劇場公開日:

血

解説・あらすじ

「ヴァンダの部屋」「コロッサル・ユース」などで世界的に高く評価されるポルトガルの映画監督ペドロ・コスタが、1989年に発表した長編デビュー作。コスタ監督自らが経験した映画史と自国の記憶を色濃く反映しながら、父親を殺した青年の物語を美しいモノクローム映像で描き出す。

冬のある日、青年ヴィンセントは病に苦しむ父親を安楽死させ墓地に埋める。弟にはそのことを伝えないまま暮らそうとするも、父親の消息に疑問を抱いた伯父がヴィンセントのもとを訪れ、弟を連れ去ってしまう。弟を取り戻そうとするヴィンセントだったが、父親の負債の返済を求める2人組が現れ……。

マノエル・ド・オリベイラ監督作の常連俳優ルイス・ミゲル・シントラが重要な役どころで出演。日本では、コスタ監督の初期3作品を監督自ら監修した4Kレストア版にて上映する特集上映企画「ペドロ・コスタ はじまりの刻(とき)1989-1997」にて劇場初公開。

1989年製作/95分/ポルトガル
原題または英題:O Sangue
配給:シネマトリックス
劇場公開日:2025年5月24日

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映画レビュー

4.0失神するほど美しいペドロ・コスタの処女作

2025年6月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

一度目の鑑賞で、あまりに美しい映像に気を失ってしまったため、再トライ

言葉での表現に限界を感じるが、黒白のコントラスト、構図とも映画史に残ると言いたいレベル
全編全ショットに魅了される
感情を揺さぶる音楽の挿入も効果的

夜の墓地から木立への一連のショット、
墓穴を掘る疲労と不安、よすがなき抱擁

祭の広場へ土手を走り降りると、川面から霧が立ち上がる幻想感
そして川底から死体が上がる不穏さ

恋人を岸に押し倒すイネス・デ・メディロスのふくらはぎのなまめかしさ

あゝ、とても伝えきれない

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sugar bread

3.5PV、モノクロ映画考えてる人必見。

2025年6月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ポルトガルのペドロコスタ監督初長編です。
勉強不足でこの監督知りませんでした。

めちゃくちゃ絵がカッコいいです!パンフ見ると色んな映画の影響、、、書いてありますが私はこの人の年齢とバンドやってた経歴みてMTVの影響がデカいのではないかと思います。当時はハーブリッツやメイプルソープ、マットマファリン、ヘルムートニュートンなんかの影響受けたPV全盛期だったから、当時30歳バンドマンの彼は直撃受けてるはず。
この映画でモノクロ絵を追求するのは満足したようで、以後モノクロ作品はありません。

お話はというと貧しい人をカッコよく撮る事に重心おいてます。父親殺した主人公が、彼女と弟を探して云々、、サスペンスにしては進み遅いし会話が散文的、詩的で話の内容はぶっちゃけわかりずらいです。
ただ独特の世界観と中毒性はこのいまひとつ噛み合わない会話と絵の凄さにあるのかなと思います。

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masayasama

5.01989年。ペドロ・コスタ監督。病気で苦しむ父親の自殺/安楽死/殺...

2025年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1989年。ペドロ・コスタ監督。病気で苦しむ父親の自殺/安楽死/殺人を補助する/見過ごす/手を下す青年が、弟にはそれを告げないまま過ごそうとするが、弟を強引に預かろうとする叔父や父の借金を脅迫的に求める二人組に遮られる。恋人の助けを借りてなんとかこの試練を潜り抜けようとするが、という話。
物語の展開を追うのは容易ではないので、言語化できない場面が続いて眠くなるのは致し方ないが、とにかく画面が美しい。すでに冒頭のシーンで、父と青年が向かい合い、父親が青年の頬をおもいっきり張って歩き去り、青年は三輪自動車で追いかけるのだが、カットバックされる二人の大写しの顔の陰影、背後の地平線、足元のぬかるみ、など感嘆するほかない。
死んだ父親を墓地に埋めようとするシーンでは、「まっくらだ」と登場人物たちが言うのだが、画面には思いっきりライトが当たっていたり、恋人とで会ったらいきなり女のほうが気絶していたり、「映画だなあ」という場面の連続。

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文字読み

4.0絵だけで押してくる迫力が凄い。あからさまに溝口カット持ってきたり、...

2023年7月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

絵だけで押してくる迫力が凄い。あからさまに溝口カット持ってきたり、まだ若くて青い頃。ただ迫力はあるなー。

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kazuyuki