繁に投稿している。 僕は、30年近く犬を飼っていた経験があるので、それを好意的に見ているのだが、”見ていて不愉快だから載せるな”とか、”自分自身のことに限定しろ”という、ややもすれば、攻撃的な書き込みをするフォロワーが相当数いると聞いて、どうしようもない輩というのは、何処にでもいるもんだなと暗澹たる気持ちになった。 この映画の花井の動物病院に嫌がらせのメールを送りつけたり、張り紙するようなやつも、同じだろう。 まあ、松島花さんは美人だし、知的だし、それだけ見ていたいという人がいてもおかしくないが、彼女から感じられる知性や理性は、そうした動物に対する優しさや責任感からも生まれているのだと理解できないのだろうか。 動物を飼うというのは、幸せを感じると同時に、難儀なことも多々ある。 僕が30年近く犬を飼っていたなかでは、東大農学部の獣医学課程で、年に数例あるかないかという病気で犬を亡くしたことがある。 一方、ペアで飼っていた犬に仔犬が4匹生まれて、僕が全部取り上げたこともあった。 最後に出てきた仔は、息をしてなくて、鼻から羊水を取るために、口で吸って助かった。 仔犬の誕生は、喜びの瞬間だ。 4匹のうち3匹は、友人や知り合いに引き取られて、病気などあったものの、皆、それなりに長生きしたと聞いている。 この仔犬達の母犬は、本当に子育てをしっかりしていて、授乳から排泄の多まで丁寧にやっていた。 老犬になりかけたころ、大きな癲癇症状がでて、晩年は寝たきりで、人間でいうと80歳くらいまで生きたが、毎日のお世話は確かに大変だっだ。 ある日、僕が帰宅するのを待っていたかのように、静かに息を引き取った。 父犬は、人間でいったら90歳くらいまで生きた。 シュッとした表情で、大人しい性格は、いろんな人に人気だった。 亡くなる数日前にご飯を突然食べなくなった。 なんとなく、”その”時期が来たのかなと思って、かかりつけの獣医師のところに連れて行ったりしたが、2日後の朝、僕の横で静かに息を引き取った。 亡くなったことを、その獣医師に連絡したところ、仔犬の頃からずっと診てきたので、最後に会えて本当に良かった、ありがとうございますと言ってもらえて、なんか涙が止まらなかった。 生まれた4匹のうち、手元に残した一匹は、ずっと両親と一緒だったせいか、おっとりした性格で、それが表情に出るせいか、子供に好かれる仔だった。 本人は迷惑そうだったが、いろんな人に抱っこされたり、撫でられたりしていた。 この仔は、ガンが再発して亡くなった。 結構な年齢にもなっていたのだが、最後に僕の腕に力を振り絞って飛び込んできて、僕の腕のなかで本当に眠りにつくように静かに息を引き取った。 すごく穏やかな表情で、荼毘にふす時に、皆から眠っているようですねと言われた。 最初に紹介した珍しい病気で亡くなった犬は、ちょっと壮絶だった。 危ないと言われた夜、動物病院の駐車場に車を止め待機していたところ、携帯電話が鳴った。 危篤状態で、心臓マッサージなどしていたが、心拍がどんどん弱くなっていった。 その仔の名前を呼ぶと、心拍が戻るのだが、それを繰り返しているうちに、もう一生懸命頑張ったんだと気が付いて、先生に、涙ながらに、もう結構ですと伝えた。 背中を撫でられながら息を引き取った。 その後しばらく、精神的に立ち直れなかった。一生懸命生きようとしてくれたことを思い出すと、今でも涙が溢れる。 動物を飼うことは、餌代だけじゃなく、定期的に病気のチェックや予防接種も必要で、結構お金もかかるし、継続して面倒をみる責任感とか、病気をしたり、老犬になった時の実際のお世話なども大変だ。 ただ、こうした事を経験して、仔犬の時の可愛さとは異なる、長い時間を共にした愛情が膨らむのだ。 それを感じられるようになったら、本当の意味で、動物を飼うことは幸せなことだと気がつくのだと思う。 そして、それはかけがえのない思い出になるはずだ。 写真や動画も良いけれども、抱っこした時の柔らかさや、顔を近づけた時に感じる甘い匂い、臭かったオナラ、脳裏に焼きついたありとあらゆる表情なども思い出になるのだ。 六郎の死に向き合えなかったことは後悔だろう。 でも、エルモにずっと付き添って欲しい。 そんなふうに、思わせる作品だ。 松島花さんの個人的な活動も応援している。
