ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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ここ最近でダントツでは?
呪縛の鎖
時の流れに翻弄される弱い男達
暴力の傍らにいるのは
とてつもない寂しさと優しさ
立ち姿が空虚で美しい
少年のような中年
社会性など今更学べぬ
力強いはずの肉体がガラス細工のように脆く映る
呪縛は続く
呪縛は続く
呪縛は続く
順番が変わるだけだ
時は残酷ではなく当然に奪っていく
虚飾を
希望を
この男がより寂しく見えるのは
ただ人より持っていた物が少なかっただけだ
間違えるな
赤く乾いた血がこびりついたままだ
血と絆の呪縛の呪いは確実に受け継がれた
これが悲劇なのか運命の悪戯なのかは分からない
40半ばのオッサンの涙腺は決壊した
廻りのオッサンも泣いていた
オレは孤独になりたくなった
そうだオッサンは無力でワガママで愚かなんだよ。
一言伝えなければならない監督よ演者よバンドよ
ありがとう
泣けました‼️
力作
若い監督が果敢にヤクザを主人公に社会的ヒューマンドラマを作り上げた。ひとことで「いい話」だった。ヤクザのクロニクルというとどうしてもコミカル要素もたっぷり入ったバイオレンス中心のものが多いが、こういうタッチのヤクザものは珍しい。あくまでヤクザを主人公にしたヒューマンドラマ。
『新聞記者』もそうだったけど、ここまで抑える必要あるのかというあの暗めのトーンで始終話が進む。1999年の出会いからヤクザという幻想の共同体がバラバラに追い込まれていく現代まで。この辺りスタートが70年代や80年代ならもっと陽気さもあろうものが、99年というと既に日本は終わりの始まりって感じでこのトーンがあってるのかも。ただ前半はヤクザ描写がそれほど面白みを感じない。リアリティドラマにいくのかアウトレイジにいくのかが微妙。かっこいいタイトルバックからすれば、様式のほうにいってもよさそうなのだけど振り切れてはいない。ただ、今回はストーリーがいい。後半、出所あたりからみな肩の力が抜けていい感じになり、磯村優斗や豊原功補は特に素晴らしい。綾野剛はカッコつけてるより抜けた芝居のほうがいいが今回ボコボコのぐちゃぐちゃな顔はいいかも。
そしてラストシークエンスとエピローグ。特に海から始まった映画が海でしめられた後のエピローグは予想してなかったので泣く。泣いたよ。
タイトルの意味を考えると、ほんと哀しいね。
鑑賞から一週間、ずっと余韻を噛みしめていました。
三つの時代で変化を描く構成もいろいろ繋がる台詞も役者陣全ての好演も素晴らしかった!
「新聞記者」の藤井道人監督だからいわゆる“ヤクザ賛歌”にはなっていないことはわかっていたのでその世界をどう描くのか興味津々でした。
1999年の描写はもっと昔の、昭和のヤクザ社会のようにも感じましたが、その後の2005年、2019年と時代の遷り変わりと共に何がどう変化したのか、家族や人間関係に焦点を当てて迫っています。
うーん、ネタバレ無しにレビュー記そうとすると難しいですが、三部構成の芯になっているのは当然現代パートである2019年であり、切ない、とにかく切ないです。
綾野剛さんは少年期から40前まで演じ分けていてとてつも無く凄いのですが、北村有起哉さんも良かったなぁ。哀しかった。舘ひろしさん、尾野真知子さん、市原隼人さんもほんと素晴らしい。
特に2019年のみに出ている磯村勇斗さん!圧巻でした。ラストシーンのあの目よ。。
ここまで書いていていろいろ思い出し、早く二度目の鑑賞がしたくてたまらなくなってきました。
今のところ今年No.1!まだそんなに観てませんがw
ところで。
あの頃は組にひとりは「ケン坊」と呼ばれる人いたよね〜知らんけどwww
愛と絆のヒューマンストーリー
う~む・・・
感無量
家族って何だろう
役者たちの演技力の効果が非常に高い。
激動、無力感、やるせなさ
とにかくキャストの演技力がすごくて終始引き込まれる。若干、舘ひろしが優しい組長やなあ、とは思うけど、家族の名に相応しく違和感なく流して見れる。
にしても綾野剛、すごい。市原隼人は何をやっても安定した役回り、加藤組長もいい味出してるし。
ヤクザの栄枯盛衰、その裏側で振り回され、ボロボロにされるいくつもの人生。
後半になるにつれ、何とかハッピーエンドにならないかと思いつつも、どんどん悪くなる一方で、もうどうにもならないのか?という微かな願いも、反社を取り巻く社会情勢に尽く打ち砕かれ、本当に無力感だけが残りました。そしてこれでもかというやるせなさ。悲しみのどん底です。
今のヤクザが本当にこうなのかは分からないけど、ヤクザという人生と宿命に翻弄された綾野剛と、ヤクザに振り回されたいくつもの悲しい人生を描いた大作でした。
そういう時代の終わり。
3つの時間軸の構成が見事だった。ヤクザが大手を振って裏社会を闊歩した昭和から平成。そして令和へ。ヤクザを取り巻く環境もすっかり変わり"反社"となった彼らは徹底的に社会の行き止まりへと追いやられてゆく。
綾野剛が世間知らずの荒くれ者から柴咲組を支えるヤクザ者、そして14年の服役後落ちぶれた社会の爪弾き者という20年間を巧みに演じ分けています。
いつどこで躓いたのか。いつどこで間違えたのか。なぜヤクザだったのか。なるべくしてなったのか。恩と義理、裏切りと妬み、そして人情。まるで絵に描いたようなヤクザ像山本のまるで救いのない人生。その痛みと哀しみ。
でも誰であっても簡単に弾かれたちまち行き場を失う現代。行ったことのない所に住む会ったこともない人から突然攻撃されるような容赦ないこの時代。ヤクザでなくても反社でなくても途方もなく生き辛い。一度そういうレッテルを貼られた人への社会の風当たりはより一層厳しい。細野が言う。5年ループ。5年で済むのだろうか。
彼らにとって生き辛い世の中が普通の人にとっては生きやすい世の中とは限らないというジレンマ。そんな中、惨めに堕ちて死に場所を探した山本の救われない最期に私は納得した。山本を救う理由なんてない。社会がそう言っている。彼自身がそういう生き方を選んだのだから。
キャスティングはさすが。もうみんな強面。そして舘ひろしが渋すぎてしびれました。磯村勇斗も好演!でも今作は市原隼人でしょう!なんか演技力の割りにパッとしなくてなんなら未だにリリイシュシュの衝撃デビューのイメージすらまとわりついてたんですけどこれはハマってました!
