THE CAVE サッカー少年救出までの18日間のレビュー・感想・評価
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胸糞悪い
サッカー少年12人とチーム監督が雨季の「DANGER 立ち入り禁止」の看板が立っている洞窟の中に入っていき、豪雨で通路が塞がり閉じ込められ、それをレスキュー隊が救出する物語です。感想は時間の無駄。レスキューの人が1人彼らを救出するために亡くなったのに、少年たちはなんというか、英雄扱い!?
助かったことはもちろん良かったですが、少年たちの馬鹿な行動のおかげで多大なる人員とお金と犠牲が払われている。彼らの自業自得である事は間違いないのだが、この映画を見た後にその後彼らはどうゆう対応を受けたのか様々に調べたところ、英雄扱い、支援、好待遇である。彼らには奉仕活動などをさせたほうが、今後このような他者に多大なる被害を与える行動を慎むように促すべきところが、何もないのが腑に落ちない。これに共感できる人は、自己欺瞞の人、他者に優しいふりをした自己中な人、周りが見えていない人、変な正義感を振りかざす人...胸糞悪すぎて自分の口調が荒くなってしまうのでこのへんで終わりたいと思います。
Danger!!
映画「THE CAVE サッカー少年救出までの18日間」
(トム・ウォーラー監督)から。
全てが中途半端な感じか残ったまま、観終わった。
ドラマなのか、ドキュメントなのか、それさえわからない。
監督は、私たちに何を伝えたかったのか、
この事件を中継するレポーターやテレビ放送は、
冒頭で「全国の人々が事故に注目しています」
そして、ラストシーンでは
「勇気と自己犠牲の物語が世界中を魅了しました」。
これ以上でも、これ以下でもないって感じだった。
アクシデント、ハプニング、トラブルを予感させて、
実は、何も起こらず・・全員無事に救出される。
それはそれで、とても素晴らしいことだから、
わざわざ映画にする必要なかった気がする。
その時のプレッシャーや張り詰めた雰囲気は、
やはり伝わらない・・と実感した。
彼らは「Danger!!」と書かれた看板を無視して、
雨季に洞窟に入ったんだということと
救出の際「鎮静剤で完全に眠らせてから運んだ」
それがわかっただけでも収穫だったかな。
淡々と明らかになる真相。奇跡と感動の救出劇、その裏側。
【賛否両論チェック】
賛:少年達救出のために尽力した人々の軌跡が、等身大で描かれていくのが印象的。人々の“祈り”がテーマになっているのも、タイならではか。
否:物語自体はかなり淡々と進んでいくので、実際の緊迫感が今ひとつ伝わりにくいか。
経験豊富なダイバーでさえ、実際に命を落としてしまったほど過酷な現場にあって、少年達を助けるために奔走したダイバー達や、それを支えた様々な人々の姿を、まるでドキュメンタリーのように淡々と描いていくのが印象的です。ただ物語の演出としては、実際の緊迫感が今ひとつ感じにくいのも、致し方ないような気もしました。
そして本作では、“祈り”というものが1つのテーマになっているようで、その辺りもやはりタイならではだなと感じました。個人的には、洞窟からの排水で田畑がダメになった近隣住民が、
「作物がダメになったら、また育てればいい。でも少年達の命はそうはいかない。」
と言って、給付金を断るシーンが心に残りました。
実際に起きた事故なので、勿論結末を知ってはいるものの、それでもラストは大きな感動が押し寄せてきます。ニュースをご存知の方は、是非ご覧になっていただきたい、そんな作品です。
観ててなんの知見もない映画未満
地元でやりだしたのが最近だったので
観るのが遅れてしまいましたが
けっこう観たかったので観賞
記憶に新しい2018年タイでの
洪水で洞窟に閉じ込められた13人の
救出を全世界が注目した事故の再現映画
・・なのですがまーこれが非常に
酷い映画でした
ア〇ビ〇バ〇ーの再現映像のほうが
500倍完成度が高いと思います
まずなぜサッカー少年たちが洞窟に
向かったのかも説明なく雨季の洞窟に
入りアッサリ閉じ込められ淡々と
救出作業が始まり映画開始15分くらいで
もう3日経ってて「は?」って感じです
この間状況を開設する図表的なものや
ナレーションも一切ありません
っていうかラストまで一切ありません
で当初はタイの警察や軍が潜るんですが
不備で救出参加者の中から死亡者が出たりして
結局海外から来た救出ダイバーが一人ずつ
救出していくのですがまあテンポが最悪で
緊張感もさっぱりありません
一応救出の中心だったダイバーの人は
本人がそのまま演じているのですが
