AWAKEのレビュー・感想・評価
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吉沢亮が将棋AIのプログラミングに熱くなるストーリーなんて、私の好...
吉沢亮が将棋AIのプログラミングに熱くなるストーリーなんて、私の好きなものを重ねて重ねて…の私得過ぎる作品だと思った。若葉竜也、落合モトキとか、キャスティングもまさに◎
実際はもっと引き込まれる予定だったけど色々知識の壁や環境的な問題もあり、難しかった…と思ってしまった。囲碁や将棋の話は基本的に大好きで、これまでも色々観て来たけど、雰囲気とか話の展開で楽しめていた部分もあり、今回はちょっと置いてけぼりになってしまって悔しかった…。DVD化されたらもう一度ちゃんと観ようかなと思いました。
情熱を燃やし続けるスゴさ。執念が交錯する人間ドラマ!!
【賛否両論チェック】
賛:英一と陸の生き様を通して、夢への情熱を持ち続ける難しさや、進み続けるスゴさを感じられる。
否:物語がかなり淡々と進み、似たようなシーンが多く、かつ将棋のことを全く知らないと退屈してしまいそう。終わり方にも賛否ありそうなところか。
片や夢に破れ、目標を見失っていた時に、“AI将棋”という新しい夢に出逢い、のめり込んでいく英一。そして片や、悔しさを内に秘め、己の夢へと精進し続けていく陸。一見すると全く違う道のりをたどっているかに見える2人ですが、他人と群れることなく、孤高に突き進んでいく姿は、どこか似たようなものを感じさせてくれます。
そんな2人の、“AIと人間の対局”という、不思議な運命の下での交錯を通して描かれるのは、1つのことへ情熱を燃やし続ける難しさやスゴさ、まさに“執念”といった、壮絶な生き様です。
ただ棋士のお話なので、どうしても似たようなシーンが淡々と続いたり、将棋そのものを知らないと難しかったりするので、その辺は好みが分かれそうなところです。また、終わり方もやや呆気ないというか、賛否両論ありそうな部分でもあります。
それでも、静かな中にも莫大な熱量を感じさせてくれるような、そんな作品です。ラストも心が温かくなるので、是非チェックしてみて下さい。
焦りと葛藤
主人公と天才棋士がそれぞれに抱える焦りと葛藤、そして彼らの選択を丁寧に描いていて、そこは評価に値する佳作となっている。
ただ、日本映画らしい駄目さが今作にもあって、磯野と妹とのちょっとした恋愛要素は不要だし、プログラミングシーンを撮るならいくらなんでもあのタイピングはないだろう。それだけで鼻白んでしまった…
実際はオリンピック選手がロボットじゃないのと同様
ノンフィクションを元にした良作。このくらいアレンジしても全然良い。
描写の雰囲気がよく、手に汗握るような展開に。
しかし将棋のルールが全く分からない人には微妙かもしれない。
良い点
・「歴史的役…」は名言
・部室の散乱具合
悪い点
・あわけ?
・子供期の勝敗表がよくわからない
・思わせぶりなゴルフ部女子
・家がやたら綺麗
・なぜ将棋部を呼んだ
・メカはカッコいいが、もう少し早く打ってほしい。
・オチがありといえばありだが少し弱い。もうワンパンチほしい。
吉沢さん、見事ですね。
吉沢亮さん、良い俳優さんですねー。
「青くて、痛くて〜」の時も心に何かつっかえているものがあり、若干屈折している若者を見事に演じていましたが、本作も同じく微妙な心の揺れをその目のや表情の演技で絶妙に表現されていらっしゃいました。見事でした。
さて、本作。
コンピュータ将棋の開発者にこんな背景があったら、熱いですね、熱くなります。事実だったら。
このドラマの作り方はうまいですね。
簡単に開発できちゃうっぽい見せ方はどうかなー?とは思いますが、本作のポイントは棋士同士の闘いであり、プライドとプライドのぶつかり合いです。
細かな将棋の戦略などにフォーカスすることなく、「なぜ将棋をさすのか」「なぜ捨てられないのか?」をクローズアップしたことによって良い「ライバル物」に仕上がったのではないでしょうか?
