ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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あまりにも悲しすぎて泣けなかった映画
とにかく、終始気を抜けない作品でした。
綾野剛演じる山本。
父親を亡くして苦しく辛いはずなのに泣けない。
後輩には気丈に振る舞うが、
父親の仇であるヤクザを目の前にすると我を忘れてしまう。
こんなヤツらなんて、、と思っているのに、
屈託のない笑顔で包み込んでくれる舘ひろし演じる柴咲の優しさにふれて、この人に一生を捧げようと盃をかわす。
数年後、立派なヤクザになってシマを管理して順調な普通のヤクザ映画かと思ったら、ここら辺から空気が少しずつおかしくなる。
親父を小馬鹿にされて、暴力をふるってしまう。
こんなシーン、いろんな作品でみてきたな、なんて思ってた。
でもここからがリアル。
そして悲し過ぎるそれぞれの登場人物たちの運命を目の当たりにすることになる。
山本はただ誰かに必要とされたくて、
ただ温かい生活の中で穏やかに生きたかっただけなのに、
本人はすごく心の優しい人間だと、観ているだけで伝わるのに、周りの環境がそれを許してくれない。
義理と人情で若頭・中村の身代わりになっただけなのに、
それが自分の運命を大きく狂わせることになるなんて、
誰が思っただろうか、、、、
由香と出会って過ごしたあの一瞬だけは、
不器用な普通の青年だった山本。
14年後出所して、周りだけじゃない、日本がガラッと変わって、人々も変わって、ただ一人取り残されてしまった山本。
でも皆んな生きることに必死で、ただ時代に合わせて変わってしまっただけなのに、なんでこんなに辛く惨めに見えてしまうのか…
焼肉屋の息子の翼、シングルマザーになって必死に生きている由香、足を洗って家族を作ってた細野。
最後のシーン。
細野に刺されても一切恨む姿を見せず、謝る山本が、
もう悲しすぎて…
でも、私はそれ以上に細野を演じる市原隼人のあの演技に全て持って行かれた気がしました…
エンディングのミレパの曲。
天才的であんなに映画を想って使った曲が今まであったのかと思うほど素晴らしかった。
悲し過ぎて泣けない映画は初めてでした。
せつない映画。
脚本も、役者の演技も流石。納得の出来。
この映画で出てくるヤクザは、良いヤクザ側の物語
ヤクザにしかなれない人生ってつらいと思う。
ただ、不幸な境遇の人は、必ずしもヤクザになるはずでは無いから、すべて環境のせいではない。
普通の人間では出来ない事、暴力とかケンカ出来てしまうのは、その種の性質があるのだろう。
自暴自棄で、自分なんてどうなっても良い、
という自殺に、近い心情もあるだろう。
普通の人間は、どこかブレーキが、かかるものだから。
本当に、社会不適合で、他人なんてどうなっても良いという
ヤクザの方が、ほとんどでないのか?
実際の割合は、わからないが。
いったん道を踏み外してしまうと、元に戻るのは不可能に近いと描かれている。普通に仕事して暮らす事さえ困難なんだ。教訓として覚えておいて損はないだろう。
ヤクザが必要悪だった時代も終わったっていうことか?
ある意味、ひとつの受け皿として機能していたものが、無い時代、その代わりとなるものは、あるのだろか?
見て損はない映画なのは、間違い無い。
圧巻の綾野剛
凄まじい作品だった。
世情の移り変わりというか、諸行無常というか…切り取った時間もさる事ながら、その焦点でしか描けない物語のように感じる。
内容がヤクザな世界の話なので、同情も共感も出来る話ではないのだが…なんなんだろ、コレは。
胸に蟠るやるせなさを叫びたくなる。
ヤクザは総じて排除の対象なのだろうけれど、形態を変え生息している集団はあるようだ。
国家権力と癒着し、持ちつ持たれつな関係。作品としてその集団が「必要悪」として描かれる事はない。
地域と密接し、その縄張りを守る事でシノギを得ていた「任侠」が、国家と関わり免罪符のようなものを得たのが「暴力団」なのだろうか?
