「ヘッドギアと洗濯機」スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ヘッドギアと洗濯機
冒頭から凄い疾走シーン。女の子が町の中を走る、走る、走る・・・この子も自閉症児だったんですね。教育とは何か、体を張って社会へと送り出すことなんだと、改めて思い知らされました。
ジョゼフは実際の自閉症児でもあり、地下鉄の非常ベルを鳴らしてしまうという悪い癖があった。ブリュノは彼を職に就かせようと洗濯機を扱う会社に頼み込んで1週間の見習いとして雇ってもらう。洗濯機マニアの彼がどこまで仕事をこなせるか・・・
壁や窓に頭を打ちつける癖があるため常にヘッドギアを付けている少年ヴァランタン。彼は弟が実際に自閉症であるらしく、弟の苦悩を自ら演じて見せている。馬を撫でるシーンやクライマックスも彼の好演があってこそのものでした。
問題を抱えている青少年に寄り添い、社会に送り出そうとするブリュノとマリク。ケア施設「正義の声」は無認可だけど、他の施設で受け入れてもらえない重症の子ばかり。マリクが教える生徒も無免許のまま補助活動し、やがて監査によって経営の危機が訪れるのだ。
今の日本は、「自助、共助、公助」と順番がちゃうやろ!てなくらい、自己責任でやれと言ってくる政府。社会的弱者は置いてけぼりにされる世の中になっている。北欧と比べても福祉政策がかなり低い水準の日本。福祉のために増税します!なんていう言葉がなんて空虚なことか。この映画を観たら考えも変わるかもしれないのになぁ・・・
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ゆり。さんのコメント
2020年10月29日
どうして「スペシャルズ!」というタイトルにしたんだろうと思っていたんですが、このレビューを読み、改めてspecialの意味を考えて、スペシャルズは子供たちの事だと気が付きました。