ノマドランドのレビュー・感想・評価
全420件中、21~40件目を表示
拠点を持たない寂しい人生観
フランシスマクドーマンド扮するファーンは、町の経済破綻のため家を出ようと荷物をバンに詰め込んで出発した。
車上生活をしながら果たして大自然の中でものの見方は変わるのか。それにしても車上生活者って多いんだね。意外に交流もあって物物交換が盛んに行われているんだ。適当に働いて自由を満喫するのかな。でも拠点を持たない寂しい人生観で、自分には合わないな。
タイトルなし
昔、ショーン・ペン監督の「イントゥ・ザ・ワイルド」という作品を映画館で見て、震えるほど感動した覚えがあります。
この作品は続編のようなものです。傑作です。
とはいえ日本人にはわからない部分と憧れが入り交じると思われる。自分はそうでした。
それは何故かと。
国土の違いでしょう。
あの広さ、あの自然。宗教が違うのも当然。アメリカもロシアもヨーロッパもキリスト教。一方国土が狭いと至近距離にも目が行き届く、八百万なのです。ソラリスもストーカーもノスタルジアも究極言うと理解し得ない、根本が違う。
国土の違いが巡り巡って国民の生き方をも変えてしまう、その感動をもこの作品は含んでいるように感じます。国を代表する傑作は、きっとそうでしょう。
というわけで「イントゥ・ザ・ワイルド」どこかで配信されないものかなあ。
コロナ禍で“つながり”が言われる中、ホームレスではなく、ハウスレス...
コロナ禍で“つながり”が言われる中、ホームレスではなく、ハウスレスという生き方を描く今作。そこからそれぞれの生き方や生きる意味いう本質的なテーマを紡ぎ出す。3度目ありますよ、これは!
どこが面白いかわからなかった
夫を失った女性がバンでアメリカ中を旅しながら様々な人々に出会い別れを繰り返す話
自然の壮大な風景をでっかい画面で映し出していて映像は美しかったし、キャストに本物の人々を使用するなどドキュメンタリーと現実の区別が曖昧になるような作りが面白かったけれど、ストーリーとしては地味で見ていて退屈だった
妹に面白さが分からなくとも無理はないと言われて救われた
空気みたような映画
さっき観たばかりでもう内容を忘れたくらいストーリー性は希薄です。
故に、退屈極まりないと感じる人も多いでしょう。
60過ぎて職を失った女性があちこち車で流れながら土地土地の人と交流してゆく、というだけの話でドラマチックは皆無です。小津の一種ともいえます。
深刻に悩むでもなく、明るく笑い飛ばすでもなく、前向きに取り組むでもなく、ひたすら自然に流れるままに生きていく姿をアメリカの荒涼とした砂漠やサバンナを背景にゆったり描いています。
脚本より演出に依存した作品なので、この独特の雰囲気に合うか合わないかが好みの分かれ道になるでしょう。
人という孤独な存在を詩的に映像化
久しぶりによい映画でした
静かな映画でした
よいというしかないが
小津安二郎の
『東京物語』
と同じものが貫かれているとおもいます
人という寂しい生き物が
詩的に描かれている
その時私も兄さんの口を迸しる Einsamkeit, du meine Heimat Einsamkeit !(孤独なるものよ、汝はわが住居なり)という独逸語を
夏目漱石 行人より
もっちゃりとロードムービーが見たくて…
見始めた。想像通り物語は進み、大した事件は起こらないのだが、それでも残酷に淡々と生き方を問う。
超高齢化社会と現代資本主義に疲弊しきってる自分には考えさせられる内容であったがストーリーは退屈だった。
想像するがそこまでは求めない
自分も60歳の齢を越えたので、自分だったらって想像してみたが、なかなかやろうとは思えない。もちろん、ファーンの場合には、住んでいた町が町ごと無くなったためという理由があるが。日本には、人が住んでいないアリゾナの荒野のような土地がないせいもある。アメリカには、西部開拓の歴史もあるからか。
アマゾン等の単純労働を転々としながら、同じような高齢者が助け合って、一つのコミュニティを作るのは、アメリカならでは。リーマンショック、製造業の没落、国民皆保険制度がない等、ブルーカラーを締め付ける環境の中で、座して待つだけではなく、自分の力で切り抜けようとする力強さが、アメリカ人に宿るDNAみたいなものか。
抑え目のピアノのBGM、不便なバン生活の制約、雇用の不安定、物々交換、その中でも馴染みの仲間との支え合いと交流。
