AWAKEのレビュー・感想・評価
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自分の才能の限界を感じた人間が、形を変え、好きな仕事に関わって情熱...
自分の才能の限界を感じた人間が、形を変え、好きな仕事に関わって情熱を燃やし生きていく様を描いたストーリー
そうやって一生懸命生きる事で人間味も出てきたりと自分の周りの環境に置き換えて見ることができて非常に面白いなとかんじた!
マニアックな将棋映画
棋士養成機関である奨励会入りからおおよそ時系列で描かれていますので、将棋を知らない人でも中盤過ぎまでは入り込めますが、この映画のキモとなる部分は将棋愛好者じゃないと本質的な事はわからないんじゃないかと思えるマニアックな将棋映画。
この対局(棋士は阿久津主税、現在は八段)の事は以前にネット記事で知り小さな感動を覚えましたが時間の経過とともに忘れていました。(映画の中盤まで完全に忘れていました。)改めて触れ、考えさせられるものが大きいと感じました。対局のエピソード以外はオリジナルストーリーとのことですが、映画COMの概論を見るまで全て実話じゃないかと思っていたくらい背景は良くできています。
P.S. 終盤で記者の質問に対し両者を讃える発言をした棋士のモデルはクレジットに名前があった谷川浩司九段と推察、解説の振り飛車棋士のモデルは顔はぜんぜん違うが藤井猛九段だろうな。(阿久津・awake戦のニコファーレの実際の解説は森内俊之九段も)
難しい題材ですが、良作です。
将棋の話。実際にあったプロ棋士vsコンピュータ将棋の1戦を題材にしたフィクション。将棋ファンの中では有名な話らしい「阿久津主税8段 vs AWAKEのハメ手」がメインテーマ。
清田は奨励会(プロの予備軍ね)に所属するもプロを断念。大学でコンピュータ将棋に出会い、awakeを開発する。浅川は清田と同期。順調にプロになり若手の強豪と目される地位に登る。クライマックスは清田が開発したawakeと、強豪棋士になった浅川との対決です。
開発者の清田が主人公で、将棋を通しての人間的な成長や、浅川への対抗心が強く描かれる。一方で浅川側は本人あまり語らせない。その代わり観戦記者も元同期や、二人の奨励会時代の世話人の棋士が「浅川先生は、、、」と心情を察して語る。これは棋士をより高い位に見立て、コンピュータ将棋が挑戦する、という構図からの上手な設定ですね。
約ネバで実写を散々非難していますが、awakeなんて作品は実写じゃないと難しい。何せ、主役の二人ともセリフが殆どない。将棋中は話さない。おまけの清田は将棋の後はプログラミングなのでコレ話さない。細かい所作、クセ、表情変化で語るしかないんですね。吉沢亮、若葉竜也ともに上手な俳優さんですね。
静かに熱い青春
プロ棋士を諦めた青年が将棋の人工知能の研究にのめり込み、プロ棋士と対局するまでの強さを備えていく。
プロ棋士を目指している少年時代の話が結構長いから若干の違和感があったが、人工知能の研究だけではなくて奨励会での戦いや挫折したときの思いなんかを丁寧に描くには必要な長さだったのかもしれない。実際、奨励会の同期だったプロ棋士と、自分の開発した将棋プログラムの対局は思ったよりも短かった。実際そうだったんだろうし、そこをメインにはしない話にしようとしたのかもしれない。
静かに熱い青春物語でそれなりに面白かったが、もう少し熱い展開があっても良かった。よってあまり高い評価にはできなかった。ただ、ラストはいい。あのシーンが1番好きかもしれない。
何処かでイレギュラーな感じがしながらと、骨太で真っ直ぐな将棋映画です。
予告編を観てから、興味があった作品なので、タイミングが合ったので観賞しました。
観賞した「新宿武蔵野館」は超がついてもおかしくないぐらいの満員ぶり。
で、感想はと言うと、面白い!