こういう映画!必要かも
コロナ禍の中、ペットブームらしい。多頭飼育や虐待のニュースをよく耳にするこの頃。動物の命に真っ直ぐに向き合う若き獣医師の話。本当に観て良かった。花井(林遣都)は一匹も殺さない道を突き進むが、柴崎(中川大志)は殺処分を行う保健所への道へ進む。犬部の他のメンバーも社会人になりそれぞれの道を生きているが、花井がきっかけで再結成していく。皆んな志しは一緒だったし忘れてなかった。花井の芯の強さを演じた林遣都がこの映画を引っ張っていて、中川大志が穏やかな演技でまとめていました。大原櫻子さんの明るく天然っぽい演技も良かったです。(主題歌に使って欲しかったな)犬達、猫達も良い演技してましたよ❗️
意義のある作品
人と動物の信頼関係が滲み出た良い映像ですね。犬部の仲間同士もボランティアの方や動物病院のスタッフの方との絡みも見ていて本当にホッとさせられます。役者さんワンちゃん猫ちゃんフクロウくん全て良い表情でドキュメンタリーを見ている様でした。 主人公は、周りから見るとちょっとクセが強い変わり者に見えますが本人にしてみれば全く当たり前のことを当たり前にしてるだけ。ただただ動物を死なせたくないために焦ったりやり方を間違えたり、とても人間臭い人物です。それを林遣都さんはかなりリアルに演じていました。 中川大志さんは主張しないタイプの役どころのためセリフも多くない中大きな存在感でそこに居ました。 お二人とも素晴らしい演技でした。 実話をベースにしたこの作品では実際に行動した人の小さな歩みを広く知らしめる大きな役割を果たしたと思います。動物愛護に関しては様々な意見がありますが、この作品を観てその意見や抱いた思いを交わし合うことに意義を感じます。
たくさんの人に届いてほしい!
この映画は犬・猫の可愛い部分も詰め込まれていますが、動物保護というあまり目を向けられていないところにもしっかりスポットライトが当てられている作品です。 林遣都さんが演じる主人公の動物への真っ直ぐな思いが見ていてとても伝わってくるものでした。 この映画を見て少しでも保護犬・保護猫の現状を知って欲しいと思いましたし、大人・子ども関係なく見てほしいと思う作品だと思います。見た後には絶対何か心に響くものが生まれると思います!後悔しない作品です!
多くの人にこの愛が届いてほしい
青春犬ラブムービーでありながら、日本の動物愛護の状況をリアルに描いた作品。 このバランスが素晴らしく、お涙頂戴でも、暗いだけでも、ただの若者群像劇でもなく、非常に見ていて清々しい気持ちなりました。 動物が好きな人普段から関心ある人だけでなく、それこそ学校の社会の授業とかで今後普及して欲しいと感じました。 何より動物たちの表情が印象的にです。 頑張って演じているというように全く見えず、本当に飼い主と 特に花子はもはや花井先生のパートナーであり、妻のような寄り添いっぷりでただただ感動します。 林遣都さん演じる花井颯太が少年ジャンプのような主人公で、人とのコミュニケーションは決して器用ではないですが、全てが動物への愛に満ちあふれていて。。。終わった瞬間また会いたくなりました。 特に最後の表情が忘れられず、ずっと脳裏を離れません。 また、中川大志さんの優しくて真面目な好青年役もマッチしていて、お二人の友情、関係性もリアルでした。 TV等でのCMもあまり見かけないですが、もっと多くの人に広がりますように。
日本映画の明るい未来
若い役者を信じて撮られた映画。林くんの最後までナチュラルな演技は流石の技だし、中川くん、浅香くんもすごくいい。テーマとなっている動物愛護の問題は重いのですが、犬部創立までの青春模様がすごく爽やかに描かれているので、嫌な気持ちになりません。 脇を固めるベテラン陣も安定感抜群だし、とにかくキャスティングが素晴らしい。 後輩役に変にアイドルとか連れてこないところも好感持てるし、この俳優メンバーだから出せる空気感みたいなものが、押し付けがましくなくて、とても心地よい映画でした。 ストーリーの単調さや社会的問題の重さも相まって、おそらく興業収入としては奮わないと思いますが、こういう映画がもっと上映されるべきだし、子供達も見るべき。
