劇場公開日 2020年12月25日

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「吉沢さん、見事ですね。」AWAKE バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5吉沢さん、見事ですね。

2021年2月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

吉沢亮さん、良い俳優さんですねー。
「青くて、痛くて〜」の時も心に何かつっかえているものがあり、若干屈折している若者を見事に演じていましたが、本作も同じく微妙な心の揺れをその目のや表情の演技で絶妙に表現されていらっしゃいました。見事でした。

さて、本作。
コンピュータ将棋の開発者にこんな背景があったら、熱いですね、熱くなります。事実だったら。
このドラマの作り方はうまいですね。
簡単に開発できちゃうっぽい見せ方はどうかなー?とは思いますが、本作のポイントは棋士同士の闘いであり、プライドとプライドのぶつかり合いです。
細かな将棋の戦略などにフォーカスすることなく、「なぜ将棋をさすのか」「なぜ捨てられないのか?」をクローズアップしたことによって良い「ライバル物」に仕上がったのではないでしょうか?

立っている場所は違えど、見たい景色や見える景色は一緒というのが良いじゃないですか。
クライマックスの対局に関しては、見応えがあります。
そしてその終わり方もまた、「プライド」・・・なんだよなぁ「棋士」としての・・・。痺れます。いい!

あと願わくば・・・
AWAKEを強くするための開発努力のシーンは、キーボードパチパチシーンでも良いですが、ちょっと前時代的かなー?もっと設計部分とか新しい技術を取り入れるとか、まぁプログラミングではあるものの、「なんかこれだと強くなるんじゃねーの?」ってところを見せて欲しかったなぁ。
どんどん勝てなくなるって見せ方も良いけど、ITの創意工夫の部分を見せて欲しかったかな?

それと吉沢さん演じる主人公の心の内は、セリフで語ってほしくなかったなぁ。映像で見せられたんじゃないかな?あの妹の登場に異常に違和感を感じる僕です。(そんな心の動きいらんでしょ?)

あとは綺麗にまとめすぎたラストシーン。ちょっとなぁ、感動にシフトさせすぎてないかなぁ?
僕としては、まだまだ先があるって見せて欲しかった。「自由に闘う」の見せ方が安易な気がします。

色々書きましたが、なかなか熱くさせていただきました。良作です。面白かった!

バリカタ