緊迫感もあり、話がブレる事なく、ストレートに進んでいく。
それでいて、何処か爽快感もある作品です。
将棋棋士と言う職業は個人的には羽生善治棋士から始まって、最近では藤井聡太棋士の活躍に脚光が浴びている感じですが、日本の古典的な遊具でありながら、プロと言う職業があっても、正直どうやって金銭を稼いでいるかが割りと知られてない感じでまっこと謎な職業ですが、書道や相撲に通じる様な佇まいに威厳を感じます。
近年の棋士ブームに関わらず、以前よりプロを憧れる者は後をたたず、それでもプロになれる者はほんの僅かと狭き門には、知識を知らなくても、難しい職業だと思いますが、プロになれなかった者は山程居るんですよね。
「月下の棋士」や「ハチワンダイバー」と言った漫画や「泣き虫しょったんの奇跡」「八月のライオン」「聖の青春」と言った映画だったり、大阪の伝説の将棋棋士、坂田三吉をテーマに「王将」と言う歌があったりといろんな将棋に纏わる物がありますが、この作品はコンピュータと人間の対局を描いてますが本質は人と人、そして自分自身との戦いを描いているのでそういう意味では真っ直ぐな将棋作品です。
主人公の清田はプロ棋士になれなかった事からなかなか立ち直れなかったが、とある切っ掛けからコンピュータのAI将棋をプログラムする事に生き甲斐をみつけ、自らプログラムした「AWAKE」でプロ棋士で元同期だった浅川と対局すると言うのが大まかなあらすじ。
清田演じる吉沢亮さんや浅川役の若葉竜也さん、落合モトキさん、寛一郎と言った実力派若手俳優のキャスティングも良い。
個人的には磯野役の落合モトキさんが良い感じなんですよね♪
無敵の将棋プログラムAWAKEに絶対的な自信を持っていたが、とある打ち手をされるとハメ技の様なバグ的な要素が発生する訳ですが、既に提出されたプログラムの改良は認められず、その打ち筋は広く出回っている為、AWAKE=清田は絶体絶命になる。
ただ、プロとしての打ち筋ではない事から、浅川がその打ち筋をするかどうかで、浅川はハメ技の打ち筋をし、清田はその打ち筋に投了を宣言する。
様々なオチを考えてたので、このパターンにはちょっとビックリ。
でも、この解釈はプロとして浅川に恥をかかさないと清田の意図にも考えられたし、自身の発明したAWAKEがキチンと負ける姿を見たくなかったとも取れるけど、どちらかと言うと、対浅川との対局でプロのプライドをかなぐり捨てて、その手を選んだ浅川へのリスペクトと自身で過去に投了を発せられなかった清田の成長と取りました。
また、いずれコンピュータの進化は何時か人を凌駕する事を何処かで感じている清田のささやかな抵抗と考慮かなと思ったんですが、どうでしょうか?
どちらにしても、互いの全てを賭けて、静かに闘志を燃やした戦いはちょっと呆気なくも感じましたが、将棋の打ち合いに時間を掛けると物語のテンポが落ちるかと思うので、良い判断にも思います。
ラストが良いんですよね。将棋を遊戯として楽しむ事が出来ないプロ棋士と将棋に振り回された元棋士と言うしがらみを無しにしての良い締め方です。
難点があるとすると、テンポが良くてサクサク進む分、清田に比べて浅川の成長や苦悩と言った人間味の部分が少し薄いかな。
監督の山田篤宏さんはこの作品が商業作品デビューとの事ですが、かなり骨太な感じで直球に作品を撮られたのが物凄く印象深い。
また木下グループのキノフィルムズは最近意欲的かつ良い映画を連発してる感じ。
2015年のコンピュータと棋士との実在の対戦、電王戦をモチーフにしてますが、調べるとコンピュータを使った将棋の読み合いはもう半世紀以上前から行われているらしいんですが、コンピュータの性能は日進月歩な訳で、正直、人の読み合いの進化どころの騒ぎじゃあないんですよね。
そう考えるとコンピュータとの対戦なんて、分が無い感じですが、そこに挑む面白さが楽しめました♪
将棋の作品としては少しイレギュラーな感じがしながらも、作品としては真っ直ぐでどっしりと骨太な感じの良作ですので、未観の方で興味がありましたら、是非是非。
結構お勧めな作品です。
PS
今年はコロナの事もあり、4~5月はほぼ映画館は閉館し、その後もソーシャルディスタンスで席間隔を空けての営業。