立っている場所は違えど、見たい景色や見える景色は一緒というのが良いじゃないですか。
クライマックスの対局に関しては、見応えがあります。
そしてその終わり方もまた、「プライド」・・・なんだよなぁ「棋士」としての・・・。痺れます。いい!
あと願わくば・・・
AWAKEを強くするための開発努力のシーンは、キーボードパチパチシーンでも良いですが、ちょっと前時代的かなー?もっと設計部分とか新しい技術を取り入れるとか、まぁプログラミングではあるものの、「なんかこれだと強くなるんじゃねーの?」ってところを見せて欲しかったなぁ。
どんどん勝てなくなるって見せ方も良いけど、ITの創意工夫の部分を見せて欲しかったかな?
それと吉沢さん演じる主人公の心の内は、セリフで語ってほしくなかったなぁ。映像で見せられたんじゃないかな?あの妹の登場に異常に違和感を感じる僕です。(そんな心の動きいらんでしょ?)
あとは綺麗にまとめすぎたラストシーン。ちょっとなぁ、感動にシフトさせすぎてないかなぁ?
僕としては、まだまだ先があるって見せて欲しかった。「自由に闘う」の見せ方が安易な気がします。
色々書きましたが、なかなか熱くさせていただきました。良作です。面白かった!
好きなタイプの映画
コンピュータと人間の対戦という話だと思いますが
棋士になれた人、なれなかった人
なれなかった人のドラマだなぁと
棋士になれる人はほんのひと握りなんですね〜
野球でもサッカーでもミュージシャンでも
同じかもですけど
なれなくてもリベンジする方法を考えだし
実践して行くって
ある意味ほんとに将棋が好きなのかな、と
ヒリヒリするような勝負の世界というのは
想像できないけど
取り憑かれた人はやめられないんですかね
吉沢亮のは本当にやってたんか?ってくらい
この役にあってたと思います
思い詰める表情、キョドる感じ
静かな気迫、惚れ直します💕
将棋はさわりくらいしかわからないけど
それでも楽しめました
上映期間が短くて少し遠い場所で
朝早くしかやってなかったけど
観に行って良かったな〜早起きして良かった〜でした
テーマとしては個人的に全然興味のない分野だったが、作品自体は結構引...
テーマとしては個人的に全然興味のない分野だったが、作品自体は結構引き込まれて、すんなり見れた。吉沢さんはやはり良いなと思った。
6八玉から始まった!
棋譜が多いのでついつい覚えてしまった“6八玉”。「相掛かり」という将棋の戦法の一つらしいのですが、詳しくないので省略します。なお、終盤で肝となるのが“2八角”!なぜこれで投了となるのかわけわかりません・・・将棋が上手い人と打つ場合に、これを一発かましておくと「おおっ」となるかもしれないです。
そんなこんなで、自分が挫折しながらもAIプログラマーとして再度ライバルと向き合うことになった清田英一。完璧なまでにプロ棋士と対戦できるまでプログラミングした「AWAKE」だったが、一般人の妙手に負けてしまった。プログラムの欠点を急遽変更したかったが受け入れられない焦り。まさか陸がプロは絶対指さない手を真似るわけがない・・・と信じるしかなかった。
AI対プロ棋士という構図ながら、人間の奥深い心を描いた作品でした。勝敗という点でも見た目は決着がついたが、それぞれの感じ方は違っていたのだろう。観戦者もAIの欠点に気づいていたんだから、プロの尊厳、矜持を疑ったに違いない。う~む、続きが知りたい・・・藤井くんにも挑戦してもらいたいし。
説明不足
ai開発側の苦労が物足りない。
ボナンザの説明もないし、それによって飛躍的に強く成ったのか、なんらかの改良を施したのか、そこの描写がない。
プロ棋士側の葛藤も物足りない。
素人が偶然発見したバグといっても良い手順を、ネットで公開されているからといってプロ棋士がそのままパクって良いのかという葛藤もなし。
吉沢亮vs若葉達也
将棋映画を見に行く度
毎回、私に理解できるかしら·····?
と不安なのですが、今回も良かったー!
難しい将棋用語や指し手等はさて置きですが
(将棋ファンの方にはごめんなさい🙏)
挫折や挑戦や壁、将棋を通して夢を追いかける青春ドラマとして面白かったです。
吉沢亮さんはどうしてもキラキラオーラが出てしまうけど、陰キャな役柄+目力の使い方が上手い!
