ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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邦画でもやれるじゃないか
只々骨太な良いドラマを見せて貰いました。
気になる点としてはヤクザを綺麗に描き過ぎている所、東海テレビのヤクザと憲法の影響をかなり受けている所、過去から現在まで長いスパンで描いているので少しテーマが散漫になってしまっている所などけっこう粗はあります。
またラストひとつ前のシーンは話の展開としてはハッキリ言って0点です。
あの人物がラスト前に主人公の綾野剛に対してあの行動をする為の動機が弱い。原因となる部分もモンタージュ的に描いているので感情移入出来ずおやっと思ってしまう。
ただ、ラスト。あのラストシーンには唸りました。あれは発明であり発見であり、生きた人間を描く事に成功している数少ない映画になりました。見事です。あれこそが小説にも漫画にもない映画の醍醐味です。
ラストが100点なので結果的に映画も100点です。
つまらなくはない
他にこの監督の作品は「新聞記者」しか観ていないが、社会の重要なテーマをうまくエンターテイメントに昇華させているが、登場人物の気持ちの流れに違和感を感じる。こんなに急に許せるか?好きになるか?
あとツバサが半グレには見えない。
無寛容の世の中で…
映画の上映予告で観たいと思い、綾野剛や舘ひろし、市原隼人といった、俳優陣も魅力とあいまって、とても期待して観賞しました。
十代の反抗に反抗を重ねて、ある事件をきっかけに、反社の親分と盃を交わす。
そこは今まで感じた事のない、家族の絆があって…。
綾野剛演じた山本は、最初から最後まで、家族を欲したんだな。
どういう形であれ、自分を含めた家族の温かさが。
最後のシーンで、山本さんからお父さんに変わったセリフで、救われた気がした。
日本映画、新時代の幕開け。ゼロ年代となりうる作品。
いわゆるVシネというジャンルはあまり観たことが無いので、ヤクザ映画の醍醐味というのがイマイチ分からないけど、それでも「これがヤクザ映画か!」と実感する極道を貫くバイオレンス活劇。
綾野剛の現代に呆れた若かりし頃の表情から、目がギラギラと光るカッコイイ表情。そして魂を抜かれたような死んだ表情。
そして3つの時代を異なる画角(シネスコ、IMAXサイズ)で描く構成の巧みさよ。
色濃いシネスコサイズ(横長画角)には血みどろなヤクザの世界を提示し、ヤクザの分裂と闘争を表現。ここまでは堕落した男がヤクザに光を見出した姿を描き、ドラマもしっかりしたエンターテインメント作品として面白い。
がIMAXサイズ(正方形)で現代を映し出すとどうだ。色濃い照明は消え失せ解像度が下がったようなすっからかんの映像。綾野剛の死んだ表情。舘ひろしの頼りなさ。ヤクザの虚しい後ろ姿。
変わった人と変わらない人。
なんだろう。言葉が出なかった。
とにかく灰色の世界で堕落した男がさらに堕落し不幸のスパイラルの繰り返し。
そして最高に胸糞展開し、見覚えのある水中のワンシーン。藤井道人はこの表情が撮りたくてこの映画を作ったのだろうか。
あの綾野剛のラストシーンは素晴らしい画面設計でした。アイコンにしたいくらい。
『ヤクザの家族』ではなく、『ヤクザと家族』ということは、「ヤクザ」と「家族」は完全に二極化しているということ。
結構みんなは「山本にとっての家族はあの人で…」と考察してるけど自分の解釈は「山本は結局、家族がいなかった」という感じ。ヤクザによって崩壊する家族も描いているので負の面での『ヤクザと家族』だと思った。
ヤクザと言う存在が煙のように付きまとう男のクロニクル。『哀愁しんでれら』といい、『すばらしき世界』といい、去年ならば『ミッドナイトスワン』といい、最近は疎外された人間の「不幸のスパイラル」というテーマが流行りなのかもしれないな。