ミニシアター系の映画館や制作会社もギリギリの状態。
また洋画の大作系も上映の延期や中止といろんな部分で向かい風が強かった訳ですが、作品としては良い物も多かったかなと思います。
個人的には2020年に劇場に足を運んで観賞した作品数は全部で110本。念願の100本超えと去年を16本も上回りました。
2本立て上映でない限り、基本的には映画館での観賞は1日1本と決めているので、ここまで行けるとはと言う感じです。
年明けからも観たい作品があるのですが、100本超えとかをそんなに気にせずに楽しんで観賞していきたいと思います。
皆様、良い映画ライフを♪
妹ちゃんはワカメちゃんなのかと期待しましたが
監督は納得できる展開というか自然な流れに仕上げる方針なのか、日本の役者さん特有の大袈裟な表現ともいい感じに相殺してくれて自分には丁度よい落としどころでした。
AWAKEのデバッグ文字が流れているであろうところにソースが表示されていたり、将棋ばかりして他はなにもできない筈なのにスプラッシュスクリーンがGUIと比べてやけにかっこいいのは必要悪ですね。
5年前設定なのにコマンド入力で駒を動かしたりFM7とかPC8801時代のUIデザインがコンピュータの取っつきにくさを表現しているというのが伝わりました。
ニコファーレも今は昔、シンギュラリティを迎えれば人類がコンピュータに支配されるなんていう都市伝説も最近聞かなくなりました。
世の中にいい意味でAIが浸透してきたということなんでしょう。
お父さんのことももっと知りたい
全般的にバランスの良い、誰でも楽しめる作品でした。
・奨励会から始まる将棋界で生き残ることの困難さ、生き残れなかった人たちのその後の人生についてリアリティを持って想像力を働かせることができる(今まで考えたことも無かったです)
・本人以外の人間にとっては、さして特別なライバル関係や意識する相手とも思えない関係性であっても、大きな決断や重要な岐路の選択のきっかけになり得る。
・ある種の崇高さ(この映画においては、勝負における潔さと相手へのリスペクト)の物差しは、世間の期待とは一致しないし、評価されることも少ない(だから何だというのか!)。
・人工知能と人間の関係について、押し付けがましい教訓や倫理観などを特段強調することもないので、ヒューマンドラマとして純粋に楽しめる。
蛇足という見方もあるようですが、ラストの空港でのシーン、私は好きです。
奨励会のメンター(導師⁈)的立場の人が言っていた、本来楽しむもの、という言葉をキチンと拾ってました。無邪気な少年の、負けたくないという気持ち、ちょっとは頼っちゃったけど、自分の力なんだよー、と言いたくなる意地。それを見て心和むおとな(普段は勝負師として緊張しっ放し)。
子どもを挟んで横並びに座ったベンチのふたり。
当たり前だけど、将棋はプロだけのものではないということが素直に伝わってくる、割と訴求力の強い〝絵〟になっていました。
元の話の強さ
冒頭に出る『電王戦の阿久津八段とAWAKE戦に着想を得て』を見た瞬間から、興味は「ハメ手を使うのか?」だけになるんだよね。
2015年の電王戦に出たAWAKEは、調整に不完全なところがあって、ある手順を指されると、角をただで相手にあげちゃうのが知られてたらしいの。ただ、全く道理に反した手だし、『そのバージョンのAWAKE』に特化して通用する手だったから、『プロがこの手を使うのは邪道だろう』みたいな見方もあったのね。
でも、阿久津八段はその手順をとり、角を取られることが確定した時点で開発者の人は半ばキレ気味で投了したんだよね。
『そんな邪道な手順を使うのは卑怯だ』っていう考えもあるだろうし、『勝つために最善手を選ぶのはプロとして当然』っていう考えもあるだろうし、悩ましいとこなんだよね。
この話を物語にするなら、普通は、『そんな邪道な手は使わん!』っていう選択肢にして、正々堂々と勝つか負けるかする話にすると思うの。「どうやって、その流れにもってくのかな」と観てたら、なんと、邪道な手を使って棋士を勝たせた。
ただソフト開発者と棋士に過去の因縁を持たせて、開発者は『強いと思ってもらえれば、それでいい』っていうモチベーションにしたのね。それで棋士が『強かったよ』って言って、なんだか良い話にするのがうまかったな。
