劇場公開日 2021年3月26日

「釘づけになるか、眠くなるか。感じ方は真っ二つな、社会派ロードムービー。」ノマドランド 門倉カド(映画コーディネーター)さんの映画レビュー(感想・評価)

0.5釘づけになるか、眠くなるか。感じ方は真っ二つな、社会派ロードムービー。

2021年7月14日
PCから投稿

悲しい

単純

難しい

【賛否両論チェック】
賛:“家”の意義から始まり、やがて“生きていくこと”の意義まで考えさせられるような、不思議な作品。
否:展開そのものは非常に淡々としすぎている印象。関心を惹かれないと、眠くなってしまうこと必至。

 家を手放し、“ノマド”として生きることを選んだヒロイン。そんな彼女と、同じ境遇の様々な人々との出逢いを通して描かれていくのは、まさに「生きることとは?」という普遍的なテーマです。劇中でも葛藤するように、“家”というものの存在意義から派生して、次第には“生きていくこと”そのものの意義を考えさせられるような、とっても不思議な作品です。
 また個人的には、ノマドだと最期の「さよなら」がなくなり、「またどこかで」に代わるという部分が、非常に新鮮に感じました。
 ただ映画としては、やはり淡々としすぎていて、観ていて眠くなってしまいそうなのも、また事実。逆に、
「“この映画を観て眠くなる=幸せに生きられている”っていうことなのかな・・・?」
なんて、少し斜めから考えてしまいました。
 良い意味でも悪い意味でも、関心や評価が真っ二つに分かれそうな、そんな作品といえるかも知れません。

門倉カド(映画コーディネーター)