…いや、別にどおでもいいか。あちら側の世界の話だし、憧れがあるわけでもない。
組長の言う「受け皿」って言葉が引っかかってるだけだ。打算で動く人間は結局打算でしか動かない。
国家になびいた次は大国にでもなびくのであろう。
確かに義理と人情で腹は膨れない。
「義理と人情で腹が膨れてた時代の方がおかしい」と今の世代は言うのであろう。任侠だなんだと神格化さえしているが、その内情を知る由もない。
ただ、作品は素晴らしかった。
綾野氏がとてつもない。
年齢による演じ分けも見事だった。
14年後の姿などは…冒頭のシーンからは想像もつかない変化であった。
コレは恐らく狙いなのであろうが、出所するまでのシーンでは結構奇抜なアングルにカメラが入る。
でも、コレが見事なのだ。
綾野氏の芝居にカメラが呼応するのか、カメラに呼応して綾野氏が憑依していくのか、まさにコレしかないって感じのカットで身震いを覚える程だ。
どんな化学変化を起こせばアレが出来上がるのか…この作品は、そんな奇跡に満ち溢れてる。
そして、アクションも攻めてるし、作風に非常にマッチしてる。アクション監督でもあろう吉田氏には感謝したい。
度肝抜かれる。
綾野氏が車に撥ねられるし、綾野氏と館さんの乗った車が車に激突するのだ。
綾野氏の最期もいい。
物語に沿った、物語を決して邪魔せず特化しない。見事な仕事であった。
物語の筋は、往年の任侠映画を彷彿とさせるものの、そのディテールへの思慮というか感度というか…溜息が出る程惚れ惚れする。
何度も映し出される工場地帯の無機質さに、繁栄とその代償を感じてみたり…無駄なカットが1つとしてないような印象だった。
とある先輩が任侠映画を総し「男も女も哀しいんだよ」と呟いた事があった。
褒められた生き方ではないにせよ、体制に擦り潰されていく個人の生涯としては哀れみも感じてしまう。
いつの時代も変化していく。
その変化に対応できない種は滅んでいく。どんどん塗り替えられていき新しい価値観や正義、道徳なども生まれてくる。そして、それらの変革期を生きてきた人間は必ず言う「昔は良かった」
老人の戯言と一蹴するのだろうか?
新しい世代は昔を知る由もない。
そうやって時間は過ぎていく。
常に劣化していく世界に僕らは住んでるわけではないのだろう…常に繰り返す世界に僕らは住んでいるのだと思う。
それにつけても、この胸中に燻る感情はなんなのだろうか?自業自得だろと小馬鹿に出来れば簡単なのだけれど、そうではない。
あの娘に罪はない。
罪を感じる事もない。
ただ、あのあどけなかった翼が、半グレのボスになるような人生を鑑みるに血は争えないって通念は否定もできない…。
やるせない。
ただただ、やるせなさの残る物語だった。
再三言うが、綾野剛は神がかってた。
一瞬たりともスクリーンから目が離せなかったのは「ジョーカー」以来だった。
自業自得だけで済ませない悲哀
社会で平和に生きていきたい普通の人にとって、関わりたくないし多くの人が関わらずに済むヤクザという存在。昨今“反社会勢力”として世間から弾糾されることも多く、それが一概に間違ってるとは思わないし、彼らによって苦しめられる人もたくさんいるわけだし、ヤクザを擁護する気は全くないです。
ただ、その生き方しか出来なかった、後悔してやり直そうとしてる人もいるわけで。一度道を外れたらもう二度と戻ることを許さない世の中の容赦のなさは、やっぱり見ていて苦しかった。
藤井監督の描き方は、本当に起きていることなのかもしれないと思わせるリアリティがあり、本作もまた、こういった弱者がいるという一つの視点の気付きを貰えました。
たくさんの人に観てほしい
事前知識なしで家族の進めで観に行きました。
語るに落ちるといいますか、私が今さら語ることもないですが、全ての役者さんたちが素晴らしかったです。カメラワークも凝っていて臨場感もあり音楽も感情とリンクしていて良かったです。上映時間の分数を確認したときは長いかもと思っていましたが、そんなことありませんでした。説明不足も説明過多もなく物語に説得力があり、自然な運びで進んでいくので、さすがとしかいえない。ただ他のタイトルはなかったのかしら?観賞済みの家族の進めがなかったら観に行かなかったです。
どうしても暴力シーンがあるので好みが別れそうですが、切なくも優しい義兄弟と家族愛に溢れたこの作品が私は好きです。
重い
この映画はヤクザの闇の部分を全て描いていないし、私はヤクザものをあまり観ないので、これがヤクザの全てだとは思わない
ヤクザは良いものでは無いと思うが、ヤクザに救われた人もいるのだと思う
ヤクザを排除した世の中は、理想的なものにはなっていないと感じた。ヤクザも人なのに、ヤクザを排除した後の受け皿が無いのも問題だったのだと思う
色々と考えさせられた映画
ある意味、愛の物語。 いつ死んでもいいとトンガって生きてきた男と、...