細かなところでいうと、吉沢亮がプログラムを覚えるときに、落合モトキが『暗記してこい』って本を渡すんだよね。それで、吉沢亮がそれを黙々と読むんだけど、そんなことしないね。本に書かれてるプログラムを写経のようにひたすら打ち込むはず。
あと、AWAKEが考えるときに、プログラムリストが表示されるんだけど、それもないよね。評価値が表示されるなら解るんだけど。
それと、将棋サークルが居酒屋で将棋指してるシーンがあるんだけど、指すかな。居酒屋で。なんか無理があったな。
役者の使い方にも無理があったね。筧一郎の登場が唐突すぎるし、森矢カンナもそう。馬場ふみかに到っては「これ、誰かとバーターで出してって言われて、役作ったよね」って感じだったもん。
解説役や棋士役に役者さんを出してたけど、ここは棋士にカメオ出演してもらっても良かったね。感染対策とかあるから無理だったのかも知れないけど。
あとラストシーンでは、子供が若葉竜也と二枚落ちで指してるんだよね。タイトル挑戦者に二枚落ちで指せるって、相当強いよ。
細かなところでは、無理がいっぱいあるんだけど、元の話が強いから、それで、良い話になってたな。
将棋が分からなくとも楽しめます。
評価•評判は高いけど、2時間ものの将棋映画?寝る?寝るよね?と寝る予感しかありませんでした。いい意味で期待を裏切ってくれました。分からなくとも、対局の緊迫感が伝わってきて、のめり込めます。
将棋に挫折し、目標を失い、AI将棋ソフト開発にシフト。やっぱり将棋が好きなのね。バグとは言え、負けを認めるあたり成長を感じます。年末見納めの映画としては、いい一本で締められました。
触れた瞬間に灰になる
青白い炎ですら柔らかく感じる熱量を持った映画でした。素晴らしかった。
役者さんもさることながら、監督・脚本・編集をこなした山田篤宏さん。「ちば映画祭」で少しだけ存じ上げておりましたが、今後もヒリヒリした作品を期待したくなる仕上がりでございました。
後は「DENSO」の将棋マシーンね。どこまでも無機質な格好良さはあるのにどこか人間的な匂いを纏っている、素晴らしい存在感。それによって醸し出される電王戦の緊張感は、ビリビリと腹の底まで伝わってきます。そして、エンドロールまでの柔らかい流れ…。熟練の職人芸の様でした。
是非とも劇場でご覧下さいませ。
AI軍事利用の恐ろしい予感におののく
1997年にAIがチェスの世界チャンピオンに勝った。その当時は、将棋は奪った駒を使えてチェスより複雑だから、当分はAIが将棋で人間に勝つことはないだろうと言われていた。しかしそこから20年後の2017年にはAIのPonanzaが現役の名人に2番勝負で、先手でも後手でも勝った。この時点で決着が着いたと誰もが思った。つまり将棋では人間よりAIのほうが強いのだ。以後は将棋の解説にAIが登場して、藤井聡太八段の指した奇手が、実はAI評価の最も高い手と一致したなどと言っていることが多い。
あまり触れたくない話だが、将棋とAIのことを論ずるには、2016年の三浦弘行九段の事件を書かないのは片手落ちとなる。ざっくりと説明すると、ある対局の日に体調を崩していた三浦九段が度々席を外すのを、スマートフォンで将棋ソフトを見ているのではないかという嫌疑がかかり、出場停止の処分がくだされたというものである。その後は三浦九段の嫌疑が晴れて関係者が謝罪したらしい。この事件の肝は、2016年の段階で既にAIのほうが棋士より強いと将棋界全体が考えていたということである。でなければカンニングを疑われることはない。
さて本作品は青春群像の映画だが、AI将棋と人間の棋士との相克もあって、あまり爽やかな物語とはならなかった。そもそも大したストーリーはないし、人物像の掘り下げも人間関係の悩みもない。勝負だから弁慶の泣き所を攻撃するのは当然で、そこをやられたら諦めるしかないのも当然である。観ているうちに、本作品の人間模様よりもAIと人間社会の未来のほうが気になった。
