劇場公開日 2020年10月16日

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スパイの妻 劇場版のレビュー・感想・評価

全276件中、21~40件目を表示

4.0過酷な時代に翻弄される正義と夫婦愛

2022年8月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

ベネチア映画祭銀獅子賞=監督賞受賞作ということで、公開初日に鑑賞した。
ベネチア映画祭の受賞作品は、良く言えば芸術性が高い、端的に言えば少々難解な作品が多い。本作も、らしい作品だった。

本作の舞台は、太平洋戦争前夜の神戸。貿易商を営む福原優作(高橋一生)は、満州にわたり、偶然、国家機密を目撃し衝撃を受ける。彼は、社会正義のため、その事実を公にしようとするが、憲兵隊に察知され、執拗に行動を監視される。妻の聡子(蒼井優)は、当所、夫の行動に疑問を持ち非協力的だったが、次第に夫を愛するが故に、夫と行動を共にするようになる。そして、憲兵隊の追求が厳しさを増すなかで二人はある決断をする・・・。

全編、通常作品に比べ、薄暗い画面を多用して、太平洋戦争前夜の先行き不透明な雰囲気を表現している。また、愛国心の塊のような憲兵隊長役の東出昌大の迷いのない、何かが憑依したような眼差しに狂気が宿っている。有無を言わせぬ恐怖感がある。この時代を象徴している。このような過酷な時代の中で、社会正義を貫くことが極めて困難であることを暗示している。

夫婦を演じる、高橋一生と蒼井優が本当の夫婦のように息がピッタリである。したがって、夫の行動を全く理解できなかった聡子が、夫と一緒に居たい、離れたくないという一念で、徐々に夫と行動をともにしていくプロセスに無理がない。蒼井優が安定した演技力で夫を愛し寄り添っていく一途な聡子役を好演している。

高橋一生も、蒼井優に負けず劣らず、社会正義を貫こうとする優作役を熱演している。従来の柔和な眼差ではなく、権力に挑んでいく毅然とした佇まい、眼差しが凛々しい。ちょっとした仕草、台詞に聡子に対する愛情を感じる。

終盤は切ない。社会正義を貫こうとしながらも、優作と聡子は懸命に生きることを選択する。互いを思い遣って生きようとする。

観終わって明るい気持にはなれないが、夫婦愛という言葉が強く心に刻まれる作品である。

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みかずき

3.5正直なところ《困惑》しました。

2022年7月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

2020年。黒沢清監督作品。
ベネツィア国際映画祭銀銀獅子賞(最優秀監督賞)受賞おめでとうと、素直に喜べない。
告発(福原のスパイ容疑の原因となった、満州で日本軍が関わった事件)
その事件は過去の日本人がひた隠しにする事件で、事実なんだけど、
わざわざ今、日本の恥を世界にさらしてほしくなかった・・・
それが私の本音(日和っててごめん!)

映画は良かったと思います。
蒼井優・高橋一生・東出昌大の好演で1940年代の雰囲気もよく出ていたと思います。
やはり蒼井優ですよね。殺爆とした戦争中に美しさと艶っぽさで福原聡子を熱演。
積極的に夫の告発に協力する進歩的な妻を現実的に演じました。
主演にふさわしい働きでした。
憲兵服ってあんな綺麗な青色だったんだろうか?
東出昌大は長身なので一人だけ日本兵らしくない・・けど、リンチで剥がした爪を
福原優作(高橋一生)に見せ付けるシーンはゾゾっとした。
(そのシーンを映さないのに十分に震えた)

黒沢清監督らしい美しい洋館や蒼井優の衣装や髪型・センスの良さが光ります。
色使いも黒沢清らしく綺麗で様式的なのはいつもの通り。
聡子の行動で映画は急速に動き出して、優作の告発を後押しする。
裏切ったかに見えて実は・・・的演出も良かった。
優作が妻を主役に撮っていた映画が、ラストであっと驚く働きをします。
ここだけ、クスッと笑えた。

内容の割には暗すぎずに分かりやすい映画です。
なにはともあれ、黒沢清・ベネツィア国際映画祭・銀獅子賞受賞、おめでとうございます!!
監督御本人が喜んでらしたのが、なにより嬉しいです。

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琥珀糖

3.0元々ドラマで作成されたとのこと。 微妙なところが多くて、あんまり入...

