劇場公開日 2021年9月3日

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「アルコールで仕事の能率を上げるという無謀な実験に挑んだ教師達が辿り着く景色がグッとくるデンマーク産トラジコメディ」アナザーラウンド よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0アルコールで仕事の能率を上げるという無謀な実験に挑んだ教師達が辿り着く景色がグッとくるデンマーク産トラジコメディ

2021年11月14日
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鑑賞方法:映画館

高校で世界史を教えているマーティンは授業がつまらなすぎると受験が迫っている生徒達と保護者がクレームを受けてボコ凹み。マーティンと同じようなモヤモヤを抱えた3人の同僚はノルウェーの哲学者スコルドゥールが提唱している「血中のアルコール濃度を0.05%に保つと想像力が向上し仕事の能率が上がる」という説を自分達で実践することに。そうするとたちまち生徒達との関係も改善しどんどん仕事が楽しくなってくるが、当然ながらその実験は次第にエスカレートしていって・・・。

冒頭でさりげなく触れられている高校生までが手軽に飲酒できるデンマークのお国柄にまずはビックリしましたが、アルコールの摂取によってどんどんハメを外していく様は万国共通のもの、その目も当てられない悲惨さは自分も星の数ほど見てきた光景ですが、この映画のすごいところはたいていの酔っぱらい映画が描いてきた結末とは全く次元の異なるものを提示していること。アンデルセン作詞の『デンマークに生まれて』がグサッと胸に突き刺さる、これには下戸の私もグッときました。

よね