今後は、暗算大会に電卓が参戦しないのと同じように、棋士はAIに勝てないということを認めた上で、人間同士の遊びとしての将棋をひとつの文化として継続していくことになる。偶然の要素が高い麻雀でさえもAIが人間を凌駕しつつあるが、麻雀にAIを参加させる必要はない。野球の試合で時速230キロのピッチングマシンを投手にしないのと同じことである。
AIの定義は難しいが、AI自身がアルゴリズムを作って進化させていくようなプログラムを持てば、将棋でも麻雀でも、放っておけばどこまでも強くなる。同じことは他の分野でも言える訳で、既に将棋だけでなくビジネスの分野にもAIは進出している。経理や労務など、手順が決まっていて、毎年改正される法律に従って変更が必要になる業務では、人間よりもAIのほうが向いている。
通信がいま以上に発達すれば役所もAI、企業もAIで、互いに通信しあって、すべての手続は電子的に自動的に行われるようになるだろう。年末調整も給与支払報告書の提出も確定申告も決算申告も一瞬で終わる。会社の経理や労務担当者は職を失うだろう。同時に税理士や公認会計士、社会保険労務士の仕事もなくなる。役人の数も大幅にカットされる。
何しろアルゴリズムを自分で作っていくわけだから、どんな分野にでも進出できる。金融や証券の分野では自動的に利益を生み出すようになるが、一方で自動的に損失も生み出すから、アンバランスが生じないように金融の安定を図るアルゴリズムを作るだろう。金融は自動的に安定し、株価の暴落や高騰は生じない。もはや兜町もウォール街も用なしだ。
便利だからといってAIの活用範囲を見境なく広げていくと、間違いなく軍事の分野に至る。AI搭載の無人飛行機、無人戦車などが生まれ、的確に敵を殲滅する。敵も同じようにAI搭載の兵器を使えば、もう戦争はゲームのように兵器同士の壊し合いになる。しかもそこに人間は介在せず、AIが判断して命令する戦争になる。司令本部はAIだからである。
万が一、政治の分野にAIが進出すれば、政策はAIが決める。そして一番不合理な存在が排除されることになる。つまり人間である。ジェームズ・キャメロン監督の映画「ターミネーター」が公開されたのは1984年。AIが発達しすぎると人間が否定されるという世界観を2020年の今から36年も前に発表したことの意義は大きい。
道具としてのコンピュータ、手続きでのAI利用といった程度にとどめておくのが賢い判断だろうが、軍需産業関係者の残虐な欲望がAIの軍事利用をやっていないはずもなく、恐ろしい予感におののくばかりだ。
心があたたまります
将棋には詳しくありませんが、映画を楽しむことに全く影響ありませんでした。吉沢亮さん演じる英一とライバルの成長していく姿を描いた青春映画。登場人物が皆魅力的。中でも落合さん素敵でした。吉沢さん、ご自分でもこの映画好きとおっしゃっていましたが、本当に吉沢亮ではなく英一。見事に演じてました。父とのあたたかい親子関係。小さい頃からの恩師の優しさ。終わった後、泣きながらも笑顔で元気になれます。ラストシーン好きでした。とても良かったのでまた観に行きたいです。
昨日まで 選ばれなかった 僕らでも
事前情報はほとんど知りませんでしたが
たまたま近所でやってたので観賞
かつて行われたAI対プロ棋士の対戦から
着想して作られたオリジナルストーリー
感想としては
・見た目以上に熱い勝負の世界
・将棋がわからなくてもOK
・プログラミングわからなくてもOK
・吉沢亮の陰キャ大学生相変わらず絶妙
・登場人物全員のキャラ付けが絶妙
・勝ちとは結局何か
など想像以上の良作で驚きました
人づきあいが苦手で友達もいない少年
清田英一は父が好きだった将棋に
のめりこむとメキメキ上達し
奨励会でプロ棋士を目指しますが
そこは自分より強い奴がうじゃうじゃ
そこで出会った浅川陸にライバル心を
燃やし浅川さえ倒せればいいと
思って将棋を打つ日々
そんなライバル心にかられた清田の
将棋は自由度が低く遂に浅川以外にも
勝てなくなり
とうとう将棋の道すら諦めてしまいます
その間に浅川は最年少プロ棋士の道を
一直線に歩んでいました
そもそも将棋で友達が出来ればいいと
くらいに思っていた父の思惑は外れ
清田は将棋以外にやりたい事が
見つからず大学でもぼっちでいたある日
父のパソコンに入っていた将棋ソフトの
自由な打ち手にショックを受け
将棋のAIプログラムを作りたいと