若葉達也さんは対照的で佇まいや雰囲気で語る感じ。
普通の青年なんだけど、黙っていても存在感ある。
他の作品でもチョイ役で出てても結構目立ってる。
最後、ハッピーエンドにしてくれてるのも良い!
スタイリッシュで無駄のない映画
中盤からは手に汗握る緊張感の連続。
スポーツ観戦しているような感覚という感想に完全同意です。とてもドキドキした。
台詞も登場人物も少ない。余分な物は全て排除して描写全てが意味のある物になっている。男同士の熱い戦いにちょこちょこ女性が入ってくるのが好きじゃないので、この作品はそういう媚びるところがなく、緊張感が続く中での箸休め程度で必要最低限しか出演していなかったので集中できた。
かっこいい映画だと思った。
目が覚める、眠りから覚める、覚醒
若手プロ棋士vs最強将棋ソフトの青春ドラマ。題名のAWAKE(目が覚める、眠りから覚める、覚醒)がこの作品の全てを表している。将棋の醍醐味を存分に味わえる作品であり、ラストの電王戦は見応え充分でスクリーンに釘付けになった。欲を言えばもう少し意外な結末が欲しかった。
2021-9
予想以上の面白さ
評判が良いから元々期待はしていたが、見事予想以上の面白さだった。
驚く程台詞が少なく、音楽の盛り上げと表情や体の動きから将棋の対局の状況を表現している場面があり、究極なのは将棋を指す音の強弱と手の動きだけで感情や状況を説明しているシーンがある。それらの演出は将棋のルールを全く知らない人にも局面の緊張感などがしっかり伝わる演出になっていて、観る側に高度な理解力を求めるようなニッチなものではなく、誰もが楽しめる作品になっている。
プロ棋士になる夢は敗れるが、将棋を諦めきれず仲間と試行錯誤や挫折を繰り返しつつ将棋ソフトという違う角度からリベンジを果たす主人公の成長ストーリーで、いろいろなものが欠落していた人間が自分の開発したソフトと共に成長していく様子はつい応援したくなる。また、ライバルのプロ棋士は天才と称されつつも苦悩と孤独を抱え、勝ち負けへの拘りと誇れる将棋の指し方への拘りに揺れる姿は共感できるところがある。男同士のプライドがぶつかる熱い戦いはぐっと力が入るほど興奮した。最後の対局の後に見せる主人公の表情が良かった。
年明けから背中を押されるような良い作品に出会えた。
「好きなこと」に関わる方法
清田英一(吉沢亮)はかつて奨励会(日本将棋連盟の棋士養成機関)で棋士を目指していた。奨励会では地元で「天才だ」と周りから言われるような子供たち(2020年時点では計170人が加盟)が一堂に会し、その中から年間2人というプロ棋士への狭き門をくぐりぬけるために子供たちが日々切磋琢磨していく。英一はその中で日々努力していくのだが、ある時を境に対戦で負けに負け、さらに浅川陸(若葉竜也)というライバルにも負け、ついに奨励会を去りプロ棋士を断念する。
その後大学に入った英一だったが、小さいころから友達を作らずに将棋しかやっていなかったため、人付き合いの仕方を知らず、大学では孤立していた。そんなときひょんなことから将棋ソフトの存在を知り、将棋ソフトを作りたいと考えた英一は人工知能研究会に入り、そこで実質たった一人の研究会メンバーである磯野達也(落合モトキ)と出会う。パソコンのキーボード打ちすらまともにできなかった英一はその後メキメキとプログラミングスキルを身に着け、自分で将棋のプログラミングまでできるようになった。その後コンピューター将棋の大会で優勝したのをきっかけに棋士との対局である電王戦の出場を申し込まれる。その対戦相手の棋士がかつてのライバルであった浅川陸であった...。
僕がこの映画を観て感じ取ったことは、「好きなこと」を楽しむ方法は一つではないということである。
奨励会に入っていた人のほとんどはプロの棋士になることはできない。では、プロの棋士を目指して日々努力を積み重ねた人がその道をあきらめたら、そこで人生というものは終わってしまうのか?今まで努力していた日々は無駄であったのか?そんなことはない。この映画のキャッチコピーにもなっているが、「夢の終わりは人生の終わりではない」のである。
