国境の夜想曲

劇場公開日:2022年2月11日

国境の夜想曲

解説・あらすじ

「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」でベネチア国際映画祭の金獅子賞、「海は燃えている イタリア最南端の小さな島」でベルリン国際映画祭の金熊賞と、それぞれドキュメンタリー映画で最高賞を受賞しているジャンフランコ・ロージ監督が、3年以上の歳月をかけ、イラク、クルディスタン、シリア、レバノンの国境地帯で撮影したドキュメンタリー。9・11米同時多発テロやアラブの春、そしてアメリカのアフガニスタンからの撤退。さまざまな情勢によって巻き起こる侵略、圧政、テロリズムなどにより、多くの人々が犠牲となり、数多の痛みに満ちた土地を、ロージ監督は通訳も伴わずにひとりで旅をし、土地に残された母親や子ども、若者たちの声に耳を傾ける。母親たちの哀悼、子どもたちの抱える癒えない痛み、精神病院の患者たちによる政治の無意味さについての演劇など、ロージ監督が旅の中で見聞きしたものを通し、暗闇の中に一条の希望を見いだし生きようとする者たちの姿を浮かび上がらせる。2020年・第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。第33回東京国際映画祭では「ノットゥルノ 夜」のタイトルで上映。

2020年製作/104分/G/イタリア・フランス・ドイツ合作
原題または英題:Notturno
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2022年2月11日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第77回 ベネチア国際映画祭(2020年)

出品

コンペティション部門 出品作品 ジャンフランコ・ロージ
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(C)21 UNO FILM / STEMAL ENTERTAINMENT / LES FILMS D’ICI / ARTE FRANCE CINEMA / Notturno NATION FILMS GMBH / MIZZI STOCK ENTERTAINMENT GBR

映画レビュー

4.0 驚くべき映像の力

2025年9月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ほとんど内容を知らないまま――ドキュメンタリーかそうでないのかさえ知らないまま――に本作を観にいったのですが、感銘を受けました。

僕は、基本的に映画はエンターテインメントであり、観客を楽しませてなんぼだ、と考えていますが、もちろんそうでない作品、つまり「何かを記録して伝える」といった意図のもとにつくられた作品も当然あっていいわけで、本作は後者に属するものです。

とにかく画(え)が美しい。
本当に美しいものには力強さがある。この作品の映像もそうです。
ただ表面を写しているのではなく、物事の本質(あるいは本質のようなもの)をとらえているから、これだけ気高く、力強く、美しいのだと僕は思います。

すべてのシーンが、すべてのカットが、まるで「マグナム・フォト」や「ナショナル ジオグラフィック」などの優れたフォトグラファーによって撮影された写真のようです。決まりすぎるほど、決まっている。
これほど素晴らしい映像によって綴られたドキュメンタリーを観たのは初めてかもしれない。こんな映画はちょっとないのではないか。

そして、強度と深度を持った本作の映像からは、異国の土地の空気が、その場のリアリティーが、実によく伝わってきます。
外国の街や村を彷徨ったことがある人ならそういう感じがよくわかるはずです。

空の面積を大きくとった構図が印象的でした。
大地に響きわたるアザーンや銃声。微かな水の音。鳥や虫やカエルの啼き声……。それらの音もまた観る者に何かを語りかけてきます。

静かに「国境の夜想曲」を聴くことができる人にとっては、この作品は大変興味ぶかい、意味のあるものになるでしょう。

もう一度、観たい。

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peke

1.0 所詮、神頼み

2024年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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odeonza

2.5 タイトルなし(ネタバレ)

2024年1月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

4.0 夜想曲

2022年3月13日
iPhoneアプリから投稿

予告をみてこれは映画館で見なくてはと。

普遍的な悲しみと日々の営みが心に迫った。
もともと関心があったので、これはイラクかなこれはクルドの女性兵士かなとかなんとなくは背景がわかる。あまりそこに意味はなくて、映し出される表情やちょっとした会話、風景が物語るものを見る映画だと思う。
こんな風になにかを表現してみたいな。

監督のコメントを引用。「実際の暴力性は、爆撃が起こっている数キロ先の人々の生活の中にある。戦いの衝撃波は長く、遠くの日常にまで響く。私はその『日常の痛み』の方に近づきたかったから、戦争をこだまのように描いた」

敢えて名前も地名もない人々を映すことで彼ら彼女らと似たような境遇のさまざまな場所の人たちに想いを馳せる。

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hyvaayota26