いとみちのレビュー・感想・評価
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侮っていました、すみません。
ポスターの印象では青森の町おこし的タレント売り出し映画か?なんて思ってました。すみません。お詫びを申し上げます。私が無知でした。横浜監督のこれまでの作品を知っていれば、そんな思いをするはずもなく。
さて、本作。
16歳の女の子が人と触れ合い、社会を知り、家族を知り成長していく物語です。
王道の成長物語なんですが、なんと言うのでしょうね、背伸びもウルトラcもなく、なんとも等身大?現実的な展開が地味ですが好きです。
そんな物語を青森のおおらかな風景と温かい方言、染み入る三味の音色が包み込み、彩っていきます。
津軽三味線の使い方が本当に良いです。
それは「いと」にとって何なのか?の描き方が、押し付けることなく、あざといわけでもなく、彼女の心の代弁者のように使ってるの、好きだなー。
さらに演技陣が舌を巻きます。
主演の駒井さん、三味線の特訓の成果バッチリです。おばあさん役の西川さん。奏者であって役者じゃない。いやいや、素晴らしいです。
駒井さんの感情の乗った津軽三味線は必聴です。
皆さん、素晴らしい名演!
宮城県出身で高校は仙台の進学校だった。
岩手、山形など他県出身者も多かったから、大体訛りはわかる。
しかし、津軽の板柳の言葉は…わがんねなあ…
何を言おうとしてるかはわがる…気持ちは伝わるんだが、細かい所が…
話が進むと馴染んだんだが、よぐわがるようになるのが不思議だ。
空気どが雰囲気どが、東北の者にはしみじみ共感でぎるんだ!
友達もばあちゃんも父ちゃんもメイド喫茶の皆さんも、素晴らしかった!
減点1は、東北以外の人への言葉の伝わりにくさの配慮が足りなかったこと。
導入では「あまちゃん」が使った標準語字幕を入れたらいがったんでねが?
会話が印象的な映画
しょっぱなの会話から始まり
理解できない会話がある
でも、なんとなくニュアンスで掴む
言葉の違いがここまで明確に表してくれる映画ってなかったかもね
普段いかに標準語で話してくれる事にあぐら描いているかがわかる
そう考えてふと
監督はコミュニケーションの有り様を問い詰めたかったのかな?
って思った
結局同じ言葉を話しても
意思疎通も会話で高度に出来てるように見え
実は肝心な本当の事が全然聞き出せなかったりする
三味線を弾く事を対話になぞらえてたけど
楽器弾くと話すより相手の事をわかる事はある
演奏する事でその人の意図がやりたいことがわかったりする
楽器は全く会話とは違うけど
コミュニケーションのツールでもあるよね
そうゆう意味では会話の苦手な主人公いとが
会話する方法、自己表現する方法を見出す物語とも言えるのかも
あと文化って今はどんどんミックスされてる時代で
別にメイドカフェで三味線弾いても全然悪くないよね
そうやって文化は溶け合っていく
混ざっていった文化が一体どこにたどり着くのか?
は考えた事ないですが
混ざるのを止めることは誰もできないよね
そうやって新しく文化が形成されるんだと思う
一つのテーマであろう
いとが辿っていく道=いとみち
としてメイドカフェで三味線を弾くことが提示されるわけだけど
そうやっていろいろな形で文化を受け入れ進んでいくのは
当然の流れで誰にも止められないもの
そして、誰もやってなくても試してみればいいじゃないか
と思わせる物語だった
そうやって試す事によって少しづつ路ができていくものだよね
徐々に大きくなりメインストリームになるかも知れないよね
それはやってみなければ誰にもわからない事だと思った
言葉のリアリティ
けっぱれ!豊川悦司が演じる父親の濁りのないその言葉に、主人公と同じように違和感を覚えてニヤけてしまう。
そんなやりとり実家でよく見たなって。
大真面目な主人公いとは言葉で表現するのが苦手と言うだけあって、津軽三味線の演奏シーンで言いたい事が伝わってくる、上手いとか下手ではない表現力が豊かに感じる。
特におばあちゃんと演奏するシーンは対話の様で見応えがあった。
アルバイトを通してやりたい事とかやりがいとか見え隠れして行く姿、初々しくて時に強気でぶつかり合って、表現して行く姿がとてもよかった。
父親の2回目のけっぱれ、どっしりとした寒い地方らしさを感じホロリときました。
け!(食べて)
2021年映画館鑑賞64作品目
7月11日(日)フォーラム仙台
原作未読
青森県板柳町に住んでいる三味線弾き女子高生が青森市のメイドカフェ『津軽メイド珈琲店』でバイトする話
津軽弁とメイドカフェのおかげでコメディーに仕上がっている
オリジナルはない。世界は模倣で動いている
みんな不確か。それが人生。
など含蓄のあるお言葉が多い
主演の駒井蓮が好演
なんかデビュー当時の斉藤由貴以上にボーとした感じだけど父にメイドのことを罵倒され怒りに燃えるときの表情が良い
髪をとかしてもらうときの顔の動きが良い
なによりも三味線を引くときの顔つきが良い
若いのになかなかの実力者
常連客のなかに2015年セリーグ打点王がいた
今は引退して荒川の河川敷でバッティングコーチをしているはずだが
どうやら別人のようだ
それにしてもよく似てる
いまでも畠山和洋だと思っている
難点は津軽弁が所々わからないこと
岩手県と宮城県の県境に住む自分でさえこの有様なんだから東京や富士山より向こうの人たちにはかなり難解な言葉に聞こえるかも
それでも標準語の字幕が無かったのは横浜監督の拘りだろう
すきあらば戦争の話
あれは蛇足だった
ちなみにアップルパイの皿の「めーどー」は「メイド」なことではなく「うまいよ」「おいしいよ」の津軽弁だと思う
原作との違いに違和感
九州では7月に入ってからようやく公開となり、待たされた分、期待値も上がってしまったかな?