具体的に見てみる。この映画には奨励会をやめてプロの棋士への道をあきらめた人たちが出てくる。はっきりと作品内で明らかにされているのは英一以外だと2人くらいだろうか。一人目は新聞記者の寛一 郎(中島透)。彼は辞めた後新聞会社から声がかかり、将棋のページを担当する記者になる。2人目は大学の将棋サークルに入っていた。
本当はもっと多いのかもしれない。奨励会の顧問(?)のような人も昔はきっと奨励会に入っていたがプロ棋士にはなれず、指導力が買われて奨励会の顧問になったのだろう。そんなことを言ったら将棋を英一に教えたお父さんだって、将棋サークルのメンバーたちや電脳戦の司会をしていた人たち、それを観戦していた人たちのなかにだって、昔はプロの棋士になりたかった人がいたといえなくもない。多くの人はプロ棋士にはなれなかった。でも、将棋で食っていくことだけが、将棋と関われることではない。指導やサークル、観戦など楽しみ方は沢山ある。それでいいではないか。「AWAKE」はそう訴えている気がした。
話は少し変わるが、「変身」を書いたフランツ・カフカ(1883-1924)は保険局員として働く傍ら小説を書いていた。さらにその小説のほとんどは死後発表されたものであり、つまりカフカは小説で一銭も稼いでいないのである。では、カフカは小説家とはいえないのか?小説で食っていけて初めて小説家と呼べるようになるのだろうか?そんなことを言ったら、生きている間に一枚しか絵が売れなかったゴッホは画家とは呼べないのか?そんなことはない。なぜなら「芸術とは結果ではなく行為である」からだ。同じようなことが、「AWAKE」に出てくる「将棋を楽しむ人たち」にも言えるだろう。
「珠玉の作品」
今年4本目。
12月27日のEテレの将棋フォーカスはAWAKE特集。2015年の電王戦は5人のプロ棋士と様々なコンピュータソフトとの5番勝負で、2勝2敗で向かえた5戦目が阿久津主税八段とAWAKEの対決。どちらが勝ったかは映画のお楽しみ。
これは珠玉の作品。毎日朝刊の棋譜を見て勉強している将棋ファンとしては、この上ない作品。また音楽がいい。作中の音楽が最近見た映画の中ではベストでした。10日間映画見てなかったですけど、映画行くと圧倒的に面白いなあと実感しました。
---追記---
2八角は自陣に打たせて10手先に角を取れる、悪手を誘う手になっています。その説明が無かったですね😃
そこに将棋盤があれば。
「プロ棋士VSコンピューター将棋」
なんてワクワクするワード!実話に着想を得たストーリーで将棋が分からなくても楽しめました。
プロ棋士を目指して奨励会に集まる子供たち。地元ではもてはやされた天才たちもプロになれるのはほんの一握りの厳しい世界。上には上がいることを思い知らされる。
同世代の最強棋士浅川に敗れ自ら夢を断った清田。無気力に大学生活を送っていたがコンピューター将棋と出会いそのプログラマーとして再び将棋の世界へ歩を進めて行く。最強ソフト「AWAKE」でまさしく覚醒をとげた清田に吉沢亮。演技力は流石!ただあんなダサいトレーナーを着ててもやっぱりシュッと見えてしまう品の良さ(笑)
そしてプロとして更に先に進む為にAWAKEとの直接対決を受け入れる孤高の若手棋士浅川に若葉竜也。和装がめっちゃんこ似合ってて素敵でした。最近出演作も多いですね!大注目です。
将棋盤を挟んで向かい合い静かなる火花を散らすまさにタイマン勝負。息を呑む音さえ聞こえそうな空間に見ているこちらも窒息しそうになる。将棋の何が凄いって自らの口で敗北を宣言するところだと思う。言い訳もできない。その凛然たる潔さ。本当に美しいと思う。
決戦は後味のいいものではなかったけどプロという看板を背負って勝つことに徹した浅川の決意をひしひしと感じた。二人にしか分からない世界を目線を使って上手く表現していた。
清田と浅川は親友でなければ同志でもない。永遠のライバルでもない。もしかしたら清田は浅川の一番のファンなのかもしれない。将棋は本来は楽しいものだとある棋士が言う。そこに将棋盤があれば言葉はいらない。そんなラストシーンは思わず微笑んでしまうほど心地よかった。
個人的には磯野に「女性に興味があるのか」と詰め寄るところが清田の若さと側面を垣間見れたようでちょっと面白かった😄
