ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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素晴らしい!だが、1つだけ…
ヤクザの子という立場から見える世界、起こる出来事。それによって見えてくる大切なもの。最後の終わり方は衝撃的だったけどケンボウにはよかったのかな(涙)
本当に素晴らしかったのですが、しっくりこなかった事が1つ。ケンボウと娘さんが両親に全然似てないのは最後まで違和感でした。それこそ理不尽な社会の中キャスティングしたのかな!?と色々考えてしまいました。
ヤクザは生き方ではなく、居場所
ワンデーフリーパスポートの2本目
ヤクザものは好きではないのですが、家族や絆を訴えるような予告にひかれて鑑賞してきました。期待どおり、これまでのヤクザものとは一線を画す、心に響く良作でした。
本作では、組同士の激しい抗争をメインに据えず、徹底して山本賢治にスポットを当て、周囲の人とのつながりの中で、賢治の人としての成長や家族の絆を描きます。と同時に、差別や偏見、無責任な誹謗中傷など、現代社会の抱える闇にも警鐘を鳴らしています。
父親を覚醒剤で亡くし、刹那的な生き方しかできなかった賢治を変えたのは、柴崎との出会いです。初めは反発していた賢治が、親子の契りを結び、その考え方や生き方を変えていく様子が丁寧に描かれます。賢治にとってヤクザは、生き方ではなく、居場所だったのだと思います。世間からも家族からも捨てられたような賢治にとって、柴崎の包容力はとてつもない安心感を与えてくれたのではないでしょうか。
山本賢治役の綾野剛さんの渾身の演技も光りますが、それを支えているのは、なんといっても柴崎役の舘ひろしさんの演技でしょう。圧倒的な貫禄で存在感を発揮し、賢治にかける一言一言が泣かせます。
賢治と柴崎は血縁のない、親子の契りを交わしただけの関係です。それでも賢治は、柴崎を実の父親のように慕います。それは、自分を拾ってくれた恩に報いるといった面もあったでしょうが、それ以上に絶対的な居場所を与えてくれる安心感がそうさせていたのではないかと思います。この絶対的な居場所こそが家族であり、賢治にとっては、それがたまたまヤクザだっただけなのです。
その一方で、血縁のある実の娘や愛する女性には受け入れてもらえず、そこに自分の居場所がないというのは、なんとも皮肉なものです。家族とは何か、何をもって親子というのか、いろいろと考えさせられる内容でした。
ヤクザに人権はない。確かにそうかもしれないし、それでいいと思っていました。しかし、それがちょっとだけ変わった気がします。もちろんヤクザを認める気はないですし、社会から根絶すべきだとも思っています。だからといって、少なくとも足を洗い、カタギになった人間まで誹謗中傷で責め立てることが許されていいわけがありません。ましてやその家族にまで矛先を向けるなど、もはやどっちがヤクザかわかりません。ヤクザにしろカタギにしろ、最も大切で守りたいものは家族なのだと、改めて感じました。先に観た「哀愁しんでれら」とそこは重なるのですが、心に響く重さは比べものになりませんでした。
邦画でもやれるじゃないか
只々骨太な良いドラマを見せて貰いました。
気になる点としてはヤクザを綺麗に描き過ぎている所、東海テレビのヤクザと憲法の影響をかなり受けている所、過去から現在まで長いスパンで描いているので少しテーマが散漫になってしまっている所などけっこう粗はあります。
またラストひとつ前のシーンは話の展開としてはハッキリ言って0点です。
あの人物がラスト前に主人公の綾野剛に対してあの行動をする為の動機が弱い。原因となる部分もモンタージュ的に描いているので感情移入出来ずおやっと思ってしまう。