合間に記念撮影してるシーンなどが入り
緊張感がとにかくありません
また亡くなったダイバーの
葬儀シーンなどが直後に入るのですが
それはラストでいいだろと
こうして構成がめちゃくちゃすぎて
ここ最近では久しぶりに寝ました
なんかネトフリもこの事件を扱った
映画を製作中だそうですが
間違いなくそっちのほうが出来がいいと
思います
「サッカー少年」という言葉はタイトルに必要なのか。。。
正直、タイトルだけ見てサッカー少年の話だと思って観に行ったので、サッカーは最初の1,2分だけだったことにちょっとビックリ。
救出する側にスポットライトを当て、各国協力のもと無事に救出できたことは分かったが、当時この事故に関わった本人達が演じているので演技力は問えないまでも、何故洞窟に行くことになったのか、洞窟内で過ごした18日間はどんな感じだったのか、救出に向かった一人が亡くなってしまった詳しい状況などは触れられないまま終わってしまったので、今一つ消化不良は否めず。
ただ、縦割り行政の弊害で、いざという時に末端レベルでは話がついていてもなかなか行動できないのは万国共通だなぁと思い、こんな一大事なのに(生まれ変わりの逸話付きの)僧侶が大勢引き連れて現場近くで祈り続けたり、お葬式でも華やかだったりするのには驚き、農作物が冠水でダメになっても補償は要らないから少年を助けてと言う村人達に古き良き昔の日本を感じた。
ポンプ屋さんのおじさんの人の良さが表れているお顔は忘れられない。
なぜ救出が困難なのか?
実話なので実際に事故が発生した際のニュースで見て、何故救出が困難なのかは分かっているけど、この映画だけ見た場合にはそれが全く伝わらないと思う。
当事者が実際に出演しているようだけど、素人には自分の役であってもやらせるもんじゃないと感じる酷さ。
1人ずつ奥から運んでくる際も緊迫感も無く、ダイバーが取って付けたように死んでしまうのもなんだかなぁ。
ドキュメンタリーならそれに徹した方が良かったのではないだろうか。
【"ケイブ・ダイバー達の勇気と自己犠牲による奇跡的な、”タイ・タムルアン洞窟”遭難救出劇をドキュメンタリータッチで描いた作品。】
ー序盤は、救助に駆け付けた地元有志や、海外のケイブ・ダイバーたちに対しての、タイ政府の対応の悪さ、官僚主義的な態度 ”許可証が必要だ・・” に苛苛しながら、鑑賞。
又、冒頭字幕で流れたように、実際に当時救出劇に立ち会った方々が多数出演しており、”ポンプで洞窟内の水を吸い上げようと態々能力の高いポンプを多数持ってきたおじさんなど” 途中から、当時の”再現フィルム”として鑑賞。-
・この遭難は、良く覚えている。何故なら救出作業をしていたダイバーが一人亡くなっていたからだ。所謂、山で言う二重遭難である。
前半のタイ政府の疎かな対応を観ていると、当時の状況が良く分かった・・。
-海外のダイバー達がTVに映し出される、タイのダイバーの装備を見て”危ない・・、ボンベは二本背負わないと・・”と言う言葉が現実になってしまう・・。-
◆タイ政府も漸く、海外のプロケイブ・ダイバー達を受け入れ、救助作業は急ピッチで進む。ここから、漸く作品に、見応えが出てくる。
-的確な対応が遅いんだよ、タイ政府。
遭難が分かってから少年たちが発見されたのは、9日後である。
如何に”初動”対応が悪かったかが、良く分かる。ー
・イギリスのダイバーが救助要請を受けタイに赴く際、心配する妻の姿。
彼自身も過酷な救出活動に、疲労の色が隠せない・・。(この方は、実際の救助に当たった方のようである・・。)
この方以外にも、いち早く中国から駆け付けた方や英米のプロケイブ・ダイバー達の姿には素直に感動する。
・それにしても、タイの農村が哀しき舞台になってしまったとは言え、”お祈り”したり”きらびやかな踊りが出てきたり・・、でおいおい”と思ったら、
洞窟内の水を排出したが故に、田圃が水浸しになった農民たちが、政府からの補助金を”救助に回してくれ・・”と断ったり、“微笑みの国の文化って、複雑多様だなあ・・”とも思う。
◆ほぼ、海外のプロケイブ・ダイバーが主導して、救助作業は急ピッチで進められる。
少年たちを洞窟に大量に流入した水の中を”意識を失わせた状態”で救出する方法に魅入られる。
そして、この遭難を引き起こす要因にもなったサッカーコーチも、最後に同じ方法で搬出しようとするプロケイブ・ダイバー達。
だが、大人だからか時折、目を覚ましてしまい、焦るダイバーが頻繁に”身体を麻痺させる薬”を注射するシーンは、”頑張れ!ダイバー達”と心の中で、祈るように呟く。