ある意味、愛の物語。
いつ死んでもいいとトンガって生きてきた男と、ごく普通の女の、恋に堕ちる瞬間がたまらない。
老けてると思った私の心の中の言葉を言った時は吹いた。
時々笑える若いセリフにキュンとします。
綾野剛に恋してしまいます。
今一番好きな俳優さん。
見終わってからも彼の事を思い出すと涙が出てしまいます。純粋過ぎて生きづらい。
せめて、都会から離れて山の中で家族と暮らして欲しかった。家族と幸せになって欲しかった。切ない。
公式のあらすじは読まないが吉。鑑賞後の「ん?」の理由はなんだろうか。
※予告、公式ページで分かる以上の「内容について」のネタバレはしていないため、あえて「ネタバレあり」にしていません。しかし、タイトルにもしたように、出来るだけ楽しみたい人は、映画を観てから見ることをお勧めします。
久々の映画館。最後に映画館を訪れたのは「ワンダーウーマン1984」ですから、1ヶ月以上間が空いてしまいました。まぁ現状が現状ですから、あまり外に出ていないというのは、正しいは正しいのでしょう。またマスクから解放される日が来たらと、願わずにはいられないですね。ただ、今の生活になって、花粉による鼻への被害は減りましたね。
さて、というわけで「ヤクザと家族」を観たわけですが。うーん。
前提として、私はヤクザ映画には全然触れたことがないです。マフィアやギャングはいくつか。マーティン・スコシージ監督が好きなので。
まず、星評価としては以下のような配分ですね。
主題歌:1
俳優:1.5
ルック:0.5
ストーリー:0.5
基本的には、1を基準にして、鑑賞後、加点か減点かみたいな感じでつけました。
私はそもそも、この映画を予告編で知って、単純に「なんか知らんがルックがカッケー。主題歌カッケー。」みたいな浅い感覚で行くことを決めました。個人的に思ったのは、millennium paradeの主題歌はking Gnuの常田と井口が歌ってるわけですが、「ほとんどking Gnuじゃねーか!」ってなりましたね。聞く人が聞けば、全然違うものなんですかねー。
鑑賞して、一番印象に残ったのは俳優の演技ですね。特に綾野剛と舘ひろし。全体の影がかかった画面も相まって、渋さと言いますか深い黒が似合っていましたね。キャラクターとしても、何しでかすか分かったもんじゃない綾野剛の突発的な暴力は観ててワクワクさせられましたね。舘ひろしもいるだけで画面が楽しくなりましたね。組長としては、なんか優しさが過ぎる気もしましたが、「まぁいいんじゃねえかな」と思いました。「ゴッドファーザー」のドンだって優しかったし。他の俳優の演技も、文句のつけようはないんじゃないかなぁと思いました。
なので、この映画を観たことそのものを後悔はしていないですね。含みのある言い方ですが、これまでしてきた後悔を思い出せば、後悔しようがないです(あげ太郎、事故物件、etc)。
まぁ、この辺までが褒める意見ですね。
ディテールに関しては、他に書いてる人もかなりいるので他の所で不満点を書けたらと思います。
さて、問題、というか不満、というか「うーん」ってなったのは、評価からも分かるようにストーリーですね。まず、予告の段階で「3つの時代を描く」というのが分かってたので、最初に思い出したのは「Once Upon a Time in America」でした。というものの、3つの時代って所しか合っていない気もしますが。「Once~」と「ヤクザと家族」をこの点で比較すると、前者は時間軸を何度も行き来するのに対し、後者は3つの時代が順番に描かれます。
ここで、1つの「ん?」が生まれました。