ただ、ラスト。あのラストシーンには唸りました。あれは発明であり発見であり、生きた人間を描く事に成功している数少ない映画になりました。見事です。あれこそが小説にも漫画にもない映画の醍醐味です。
ラストが100点なので結果的に映画も100点です。
つまらなくはない
無寛容の世の中で…
映画の上映予告で観たいと思い、綾野剛や舘ひろし、市原隼人といった、俳優陣も魅力とあいまって、とても期待して観賞しました。
十代の反抗に反抗を重ねて、ある事件をきっかけに、反社の親分と盃を交わす。
そこは今まで感じた事のない、家族の絆があって…。
綾野剛演じた山本は、最初から最後まで、家族を欲したんだな。
どういう形であれ、自分を含めた家族の温かさが。
最後のシーンで、山本さんからお父さんに変わったセリフで、救われた気がした。
日本映画、新時代の幕開け。ゼロ年代となりうる作品。
いわゆるVシネというジャンルはあまり観たことが無いので、ヤクザ映画の醍醐味というのがイマイチ分からないけど、それでも「これがヤクザ映画か!」と実感する極道を貫くバイオレンス活劇。
綾野剛の現代に呆れた若かりし頃の表情から、目がギラギラと光るカッコイイ表情。そして魂を抜かれたような死んだ表情。
そして3つの時代を異なる画角(シネスコ、IMAXサイズ)で描く構成の巧みさよ。
色濃いシネスコサイズ(横長画角)には血みどろなヤクザの世界を提示し、ヤクザの分裂と闘争を表現。ここまでは堕落した男がヤクザに光を見出した姿を描き、ドラマもしっかりしたエンターテインメント作品として面白い。
がIMAXサイズ(正方形)で現代を映し出すとどうだ。色濃い照明は消え失せ解像度が下がったようなすっからかんの映像。綾野剛の死んだ表情。舘ひろしの頼りなさ。ヤクザの虚しい後ろ姿。
変わった人と変わらない人。
なんだろう。言葉が出なかった。
とにかく灰色の世界で堕落した男がさらに堕落し不幸のスパイラルの繰り返し。
そして最高に胸糞展開し、見覚えのある水中のワンシーン。藤井道人はこの表情が撮りたくてこの映画を作ったのだろうか。
あの綾野剛のラストシーンは素晴らしい画面設計でした。アイコンにしたいくらい。
『ヤクザの家族』ではなく、『ヤクザと家族』ということは、「ヤクザ」と「家族」は完全に二極化しているということ。
結構みんなは「山本にとっての家族はあの人で…」と考察してるけど自分の解釈は「山本は結局、家族がいなかった」という感じ。ヤクザによって崩壊する家族も描いているので負の面での『ヤクザと家族』だと思った。
ヤクザと言う存在が煙のように付きまとう男のクロニクル。『哀愁しんでれら』といい、『すばらしき世界』といい、去年ならば『ミッドナイトスワン』といい、最近は疎外された人間の「不幸のスパイラル」というテーマが流行りなのかもしれないな。
藤井道人監督、急に大御所感出て来ました!A24制作の夢を諦めず頑張って貰いたい。2020年にも変わってきてると感じたが、2021年は日本映画新時代突入の年かもしれない。
最後だけ…うーん
迫真の演技
綾野剛さんのファンです。まわりのキャストがまた存在感が半端ない。舘ひろしさんの渋さ、迫力、親父としての大きさ。やさしく諭されたらあたしも泣いちゃう。任侠映画ですが演技がまた半端ない、ちょっと怖いですが迫力満点です。抗争する組の豊原功補と駿河太郎のコンビも適役でしたね。綾野剛さんの演技に最後まで引き込まれました。最後まさかの舎弟に刺され泣くなりますが、不器用な寂しがりやなやさしい方、ただただ普通の温かい家庭が欲しかったのだと痛いほど伝わりました。最後のシーンは寂しくてかわいそうでした。これから、石原さとみとラブコメドラマ放送されるようですが、こちらのインパクトがあまりにも大きくて私が切り替えられないかもしれないです。
でもきっとこれが現実