一番もがき苦しみ救いを求めて本当の家族を欲したのは他でもない細野だったな。
全部込み
社会的なテーマは置いといて、巧みな構成力が際立つ。あの話がここで生きて、あのキャラがこのキャラとこのように交わるといった関係が次々と畳み掛けるように成立して、それは気持ちよいところ。主役だけではなく、それぞれの配役がそれぞれの人生を示していて、ここまで生かされると役者陣も本望ではないだろうか。所謂ヤクザ映画とは趣が異なる映画であるが、全てのキャラ立てをしっかりと作るというのは、ある意味その系譜を継いでいるように思った。誰が良かったではなくて、本当に皆んな良かったし、印象に残るシーンも多数。演出も冴えていた。
血縁によらない共同体という意味では万引き家族が想起させられるが、文字通りの反社会性を帯びている点については忘れようもなく、一方的には肩入れできぬところ。社会はなぜ排除し、そして何を失って何を得たのか。次の問題は何か?警察の問題は扱われていたが、若干過剰だと思うし、ネットの扱いも少し単純。もう少し考察が欲しかったところ。後、幾度と出てくるうなぎのしらすは種の絶滅という問題が実際にあるわけで、その扱いに違和感があった。
この線でしょう。藤井監督。
綾野剛が不良系演じるのにハズレない。日本で1番悪い奴ら、新宿スワン...
物悲しい瞳が素敵な 綾野剛!
タダチケットが有ったので 何を見ようか?考えて口コミが良い この作品を見ました。
邦画独特の あの感じです。
ハリウッドの あの 底抜けに明るい 派手さは無いのですが、何とも物悲しい瞳を持つ
綾野剛 にやられました。
この人って 天才だったんだ! そう思えるほどの演技力で 尖った瞳を輝かせていた若い時代から 優しい物悲しい瞳に変わった中年時代まで 見事に役分けしていたと思います。
カラッとした映画ではないのですが、いい映画を見た という感想です。
息苦しい社会・・☆
「新聞記者」を送り出した藤井道人監督とスターサンズの作品。
前作に劣らずの物語。
暴対法が出されてから、ヤクザの状況が変わったことがわかる。
ヤクザを擁護するわけではないが、世の中全てがクリーンになることは
おそらくないと思う。
舘ひろし演じる組長が言うように、ヤクザでしか生きるしかない人はきっと
今でも存在するのだろう。
そんな問いを突きつける作品。
「アウトレイジ」のような派手な残酷さもなく、「虎狼の血」の暴力もなく、
それでいてヤクザの葛藤や逡巡を描いている。
役者が揃っていて、見応えがあるし、綾野剛の少年期からラストまでの演技が
素晴らしい。
舘ひろしの静かな存在感。
磯村勇斗が良いエピソードを作っていて、どう収束させるかと見ていたら
最後まで楽しむことが出来た。
コロナ禍で、自粛警察などが出現して今もどんどん息苦しくなって来ている。
何が正しいのか?問われているような気がする。
裏社会は形を変えて生き続ける。
ヤクザのリアルを描いたという点では評価できる。いろいろなタイプのヤクザを見せられると、普段関りがないだけに、あーこういうものかと納得する。若頭の中村が「男を磨く」と言っているが、真っ当な(?)ヤクザはそんな気概をもって稼業を続けているのだろう。中でも綾野剛の演技は鬼気迫るものがある。少年時代の行き場を失ったチンピラから、バリバリの本格的なヤクザになり、刑期を終えて状況の変化に迷い悩む姿まで、見事に演じ分けている。ヤクザの盛衰と共に、彼の姿を心に刻むだけで、この映画を見た価値はあるかもしれない。
作品の内容はというと、共感できる所がほとんどなかったのは残念だ。「家族」というテーマに沿って物語は分かりやすく進行していくが、テーマの深堀りが決定的に足りない。家族とはこういうもんでしょうという、誰もが抱く一般的な先入観から話を組み立てているように思う。映画を見るうえで一番大切なものは「発見」や「気づき」であると思っているが、テーマの深堀りが欠けているため「発見」の乏しい作品になってしまった。この点は藤井監督の「新聞記者」にも同様な感想を持ったため、レヴューに書いた記憶がある。
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