スパイの妻 劇場版のレビュー・感想・評価
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スパイの妻とは何なのかな?!
この作品はキネマ旬報での評判から鑑賞する運びになりました。脚本家3人の意見の統合が難しいかったのかなあと感じます。しかし空気感や特異な主人公視点からの表現はとても良かったです。戦争やタブーに切り込んだわりには、柔らかく表現されていて色々な人に見やすい作品になっていたとおもいます。しかし、ソフトな作品なだけに伝えたい事が分かりにくいのが欠点かなと思いました。おまけに構成が複雑すぎて伝わらないのは残念な作品でした。元々TVドラマからの出発なので映画的視点からは外すべきでした。興行効果の恐ろしさを感じます。
まるで舞台を見ているよう!
登場人物のセリフの発声の仕方のせいか、長回しのせいか、演技がオーバーアクションのせいか…
確かに、蒼井優の演技は素晴らしい。だが、ストーリー的には、あまり良さが分からなかったわ…。タイトルから、もう少し狡猾に動きまわる「スパイの妻」を想像したからかもしれない。また、エンディングが中途半端だったからかもしれない…
そんなんでもないような、、、
映像や内容が結構絶賛されていますが
個人的には、そんなんでもなかったです。
残酷なシーンが無く、演技で表現したと
言われていますが
やっぱり限界あるし、
予算の関係かなって。
ラストも、本当にあった話だったのか
それっぽくしたのか、曖昧で
全体的にリアルさが、無かったと感じました。
ただいま起きてること
タイムリーな映画だった。
関東軍がやっていた人体実験。
治験中のワクチンを射たせるのも人体実験じゃない!?
果たして関東軍が今の世に甦って裏で勧めてでもいるんだろうか、真実は闇の中。
ワクチン射つことを奨励する人は射たない人を変人扱いする。
射った人と射たなかった人、数年後、その結果が現れて来るだろう。
それまでは狂人のふりして待ってようか。(笑)
計算された素晴らしい作品
優作、聡子、甥の文雄、憲兵の津森、ドラモンド、野崎医師、死んだ女性 と、この作品は登場人物が少ない中、とても緻密に作られた作品だと思う。
見ていた時に気になった(フラグの立った)シーンがいくつかあった。
①序盤、趣味の撮影をしている際に妻聡子が「金庫の番号は覚えてしまったわ」と言ったこと
②イギリス貿易商ドラモンドが預かったフィルムをネタにゆすってきたこと
③聡子が船の船底に隠れていた時に船長とボブがあっさり居場所を教えたこと
①に関してはその後聡子が証拠品を盗むために金庫を開けて伏線は回収された。でもこれはおかしいと思う。大事な証拠品を聡子が見ている前で金庫にしまったからだ。
つまり優作はわざと聡子に証拠品を盗ませるよう仕向けたと考えるのが自然ではないか。
②ドラモンドはスパイ容疑で憲兵に捕まったが、優作が保釈金200円(約50万円相当)を支払って解放された。当時の憲兵の取り調べなら獄死だって充分あり得る事態から助けてもらった命の恩人をゆすったりするものか?見ていた時は「ひでーイギリス人」と思った。しかし後になってよく考えると聡子と別ルートでアメリカに行くための口実に優作が嘘をついたのではないかと。
③本当に聡子をかくまう意思があるなら憲兵に嘘の場所を教えてその隙に逃すとか手段はいくらでもあったはず。それをいともあっさり教えたということは、ここまでも全て優作から指示されていたのではないか。
それから満州に行ったのは何か情報を掴んだ野崎医師から調査依頼があったからではないか。野崎医師は終盤のワンシーンで聡子に面会に来た時に重要なことを語る。優作のことは全部わかっている、とようなそぶりで。
つまり、優作と野崎医師とドラモンドはスパイ仲間で日本を戦争へ向かわせ敗戦させることで修復を図ろうと企てたのではないだろうか?
そしてエンドロール。戦争も終わり目的を達成し偽造文書で別人になりすましてアメリカにいる優作の下へ、聡子は行った。
8Kで観たかった。
映画が始まってすぐ、なんだこの映像?
ドラマみたいな軽い感じで、やたら奥行きを感じるな
と思ったらNHKドラマを映画用に再編集してたのですね。
知らなかった。
映画とドラマで何が違うのかは分からないんだけれども、
映像の違いは分かって、
最後までこの映像に馴染めなかった。
舞台を見てるようだった。
普通のDVDで観たのだけど、8K映像で観てみたかった。
8Kと言えば家電屋さんのテレビコーナーで、
馬鹿みたいに綺麗な映像を延々と流して、
客の足を止めてるのをよくみるけど、
僕もそのうちの1人だけど、
その綺麗な映像で敢えて陰影でみせる演出に変態性を
感じた。もしかしたら8K映像で影のその先をみせるという
事だったのかもしれないけど、
光と影でみせる演出に食い入るように見てしまった。
後半になればなるほど、タイトルのスパイの妻と言う題名が
効いて来て、
スパイの妻を舐めるなよ!って話かと思いきや、
なるほどスパイの妻ねぇ…と言うラスト前の展開に
僕もお見事!と思いました。
「蒼井優人生NO.1演技」
今年26本目。
この4年半で459本映画館で映画見て来て、最も凄かった演技が「火花」の菅田将暉と「賭ケグルイ」の福原遥だったんですが、今作の蒼井優の演技がそれに匹敵する演技でした。人生NO.1演技でした。
また恒松祐里さんが「虹色デイズ」「殺さない彼と死なない彼女」と本当に大ファンで彼女が出てるの知らなかったので、画面で見た時は思わず「やった」と思いました。
高橋一生さん、東出昌大さんは本当に凄い。
最高の映画でした。
前半の蒼井優ちゃん、この喋り方の演技が許されるの蒼井優だけって感じ...