動物愛護を考えるきっかけになる
鑑賞後に違和感が残る。ずっと何かおかしいと思いながら観ていた。それは主人公の偽善なのか、それとも勘違いなのか。 動物愛護は意外に難しい問題を孕んでいる。少なくとも当方はそう考えている。まず愛護動物の定義が難しい。 当方が学んだ範囲内では、動物というのは分類学上の動物界に属する生物のことで、動物界の下の階層には門があり、背骨のある動物が属する脊椎動物門と背骨のない無脊椎動物門に分かれる。一般に動物と呼ばれるのは脊椎動物門に属する生物である。動物を飼うといったときにイメージされるのは犬や猫、それから鳥、それにせいぜい魚くらいだ。無脊椎動物門の節足動物に属する昆虫を飼う行為は、動物を飼うではなく、虫を飼うといわれる。珊瑚のようにそもそも飼うことが不可能な動物もたくさんある。 動物愛護における愛護動物は、犬や猫などのいわゆる愛玩動物である。日本の動物愛護法では人に飼われている哺乳類、鳥類、爬虫類ということになっている。犬や猫や馬や牛などは飼われていなくても愛護動物と規定されている。 では魚はどうなのか。アロワナを飼っている知人は、アロワナも十分可愛いので愛護動物とされるべきだと主張している。可愛いから愛護、つまり保護の対象とされるべきだという文脈は、人間にとって肯定的な印象で語られる動物が保護されるべきだということになる。珊瑚が保護されるべきだと言われているのは、それが人にとって美しいという印象で語られるからだ。 可愛いとか美しいとかいう対象は、人によって異なる。昆虫を可愛いという人もいるし、中にはゴキブリを美しいという人もいる。アロワナが可愛いという主張も含め、それらを否定する根拠は、ほぼない。アロワナを飼育して精神の安定が得られるなら、その行為は肯定されるべきだ。かくして愛護の範囲は広がっていく。 動物愛護を語る際に引き合いに出されるのが肉食である。人間は牛や馬や豚や鳥を殺して食べる。魚やイカやタコやウニも殺して食べる。犬やハクビシンを食べる国もあるし、昆虫を食べる人もいる。人間は結構なんでも食べるのだ。ただ、動物愛護を主張するなら、愛護動物である牛や馬や豚や鳥を殺して食べるのはおかしいだろうという主張がある。 論理的に言えば、動物を飼うことでオキシトシンを分泌させて精神的な安定を得る行為と、動物を殺して食べる行為は、人間の利益のためという点でまったく同じ行為であって、少しも矛盾するところはない。犬や猫を飼っている人がステーキを食べても何の問題もないのだ。もちろん豚を飼っている人が生姜焼きを食べても何の問題もない。 動物愛護法では愛護動物をみだりに殺したり傷つけたりしてはいけないとなっていて「みだりに」というところが大事なのだ。人間の用に益する場合は「みだりに」に当たらない。野良犬や野良猫となって人間に害する場合、本来の愛護動物であるはずの犬や猫は害獣となり、駆除の対象となる。飼い主のない犬や猫は野良になる前に殺処分して人間の害を予防する。保健所は「みだりに」動物を殺すわけではない。 逆の言い方をすれば、人間の利益だけが判断基準であって、動物側の都合は一切考慮されない。人間の都合を主な原因として絶滅する生物は毎年数万種にのぼる。地球にヒトが登場して文明を発達させて食物連鎖の頂点に立った以上、ヒト以外の生物が不利を受けるのはある意味自然なことである。 本作品の登場人物の多くが、動物を飼うことと動物愛護を混同している。たしかに「可愛い」と「可哀相」は情緒的には対象が同じである。「可愛い」猫が殺されれば「可哀相」となる。ゴキブリを「可愛い」と思う人は、ゴキブリが殺されれば「可哀相」と思うだろう。 つまり現在の動物愛護は科学や論理に基づいている訳ではなく、多数派の情緒に基づいているのだ。ゴキブリを「可愛い」と思う人が過半数に達すれば、ゴキブリは愛護動物となって「みだりに」殺したり傷つけたりしてはならないとなるだろう。 人間は自分の利益のために犬や猫を飼う。対して動物愛護は「みだりに」殺されたり傷つけられたりする動物が「可哀相」という観点から、動物の不利益を予防するものである。まったく異なるこのふたつの行為が「可愛い」と「可哀相」の情緒の対象の一致から、同じ行為として混同されている。 