面白かったですよ。小説いとみち とは別の作品として楽しむことができました。
原作との違いに違和感がありました。
なんで祖母のハツヱと父親の耕一を義理の親子にしたんだろ?
いとの母親は、ハツヱの三味線に惚れ込んで、当事は弟子をとっていなかったハツヱに弟子入りを懇願した行動力のある人。
人見知りなのに、メイドカフェで働くと決めた、いとの行動力と通じるものがあったのに、耕一と義理の親子にしちゃうとね・・・
いとの母親が、カフェで働いてた過去があることにも触れて欲しかったなぁ
あと最後のシーン
いとが演奏終わったあとの、客の反応は?
カフェ再建に向けて、客と一緒に盛り上がるシーン欲しかったです。
いとが、少しずつ成長していくのが、「いとみち」の醍醐味なんですが、映画じゃ伝わりにくかったかな?
ご当地映画の良作
昨年鑑賞した『実りゆく』もそうだったように、地方を舞台に製作される所謂『ご当地作品』は、その土地で生まれ育った人達の自然な方言や、一昔前(昭和)の臭いがする風景が郷愁を誘うからなのか、観賞後の良い余韻を味わえる作品が多い。
今作も故郷と家族への深い郷愁に浸れる良作。登場人物全てが、いとの成長を見守り応援してくれる〝イイ人〟ばかりで、物語のテンポは終始スローだけど、退屈さを感じさせることもない。
無音の中、幸子に髪を解いてもらいながら母を想い涙する場面が今作のハイライト。
祖母役の西川洋子さんも素晴らしく、孫と三味線を弾く際の優しい微笑みが忘れられない。(この人、津軽三味線では物凄い名手として有名らしい)
けっぱれ!
三味線×メイド
青森が舞台の物語。
弘前の高校に通う相馬いとは、口ベタな上コッテコテの方言で友達もあまり多くない。
そんな彼女はある日、青森市内のメイド喫茶でバイトを始める。
そこでたくさんの人に出会い、やめていた津軽三味線を再び弾き始め、次第に少しずつ成長していく。
もう、空気感が素晴らしかった。
青森に行ったことはないですが、まるで自分の実家が青森にあるかのよう。
生活感溢れる家や自然な学校の雰囲気などなど、タイトルバックまでの数分間で完全に心掴まれました。
本当にリンゴだらけなんだろうな。
青森の雄大な自然と津軽三味線の耳を打つ音。
美しい映像と音楽だけでもう萌え萌えキュン。
どのシーンも愛おしく、何気ない日常に何度も泣きそうになった。
外出自粛が叫ばれる今、それはずるいよ。
メイドという夢を与える職業とその裏にある現実的な問題。
バイト代は三味線の修理費に当てて、徐々に周りの人や物を変えていくいと。
地元では脇役だった彼女が三味線を通じて、いつのまにか主人公になっている。
声に出せなければ音にすれば良い。
三味線ライブ後の登山シーンはまさに彼女の心情でした。
親子関係や過去の母親の記憶など、彼女の中のモヤモヤが色々吹っ切れたようで、こちらも青空の如くスカッとする。
恋愛、友情、スポーツと色々な青春があるけれど、彼女は彼女のままで。こういった青春も良いではないか。
主演の駒井蓮さんがとても良かった。
素朴な顔立ちだけど、何かを引き寄せる力を持つ圧倒的ヒロイン。
津軽弁も三味線もこれのために練習したにしては上手い。
基本的にどの登場人物も愛おしくて(あのクソ客1名を除く)、人間味溢れている。
おばあちゃん役の西川洋子さん、女優さんかと思ったら本物の方でした。え、演技素人には見えない。
K大魔王は「みんな、かに」って紙を残してたから許してあげましょう?