日本でも、単身世帯となった高齢者の生活は、子どもたちとの関係がなければ、大きな差はないかもしれない。仕事は限られ、地域との付き合いは限定的、あとは同じ趣味を持つ人たちとの交流程度。
「ノマド」は、過酷な環境ではあるが、街にいる路上生活者に比べればまだいいのかもしれない。アメリカ人のスピリットの自由な生活を選択しているから。でも、やはり日本人には想像が難しい。自由よりは、便利さに慣れているためか。未開の荒野もないし。同じようなことは、恐らく日本ではできないだろう。
ただ、映画の中で、「家」は、心の中にある物とノマドが発していた。ファーンにとっても、それは夫と暮らした美しい日々だったのだろう。それが、大自然の美しさ、人の優しさとリンクする。最後、家財道具を売り払っては、夫との過去に決別するため。人は、心が満たされるものを求めて、旅をし、彷徨うのかもしれない。
生きる事の壮絶さ
固定の住居に寝泊まりし、固定の職場に勤め続ける事の息苦しさ、というものを理解してるだけに、ノマド的な生き方の開放感も想像出来る。
どんな生き方だろうが、生きるとい事が厳しいのは違わないんだろうな、と感じた。
ドキュメンタリーかと感じる重苦しさがそこここに散りばめられてた感じ。それらを克服するヒントもちゃんと在る事が救いとなる。
“もう充分”と言える様なモノに出逢えてない事に気付かされ、まだこれからなのか?と引き止められた気分にもなった。
穏やかながらも悲壮感の強い音楽も雰囲気を重くしてた要因となってるが、個人的に好みな旋律。
全体的に暗い雰囲気ではあるが、嫌ではない作品。
価値観が少し変わるかも
本作が好きか嫌いかは別として、とにかく人生を見つめ直すよい機会になった。
めくるめく雄大な自然は、人間の強さとはかなさの両面を映し出していたと思う。
観ていてドキュメント作品と勘違いするほど出演者皆の演技があまりに自然というか日常的に感じた理由については、観終えて初めて知りびっくり。このあたりも本作の評価どころか。
個人的には少々行き過ぎに感じるシーンもちらほらあったが出演者皆を引っ張りあげた主演のフランシス・マクドーマンドの演技力は、演技の枠を遥かに越えていると言っても過言ではないしほど素晴らしかったのは言うまでもない。
観ている途中は正直そこまでは…的だったが、今感想を書きながら想うことは、アカデミー賞3部門受賞はやはり相応なのかもしれない。
ところで、フランシス・マクドーマンドを観ていて、大竹しのぶを思い出したのは私だけ?
イージーライダーの現代版
この映画を見て、イージーライダーを連想したのは私ぐらいだろう。ただ、バイクが車に変わっただけ、放浪する点では同じだ。しかもイージーライダーがコミュニティには馴染めなかったのと同様、彼女もまた好きになった男性の家では暮らせないと判断して、放浪の旅へ再出発した。イージーライダーの彼らは世間から偏見の目で見られたが、こちらのノマドはどうだろう?子供が彼女のことをホームレスになったのと訊いたら、彼女はホームレスじゃなくてハウスレスと答えたのが笑える。
昔、普通の社会に馴染めない若者から、イージーライダーの彼らを生み出し、現在、「普通」の暮らしができない老人たちからノマドが生まれた、っていうことかな。
車上生活って憧れんことはないけど
人生すべて後ろ向き!の拙にとって
カネなくなったらアマゾンで働こか、
とは絶対ならんねえ。
だからこそ自分にマネできん人生観には憧れるが
現実的に嫁さんもガキも居るわけで
作品もあーそうなんだ、の域を出なかった。残念
60点
イオンシネマ近江八幡 20210428
(ノン)フィクション
現実と創作の間にある映画でした。
どこまでが現実でどこからが創作の世界なのか混乱しました。でも、そんなことはどうでもいいんです。こういう世界は現実にあるのだから。と思わせる良作でした。
社会で活躍しみんなの役に立ってきたのに、社会情勢の変化でその立場を失う。その大きな変化で自分たちの居場所を求めて彷徨う人々を、数多くの美しい風景、絶景、奇観との対比も加えて、スケールの大小と合わせて描いているのも考えさせるものがありました。
そして何よりもフランシス・マクドーマンドが素晴らしい。スリービルボードの時も思いましたが、自然というかその世界に溶け込み過ぎて怖いくらいでした。ほんとにすごい表現者です。
これは、アカデミー賞取っちゃうでしょうね。
全420件中、21~40件目を表示