「ん?」とは、「順番通りであること」です。どう「ん?」かと言いますと、実は本作、公式サイトの事前情報(あらすじ)から、最初1時間40分ぐらいの内容を知ることができてしまっていたのです。そして、このあらすじは「順番通り」なわけです。観ている間、物凄い既視感に襲われました。とにかく、新情報が無いのです。これは、公式のあらすじが語り過ぎという問題も考えられるのですが、私は「ディテール不足ではないか?」と思いました。特に本作はビジュアルやルックのせいもあってかゆっくりなため、このスピードをもう少し速くして、それぞれの時代に新しい面白いディテールを加えれば、それぞれの時代がもっと魅力的になったんじゃないかなと思いました。
そして、「順番通りであること」の問題として、テーマである「暴対法によるヤクザの境遇の変化」というものが提示されるのが、本当に後半になってしまっているという事があります。本作の表現の形式としては、「時計じかけのオレンジ」のような2幕構成が近いでしょうか。それは、前半に主人公が暴力の限りを尽くし、後半に主人公は暴力を規制され、その悲惨さを描くといったものだ。しかし、「時計じかけのオレンジ」は最初の段階から「暴力について」の映画として一貫しており、後半の描き方が変化していても根幹は同じです。それに対して、「ヤクザと家族」における「暴対法」はテーマそのものであるにも関わらず、それがどういうものなのかが分かるのが、最初3分の2終わってからの2019年に入ってからなのです。本来、語るべきテーマが残り3分の1程度(2004年長いから、もう少し短いか?)で描かれすというのは、あまりに後出しで、雑、というか表面的なものに終わってしまったように感じました。というか、2019年もある程度の苦労のディテールがあらすじでわかってしまうので、既視感には襲われ続けました。それがまた「表面的」な感じを強めてしまったとも思います。
さて、しかしだ。先ほどから「既視感」というのを繰り返しているわけだが、それが楽しめなかった、本当の理由なのだろうか?今では、ネタバレというやつが非常に厳しくなって「一層締めつけられている」わけだが、過去の名作やその時代では、ネタが割れてるなんて当たり前であっただろう。だとすると、ネタが割れてる事と面白さは必ずしも関係するわけではないんじゃないだろうか?「コマンドー」が私の映画の原点なわけですが、ネタが割れていようと、何度見ても面白い。では、「ヤクザと家族」を十分に楽しめていない理由とはなんなのだろう。
1つ思いついたのが、画面に変化がほとんどない事だ。基本暗く、曇天、タバコで煙い。雑な気もするが、ここから完全に逃れる目新しい瞬間があったかというと、正直思いつかない。予告の段階では、そのルックを褒めていたわけだが、それは予告の長さと編集ではよく見えただけなのだと思う。特に、画面に変化がない事が問題なのは、この映画が「時代の変化」を描くものだからだ。つまり、絵としてその変化がよく分からないのだ。視覚表現の要素が強い映画において、これは致命的であるように思う。
※ここからは、今まで以上に「映画を観てから」をお勧めします。
次に「テーマ」について考えようと思う。
私が思う、本作のテーマは以下の2つだ。
・親のいない主人公がヤクザに疑似家族の側面を見出す。
・暴対法によるヤクザの形の変化、ヤクザの生きづらさ、家族の崩壊
ヤクザの疑似家族的側面というのは、流石にタイトルがタイトルなだけあって、全編にわたって語られるメインテーマである。言いたいこともあるが、後にする。