―漸く、全員が脱出できたのは、遭難後18日目だった・・!ダイバー達に感謝の言葉を述べながら、抱き着く少年たちの親族の姿・・。ー
<序盤は苛苛しながら鑑賞したが、
後半の海外のプロケイブ・ダイバー達による、命懸けの救出劇は見応えがある作品。
繰り返すが、どんな遭難でも、”初動”対応が大切である事を、”元山男”が、再確認した作品でもある。>
日本だったら「自助でなんとかしてください」と総理が発言しそう
思えば映画化もされた『チリ33人 希望の軌跡』という作品もありましたけど、こうして全世界が注目する中での救出劇はほんとに心が苦しくなってしまいます。チリの映画は感動的なものにしようとして、人間関係をも映画っぽく描いたものでしたが、こちらはほぼ再現ドラマ!その素朴で事実に沿って淡々と描く中に真実を見た気がします。
まずはタイの軍隊やボランティアの人々が集まり、アメリカ軍まで呼んだだりして、色んな策が練られていく。まずは洞窟に溜まった水を吸い出すこと。ここでは「ターボジェット・ポンプじゃなきゃ無理だ」と嘆く中小企業の社長さんがナイスプレイ。人々の彼らを救いたいという切なる願いが民間人をも動かしていく。そして排水がある程度成功したものの、近くの農地は洪水の被害にあうのに、損賠賠償は要らないと言う。救出してくれさえすればそれでいい・・・
こうして入り口から4キロも先の奥底に閉じ込められた少年たち13人を救うには潜水しかないということになり、世界各国からケイブ・ダイバーが集まってくる。もっともカッコいいのはアイルランドのリーアム・ニーソン似のジム・ウォーニー(本人)。とにかく世界中から集まってくるところに感動してしまいます。
世界からの祈り、助かってほしいとの声がメディアでも紹介されるが、日本だけは「自己責任論」をぶつけてくる人が多い。なんでだろ・・・祝福メッセージは世界規模なのに、しかもあのトランプ大統領でさえも祝福していたのに・・・。少年たちが悪い、コーチが悪い、といった声が全くあがらない世界に住みたいものだ。
スペシャリスト
2018年6月にタイで発生した少年サッカーチームのメンバーとコーチ13人の遭難事故「タムルアン洞窟遭難事故」の救出までの様子を再現した話。
たったの2年強前、日本でも散々報じられた出来事だけど、森林公園内の洞窟で、入口付近は観光スポット的にある程度整備された場所だったんですね。
実際に関わった数人が本人役で出演しているが為か、前半ではもの凄くポンプ屋の方がフィーチャーされた感じだけど…タイの行政トロ過ぎる…。
そしてダイビングが始まって、やはり行政の判断がトロ過ぎる印象
タイ人ダイバーが亡くなったのはボンベの空気切れという記憶があったけど、その辺はあまり明確にされないし、イギリス人ダイバーが到着した際に本人への説明の体で若干示されたけれど、もうちょっと状況を見取り図とかセリフで判りやすくみせて欲しかったし、救出そのものの様子ももう少し再現して欲しかったかな。
タイというお国柄もあるし、自分が信心深いタイプではないからそう感じたのかも知れないけど、命がけで救助に当たる人達のところにわざわざやって来て、祈祷する人達とか失礼過ぎる。
宝くじに至ってはは呆れるばかり。
まあこれが、精神的に経済的に貧しい人達の現実なんだろうけど。
排水の影響で水田が潰れたとかは知らなかったからみせてくれて良かった。
あまり誇張されずにつくられていたのは良かったけれど、見たい、知りたい、感じたいところに手が届かず、ちょっともの足りなかったかな。
実話に基づいたとてもよかった映画+日本も考えないと。
今年50本目は色々悩みました。「実話ベース」「感動もの」といろいろ考えましたがこちらを選びました。実際、正解だったようです。
多くの方が書いている通り、実話に基づくお話(洞窟の遭難事故)です。
タイをはじめとする東南アジアには特有の雨季があり、それによるトラブル(冠水事故、農業が成り立たない等)もあるようです。ただ、それは自然災害であり避けることができませんが、それを教訓に「この場合はこうする」「トラブルにならないようにマニュアルを作る」という"減災"の考え方はあります。くしくも日本も梅雨・台風がそうであり、また何度かの大きな地震が多くの人命を奪ったこともあり、自然災害には勝てませんが、ハザードマップの確立や早期避難の概念が確立し、100%とはいえないものの、日本は「減災」の方向に着実に動いています。一方でトラフ地震など潜在的なリスクはまだまだ抱えており(実際におきたら東日本大震災を超えると言われる)、日本もまだまだ考えないといけませんね。