この作品の評価を大きく分けるであろう津軽弁。
確かに聞き取れない。
でも、半分くらいはなんとなく言いたいことがわかる。
おっ、わかるようになってきたと思ったらまたわかんないみたいな。
もはや外国語の領域ですよ。
津軽三味線と一緒に津軽弁を話せるようになりたいと思ってしまった。
絶対失ってはいけない日本の宝ですね。
こういった日本が誇る文化、大切にしていかなくては。
↓以下、笑ったシーン
・おばあちゃんとルンバ
・服のサイズ「エル?エル?」「LL?」
・「カチューシャ前の方が可愛いよ、どうせ自称永遠の22歳おばさんにやられたんでしょ」
・「お、お、おおんがえりなさいませ、ご、ごすずさま!」
・「あぁ、妖精さんだぁ 待て〜」
・クソ客に対して「いってらっしゃいませ、ご主人様」
・「首もぐど‼︎」
・ワンちゃんへもお疲れ様でした
・「あ、歳計算したでしょ」
・夜中に2人とも家出
・チョモランマ
…etc 覚えている範囲で
いいものを見た。駒井蓮、素晴らしい
なんて清々しい映画だろう。真正面からの青春映画。どこから見つけてきたかっていう女子高生役ふたり、駒井蓮とりんご娘ジョナゴールド。今時こんなツーショットやカットバック(電車内)が見れるなんて。でもきっとこのキャスティングがすべてかもしれない。青森出身監督と青森出身女優であることの、おそらく「恥ずかしくない」ドラマを作ったのだと思う。セリフわかんないし(笑、でも途中からまったく気にならなくなる不思議。まあストーリーはわかるし)、家屋も家の服もダサいし、でもこのキャスティングがピタッといって、もう駒井蓮を目が追っかけてるという。設定は定型っていやぁ定型なので見せどころはそこでしかない。うん。まったくダレず、いいものを見た。
アップルパイとチョモランマ
横浜監督の映画を初めて観たのは『ジャーマン+雨』(2006)だった。当時から凄い才能だと言われていたけど、50万円という低予算のせいか音楽がまったくダメだったことを思い出します。しかし、今作では三味線もど素人だった駒井蓮が師匠(祖母役の西川洋子)にも恵まれ、猛特訓の末に「津軽あいや節」を披露してくれた。しかも音響が素晴らしい音楽映画♪
7.1ch
コロナ禍で映画製作も懸念される中、感染者数の少ない青森県での撮影敢行。ご当地映画という枠に捉われない、全国民が楽しめる作品だったと思います。強い津軽弁と人見知りの主人公いと。彼女の成長物語でもあるけど、父親(豊川)や祖母との強い絆もプラスされ、メイドカフェ仲間や常連客の成長物語でもあったのです。
同じく友達のいない早苗(ジョナゴールド)との意思疎通、さらにメイドカフェという偏見をなくす展開、戦時中の青森空襲の話題など、盛りだくさんのエピソード。さらに方言を中心とした笑えるところが多かった。
何といっても三味線の道を目指す物語は音楽好きにとっては大きな収穫。大股になるのが恥ずかしいと言ってたいとだったけど、ノッてきて演奏に陶酔すると開いちゃうんですよね。恥ずかしくなんかないよ!しびれるほどカッコいい!もう最高!特にばあちゃんとの競演は音がきれいでした♪
津軽弁についての知識もなく、鑑賞前に方言のサイトでチェックしていきました。「けっぱれ」という言葉にはもちろん感動するのですが、「わ」「な」「け」など、一文字で意味が通じる東北弁の特徴を活かした脚本になってました。特に祖母が乾し餅(?)を渡すときに言う「か、け」は印象的。「はいどうぞ、お食べなさい」という意味だ。
パンフ購入。最終台本が載っていて、これで津軽弁やわからなかった部分を復習できそうです。では、へばね。
芯のある、素晴らしい映画!!!