「私はこの時代に生きたのです」と呼応できる歓びがある
私は8ビットパソコンの時代に、松原仁著の将棋アルゴリズム本を図書館で借りて読んで、将棋は完全情報ゼロサムゲームだとか、そんなことに触れはしたけど、電王戦の頃はすでに関心を失っていて知らなかった。なので、展開を固唾をのんで見守ることができた。もっとこの世界に詳しい人なら、電王戦の一部始終や裏話までご存知だろうから逆に楽しめないと思う。私は条件のよい観賞者だ。
本作はマニアックな世界を描いているが、世界がマニアックなだけで内容は決してマニアックではない。マニアックな視点でみると逆にハテナな箇所も目立つ。例えばコンピュータ思考中に画面右にいつも流れるコード。知らない人はコンピュータの思考の軌跡だととるかもしれないが、ソースがあんな速度で流れてるのは飾りでしかない。あの演出は本物にもあったのかなと気になる。まぁそんな些細なことはいいとしても、勝負の分かれ目となった2八角については、ちょっと疑問が残る。
平均したら強い手を指すけど、ときどき致命的なポカもする、というのがAI将棋のクセだったはず。2八角のその一局面に限らず、ポカ局面は山ほど埋まっていたのは想像に難くない。そしてプログラミングとは精度向上とデバッグが作業の九割以上を占めるもの。映画は2八角を唯一の弱点だったように描いていたが、ポカ局面は無数にあったはずでそれが総合力。プロ棋士側も通常のプロ棋士同士の対局と同様、相手の得意戦法をかわして有利な展開にもちこむのが将棋に限らず勝負事の常。映画は史実とは別にフィクションとしてこしらえつつも、2八角をめぐっては不安定な着地しかできていない。カタストロフィーのない所に、無理にカタストロフィーを持っていった消化不良が大きい。
この作品に、とくべつ情感ゆさぶられることもなければ、とくべつ沈思黙考を誘われるわけでもない。しかし観終えての満足感はある。こういう作品がつくられて鑑賞できたこと。マニアックな分野ながらも、ひとつの世界と時代、その流れを描いてくれていたから「私はこの時代に生きたのです」と呼応しつづけることができた。観賞中そういう静かな歓びがずっとあった。
地味だけど満足できる作品。
コロナ前は月に一回ほどお遊びで将棋を指していました。めちゃめちゃ弱いですけどね。そして今はときどきアプリと対局しています。
もっとエンターテインメントにしようと思えば出来ただろうけど敢えて抑えて丁寧に作られた感じの佳作。ストーリーのバランスもいい。
役者さんも良かったです。特に清田のお父さん役の中村まことさんと磯野役の落合モトキさん。落合さんは「桐島、~」の好演も光ってましたよね。
ただ、将棋を全く知らない人にはもう少し説明があった方が親切だったかなと思います。あの一手がなぜ負けになるのか、駒の動き方を図で示すなりして誰にでも分かるように表現出来たでしょうに、予算的な制約があったのでしょうか?そもそも棋譜の読み方が分からない人には少年期のあのシーンも呪文を唱えているようにしか見えなかったのでは?
あと場面場面のつなぎ方に(ん?これでいいの??)と感じるところがありました。
どうやら監督さんは初メガホンで編集も担当されたようですね。初監督作としては素晴らしいのでこれからも注目していきたいです。
ラストシーンはとても温かかったですね。ようやくお二人は将棋を楽しめるようになったんだなぁって。なるほどこのシーンのためにあの伏線があったのかぁと。良きエンドでした。
私の今年の目標に「将棋を強くなる」を追加しようっと。
あとは書くだけだ、山ほどな。
人間対AIというテーマ。AIにこそ落とし穴がある、って展開が面白い。
だけど結局、AIの性能を上げるのは人間が"山ほど書き込む"ことだってところがどこかアナログ感。そして、その綻びを全部埋め尽くせば、AIに敵うものなし、なんだろうな。電王戦がその後開催されないのは勝負の行方が見えているから、なのかな。
ややコミ障な演技の吉沢亮、そうだ「ぼくは麻理のなか」の彼か。
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