前半の蒼井優ちゃん、この喋り方の演技が許されるの蒼井優だけって感じだった。他の人がやったら「わざとらしい」「やりすぎ」ってなりそう。
途中から話し方変わって気にならなくなったけど(逆になんで変わったんだろう…)。
私はそこまでだったけど、良作なんだと思う。
とにかく暗い画面が多い。
貿易会社の社長の優作が満州で甥とみたものは、日本軍が行っていた人体実験だった。
それを正義から告発しようとしたものの、時代は太平洋戦争に突入した頃。売国奴と言われるだけだった。
アメリカに亡命してこの現実を明らかにしようとするも、妻をも欺き、妻を売国奴にしようとするのを止めた愛情深いところ。
甥を犠牲にして告発をしようとするのは最初から優作の策略だったのだろうか。そのあたりも回収してほしかった。
昭和15年~20年頃の日本は群集心理のようなもので、トップが言い出したらそれは納得していなくてもYESと言わなければならない雰囲気である。その中で偽造の死亡届と見破り、アメリカに渡って再会できたのは唯一の救いか。
もっと相応しいタイトルなかったかな?
いかにもNHKドラマ感の濃い作品 これは要するに妻の視点の夫婦愛を描いたのかな?高橋逮捕 蒼井が極刑を逃れたのは東出のコネ?でも密航を通報したのは誰なの夫?東出は戦後どうなったのか彼にこの役はちと貫禄不足の様な?
揺れる人物像と物語り
あとでじわじわと良さが感じられる。
主人公の蒼井優を取り巻く夫、幼馴染の憲兵隊長、三者三様のスタイルと怪しげな雰囲気。特に夫婦間の揺れる感情と相手を思いやる気持ち、そして行動が重なり合い、緊張感ある作品になっている。夫が満州に出かけた後の展開は秀逸で、じわじわあるいは一挙に、観客を取り込んでいく。出演者にも恵まれていた。
作風は違うがその才能や構成力は明らか、もう一人のクロサワがここにいる。
日本を貶めたいだけの事実に基づかない妄想映画
米国の国立公文書館は2007年1月18日、
731部隊(関東軍防疫給水部)が満州で行った細菌戦研究などに関する
米情報機関の対日機密文書10万ページ分を公開した。
米国立公文書館が公開した10万ページの資料で判ったことは、
731部隊(関東軍防疫給水部)は細菌戦研究はしていたものの、
戦争犯罪となるような細菌戦や生体実験を行った証拠は全くなかったということだ。
731部隊を裁いたソ連のハバロフスク裁判については、
ロシア人の極東研究者ボンダレンコ氏は裁判そのものを国際法違反だと批判している。
ソ連共産党政治局員による共産主義洗脳教育が行われた結果の口述記録であり、
「行っていないことでも、行ったと言わない限り日本に帰れない」と
脅迫されながらの供述に、信憑性などあるのだろうか。
証拠能力など皆無であることは明らかである。
この点を踏まえてこの作品を観ると、チャンチャラおかしい。
この監督にはアメリカが正義に見えるらしいが、
インディアンの土地を奪い、アフリカから黒人を拉致して奴隷にし、
原爆で非戦闘員の民間人を大虐殺するような国の何処に正義があるというのか。
蒼井優は素晴らしい女優になった
10年以上前に、蒼井優の初めての演劇出演、野田秀樹の「南へ」を観たが、その時は声も出てなくイマイチだと思った。しかし久しぶりに観た彼女の演技は、往年の名女優のような貫禄を感じさせるものになっていた。
731部隊の告発者
残念なのはフィクションとしてもモデルに近い人すら思い浮かばないことだろう、もっとも戦争の当時を知る人たちも齢を重ね語れる人もいなくなってしまった。731部隊の残虐非道はことごとく軍により隠ぺいされ、戦後、進駐軍ですら実験データと交換に免責の措置をとったので明るみにでるのは終戦の4年後に旧ソ連が開いた軍事裁判、ハバロフスク裁判であった。
うがった見方をすれば告発の勇気をもった一般人は居なかったのか、いや居て欲しかったというのが、十字架を背負わされた戦後生まれの若い脚本家たちのせめてもの悲願なのかもしれない。
脚本の濱口竜介と野原位は黒沢清監督が芸大で指導していた教え子たち、「先生、神戸を舞台に一本撮っていただけないか」と持ちかけ、銀獅子賞までとらせてしまうのですから大した先生孝行の生徒さんたちですね。
テーマは人道的であるし告発の主人公でなく寄り添う伴侶の視点で描いたこともヴェネツィア映画祭の審査委員長ケイト・ブランシェットさんの胸を打ったのでしょう。
そもそも主人公はスパイではありませんし軍の関係者も知人なので訴追も手加減されていますのでサスペンス調の緊迫感は希薄、主題は例え国家に背いても夫を信じる健気な妻、愛の物語といったところでしょうか。これはこれで有りでしょうが個人的にはもう少しベテランの俳優陣で観たかった気もしました。
