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解説

名古屋を舞台に永瀬正敏、オダギリジョー、金子ノブアキ演じる3兄弟の数奇な運命を描いた人間ドラマ。愛知県名古屋市熱田区に生まれ育った達也、章人、隆史の3兄弟。自由奔放な長男の達也は、名古屋を飛び出し、ニューヨークで写真家として多忙な日々を送っていた。そんな達也が突然の弟の訃報を受けて名古屋へ帰ってきた。自ら破滅的な生活を選択した弟に何が起こったのか。カメラを手に名古屋をめぐる達也は、過去の記憶を探るように家族や周囲の人びとの思いを手繰っていく。長男役を永瀬、次男役をオダギリ、三男役を金子がそれぞれ演じるほか、13年ぶりの実写映画出演となる今井美樹、真木よう子らが顔をそろえる。監督は高倉健のドキュメンタリー「健さん」や樹木希林が企画に参加した「エリカ38」などを手がけた、写真家の日比遊一。

2020年製作/124分/G/日本
配給:イオンエンターテイメント、ジジックス・スタジオ

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(C)2020「名も無い日」製作委員会

映画レビュー

5.0The day 〜「命日」という名も無い「その日」

pipiさん
2021年6月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

沁みた・・・。「沁」という字は、心に水のようにしみこむと書くが、この映画はまさしくそうだ。

同じ「喪失」を扱った作品として直近には「ノマドランド」があるが、個人的には僅差で「名もない日」に軍配を挙げたい。
理由は、脚本と編集が素晴らしいからだ。観客は、達也の目を通して「何があったのか」を一つ一つ確認していく。と、同時に「その場所」に纏わる過去の記憶が想起され、より深く達也の心情を理解する事になる。
無駄なシーンは一つもない。
特に「想い」や、人間同士の(特に男女や親しい友人間の)関係性の深さを敢えて「言葉ではなく、演技のみ」で現そうとしているのがよくわかる。
こういう機微は、言葉にすれば陳腐になってしまうものだ。
その分、具体的な人物の相関関係そのものをわざわざ解説するような無駄を省き、台詞をきちんと聞いてさえいれば誰がどういう立場の人物であるかは、すべて理解出来るようになっている。
(学生時代、達也が明美に抱いていた想い。秀行への友情に想像を巡らせばあまりに切ない・・・)
ノマドランドも似た手法だと感じるが、あちらは主人公の行動範囲が広く、新たに出会う人物も多い為、観客の理解を促す為に描かねばならない必須シーンはどうしても多くなる。
「住み慣れた街を失い、広大な土地を放浪するファーン」に対し「遥か昔に飛び出した故郷にて、思い出の残滓を拾う達也」は実に好対照だ。
行動範囲が狭い分、非常に思い切った削ぎ落としが可能であったところが、芸術的な編集を実現させたのだろう。

おそらくは「答え」の一つであろう台詞を、2人の年配女性に語らせたのは実に良かったと思う。
兄弟を失ったばかりの達也や隆史には、どれだけ考えたところですぐに答えが見つかるはずもないからだ。
対して、2人の女性は深い喪失を何十年も前に経験している。長い間、悲しみ、苦しみ続けたであろう。そして、いつしか「幾つかの叡智」を発見したに違いない。
木内みどり扮する「ヒーターのお母さん」は「自分の時間を止めないこと。前に進むこと」を教えてくれる。

そして、草村礼子の「おばあちゃん」が言う「あっくんの真実はあっくんにしかわからない」は本当に深い!

達也や隆史、いや、同級生・秀行の母とは同年代であろう奈津子(藤真利子)ですら「もし、自分がもっと関わっていたなら!結果は違ったのではないか?」と考えてしまうはずだ。
しかし、決してそうだとは限らない。
達也だって、今まで何もしてこなかったわけではないだろう。
章人の変化は、隆史の婚約時にはすでに片鱗が見られていた。最後の邂逅となってしまった達也の一時帰国の時には明らかに心療内科が必要なレベルである事がわかっていた。
おそらく、たまにメールを送ったり程度はしていたと思われる。
奈津子だって隆史だって真希だって奈々だって、時折訪ねていただろう。
しかし、すでに生計を立てている「大人」に対して強く意見するのは、親兄弟親戚でも非常に難しいものだ。

章人は「自らこの生活を選んだ」のだ。誰かが介入したとしても、結果は何一つ変わらなかったかもしれない。
もし、やり直せるとしたら、、、
それは「キツネ面を付けて祭りに駆け出して行った頃」か、せめてせいぜい竜太(八木の息子)くらいの学生時代、そこまで戻らなければ変えられないと思う。
おばあちゃんの言う通り、章人の心情という真実は章人にしか決してわからないのだ。

