劇場公開日 2021年1月1日

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「韓国から見た朝鮮半島の歴史(の淀み)がわかる作品」新感染半島 ファイナル・ステージ どうか夢だと言ってくれ!さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0韓国から見た朝鮮半島の歴史(の淀み)がわかる作品

2021年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

怖い

興奮

韓国作の映画やTV番組を見ていると、なぜ彼らはこれほどまで自分達を滅ぼしたがるのだろうかと思う時がある。滅ぼしたがっているのではなく、朝鮮戦争で一時は領土を失いかけ、実際に多くの人々が港から脱出した経験を忘れていないからなのだろう。日本に「日本沈没」があるように、韓国には「朝鮮半島に安住できなくなる恐怖」の物語があるのだろう。(この辺りの事情は『国際市場で逢いましょう』を観るとわかりやすい)
その意味で『新感染 Final Express』とは異なった味わいの作品になっている。過去作からの影響と思われる設定が多く、ゾンビとカーアクションはどう見てもCGに見えてしまってノイズに思えるものの、家族ドラマとしての側面は前作同様濃厚で、「え? その回想で泣いてしまう俺って…」と終盤でなるところがびっくり。
ちなみに、初頭で主人公と義兄が半島を脱出し、香港で荒んだ生活をしているのは「まあ、そうなるだろうな」と妙に納得する。自分の知っている土地を喪失することは、想像以上に打撃を受けることなのかもしれない。
細部に渡って素晴らしいとは言い難いが、ゾンビと国家観(のようなもの)を合わせて自分ごととして想像できる可能性を持っている点では意味のある作品ではないかと思う。

どうか夢だと言ってくれ!