2022年6月24日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

元々ドラマで作成されたとのこと。
微妙なところが多くて、あんまり入り込めなかった。外国で評価されたことは謎でした。

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よっしー

2.5早口

2022年5月21日
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鑑賞方法:VOD

蒼井優が昭和の邦画の女優みたいに早口で話すのが可笑しかった…きっと演出なんだな
戦争映画にしてはシュールでコケティッシュ

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mamagamasako

1.5うがって見たから?

2022年5月10日
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三毛猫泣太郎

4.0日本版あゝ無情?!

2022年5月6日
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鑑賞方法:VOD

なんか不思議な世界観~と思いつつ結局どーなったんだーと後々まで引きずったので、しっかりハマっていたということでしょう笑
見終えた後の爽快感や満足感はないけど、蒼井優の一風変わった演技と、高橋一生の本心見えない感じが普段は好きでないがこの作品に関してはそれが話にハマっていたようで、見入ってしまいました。異次元空間を体験したのか!?笑

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あつ♪

2.5主演二人の演技は好き

2022年4月12日
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鑑賞方法:VOD
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にくじゃが

3.0言いたいことが溢れてきてしばらく放置しての感想

2022年3月30日
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まずはモチーフになっている731部隊について。

いつだっただろうか。
731部隊に属していたという男性が顔を隠して報道番組に告発の形で出演していたのを見たのが知るきっかけではあった。1980年前後だったかも知れない。

戦後間も無くであれば彼は捕らえられて極東軍事裁判で間違いなく死刑。
ひっそりひっそりと息をするのも控え目に戦後の日々を暮らして来たに違いない。

その後その内容が明らかになるにつれ731部隊のおぞましさに驚愕したものだった。

医者だけでなく科学者は好奇心に打ち勝つには倫理観の有無もしくはその量でしかあり得ない訳です。
もし、こうだったなら?
人間の体とは?

そういう実験内容を克明に記録し続けたのが通称石井部隊である731部隊。

終戦時、その資料の完全引き渡しによって部隊の上層部は戦犯から逃れた。
そしてそれはミドリ十字という製薬会社に引き継がれその製薬会社の引き起こす薬害エイズにとさらに繋がっていく。

厚生省(当時)と製薬会社の癒着、そして帝京大学の安部教授を巻き込む血液製剤が絡む血友病患者のエイズ罹患。

悪夢は全然終わってなんかなかったのだ。

そういう事を、生きて来た中で実感として感じてた。
この作品においては、これでもかなり辛辣に描いたつもりなのだろうか。
こんなに簡単な?単純な?話じゃないと、まあ思ってしまうが、この話の主題はそこじゃない。

主題。

それは、妻の心である。

妻は自分の知らない所で夫が何事かを成そうとする事が嫌だった。
例えそれが如何に大それた事でも自分も夫とともにありたかった。
自分だけしか頼るものはない、夫をそういう状況に追い込む事、それが妻の望みだったのだ。
そして夫とともに成する者が自分である事、その高揚感が喜びとなった。

夫はそんな妻が足手まといになると確信していた。
だから妻を振り切った。
彼女が、きっと安泰であるだろうとの安易な推測で。

夫もまた こんな事で世界をなんとか出来ると考える若輩者である。
アメリカを世界大戦に引き摺り込む?
そんな事は連合軍はとっくに望んでいた事でありそのきっかけを作った結果のハルノートであるわけだが彼はそんな事は知る由もない。

そして真珠湾を経て日本は敗戦へと繋がる。

だから、そんな世界情勢は彼らにとってはネズミ一匹の動きにさえならない。それに右往左往する愚かな若社長なのだ。

女心 ただそれに言い尽くされるそれを
自分は世界というものを見たいという好奇心で捨てた男。

その夫婦の物語。

だから 言わば 遊びスパイと遊びスパイの妻。

という意味でこの題名はひどく風刺が効いているのである。

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asica

0.5これはひどい

2022年3月12日
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アーチベンド

0.5中国のプロパガンダまんま

2022年3月6日
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鑑賞方法:VOD

731部隊による人体実験が真実であるという前提で全てが構成された悪虐日本帝国の自爆ストーリー。なんですか?この真っ赤っかな作品は(笑)

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紀世彦丸佐村河内

2.5なんですかこれゎ?