最初、レビュータイトルは
「ローライフレックスSL35Mは何を語るか?」にしようと思っていた。
スナップ系写真家の左手はカメラと融合しているものだと信じているが(笑)、しかし達也はファインダーを覗くもシャッターが切れない。
罪の意識がある限り、ファインダーを通して見えるのは「過去」でしかなく「現実の街」は彼を拒み続けるのだろう。

他の登場人物達はみな「答えに辿り着くまでの様々な過程」を物語る。
「水臭い!」と嘆き、慟哭する奈津子。
「決して忘れない」と語り、実行してきた明美(今井美樹)
心の何処かで、常に兄達を慕い続けている隆史。
哀しみの中で、自分が空気を変えねばと努める真希。
死別ではないが、離婚という「別離」を経験し、その道程に日々惑う八木。
八木に付かず離れず寄り添う直子。
「未来の希望」を約束する奈々。

終盤、ついに達也がシャッターを切る!右目ファインダー両目撮りの達也が、この時には左目ファインダーだ。
「章人が見た景色」をフィルムに焼き付けようというのだろう・・・。
そう!ようやく達也は立ち上がり、前に進めるのだ。

鑑賞後、暫くしてある考えが浮かんだ。
観客は「達也の目線」を見ていたのではなく、もしかしたら達也を見ている「章人の目線」を見ていたのではないかと?
そう考えると序盤の墓参りシーンでの空撮も得心がいく。
という訳で、SL35Mとツァイスの眼が捉えたのは最後の「空白の時間と現在が重なり出す」重要場面だけだったのだな。

技術的な話に関しては、まず「永瀬正敏」という俳優の凄さに恐れ入った。
きちんと意識して観てきた事がなかったが、こんなに素晴らしい役作りをする人だったのか。
出番は少ないがオダギリジョーも凄い。
2人とも、全編通して「役柄が憑依しているんじゃないか?」とまで思わせる、非常にナチュラルで「現実以上に現実的な」演技だったと思う。

また、映像技術が素晴らしい。
冒頭、左下に人物がいるのかいないのかわからないような光の使い方が、物凄く印象深かった。これは1発目からやられたなーと、映像美への期待が高まった。

一般的な映画作品に比べて、ボカシ、ボケ味のテクが多用されていたのもこれまた非常に印象深い。
シネマカメラ、シネマレンズにはさっぱり詳しくないが、絞りとか結構違うのだろうか?
もう、あらゆる映像がフォトジェニックで(って、この場合、使い方が変だとは思うけどw
すでに日比監督&高岡撮影監督によって切り取られ済みの景色なのだから、当たり前なんだけど。)
思わず「熱田ってフォトジェニックな街なんだな」と錯覚させられるw
川沿い、夕景の逆光映像も実に良かったなぁ・・・。
(監督には何故不人気モデルのSL35Mなのか聞いてみたかったが、作中で答えられてしまった。「安物の中古」と(笑)。おそらく本当にそうだったのだろう。
傷が付く事などを気にせず、プロが日常的にガンガン持ち歩くには良い選択なんだと思う。)

音楽も非常に良かった。適宜、挿入される弦楽四重奏は、繰り返し何度も聴きたいと思った。

私小説のスタイルを取った作品だから、自己投影してみるとしたら、私自身は達也に最も共感する。
正直なところ章人さんは理解出来ないし、隆史さんの気持ちも想像の域を出ない。私が3姉弟の1番上の為だと思う。(弟達がそれぞれ章人さん、隆史さんに似ているので、尚更、何故彼らが「そういう考え方」から脱却出来ないのか、切実な思いがある)

「喪服を持って行かない」という選択はよく理解出来る。しかし、それは達也に経済力があり、かつ、現在はレンタル店もそこかしこにあるから出来る事だ。
「東京物語」では、母の危篤を聞いた長女が「喪服を持っていく」とするシーンがあるが、その心情を責めることは私には出来ない。戦後まだ8年目。東京から尾道まで家族全員での旅費も時間もバカにならない。子育てにお金のかかる世代にとっては、改めて喪服を取りに東京まで戻るなど、とんでもなく難しい相談なのだ。

また、八木を巡るトピックはすべて非常に良かったなぁ。
寂れた商店街だが味のあるイタリアンらしき小料理屋。養育費を手渡しすること。親父に悪態をつく竜太も、本音は母と幼い弟を思いやる気持ちの裏返しだ。直子はきっと、八木の子供達が成人&独り立ちするまでは結婚しないだろう。しかし、入籍の有無に関わらず、八木と最後に暮らすのは直子だろうなと思う。

竜太はいつかNYへ来るだろうか?
達也の次の帰国は、可愛い甥か姪の誕生祝いだろうか?
「残された者」達は、前に進み続ける・・・。
(もし、竜太がNYを訪れたならば。
間違いなく「親父の店の常連客」になるだろう。親父を赦し、理解出来る男に成長するだろう。)