上述したように、暴対法の話は後半に集約されているため、全編にわたるものではない。そのため、「家族」というテーマに比べると、サブテーマの方が正確かもしれない。とは言ったものの、監督は「間違ったものが社会から排除されることへの疑問」がこの作品を作った理由としてあることを考えると、やはりサブになってるのはどうなのだろうか?とは思わずにはいられない。しかし、サブでしかない理由がある。それは、主人公である綾野剛が暴対法による苦労をしているように見えないからだ。公式の引用で「元ヤクザという経歴は恩人の細野や由香を巻き込み、思わぬ形で愛する者たちの運命を狂わせていく。」というのがあったため、これについて考えてみよう。つまり、綾野剛が原因で周りの人に迷惑がかかっているというわけだ。私はこれを綾野剛の苦労とは思えない。というのは、周りの人が受ける迷惑は実害が明らかに大きく、「生きること」に困っているからだ。それに比べると綾野剛自身は、この点において「生きづらくなる」というほどのものではないのだ。このように、本来観客とともに生きづらさを感じるべき主人公が、周りほど生きづらくなっていないのだ。
では、「疑似家族」というテーマについての言いたいことを言おうと思う。綾野剛は舘ひろしを心の底から敬愛している。だが、ヤクザはそもそも綾野剛の父を殺している。そんなヤクザに一片の曇りもなく綾野剛は忠誠を誓い続けるなんて事があるのだろうか?普通の家族であっても、息子の反抗期や意思のすれ違いとかあるものだろう?勿論、父の死は舘ひろしの組とは別の組が原因ではあるわけだが、いや待て、そもそも舘ひろしの組とそれ以外で一線が引かれているという状況はどうなのだろうか?日本はそもそも家系主義的な要素が強くあり、家族とそれ以外で一線を引いてしまう危うさが見られる。それは正に疑問に持たれるべき「間違ったその他の排除」にもつながる要素であり、この映画がまず疑問に抱くべきポイントではなかったのか??
最後に1つ、上から目線で苛つかれる事覚悟で、この映画の改善案を思いついたので、言いたいと思います。というか、実はこれか今回久々に映画の感想を書こうと思った理由でもあります。それは「細野こと市原隼人を主役にする事」です。というのは、市原隼人こそ上述したテーマを2つともクリアした存在だからです。市原隼人の家族関係は具体的には分かりませんが、綾野剛にある程度のシンパシーを感じている事から、あまり良い両親ではなかったのではないでしょうか?そんな中で兄貴のように存在する綾野剛。綾野剛が逮捕された後に、市原隼人が家族を持ったことも、その前に綾野剛の恋愛模様があったことを考えると、その後を追うような形にもなっている。しかし、最終的には兄のように慕った綾野剛によって、彼の人生は狂っていくわけです。いや、ヤクザに入るという選択そのものが狂っていたのかもしれない。そういう見方をしていくと、私はこの映画の最後の展開の見方が変わるのではないかと思いました。まぁ、実際は主役は綾野剛なんで、最後の展開への反応というのは、他の人のレビューにあるような感じですね。
最後まで読んでいただきありがとございました。ではまた。
紫煙立ち込める新宿の昭和館が懐かしいのだ
しばらく映画のレビューを書くことが無かったがこんな映画を観てしまったらちょと振り返らざるを得ないというか自分でも何がこんなに心震わせるのかをつくづくあれこれ考えてしまうのだ。2012年の「暴力団対策法」以降じわりじわりと気づかぬうちに所謂「ヤクザ映画」もこの世界から消え去ろうとしている。北野武がその最後の世代なのだろう。「孤狼の血」が昭和の終わり「暴力団対策法」成立前夜を描きこの「ヤクザと家族」が平成から令和「ヤクザ」から「反社」へという差別によって人権をも奪ってしまうこの国家の暴力を描いている。「ヤクザ映画」をかっこいいと思ってはいけない世になりつつあるということだ。我々世代の映画の原体験が「仁義なき戦い」である。国家から差別され虐げられてきた全ての人々の気持ちを代表して「ヤクザ 」は新宿昭和館の紫煙に煙る銀幕で暴れ回った。国家は「分断」という仕組みをいつの時代も必要としているのだ。そして繰り返すであろう「差別される側」は地下で組織化し暴力でやり返すのみである。
ここ最近でダントツでは?