2022年3月5日
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これは、受賞してなきゃ絶対観なかった作品。だって、もともと原作も超薄かったし。

で、映画はもっと薄まってたという。。。ビックリだゎ。大学生の学芸会レベルの内容やん!ないゎー

蒼井優ちゃん泣かしときゃ良いだろうは、あまりにも可哀想だよーー。監督は何がしたかったのか。

反省だけなら猿でもできますけど。

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大粒 まろん

1.5ドラマ…

2022年2月13日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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KEI

4.5楽しめました、いい映画。

2022年1月18日
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鑑賞方法:TV地上波

妻を思う夫と、夫を信じる妻、二人の固いきずなを感じる、いい映画でした。

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優翔太郎

3.0物足りなかった

2022年1月11日
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後半もっと伸びてほしかったし、残虐なシーンがCUREと比べて、痛く描かれていないように感じた。コンプラに厳しい時代のせい?東出の演技は良かった。もっと軍人口調ならなお良かった。

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MEGADRIVE1

3.0お見事です。

2022年1月11日
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鑑賞方法:TV地上波

「おみごとです!」
蒼井優さん…あなたがお見事です。

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豆

3.5面白かったけど終わり方がスッキリしなかったー!

2022年1月10日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

面白かったけど終わり方がスッキリしなかったー!

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amco

2.0提灯レビューを書く奴こそスパイ

2022年1月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

最近とみに思うのだが、このサイトのレビュー欄のトップはどうも「提灯記事」のようなコメントばかりが載るようになったようだ。

さして面白くもない邦画を、これでもかというくらいに褒めまくる。
実名まで公表していい気なもんだ、と言いたくなるのは自分だけか。

この映画。何をどのように評価したら、歯の浮いた言葉が出てくるのだろう。
ドラマ劇を映画化したとしても、陳腐な台詞回し。これは舞台映画なのだろうか。
演出の下手さが俳優にまで浸透しているのか。

蒼井優は期待を裏切り続けずに(!?)いつまでたっても「昭和活劇的滑舌」。(て、このような演出を望まれているようだが)
高橋一生もテレビドラマと何ら変わらないボソボソ感。(て、って、こちらもまた、このような演出を望まれているようだが、)
で、どうでもいい東出昌大ときたら、もはや棒読みを「役」としてしまっているいただけなさ。

坂東龍汰にせよ恒松祐里にせよ、スパイスを効かせる役に仕立てて欲しかったものだ。
笹野高史も無駄遣いですね。

と、レビューを下書き保存して改めて描き始めていたら、今、NHK地上波で流してるやん。
借りる必要がなかった。
とうことで、見事、スパイに騙された。って、スパイって誰やねん?

レビュー記事を書いた奴こそが「スパイ」だ!

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critique_0102

3.5狂気

2022年1月3日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

どちらが狂気と言えるだろうか?
この作品がフィクションであろうとも、史実に基づくものだろと、
二度とあの過ちは犯しては行けないことだけは明白。

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上みちる

3.0優作はスパイ?

2022年1月3日
iPhoneアプリから投稿

 優作は聡子を裏切って自分が逃げ切ったのか?それとも聡子を助けようとしたのか?
私は裏切ったのではないかと思ってしまった。
 蒼井優の演技がこの映画の見所でしょう。

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アンディぴっと

3.5か弱い妻かと思いきや、夫を守るために甥を逮捕させたのは驚き。 甥が...

2021年12月19日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

か弱い妻かと思いきや、夫を守るために甥を逮捕させたのは驚き。
甥が拷問を受け、両手の爪を剝がされても動じないのは衝撃。
夫の方も妻を大罪人にさせないため、憲兵に密告したのはお見事。
ただ、ラストは残念。
夫はおそらく生きており、数年後に渡米した妻と再会していてほしいが、肝心なところは完全に省略されている。

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省二
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