劇場版じゃなくて申し訳ない
なんかNHKさんが放送してくれたので、ついタダで見てしまったが、こんなんで感想書いてもいいのだろーか。ま、いっか。
どうも物語には乗り切れない。すごい嘘っぽくて。優作のやりたいことも、聡子の行動も、なんか説得力がない。甥っ子を人身御供にして平気なのか。津森は元々サディスティックな素質があったのか、戦時下でそうならざるを得なかったのか。どこかで腑に落ちる場面があればなー。なぜベネツィアは賞をくれたんだろうか。
でも、絵はきれい。拷問シーンも背中から見せるし、空襲で人が死んでるだろう場面も、聡子の表情だけで語らせるし、とても品がある。服装や建物などもいい。高橋一生の白スーツ、めまいがするほどステキ。蒼井優の明るい色のワンピースや、お着物姿も美しい。あと、言葉づかいが文学的。お嬢様がそのまますてきな奥様になった感。まさに階級があった時代のものでございますわね。少しは真似してみようかしら。
いいと思う面もあったが、自分としては不完全燃焼な映画だった。無料万歳。
BS4Kで鑑賞
ココ最近、BS4Kでの映画視聴にハマっている。
画質は8Kからのダウンコバートで非常に綺麗である。
時代背景もリアルに作り込まれており見応えがあった。
蒼井優の上品な台詞回しが当時の雰囲気を醸し出していた。
昭和初期の日本は徐々に軍国化していき、戦争反対を唱えれば売国奴扱いされる時代だった。
その中で満州関東軍の細菌部隊、いわゆる731部隊の人体実験や細菌兵器開発を告発しようとすれば、確実に国家反逆罪で死刑となったであろう。
この映画の登場人物は実際の史実では無いフィクションであるが、満州の731部隊の人体実験は事実である。
731部隊が実験を行っていたのは、中国東北部の旧満洲にある秘密研究所。実験材料とされ、亡くなった人は3,000人に上るとも言われている。NHKが収集した国内外の数百点に及ぶ資料から、軍人だけでなく、東大や京大などから集められたエリート医学者たちも、人体実験を主導していた実態が浮かび上がった。専門知識を持った医学者が集められ、組織されたことで、実験が大規模に進められていったのだ。
中国東北部ハルビンの郊外20キロに、今も731部隊の本部跡が残る。部隊は、周囲数キロに及ぶ広大な敷地で極秘に研究を進めていた。四角い3階建てのビルには最先端の研究室が並び、その中央には周囲から見えない形で牢獄が設置され、実験材料とされた人々がとらわれていたという。
このような日本の戦争犯罪を描いた映画は少ない。
当時の情勢からこのような内部告発(ディスクロージャー)を実行できる人間は少なかっただろうが、妻を共犯者にしない為に旦那が一芝居うった所は良かった。
結局、離れていてもより深い絆で結ばれたって事をこの映画は伝えたかったのだろう。
中々の昭和レトロなロマンスであった。
暗い日曜日のような悲劇の時代のロマンスというのは、より深く麗しく輝きを放つのである。
当時のインテリ層から見れば、日本の戦争はいかに無謀でアメリカに勝てる見込みなどない事は誰にも分かっていただろう。
それにファシズムが進んで国民の自由が奪われて日本の未来に希望が持てなかったまさに狂った時代だ。
であれば、民主主義のアメリカに勝ってもらって狂った野望に取り憑かれた日本を健全な民主国家にするという使命を実行した事は、長い目でみれば我が国にとっては大義であったと言えるだろう。
主人公高橋一生は決してスパイなどではなく、国際主義の人道家であり英雄である。
現代で言えば、ロシアに亡命したスノーデンと言えよう。
歴史的事実として言える事は、当時の軍部や政治家が日本を破滅に追い込んでしまったのである。
今の時代も同様に誤った国の方針に従い同調圧力という空気に流され、体制側に媚びへつらう人間や官僚が日本をダメにしていっている。
この国を再生させる為には、真実を語り物の道理を貫く精神を取り戻す必要があるだろう。
狂った時代に飲み込まれるな。
虚実
「あなたの前では嘘はつけない」というのは、本人が嘘つきでも正直者でも合理的な台詞な訳ですね。しかし、夫婦間でやり取りされる虚実の駆け引きは、実はあまり引き付けられなかった所。それよりも蒼井優が抱きつくときの表情にやられる。終盤の戦争描写と空襲に見舞われる惨状での演技で、作品の印象ががらりと変わった。東出昌大の演技も冴えていた。
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