学内のAI研究会を訪ねプログラミングを
1から磯野の手ほどきを受け将棋AIの
プログラムを作り上げていきます
浅川は連戦連勝で将棋界のホープ一直線
清田は学内の将棋研究会も負かせない
有様でしたがソースコードが公開された
他の将棋プログラムを取り込むなど
強化を施した結果研究会を負かし
「5段並だ」と言わしめるレベルに
なってきました
そんなとき浅川は失意の黒星を喫します
清田はここで自らのプログラムに
目覚め、覚醒を意味するAWAKE
という名をつけその後AI将棋の
協議会でAWAKEは優勝し名を売ります
そんなときニコニコ動画を運営する
ドワンゴ社からAWAKEとプロ棋士の
対局をネット生放送する「電王戦」が
企画されプロ棋士側は浅川が参加すると
聞いたとき清田はかつてのライバルと
こうした形でまた戦えることに複雑に
感じつつも今の自分が手塩にかけた
AWAKEは絶対に負けられないと
覚悟を決めさらなる改良に熱が入ります
対する浅川は電王戦参加が決まってから
やっとパソコンを導入しAWAKEと
対戦してみると全く勝つことができず
日に日に追い詰められていくことに
なり焦りだします
その間清田はAWAKEに勝てたら
100万円という企画に参加し電王戦を
盛り上げようとしていましたが
終了ギリギリに勝ってしまった人が
表れてしまいます
その一般人との敗因はAI特有の
人間味のない「警戒感の無さ」
まんまと人間の罠に引っかかって
しまうというものだったのです
負けたくない清田は修正を申し出ますが
すでに修正期限を過ぎており却下
そんなルールはいらないと激高しますが
磯野は「これはプロが打つ筋ではない」
と窘めます
そして本番
浅川がどんな手に出るか
注目されましたが・・
浅川はその100万円が出た時の
戦法を取り
清田はあっさり投了して
浅川の勝利でした
これで将棋連盟側のとりあえずの
面子は保たれたかのようで
敗北した清田は笑みすら浮かべる
表情で勝利した浅川を
見つめるのでした
つまり浅川はプロが打つ将棋を捨て
AWAKEに勝つためだけの戦法を
選んだわけですからプロのプライドを
捨ててしまった時点で表舞台で
活躍し続けた浅川を実質的に清田の
AWAKEは「プロを倒した」ことに
なるわけです
TVゲームなどではボスキャラの
行動をパターン化して倒すのは
定石ですが
横綱が変化で勝てば非難されるのと
同じですね
この映画とにかく登場人物の
キャラクター描写が丁寧で感心します
将棋が題材である以上押し黙るシーンが
多いのですがだいたい考えていることが
わかりやすいので見やすいです
昨日まで選ばれなかったけど
明日を待っていた男たちの勝ち得たもの
感動出来ちゃいます
あまり公開している映画では
ないようですがやっていたら是非
おすすめします
映画である意味とターゲッティングに疑問……
将棋関連ということで事前情報をあまり入れずに見に行きました。
「泣き虫しょったんの奇跡」は観ました。
本作の扱うAWAKE事件や将棋ソフトに勝ったら100万円!についてはリアルタイムで観ていました。
世界コンピュータ将棋選手権にはクラスタで参加する程度には熱心です。
この映画に出ている俳優さんは一人も知りませんでした。
一言で言えば電王戦におけるAWAKE事件と、その前段としてのAWAKEができるまでの映像(ただしノンフィクション前提ではない)ということになるでしょうか。
映画冒頭で「電王戦 阿久津主税八段vsAWAKE戦に着想を得て」と断り書きが入ります。
実際にすべての要素について詳しい訳ではないので、どれだけフィクションの要素が入るのかは分かりません。AWAKEの開発者と、対戦した棋士の名前は置き換わっています。「電王戦」「電王手さん」「デンソー」「ドワンゴ」などの固有名詞はそのまま登場。AWAKEの開発当初にBONANZAのオープンソース化に沸き立つ場面がありますが、これは少し時期がずれているような気がします。
映画ではAWAKE開発者と対局したプロ棋士が奨励会で何度か対局した関係であるとされていますが、実際の阿久津主税八段は1999年にプロになっており、AWAKE開発者の巨瀬さんは2002年研修会入会なので対局はしていません。