藤井道人監督、急に大御所感出て来ました!A24制作の夢を諦めず頑張って貰いたい。2020年にも変わってきてると感じたが、2021年は日本映画新時代突入の年かもしれない。
最後だけ…うーん
「デイアンドナイト」は主人公がアホ過ぎて感情移入できなかったですが、今回はなかなかよかったです。ブルーレイも買うでしょう。
在日同胞どうしの殺しあいを匂わせるものを感じられてリアルです(血よりファミリーが大事)
ただ最後の市原隼人の動機だけ、弱すぎると思いました。いくらなんでも。不幸のきっかけを作ったのは自分やん(同僚にぺらぺらしゃべったり写真取らせたり)。
磯村くん?はなかなか良いですね。ただ、ふとした表情や、死んだような目付きが菅田将暉とかぶってるきてるような気がします。
現代のシーンだけ画面をくすんだ感じにするのは過去との対比をハッキリさせたかったのでしょうが、余計な演出だと感じました。
迫真の演技
綾野剛さんのファンです。まわりのキャストがまた存在感が半端ない。舘ひろしさんの渋さ、迫力、親父としての大きさ。やさしく諭されたらあたしも泣いちゃう。任侠映画ですが演技がまた半端ない、ちょっと怖いですが迫力満点です。抗争する組の豊原功補と駿河太郎のコンビも適役でしたね。綾野剛さんの演技に最後まで引き込まれました。最後まさかの舎弟に刺され泣くなりますが、不器用な寂しがりやなやさしい方、ただただ普通の温かい家庭が欲しかったのだと痛いほど伝わりました。最後のシーンは寂しくてかわいそうでした。これから、石原さとみとラブコメドラマ放送されるようですが、こちらのインパクトがあまりにも大きくて私が切り替えられないかもしれないです。
でもきっとこれが現実
今までによくあった「漢」と書いて「オトコ」と読むような男の美学みたいな話でもなければ、ヤクザ同士の抗争のドンパチ映画でもない。
なのでヤクザ映画は痛そうで苦手と思って観るのを躊躇してる人も比較的観やすいかと思います。
(多少痛いシーンはありますが)
1人の男が家族を求めてヤクザの世界に入り、その世界で生きた成れの果てに何が待っているのか。
どうしても主人公目線に立ってしまうので辛く悲しい想いに寄り添ってしまったけれど、きっとこれが現実であり、所詮普通に生活している私も役所の人々の様な態度を取るんだろうか。
綾野剛さんがとにかく素晴らしかった。組長に、行くとこはあるのかと聞かれて泣くシーンがとてもよかったです。
内容の構成と役者の演技が秀逸。
まず、舘ひろしや綾野剛をはじめ多くの役者の演技が素晴らしく、しっかり物語に感情移入させてくれました。
次に、ヤクザモノの映画の新たな見せ方を感じました。
昭和・平成・令和で変わる社会の中でのヤクザの立場の移り変わりを描く構成、舘ひろし・綾野剛に類似する場面を演じさせ半グレも同じ道を辿ると言う暗示(類推)など、暴力だけではない部分の作り込みがしっかりしていてマンネリ感を感じず楽しめました。
そして、タイトルにもある家族の見せ方がヤクザと言うものの現実をうまく表現しています。
血縁のある家族、ヤクザの親父や兄貴のような絆としての家族を両面描きそれがよりヤクザと言う組織の現実を際立たせています。
推測ですが、副題の「the family」は絆としての家族を表現していると思います。
最後に、この映画はヤクザの絆の強さと組織の抱えるジレンマを家族というものを通して非常によく表現されているここ最近でも指折の映画だと思いました。
残念なところといえば上映回数があまりにも少ない事でしょうか。さまざまな意見や自分では気づかない描写や物足りない部分など、より多くの意見をもっと見たいです。
エンディングまでしっかり楽しめる映画です。
気になっている方は是非観てください。
ヤクザ映画とは
ヤクザとは?社会に馴染めない人生を送る去勢を張る事で自分を保つ人達、そういう人達の居場所なのか?時代が移り変わっても、形を変えて、そういう悪い人達は必ずいる、主人公はそういう時代の変化に翻弄される、ヤクザを演じる。
それなりに楽しめました(゚ω゚)
藤井監督の社会性を感じられる映画 第二弾!?