さて、この映画は史実に基づくお話ですが、この史実を伝えるという部分以上に気になったところ、それは「タイの排他的なところ」です。国内でさえ手伝いたいという業者がいるのに「なんとか省の許可がないとダメ」といわれたり、国外からボランティアで手伝いを申し出たのに(一度は)断っていたり、「それどころじゃないでしょ」案件でそんないわゆる、「マニュアル的対応しかできない」ところです。まぁ、いわば縦割り横割り行政や排他的なところですね。ただ、今回の事件が大きな教訓となり、自然災害(特に、タイの場合は雨季には勝てない)に対するレスポンス、つまり日本でいう「減災」の考え方が広まっていったり、「こういう場合には行政の縦割り横割りも国外からの協力もいとわず受け入れる」という方向になっていくのでしょう。
※ タイは「発展途上国」とはいわれますが、「政治的途上国」ではないので(つまり、国王が好き勝手する支離滅裂国家や、人権侵害が支離滅裂な国ではない)、今回のことをまったく教訓にしない、ということはないと思います。そのために救助隊に1人の犠牲者が出ましたが(史実通り)、その方のご冥福をお祈りするとともに、タイ含めてこうした「自然災害に対してどう対応するか」という「減災の考え方」および、「こういう非常事態には国を超えて助け合う」ことが当たり前になればよいな、と思いました。
評価は下記を考慮して4.5としました。中には1行だけで2点とかつけている方もいますが、私はそういうのは好きではないので客観的に考えて根拠も示して点数も示しています。
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0.2点減: 今回の実話に基づくこの事件が起きたときは、まだタイが「国の許可を取れだの(いわゆる行政の縦割り横割り)、外国の助けはいらない」だの言いじめたことでさらに問題が複雑化したのですが、そこの問題提起がちょっと足りていないように思えました。
もちろん、あまり触れたくない問題(たとえば、宗教に関することなど)であればわかるのですが、タイとしてもこのことは重く受け止めて「自然災害(雨季)がおきたらこうする」ということは考えていくようになったのは明らかであり、タイ(という国の政府)がそれに待った、つまり「それは描写するな」と言ったとは思えず、ちょっとそこは残念な点ですね(特に誹謗中傷するのでない限り、タイのこの後手後手対応を批判する程度であれば正当な範囲の描写)。
0.1点減: タイの方でもテレビ局の方などは英語を使えるようですが、一部に致命的な文法誤りがあり(動詞 continue の使い方、関係代名詞など)、どちらの解釈も成り立ちうるため(当方準1持ち)、「字幕が正しいのか発言が正しいのか」で矛盾する点があるところです。ただ、ここはかなりマニアックな点かと思います。
※ 興味がある方は、「関係代名詞 which の非制限用法」などでググってみてください(日本の大学入試でも出題される難解論点だし、英語がいかにグローバル言語だとしてもタイでそんなに厳密な英文法を求めるのも酷なので、あまりそこは気にしないですが…)。
0.2点減: 実はこれなのですが、タイが舞台の映画であるため、タイ人の方は多くの方がタイ語を話しますが、中には新聞記者・ニュース報道などでは英語を話している人もいます。一方で海外からきたレスキュー隊は(一部を除いて)英語です。
このような場合、英語の字幕はそのままとし、それ以外の言語は《○○○》などとするのが普通だと思うのですが(その○○○に該当する部分に英語翻訳と日本語翻訳を入れる)、それがない以上に、ごく一般的な語句はタイ語にも入っているようで(たとえば、タイ人の農民?の方がスマホで話しているときに Hello? などと言っているのは、おそらく英語からタイ語に来たのでしょう。スペルは違うと思いますが)、余計に「何語なのかわからない」状態が生じてしまい、最終最後は「描写されている人の人物像などから英語かタイ語か判断せよ」になってしまっており(例えば、タイの一般の農民が「完全な」英語を話すとは考えにくい)、一方で「片言の英語」も出てくるため(上記のスマホの件)、余計に大混乱し、「言語関係」に無頓着かな…とは思いました(上記の2番目の0.1点減とも関連します)。
※ 例えば、少し前ですが「ANNA」だと、英語中心で、ロシア語の場合だけ《○○○》となって、英語翻訳と日本語訳が併記されており(確認済み)、この混乱は生じません。
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下手な事を言えない感じ
156本目。
洞窟行くぞ。
はぁ?コーチのその一言が始まり?