呪縛の鎖
時の流れに翻弄される弱い男達
暴力の傍らにいるのは
とてつもない寂しさと優しさ
立ち姿が空虚で美しい
少年のような中年
社会性など今更学べぬ
力強いはずの肉体がガラス細工のように脆く映る
呪縛は続く
呪縛は続く
呪縛は続く
順番が変わるだけだ
時は残酷ではなく当然に奪っていく
虚飾を
希望を
この男がより寂しく見えるのは
ただ人より持っていた物が少なかっただけだ
間違えるな
赤く乾いた血がこびりついたままだ
血と絆の呪縛の呪いは確実に受け継がれた
これが悲劇なのか運命の悪戯なのかは分からない
40半ばのオッサンの涙腺は決壊した
廻りのオッサンも泣いていた
オレは孤独になりたくなった
そうだオッサンは無力でワガママで愚かなんだよ。
一言伝えなければならない監督よ演者よバンドよ
ありがとう
ヤクザも同じ人間
ほんとにこれは悲しい話で重いのですが、すごく考えさせられるとてもよくできた作品🌟
良い作品ってのは考えさせられる作品が多いですね!
ヤクザも同じ人間。
表向きはつっぱってるけど、悲しい時は悲しむし、怖いときは怖いし、大切な家族もいるし。
あとSNSは怖いってほんと思いました。
出所した後はスマホが普及してる世界で、SNSの怖さなんて知らない。
ふつうに載せちゃうところが今の時代の若い人だよなぁって思いました。今の世界の問題も提議してるところも素晴らしかったです。
強烈な存在感をもって描かれる世界。その狂おしく、切ないお話に圧倒されました。
予告を観て凄く気になっていた作品です。
監督が「新聞記者」の方と知ったらもう観るしかありません。
という訳で鑑賞してきました。
上映開始。
…
…
(136分後) ふうぅぅ…
スクリーンを通して伝わってきたのは
圧倒的に暴力的で
悲しくなるくらい必死に
そこのみにて光り輝く男たちの生きざまでした。
ハッピーエンドなんてあり得ないよなぁ と
覚悟を決めて観た作品で
そしてその予想通り
幸せな結末を迎えた人など
一人も居なかったと思うのですが それでも
ラストシーン
少女が口にした問いかけ
「父のことを教えてくれませんか?」
これだけが、主人公に向けられたせめてもの
救いの言葉のように思えてなりません。
◇
まだ観ていなくて、鑑賞するかどうか迷っている方へ。
ぜひお早めに劇場へ。
上映ワクが少なくなってきています… (泣)
私は観て良かった。
満足です。
◇
綾野剛さん
渾身の演技でした。 特に
館ひろし親分に拾われたシーン。 頭から離れません。
無表情から一転 歯を食いしばっての号泣…
震えました。
藤井道人監督
「新聞記者」がどうしても頭にあったのですが
ここまで新しい世界を描いてくるとは。
36才。
まだ若い監督さんなんですね。
次はどんな世界を見せてくれるか楽しみです。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
泣けました‼️
時代の流れを丁寧に表現しながら、裏の世界を分かりやすく、説得力のある映画でした。
絆の強さと脆さを上手に演出していて、感動した場面が何度もありました。
綾野さんの最後のシーンはもっと強く表現しても良かったかな?と感じました。
力作
若い監督が果敢にヤクザを主人公に社会的ヒューマンドラマを作り上げた。ひとことで「いい話」だった。ヤクザのクロニクルというとどうしてもコミカル要素もたっぷり入ったバイオレンス中心のものが多いが、こういうタッチのヤクザものは珍しい。あくまでヤクザを主人公にしたヒューマンドラマ。
『新聞記者』もそうだったけど、ここまで抑える必要あるのかというあの暗めのトーンで始終話が進む。1999年の出会いからヤクザという幻想の共同体がバラバラに追い込まれていく現代まで。この辺りスタートが70年代や80年代ならもっと陽気さもあろうものが、99年というと既に日本は終わりの始まりって感じでこのトーンがあってるのかも。ただ前半はヤクザ描写がそれほど面白みを感じない。リアリティドラマにいくのかアウトレイジにいくのかが微妙。かっこいいタイトルバックからすれば、様式のほうにいってもよさそうなのだけど振り切れてはいない。ただ、今回はストーリーがいい。後半、出所あたりからみな肩の力が抜けていい感じになり、磯村優斗や豊原功補は特に素晴らしい。綾野剛はカッコつけてるより抜けた芝居のほうがいいが今回ボコボコのぐちゃぐちゃな顔はいいかも。
そしてラストシークエンスとエピローグ。特に海から始まった映画が海でしめられた後のエピローグは予想してなかったので泣く。泣いたよ。
タイトルの意味を考えると、ほんと哀しいね。
鑑賞から一週間、ずっと余韻を噛みしめていました。
三つの時代で変化を描く構成もいろいろ繋がる台詞も役者陣全ての好演も素晴らしかった!