『新聞記者』で日本アカデミー賞を受賞された藤井監督の最新作品。
「映画を観た…。」と感じる作品でした。
テレビドラマ等とは異なる撮影、レイアウト等はもちろんのこと、藤井監督の脚本と演出を楽しめました。
木村さんのお店が続けられているのは不思議
ヤクザ映画の中ではライトなヤクザもの。
キャストが豪華なので好きな俳優の雰囲気を楽しむってだけで満足出来る。
綾野剛・市原隼人のチンピラからのヤクザへの変わりようが好きでした。
ただ、この映画での変化という点で見どころは
2005年→2019年でのヤクザ・元ヤクザたちの落ち込み感。
ケンボウ以外、みんな目が死んでいるというか、なんて、小さく。。。
北村有起哉演じる若頭中村なんてくたびれたサラリーマンみたいになってたな。
山本大好き大原くんは、撃たれて死んでいなかったらどうなっていただろう。笑
任侠映画とは違うので「ヤクザの凄み」はないけど
現代社会においてのヤクザとその家族の認識や生きづらさ・苦悩にフォーカスを当てた映画として面白かった。
自分はヤクザではないので辛さに共感はできなかったけど
社会を外れた時の現代社会の生きづらさを強く感じて
これからも真っ当に働いて生きないといけないなと思った。
ストーリーや、暴力・抗争シーンなどは
目新しいものを感じず、各キャストの持ち味でいい雰囲気を出てた。
市原隼人の愛弟子感(日本で一番悪い奴らでのYOUNG DAIS然りこの立ち位置のキャラが個人的に大好き)。
磯村勇斗のカリスマ感。
舘ひろし他、柴崎組の安定感(笑
侠葉会の2人の力強さと勢い。
尾野真千子の学生役は少しびっくりしたけど、後半ではかなり役にフィットして
皆が口を揃えて言う「お前さえ帰って来なければ」が刺さった。
ヤクザ絡みが生きづらい中
木村さんのお店が続いている理由は息子とヤクザ絡みの常連のおかげなのだろうか。。。
繰り返し切なさがこみあげる
これまで映画のレビューを書いたことはありませんが、こんな気持ちになったことがありません。観終わったあとも、繰り返しケン坊を思い出し切なくて泣ける。きっと今日は心が震えて眠れない
これも一つのレガシーなのか
圧巻の映画でした。
このストーリーに胸を打たれると言う事は
私も既に時代遅れの人間と言う事なのでしょう。
ホンモノの世界は全く分かりませんが、
筋を通す姿はカッコいいと思います。
最後のシーンは泣けたなぁ。
生活を壊されても、真実も知ろうとする姿に。
エンディングタイトル FAMILIA は、
これまで観てきた映画の中で最もエンディング
タイトルとしてマッチしていた音楽でした。
綾野剛、舘ひろしのオーラが最後まで凄かったです。
前回観た 花束 とは真逆の内容ですが、
これも一つの家族の在り方を問う作品ですね。
両方観てみる事をお勧めします。
藤井道人監督✕綾野剛
映画ではとかくヒーローのように扱われるヤクザではなく、等身大で描かれており、怖い強いより悲哀の印象を受けた。
綾野剛さんや磯村さんの肉体の仕上げ方はまさにプロ。
スタントなしに演じたとのことでよりリアルに感じた。
重かった
人を殴ったり、殺したりの映画は嫌いだったけど、評価が高かったので見ました。
いろいろ考えて、重かった。
ヤクザには全く興味はないけど、人が世の中生きていくことの大変さを今の自分と比較して、すごく考えてしまった。
綾野剛は演技が上手いですね。引き込まれました。あと、尾野真千子も。
言葉へんかもしれないが面白かった。
文句無しで痺れた
久々の劇場鑑賞作は、大傑作のヤクザ映画だった。そう、敢えて言うが、これは立派なヤクザ映画。但し、アウトレイジや狐狼の血のようなバイオレンスフィクション臭満載作品(これも決して嫌いでは無い)では無く、現代社会での等身大のリアリティヤクザ映画とでも言えば良いのか。ま、偶然や不幸の連鎖なんかは作り物感あるが、とにかく時代の流れの中で主人公の生き様を、ただただ自然体で見つめるだけでグイグイ引き込まれる。実に人間味溢れた傑作品。
言わずもがな、(本作ポスター見ても察せるが)タイトルの意味は、ヤクザ組織内の家族表現と、リアル家族の2種類の意味を指している。
義理人情とメンツ重視のヤクザ界故に、常にいざこざが瞬間沸騰で起こるが、反面クールな時間帯はどこか居心地良く、微笑ましく暖かみあり実に人間深い。暴力団を肯定する事は無いが、本来の地の通った人間味とは今の時代には決して合わないヤクザ、この生き様には今の時代だからこそ何か愛おしさを感じる。しかし、5年ルールとかネット晒しからの周囲の目、癒着警察から浴びせられる非常な言葉で現実に戻される。だからヤクザにならない方が良いんだよの警告にも思えて、甘っちょろい気持ちは吹き飛ばされる。あれ?振り回されてる、この映画にのめり込まされてるな、俺w。
脚本の出来は素晴らしいし、出演者全ての演技力が凄い。間違いなく綾野剛の代表作となるだろう。
冒頭から最後まで、あの煙突から出る煙は変わらずもくもくと出ている事に、色んな事を考える。
とにもかくにも、久々の劇場鑑賞は大当たりだった。ありがとう。
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