リアリティという意味では、開発者が大学で開発を行い、パートナーが将棋同好会に他流試合をしにいく点も疑問。大学に将棋部くらいないのか?同好会が強くなったAWAKEに歯が立たず、「強い。4・5段はある」と言う場面があるが、大学の将棋部ならアマ4・5段は普通に在籍していておかしくない。エンディングロールで協力に棋士個人名はなく、「日本将棋連盟」しか確認できなかったが、あまり口出しはしなかったのだろうか。
この映画を見に行く話をしたとき、ネットの知り合い(女性)が出演者にイケメンが複数出ている、という反応だったので嫌な予感はしましたが、別に俳優陣にどうこう、というのはありませんでした。
残念に感じたのは3点です。
(1) 映画である必要がない。将棋関連で言えばNHKで「うつ病九段」をやっていましたが、あのサイズで収まる題材だと思います。
(2) もっと表現方法があった、もっと説明の仕方があった。冒頭の長い符号のやり取りは映像化すれば良いと思った。思いの外時間が長いのでいつまでやるのか、という気分になった。また、AWAKEとの対戦で右側にずっとプログラムコードが流れていたが、実際とは違うと思われ、事実と違うデフォルメだとしても、ものすごい勢いで候補手が更新されていくとか、ノード数が猛烈な勢いでカウントされていくなど、コンピュータ将棋ソフトの凄さが可視化される表現方法があったように思う。また、先手・後手の評価値が正反対になっていなかったり、コンピュータ画面に表示される情報が常に1文字ずつ出てくるタイプライター型だったのも古臭い表現方法で勘弁してくれよ、という気分になった。
(3) 開発者がプログラミングしている時間、プロ棋士がAWAKEと事前対局している映像の時間がとにかく長い。内容に対して119分の上映時間はうんざりするほど長いので、100分程度に収めることができたのではないか、という点。
とりあえず映画内の表現でハメ手を使ったプロ棋士、ソフトが選択した訳でない「投了」をした開発者、どちらかを悪者として結論づけることになっていなかったのは良かった。(日本将棋連盟も止めると思うが)
結局、どのあたりをターゲットにしていたのかが分からず、AWAKE事件の映像化だけなら映画じゃなくても…と思った。将棋やコンピュータ将棋に詳しくなくても楽しめるような娯楽作品ならば、もっと説明的な部分があっても良かったし、ハメ手を「コンピュータの弱点」で片付けるのではなく、水平線効果なども映像化して分かりやすくするなど、工夫が欲しかった。
良い良い良い…!!
観る気が無かったのですが、初めて1日に5本観ることを成し遂げるため、
丁度良い時間にこの映画があったので、とりあえず感覚で観ましたが、
この日観た5本の中で一番良かったです。
飽きるかな〜と正直思っていましたが、心配ご無用。
夢中になり熱中して本気で取り組む主人公たちにしっかり魅了されていました。
相手の強さをちゃんと認めてて、敬意を払い、全力で勝ちにいき、潔く負けを認める姿勢が
本当に美しい精神だなあ…と。
人間の威信を守るためプライドを捨てさせるほど追い込んだアウェイク。
決戦の展開がものすごく腑に落ちて心の中で拍手👏
何より主要キャストが本当に味があって良かったです。
将棋だけの人生だった。って言うほど生きてないじゃろ?
若葉竜也のシリアス役、やっと来たー!
と。あら?なんか最近、痩せましたかね?役作りかねぇ。何にしても、軽いノリのお兄ちゃんかチンピラ続きの印象だった若葉竜也。良かったんですが、台詞の総量、と言うか字数的にはチョイ役の時と変わらんのがw
要するに、おしゃべりで話を進める物語りでは有りません。
AI対人の将棋の勝負。あくまで勝ちにこだわった棋士代表の浅川。強さを認めて欲しかったAI作者の清田。真剣勝負の決着は炎上ネタでしかなかったけど。
ラストが良いです。
初めて、楽しく将棋を指す2人の姿。どちらが強いか?ではなく。どちらが勝つのか?でもなく。本来楽しいはずの将棋を、人とAIが指す未来があっても良いでしょ?的な。
なお、少年の帽子が赤ヘルだったのか、シンシナティだったのかは不明です。
良かった。結構すき。
全119件中、81~100件目を表示