劇場公開日 2021年8月20日

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「80sらしい空気 × 監督らしい題材 = 一夏の青春映画」Summer of 85 とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.580sらしい空気 × 監督らしい題材 = 一夏の青春映画

2021年7月28日
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フランソワ・オゾンの描く死
どこから始めれば?死に興味がある。死体でなく"死"そのものに。正直、途中で予想だにしない部分もあったけど、監督の今までの作品や作家主義的なものを考えると頷ける。文才のある主人公といったら『危険なプロット』を思い出す。『彼は秘密の女ともだち』はじめ突然ふりかかる大切な人の死もついて回る(ex.『婚約者の友人』『ぼくを葬る』)。そんな影を落とす出来事と向き合うカミングオブエイジ/成長への船出。
彼から誘った。人を助けるのに理由が必要か?友達か?いいやつだと思った。友達だと思ってた。友達以上だろ?執着と束縛されたくない自由な魂。若さゆえの燃えるような恋と嫉妬の炎に身を焦がすような362万8800秒。スピードの彼方へと生き急ぎすぎて、もし死んだら墓の上で踊ってくれ。一人が先に死んだらそのときはもう一人が墓で踊る。ダヴィドは確かに男が惚れる男で格好良くセクシー、まさしく一瞬で永遠の輝き。近づく者をひきつけて焼いてしまうような。
一夏のできごと。80年代を舞台にしたピュアネス映画にザ・キュアー(インビトゥイーン・デイズ)あり!海辺に映画館そして遊園地、ロマンチックの粋を集めたような舞台設定とサントラ。最高すぎて嫉妬。こういう夏限定青春映画、あるいはヨーロッパ映画のサスペンスでよく見るような展開か…なんて思っていたらまさかの衝撃の展開。

Sailing/ロッド・スチュワート

↓以下ネタバレ↓

彼ともう一度また会うには自分が死ぬか、物語を書くかしかない。ならば君の物語を書け。自分自身の物語を書くことで一歩踏み出す。その先に何が待っているか分からないけど、まだ始まったばかり。彼の生きてる姿を思い出したい!カリプソってヨットで海に出ないか?にしても終盤、怒涛のように本作のメッセージを言葉で言っちゃうのは少し説教臭くて如何かなものかとも

とぽとぽ