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ネットで偶然に見つけてしまって、興味を持った作品でしたのでDVD買いました。ヤフオクでレンタル落ちを。
出品者さんと私以外にとっては、誰の得にもならない鑑賞方法です。
Amazonでは課金で上がっていたんですが、現物のジャケットと円盤が欲しいコレクター気質なもので。
結果。送料込ワンコインでなら十分に楽しめた作品でした。TAK∴(坂口拓)さん好きですし。
えーっとね、お話の感想ですよね。
えつ?お話?そんなの、これっぽちもないです(笑)
ただただTAK∴に人を斬らせたいだけのために撮った映画。TAK∴が人を斬りたいがために主演を務められた作品。
人を斬る映画って言えば、殺陣の段取りの見せどころがあるじゃないですか。本作それすらもないんですよね。
ただただ勢いに任せて斬りまくるだけ。
但し、たったひとりで400人を相手に。Σ(’◉⌓◉’)エッ!
でも、本当は400人じゃなくて“延べ”400人なんですよね。後で語りますが。
それだけの人数斬るわけですから上映時間91分のうち、実に77分が斬り合いのシーンなの。
しかもカット割りなしのワンシーンワンカットを77分で。Σ(’◉⌓◉’)エッ!
人は斬ってるんですが、フィルムは切ってないの。
何を言ってるのかわからないと思いますが。
ストーリーの入る余地なんてないでしょ(笑)
あの『カメ止め』でさえ、ワンカット撮影は冒頭37分ですよ。そんなチャレンジングなことやってるのは。
この映画、そんな無謀なことやってるから、あまりにもツッコミどころが多すぎるんですよ。
リアリティーを大きく逸脱させてるんですよね。
斬られた相手がことごとく“不自然”にフレームアウトして行くんですよ。
ある者は右から左へ流れるように消えていき、ある者は奥から手前に引き込まれるように消えていき、またある者は他のエキストラに抱えられて退場していき。
ほんとなの!斬られた人が他の人に抱きかかえられながら、フレームの外に消えていくの(笑)
その場で倒れる者なんて意地でも皆無なの。
だって、それだけの人数が足元に倒れられちゃ、拓さん身動きとれなくなっちゃうでしょ。
しかも!斬られてフレームアウトしたはずの演者が、一周してまた、しれっと戻ってきてるの。ゾンビかよ(笑)400人じゃないじゃん!
ゾンビと言えばね、ヘリの翼で頭切断されたゾンビのカットあったじゃないですか。『ゾンビ』に。
それに近いのが出てるんですよね。ヅラが明らかに大きい人がいるの。そのヅラを拓さんがカチ割るの。
カチ割られ専用の特注ヅラ(ヘルメット?)だったのかな?
ある程度殺陣のできるエキストラ…足りなかったんだろうなぁ。
チャンバラのお約束どおり、絶対に背後からは斬りにいかないし。←これは言うたらアカンやつ。
とにかく常軌を逸した映画なんですよ。拓さん主演じゃなきゃ撮れなかった映画。
「撮影したまま9年間埋もれていた」といういわく付きでもあるというフィルム。
それをそのまんま映画にした心意気や良しです。
そんなムチャなアクションですから、拓さん、撮影中に肋骨やら指の骨やら奥歯までもが折れたりされたそうです。
斬り合いの最中、拓さんが竹筒の水で水分補給するシーンがあるんですが。
胃が水を受け付けなかったらしいです。まさにレースもピークで疲労困憊のマラソンランナー状態です。
「なぜそこに竹筒が?」なんて問うのはナンセンスな作品。
そんな命を削りながら創りあげられた作品。
ある意味、拓さんのアクションをドキュメントで撮ったような、そんな作品です。
拓さんの鬼神にも勝る“素”?の迫力は凄かったです。疲労で目から段々と光が消えていってたんですが。
さすがに400人斬りともなると、そうなります。このリアリティーは評価しなきゃです。
ついでの感想を述べるなら、肝心の殺陣に迫力が足りなかったかな?せっかくの武蔵なんだから、二刀流剣法をもっと見たかったかな?
ちょっとした小競り合いにしか見えなかったの。拓さんには申し訳ないけれど。
もっと外連味たっぷりに、袈裟懸けにズバーッ!と斬って、血飛沫ドバー!っと飛び散るシーンのオンパレードが見たかったかな。
タイトルロゴが出てくるまでの冒頭10分あたりと、終盤5分ほどは、普通の映画の撮り方なの。
きちんとカット割りしてるし、ストーリーも見えてくるの。殺陣も見ごたえあるし。
特に終盤5分は、興奮する斬り合いなの。暗器の仕込れた、かっこいい刀で袈裟懸けにズバーッ!と斬って血飛沫ドバー!なの。
なので余計にワンシーンワンカットの撮り方が惜しかったかな。
そこに拘らず、普通の映画に仕上げていればよかったのに。
それじゃあこの映画のアイデンティティ自体がなくっちゃうか。
奇しくもラスト近くで武蔵(TAK∴)がこう言うんですよ。
「忠義?大義?そんなもん知らねぇよ。ただやりてぇだけだろ」
この映画のテーマですよね、きっと。ねぇ、下村監督とTAK∴さん。
まぁ、かなりぶっ飛んだ映画ではありました。
ワンコインは決して無駄ではありませんでした。コレクションも増えたし。
スクリーンで観ていたとするなら、かなり微妙とは思いますが。
パンフレットはきっと買っていなかっただろうなぁ。フライヤーは欲しいけれど。
書いていて、今さらながらに思ったのですが。
私のレビューって、観たことがない人に「面白いからこれ観て!」と紹介するようなカルト作品のチョイスと、そのあらすじ&感想なんですよね。それにしちゃあ長いんですが。200文字くらいでやっつけろ。
その10倍以上も使って書けるって、ある意味才能?
誰もが知っていらっしゃるようなメジャー作品の、まともなレビューって少ないです。はい。
需要ないはずだわ。
「需要?人気?そんなもん知らねぇよ。ただ書きてぇだけだろ」
はい。