犬や猫に不妊手術を施すことは、人間に飼われない動物が殺処分されるのを防ぐためであるが、それは人間の都合であって、動物にとって生殖機能を奪われるのは明らかに不利益なことだ。つまり動物の不妊手術は、動物愛護と真っ向から対立する行為なのである。人口が多すぎるからといって人間の子供に不妊手術を施したら、それは人権侵害であり、犯罪となるだろう。犬や猫も不妊手術なんかされたくないのだ。大人の人間が自ら望んで不妊手術をするのはまた別の話である。 林遣都くんも中川大志くんも、とても上手に演技をしていて、その点は高く評価するが、主人公の頑張りに感動するより前に、自己撞着に対する鈍感さが目に余るから、鑑賞後にとてつもない不快感が残る。今回はその不快感を当方なりに分析してみた。人それぞれに違う分析があると思う。動物愛護の問題はやはり難しい。考えるきっかけになると言えば、本作品にもそれなりの意義があると思う。
全国の愛犬家に見て欲しい
犬や猫をこよなく愛する動物バカの人にはとにかく刺さりまくる、だけれども観ていて辛い、そんな作品だった。 林遣都演じる主人公の颯太が友人や後輩の獣医学生らと共に、行き場のない犬や猫たちを保護するために犬部を結成するところから物語は始まる。ここまでは鑑賞前のイメージ通りだったのだが、経営が行き届かないペットショップや保健所で殺処分になってしまう動物達に為す術なく耐え難い現実にぶち当たってしまうシーンや、実習の為に何の罪もない動物の命を奪わなければいけないシーンなどは観ていて絶句してしまうくらいリアルで、そんな壁にぶつかってもなお一匹でも多くの命を救うために颯太達が努力していく姿はとても魅力的だった。 動物好きの人にとっては辛い場面も多々あるが、飼うなら責任を持てということ、犬や猫の命も人間と平等に扱うべきという強いメッセージを感じる素晴らしい作品だ。
良かった!
動物好きな私には良すぎる映画でした。 花子、太郎。可愛すぎでしょ。 林遣都さんが主役で良かったけど、メインキャストにいのっちさんもいて欲しかったなあ。 いのっちさん動物似合うから、絶対いいと思う。 犬好きそう! 猫好きだけど犬も可愛いって思えました。 特に花子。六郎も可愛かったなあ。 花子ちゃんお利口さんだね! 最後に一言 秋田さんのお嬢さんの猫どうなったんだ? 家族サービスの日に避妊手術のお手伝いして、猫はどうした?ฅ(・ω・)ฅにゃー💛
保護活動を通じて人間は成長する!
人類と犬、猫、動物とは常にお互いを高め合い、癒しあう関係だと思います。経済動物でさえもそうです。そして、ソウルメイトとしてその飼い主の元に動物たちは願って生まれてきます。林の熱いくらいの1匹も殺すことのない世界の創造を目指す気概は、とても立派だと思います。ただし、ここでは食されてしまう動物は、また違った使命を持っていますので触れてはいません。この映画は主として人間に寄り添うペットの話です。中川は途中で挫折しますが、再び保健センターの所長を目指し、殺処分の激減を目指します。この心意気だってすごいです。この映画では殺処分については極めてソフトに表現しているとは思いますが、入って一日目、二日目と場所を移動していきます。最後の日にはガス室に入ります。機械が動物たちを追い込んでいって、閉じ込められたガス室で息を引き取ります。今では注射のようですが、もし自分の愛するペットがそんなことになったら狂いそうでした。今では殺処分は老いたもの、病気のもので飼い主が手放したものがまだ処分されています。私は最後まで看取った人間ですが、絶対に許したくないことです。それでも、飼っていた保護犬の最後を看取ることができなかった後悔から、また15歳の保護犬を引き取る女性がいましたが、なんて素敵で心が美しいのだろうと感銘しました。ただただ、その犬の最後を穏やかに幸せに過ごしてもらうために引き取るのです。涙が出ます。そして、一番強く思ったことは、自分の愛するペットとの関わり方には正解はないということです。最善を尽くし、最善の一生を共にペットと送ることが、この世で一番清々しい生き方だということを、この映画から教えてもらいました。
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