「新聞記者」の藤井道人監督だからいわゆる“ヤクザ賛歌”にはなっていないことはわかっていたのでその世界をどう描くのか興味津々でした。
1999年の描写はもっと昔の、昭和のヤクザ社会のようにも感じましたが、その後の2005年、2019年と時代の遷り変わりと共に何がどう変化したのか、家族や人間関係に焦点を当てて迫っています。
うーん、ネタバレ無しにレビュー記そうとすると難しいですが、三部構成の芯になっているのは当然現代パートである2019年であり、切ない、とにかく切ないです。
綾野剛さんは少年期から40前まで演じ分けていてとてつも無く凄いのですが、北村有起哉さんも良かったなぁ。哀しかった。舘ひろしさん、尾野真知子さん、市原隼人さんもほんと素晴らしい。
特に2019年のみに出ている磯村勇斗さん!圧巻でした。ラストシーンのあの目よ。。
ここまで書いていていろいろ思い出し、早く二度目の鑑賞がしたくてたまらなくなってきました。
今のところ今年No.1!まだそんなに観てませんがw
ところで。
あの頃は組にひとりは「ケン坊」と呼ばれる人いたよね〜知らんけどwww
愛と絆のヒューマンストーリー
主演の綾野剛は3つのどの時代も素晴らしいのはもちろん、共演者みんなそれぞれの役を熱演で、どのシーンにも意味があり、何を守るのか、心揺さぶられた。ヤクザを通して色んな問題を突き付けられた。
最後のシーン、せつなかったけど、救われた。いい終わり方だった。
綾野剛に痺れる❗️
兎にも角にも、綾野剛❣️
少年(新宿スワン風)〜20年後までの役を見事に違和感なく演じています。
不良少年→ヤクザ全盛期→出所後→堅気までを
本当に生きたドキュメンタリーのようでした。
時代ごとに変わる設定も細かいです。車、携帯、服装、街並みなど。特に綾野剛が初めて触るスマホの指使いが少し笑えました(^^)
ヤクザになって家族ができたのに、抜けてから
家族を壊すことになっていく悲哀。複雑でした。ラストで再びヤクザの顔になる綾野剛。まさか彼に刺されるとは!最初の海に沈んでいくシーンにたどり着きます。
2021年で最高な映画でした。(まだ始まったばかりですが!)
余談ですが、尾野真千子の娘役の俳優さんを
ラストまで清原伽耶ちゃんだと勘違いしてました。
う~む・・・
何とも言えない・・・
ヤクザ映画なんだけど作者、脚本家がこの世界を分かっていない。
そういう人達が暴対法による変化を作品にした?って感じ・・・
上手く映画を作った!?作品にした?って感じ。
プロの監修が必要な時代だね(笑)
昔の東映なんてその世界を知ってる人達ばっかだったから。
今は、全く縁のない人達が作るから仕方ないかも・・・
全499件中、241~260件目を表示