三味線友人に誘われて何となく観たのですが、本当に感激しました‼️
登場人物のさりげない一言の中に、深み重みがありました。
郷土風土の息づかいもしっかりと感じられました。
撮ってくださって、有難うと思うばかりです。
巡り会えて良かったです。
風景とメイドに癒される作品
「俳優 亀岡拓次」(16)の横浜聡子監督作品。青森の津軽方面が舞台の口下手女子高生の成長物語と言えばそれまでですが、
ある意味奇跡のようなご当地作品でした。派手さはないですが隅から隅までドキュメンタリー調で芝居らしい感じがない演技が素晴らしかったです。
メイドカフェでアルバイトを始めて三味線コンサートまでの後半の展開は笑い多めで楽しく見れました。
父親の豊川悦司と祖母との三人家族がほのぼのとして微笑ましく見終わった後の爽快感がありました。
気持ちを穏やかにしたい時にぜひご覧ください。自然風景と三味線の音に癒されます。
ご当地映画の匂いをいい意味でかき消す良作
確かに噂通りのいい映画だった。どうせご当地映画の良くあるパターンでしょ、なんて公開前は思ってた。でもこの評判ぶりは只者じゃなかったので観てきた。確かに、別格のご当地映画だった。
ご当地映画みたいな匂いしてるのに、まるで違う。個々のピントの当て方がどこも上手くて優しい。そして何より、 皆がどことなく抱えている「人生がうまく行けばいいのに」という感情を乗せた雰囲気も心地よい。だから暑苦しくなく、寧ろホワッとした余韻をもたらしてくれる。
過去1聞き取りにくい主人公だったかも。笑 それはもちろん褒めている。津軽弁の強い訛を使いこなす駒井蓮さんにハマる人が多いのも分かる。あのヒロイン感で、メイドも可愛く、三味線も達者。朝ドラを観てるような安心感と暖かさ、そして、好きな時間がずっと流れていた。他にも黒川芽以さんとか横田真悠さん、中島歩さんとかのスパイスもきっちりかかっている。それぞれ抱えた境遇を自然に落とし込んでいるのも凄い。シスターフッドであり、青春であり、人間讃歌。その一方で、平たく落としこんだことを拾いきれなかったので、傑作とまでは写らなかった。でも、定期的に観たくなるような映画だと思う。
また、1番感心した、と言うと語弊があるが、ご当地映画としての機能が抜群の効用をしている。くすくす笑えるような会話も多かったし、戦争や景色といった、舞台にマッチした展開もグッとくる。
要素が詰まっているように見えて、整然としているから凄い。自分も思わず「けっぱれ」と思って見ていた。いとから良いところ見習わなきゃ…。笑
音が彩る映画
冒頭の授業シーンでの、「クラシック音楽のような」訛りの強い朗読。
ローカル線の気動車の排気音と振動。わらべ歌。
その流れでタイトルが出るのか!という驚きと山を望む美しい風景。
津軽弁を記録するフィールドワーク。
ちなみに日常会話のシーンでも、東北に縁のない私には内容が3割から8割程度くらいしか分かりませんが話の理解に支障なく、分からなさが却って耳に心地よい。
海の波音と焚き火。
心象を表す自転車のラチェット音。
人間椅子。
そして津軽三味線。
三味線の映画だと思って観ていると意外になかなか出てきません。三味線シーンを絞り込むことで一本の映画にうまくまとめられています。
とにかく音が気持ちの良い映画でした。
泣けない主人公がやっと…(泣)。
クライマックス直前、髪を梳いてもらうシーン。最後の方で、彼女の目に涙が溢れそうに?!思わず身を乗り出して見入ってしまった。
三味線の演奏も、素人目には堂々として見えたし、津軽弁も達者で、ヒロインを演じた女優さんにまず感心。
全編青森でロケをしたという風景も見ているだけで楽しい。訪れてみたくなる。
もの凄く個人的にやられたのは、祖母の台詞、「ままけ!」。
普段は方言などしゃべらないけど、田舎の知り合いなどと話した後、思わず出てしまう津軽ではない東北出身の亡き母が口にしていた台詞。母を思い出して涙が止まらなかった。
この映画、凄く好き、
人間椅子って
アノ横浜監督の新作と言うことで期待値マックスで観たら、割りと普通の青春モノでした。津軽弁が解りづらいなんて小さな問題。トンデモないオチが待ってるのかと期待したら、特に何事も起きず。原作ありきだから仕方がないか。地味すぎてヒットするのか勝手に心配。
バランス
恋愛話にも流れず お店再建の感動話にもせず 本人にとっては とても大きい「小さな成長」を描く 主演のいとが物凄く良い 山の上から ちょっと前の自分と手を振り合う 成長って過去に別れを告げるワケじゃなく いつだってちょっとだけ前に進むコト そんな風に思わせるラストシーンが清々しいなぁ あと父親が マツモトクラブに見えて仕方なかった
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