劇場公開日 2021年1月8日

「前半のノリで最後まで観たかった〜」おとなの事情 スマホをのぞいたら おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5前半のノリで最後まで観たかった〜

2021年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

有名な原作があるようですが、それは知りません。予告編のおもしろそうな雰囲気に惹かれて鑑賞してきました。

あるパーティーに集まった男女が、自分のケータイへの着信内容をオープンにするというゲームを始め、それぞれの秘密が明らかになっていくという展開で、これは予告編で承知済み。今やケータイはプライバシーの塊なので、それを他人に晒すなど考えられません。このゲームを通してどんな秘密が語られるのか、それによって何が引き起こされるのか、観客の興味はそこに集中します。

序盤は、このゲームへの参加をやんわりと回避しようと足掻く田口浩正さんから目が離せません。明らかな動揺と挙動不審が、とても滑稽でした。しまいには隣の三平(東山紀之さん)にケータイの交換を持ちかけ、事態はよりこじれていきます。その後も、ケータイが鳴るたびに持ち主が動揺し、着信相手の名前を見てはホッとして、画面を公開していくという展開がおもしろかったです。

が、楽しく観ていたのも束の間、暴露される秘密がどれも重くて、だんだん笑えなくなってきました。そして、そんな秘密が暴露されれば、当然のことながら、互いの関係に亀裂が生じてきます。ある者は怒り、ある者は悲しみ、ある者は苦しみます。

最後は、このメンバーが出会ったきっかけを思い出し、互いの絆を再確認するという感じのオチでした。秘密を作るのも、その秘密に翻弄されるのも、生きていればこそということなのでしょうか。まあ、なんとなくいい話っぽくまとまるのですが、あんな秘密を暴露されて、これまで同様の関係を続けられるのでしょうか。自分にはちょっと共感しづらかったです。

それに、正直言って観たかったのは、序盤のあたふたする姿とその理由、そして、それを笑い飛ばすような展開です。そんな内容を期待していただけに、ちょっと肩透かしをくらった気分です。つまらなくはないですが、そこまで深みを感じることもなかったので、むしろ笑いに振り切った作品に仕上げてくれた方がよかったかなという印象です。

余談ですが、常盤貴子さんがとにかく美しかったです。三人の子持ちで、姑とやり合う団地暮らしのおっかさん役でしたが、とても見えませんでした。

おじゃる