ミッドサマー ディレクターズカット版のレビュー・感想・評価
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現代人の末路。
終始トリップだった(バッド?グッド?)。過剰な演出もあそこまでやり切れば清々しい。音楽がとにかく素晴らしかった。ザ・映画体験。
「ときおり吹き出してしまうけど、われわれはあのコミューンを笑えるだろうか」と、問いかけたくもなるものの、やはりあそこに戻りたくはない。
わたしはどこからきてどこへいくのか。わたしが生きる意味は何か、わたしは誰か、そういった問いかけさえも自分ひとりの問題とされ、その決済を自己責任化してしまうウルトラ資本主義社会において(信仰の市場!)、その問いかけを徹底し、吹っ切れた男は悲劇を喜劇に塗り替え、ジョーカーとなった。ではダニーは? この結末はジョーカーと好対照を為しつつも、同じ淵源をもつ二つの現代人の末路だと思う。
アナキズムでもカルトでもなく、綱の上を渡る道はまだ残されている、というより、まだ未発見の道があるはずだ。
それにしても、現状追認にはなりたくないものの、この映画をみて近代人でよかったと思えるのは、すでに、あらゆる価値とそれを巡る闘争を観客として笑いのめしつつ、信じているフリをして価値をとっかえひっかえしてなんとか生きているわれわれの社会の異様さに、まさにあのコミューンの人々のように慣れすぎてしまっているからなのかもしれない。孤独死が捏造された語なのは明らかだとしても、われわれは死を祝祭できるだろうか。
究極のセラピスト映画。北欧の美しい原野で繰り広げられる白昼夢の様な祝祭・儀式はいつ参加(鑑賞)しても飽きませんな。
①ディレクターカット版ということで、サイモン・コニー・マークが殺されるシーンが出てくるかと思ったら、更なる伏線シーンが殆どだった。初めて観る人にはこちらの方が分かりやすいかもしれない。②オリジナル版の時には、「冒頭で家族を失ったダニ―が、最後に新しい家族を見つける話」と書いたけど、今回ラストのダニ―の笑顔のシーンを見ていたら、抗不安剤のお世話になっていて何かショックな事があるとすぐパニック発作を起こすダニ―(だからクリスチャンにウザいと思われていた訳だけれども)が、儀式の最後に喚き、泣き叫び、笑い狂うコミュニティの人々を見て、「私、変じゃなかったんだ」とやっと安心出来た笑みだったとも解釈できる。
2020年 13本目 ★★★★☆「落ち込んだりもしたけれど、わたしは元気です」
「落ち込んだりもしたけれど、わたしは元気です」て映画だった。ハッピーエンドで心がホッコリするラストだった。ヘレデタリーにも通ずる「祝祭感」。
ミッドサマーは、主人公が両親を亡くしたアメリカでは画面も暗く、誰も彼女に同情しない。それが、スェーデンに行ってからは白夜で晴れ渡る空、美しい花々、そしてすべての感情や感覚を共感してくれるコミュニティ。
地獄を経験して、さらに上いく地獄を突破したら案外良いとこに辿り着く。大切なのは、理解し合える仲間。
この映画は「恋を叶えるドキドキ黒魔術」のやり方を教えてくれる映画だった。「なんで、この人のジュースだけ色が違うのかなぁ」って理由に気付いた時にはもう恋のトリコだった。あのシーンは腰抜けた。
料金高い。
通常版を観ていたから、これを観ることで見解が変わるかもしれないと思って鑑賞。特に変わることはなかった。追加したシーンを見逃さないよう真剣に観ていたから疲れたし、二度目だから冷静に、悪く言えば白けて観ていたように思います。私的には通常版だけでもいいかなと思います。
傑作かも?!
通常版は鑑賞済み。
初見は、ただただ嫌悪感しかなかった。余りにもカルト・コミューン達がリアル過ぎて、音楽と撮影が美しく過ぎて、頭の中のバランスが取れなく気持ち悪くなりました。
2回目は主人公の気持ちの変化が判りやすく、カルト達に免疫が出来たのか、ラストなんかhappy end になっちゃいました。
アリ・アスター、只者じゃない!
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