呆れると言うか、危機意識がないと言うか。
タイの国風なのか、田園風景の長閑さなのか、それ以外か、切迫した感じが全くなく、殆どが大人、役所の事情ばかり。
当事者の子供達、家族の心情は二の次、三の次で他人事で気持ちが入らない。
一大イベント、お祭りかとも思い残念。
中国人も実際はスゴく貢献してるんだろうけど、いなくてもいい感じ。
構成もアメリカ人監督なのか、アメリカのミリタリーっぽい。
ただまあ感心したのは日本車の信頼度位。
作品とは全く関係ないけどね。
再現ドキュメンタリー
もっと押しつけがましい“感動的な”作り話に満ちた作品かと思いきや、本人たちも出演する、誇張のない「再現ドキュメンタリー」的作品であった。
救出時には、鎮静剤で眠らせていたとは知らなかった。
ゲートや受付の人間の、悪しき官僚主義もしっかり描かれている。
神頼み(仏頼み)の人々の存在が目立つのは、お国柄なのか?
救出され、緊張から解放されたコーチのせきあげる“うれし涙”のラストシーンは、とてもリアルで圧巻である。
それほどたいした作品とは思わないが、ドキュメンタリータッチのしっかりした作り方には好感だし、そのおかげで、この有名な事件の顛末が分かった。
観て良かったと思う。
13人の命は何よりも代え難いという真実
2018年6月に発生した、タイ王国チェンライ県のタムルアン洞窟の遭難事故を遭難者側の視点ではなく、救助者側にたって描いた作品。
主役の英国ダイバーは本人が演じており、タイに救助に行く決断までの迷い、救助中の苦難の気持ちをプロの俳優顔負けで演じている。
13人を無事に救助するためにタイ国内だけではなく、世界中からあたたかい手が差し伸べられてられていたことにあらためて驚かされる。決して売名行為でもなく、政治的な行為でもなく、純粋に人を助けたいという声は奇跡を超えて多くの困難を貫く強い力となった。
まるで当時の状況を、傍でレポートしているかのような緊迫感が最初から最後まで途切れることなく続く。
もちろん日本からも救助の支援も来ているのでポジティブな面はきちんと評価すべきであるが、こういう事件がおこると必ず出てくる、「自己責任」の声。
当時も某落語家が「どれだけ迷惑をかけているんだ。反省しろ!」と自己責任論をぶっていたのは記憶に新しい。
ダイバーや軍人を派遣した欧米諸国や、多大な動員と経済的負担を負ったタイ国内でも自己責任論はあがっていなかった様子。
「13人の命は何よりも代え難い」というコンセンサスは誰も口にしなくてもとれていたのだ。
対して、なんと心貧しきことか…。
国が一つに、そして世界が一つに
まだ記憶も新しいタイのサッカー少年達の救出劇。あれからそんな年月が経ったのかなと調べるとまだ2年前の話。そんな短い期間で映画化される事に驚きながらも期待して鑑賞した。
率直な感想としては期待し過ぎていたのか映画作品としてはまぁ普通かなといった印象である。
というのもこの作品においては、救出側の視点がメインとして描かれている為、洞窟の中で約2週間の間サッカー少年達とコーチがどういう状況で乗り越えたのかと言った被害者側の視点が殆ど描かれていない。
その為救出の方法、見守る側をほぼほぼ100分近く描かれているため、ドラマ性はあまりなくドキュメンタリーに近い作品である。
それはそれで面白いのだが自分が期待していたのと違ったという点では少し物足りなさは感じてしまった。
また、自分が少し疲れていた事もあってか暗闇シーンが続いたりカメラがよく動く事もあって見ていて少し疲れた。
ただ国が一つとなり、そして世界が一つになっていく様は当時ニュースを見ていても実感したが、この作品で改めて感じる事ができる。世界が一つになる姿はやはり美しい物だ。
犠牲者は出てしまったが、少年たちが全員無事生還できた事は奇跡的でありとても喜ばしく思う。
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