今後、ますます世界的規模で孤独死、引きこもり、8050問題が深刻になってくるだろう。
この作品に登場する人物達、一人一人が「他者理解」のきっかけを教えてくれるかもしれない。
おばあちゃんの「先祖から受け継いだものを忘れちゃいけない」と奈々の「いつか作品を作るから未来で待っていて」も対にして大切にしたいフレーズだ。
(本作の名古屋弁への拘りは「受け継いだ失ってはならないもの」の一つという事か。
また、おばあちゃんは達也に対し決して冷たく無いと思う。「アメリカへ帰れ!」は公私の別をつけろ。私(プライベート)よりも公(仕事)を大切にしなさい、という昭和女性(大正かな)の義憤と達也への思いやりだと感じた。)

プリズムのように、様々な人の想いを映し出す美しい本作品が「未来の光」になる事を願っている。

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pipi

1.0「こんなことがあったんですよー」って映画。

2021年6月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

出演陣が豪華の一言に尽きます。
いやぁ、舞台となっている愛知県。たくさんお金を
用意できたのかなぁ?なんて勘繰る方に気を使っちゃう
くらいに・・・なんたる豪華出演陣の無駄遣い作品なのでしょう。
いい感じのヒューマンドラマ風、詩的風、語ってる風の映画に
仕上げてるだけ。耳障りの良いセリフと雰囲気だけの映像。
中身はすっからかん。

監督の日比さんの経験をもとにされているそうです。
(主人公が日々さんモデルなのかな?)
だったら、この日記みたいな、いや絵日記の「絵」みたいな
作品をなぜ作ったのでしょうね。
これっぽちも人の心に踏み込めてない、描けていない
この話はいったいなんなのでしょう?
空回りにもほどがあると思いました。

こうすれば感動するんでしょ?
ってタカを括ってる感が半端ない展開と演出。

時間が経過しても話も人物も前に進んでいる感が全くない。
前にも進まないし過去を掘り下げることもしていない本作。
事象が映し出されるだけで人物自体の物語がない。
だから、心情がみえない。「なんで?」が全く見えない。
故に主人公の最初と最後は喪失からの立ち直りでしかない。
(立ち直り理由も全く見えず)
それしかない。・・・ほんと?そんな単純な話?

<後悔>、<断片的な記憶>、<わかった風のセリフ>
<ひたすら拡散し結ばれないエピソードの導線>。
で、結局なんなん?って想いに支配される私の頭の中です。
あぁ、そうか。監督自身が「なぜ?」が見えてないから
こういう作品にするしかなかったのでしょうね。
脚本の「新涼星鳥」さんってどなただろう?この脚本も含め
難だらけですよ。

俳優陣の実力があるからなんとか成り立っているに過ぎません。
とにかくかっこつけてる印象しかない映画。深みがない作品。
残念です。

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バリカタ

3.0切なくて悔やまれない。

2021年6月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

3兄弟の話だったが、生まれた場所とか親兄弟との関わり方は人それぞれだ。
静かな美しい画面からジワジワと放たれるそれぞれの想いが切なかった。
そして、後になって何にも出来なかったと言う結果は現実的で悔やまれない。
寄り添うなんて容易ではないのだ。

私なんかは正直、兄弟の腹の中が1番わからないよなって思った。

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パプリカ

4.0【切り取られた場面/木内みどりさん】

ワンコさん
2021年6月17日
iPhoneアプリから投稿

世の中には、切り取られた一瞬は沢山ある。

そのほとんどは、美しいと感じたり、楽しい記憶を止めるものだったり。

だが、切り取られなかった苦悩やトラウマが人を縛りつけることは圧倒的に多い気がする。

自分の真実は自分にしか分からないのだ。

兄弟でも、家族でも、親友でも、恋人でも、分からないことはあるのだ。

だから、残された人は苦悩するのかもしれない。

なぜ、どうして…、あの時、自分がこうすれば…とか。

だが、時を止めたままではいけない。
残された者は、生き続けなければならないのだ。

たとえ薄汚れて霞んでいても、それを切り取って、どこかにしまい、人は生きていくのだ。

カメラで切り取る一瞬は美しい場面が多いのかもしれない。
そして、人目に触れることも多い。

しかし、苦い思い出や苦悩は、写真として切り取られなくても、心が切り取ってしまいこんでるのではないのか。
だから、人目に触れることは少ないのだ。

だが、前を向いて生きて行けばいい。

人というのは、そういうものだ。

※ この作品もコロナ禍で公開が延期されていたのだろうか。

木内みどりさんが亡くなられてから、一年半以上経っていると思う。

なんか、木内みどりさんを見れて良かった。

木内みどりさんに合掌。

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ワンコ
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