今までによくあった「漢」と書いて「オトコ」と読むような男の美学みたいな話でもなければ、ヤクザ同士の抗争のドンパチ映画でもない。
なのでヤクザ映画は痛そうで苦手と思って観るのを躊躇してる人も比較的観やすいかと思います。
(多少痛いシーンはありますが)
1人の男が家族を求めてヤクザの世界に入り、その世界で生きた成れの果てに何が待っているのか。
どうしても主人公目線に立ってしまうので辛く悲しい想いに寄り添ってしまったけれど、きっとこれが現実であり、所詮普通に生活している私も役所の人々の様な態度を取るんだろうか。
綾野剛さんがとにかく素晴らしかった。組長に、行くとこはあるのかと聞かれて泣くシーンがとてもよかったです。
内容の構成と役者の演技が秀逸。
まず、舘ひろしや綾野剛をはじめ多くの役者の演技が素晴らしく、しっかり物語に感情移入させてくれました。
次に、ヤクザモノの映画の新たな見せ方を感じました。
昭和・平成・令和で変わる社会の中でのヤクザの立場の移り変わりを描く構成、舘ひろし・綾野剛に類似する場面を演じさせ半グレも同じ道を辿ると言う暗示(類推)など、暴力だけではない部分の作り込みがしっかりしていてマンネリ感を感じず楽しめました。
そして、タイトルにもある家族の見せ方がヤクザと言うものの現実をうまく表現しています。
血縁のある家族、ヤクザの親父や兄貴のような絆としての家族を両面描きそれがよりヤクザと言う組織の現実を際立たせています。
推測ですが、副題の「the family」は絆としての家族を表現していると思います。
最後に、この映画はヤクザの絆の強さと組織の抱えるジレンマを家族というものを通して非常によく表現されているここ最近でも指折の映画だと思いました。
残念なところといえば上映回数があまりにも少ない事でしょうか。さまざまな意見や自分では気づかない描写や物足りない部分など、より多くの意見をもっと見たいです。
エンディングまでしっかり楽しめる映画です。
気になっている方は是非観てください。
ヤクザ映画とは
木村さんのお店が続けられているのは不思議
ヤクザ映画の中ではライトなヤクザもの。
キャストが豪華なので好きな俳優の雰囲気を楽しむってだけで満足出来る。
綾野剛・市原隼人のチンピラからのヤクザへの変わりようが好きでした。
ただ、この映画での変化という点で見どころは
2005年→2019年でのヤクザ・元ヤクザたちの落ち込み感。
ケンボウ以外、みんな目が死んでいるというか、なんて、小さく。。。
北村有起哉演じる若頭中村なんてくたびれたサラリーマンみたいになってたな。
山本大好き大原くんは、撃たれて死んでいなかったらどうなっていただろう。笑
任侠映画とは違うので「ヤクザの凄み」はないけど
現代社会においてのヤクザとその家族の認識や生きづらさ・苦悩にフォーカスを当てた映画として面白かった。
自分はヤクザではないので辛さに共感はできなかったけど
社会を外れた時の現代社会の生きづらさを強く感じて
これからも真っ当に働いて生きないといけないなと思った。
ストーリーや、暴力・抗争シーンなどは
目新しいものを感じず、各キャストの持ち味でいい雰囲気を出てた。
市原隼人の愛弟子感(日本で一番悪い奴らでのYOUNG DAIS然りこの立ち位置のキャラが個人的に大好き)。
磯村勇斗のカリスマ感。
舘ひろし他、柴崎組の安定感(笑
侠葉会の2人の力強さと勢い。
尾野真千子の学生役は少しびっくりしたけど、後半ではかなり役にフィットして
皆が口を揃えて言う「お前さえ帰って来なければ」が刺さった。
ヤクザ絡みが生きづらい中
木村さんのお店が続いている理由は息子とヤクザ絡みの常連のおかげなのだろうか。。。
これも一つのレガシーなのか
藤井道人監督✕綾野剛
重かった
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