青くて痛くて脆いのレビュー・感想・評価
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人は誰だって、青くて痛くて脆いのかも知れない
人との繋がりを拒否している冷めた青年の心が、彼とは正反対に、誰彼構わず話しかけて理想の世界の構築を熱く説く同級生女子大生と出会ったことで、次第に溶解していく。だが、彼の思いは崩れ去る。理由は、心の変容か?そのことによって生じた溝か?本作は、途中まで描き尽くされて来た恋愛ドラマのふりをしながら、途中から、自分の世界にだけ閉じこもって生きることで受ける強烈なしっぺ返しを用意して、全く想定外の領域へと観客を連れていく。人はかくも"青くて痛くて脆い"ものなのか!?タイトルがものの見事に刺さるのは、それが大学生のみならず、大人だってぶっちゃけ、傷つくことを恐れて本音はできるだけ封印し、人に責任を転嫁し、幾つになっても自分の殻に閉じこもった繭のような脆さと青さを、人知れず引きずっているから、なのではないだろうか?だから青春映画とは安易には呼べない、人間の本質に迫ったコロナ禍のベストワークである。
ある意味現実、そして洗脳
まるで主人公がダメなやつで、「理想的な自分」は人ともっと交流できる人…という結びつけが非常に不愉快だった。
主人公が正しいとは言わないが、彼も間違っていない。
実際モアイがやっていた情報漏洩はいけない事だし、世界を良くしたいとは言葉ばかりで、人付き合いが上手く出来ない人のことはサポートしない団体であったことは間違いない。
正しいかよりも、適当でも人に同調し、流され、合わせて生きていく人が上手く行く世の中で、だからそうあれというリードを感じた。
役者はとても良かった。
騙された。
原作は読んでないです。
たまたまアマプラで最近視聴しました。
役者の名前で書いてます。
秘密結社モアイを立ち上げた吉沢と杉咲、吉沢が語っていた杉咲は死んだのだと。
杉咲は死んだというのは、自身の中で死んだものとした。ってことで、杉咲は実は生きていた。そこは最初の驚きだった。
語りが吉沢くんで吉沢くん目線で話が進んでいくので、吉沢くんが正で、杉咲の方に何か問題があるかのように勘ぐりミスリードされた。
たが途中で段々と吉沢の方がヤバい奴で独りよがりで危ない奴と気づいた。
というのも疑惑の案件が出てきて、そのことをネットにアップするところ。
そこまでしなくてもいいのでは率直に思った。
結局は二人だけの秘密結社モアイに、第三者が入ってきて、吉沢自身の居場所がなくなり、そのことが不満で自ら去ったモアイに、復讐心とも言える感情が生まれたのだろうか。
自身の居場所がなくなることは生きてる中で経験もあるが、そこまで執着するようなことであるのかと正直も思った。
もっと若い人であれば共感もできたかもだが、そこそこ生きてきた自分には理解しがたい感情だった。
タイトル
青くて痛くて脆い
まんまその通りでした。
信頼が怒りに代わる
65点
映画評価:65点
とっても気持ち悪かった…。
こういう(楓みたいな)人、私の周りにも沢山いました。
自分では何も踏み出さないのに、
他人の揚げ足ばかりに一生懸命になり、
あげく自尊心だけ何故か高い人。
どこの環境にもいました。
確かに気持ち悪かったけど、
でも本当に彼らが悪かっただけなのでしょうか?
どの環境においても、
カースト上位層がいて、
そこのグループに入れなかった人は
どうやって自身をアピールするのでしょうか?
野党みたいに揚げ足を取ることに一生懸命になる?
それとも誰にも見つからないように細々と生きる?
そうなんです。
そっちが普通なんですよね。
なりたい自分になれる人って、
それをさせてくれる周りに助けられているだけで、
傷つかない前提があったりするんですよ。
絶対にふられないなら、
好きな人に告白するじゃないですか?
ふられる可能性があるから、
告白(なりたい自分)できないんですよ。
その気持ち悪さと悔しさを、
これでもかと映像化してくれたのが
この作品です。
面白いかと言われたら、
そんなに面白くはないけど、
この作品自体は素晴らしいものです。
唯一無二の武器を携えています。
ドキュメンタリー映画を見ている感覚です。
面白くはないけど、考えさせられる的なやつ。
あとタイトルが惜しいなと感じました。
「脆くて、青くて、痛い」だったら
タイトル100点だったのになぁ。残念。。
恐らく狙ってなかったんでしょうね、、
狙っていたら上のタイトルになりますから。
本当に残念。
上のタイトルなら、
頭文字を取ると「も・あ・い」になるんですよ。
今のだと「あ・い・も」くぅ~、惜しい。
【2025.9.2観賞】
タイトルなし(ネタバレ)
吉沢亮だったから観た、恋愛ものかと思ってたけど違った。
楓と秋好だけの秘密結社モアイが好きで誰にも入って欲しく無かった楓の気持ちが凄くわかる。自分と仲良くしてくれた人、自分と同じ気持ちだった人が別の人と関わるようになって自分はいらなくなったんだって思って壊そうと思う、本当に痛いほどわかるし、秋好がどんどんモアイを大きくしていって世界を変えようとして活動してるのもわかる。せめて誰かほんとに悪い人が居たら良かったのに、そんな人いなかったからずっと見てて辛かった..
吉沢亮の映画とかドラマってほぼ大切な人が居なくなったり、取られたりそんなのばっかりで悲しくなる。
自分の気持ちだけ考えて、自自棄になったりその人を傷つけるんじゃなくて、言ってたように「一時だけ使われたとしても、その時は必要とされてたそれだけで良いんじゃない?」って言葉大事にしたい。ここが何よりも刺さった。
途中はっていうかずっと楓寄りの感情になってたからもやもやしっぱなしだったけど、いろんなこと教えてくれて良かった。もし今の自分を受け止めてモアイに居たらっていう叶わない回想シーンでのパラパラ漫画、あそこは泣いた..
アホくてイヤくてモアイ
あの言葉はキツいわ。
独自性に引き込まれたが、結末は弱く感じた!!
突拍子も無い出だしで掴みはOKでした。メンヘラ役じゃない、やや不思議ちゃんな杉咲さんでした。世界平和の為に作った組織が、就活ヤリコンサークルになって、それを覆したい主人公と、就活サークルは手段であって、世界平和の実現は忘れてないという共同創設者のズレを描いていて、面白いと感じました。これは観た事もない題材で凄いと思ったのですが、終盤は尻すぼみに感じました。人生を振り返ると、組織や人が気に入らなくて逃げた事ばかりだったので、そういう方はまあ多いと思いますし、共感を得られるテーマだと思いましたが、最後の方はもうひと超え欲しいし、何か印象に残らず残念です。
人生で一番自分に刺さった映画。唯一無二の作品。ありがとう。
もし自分という人間を映画で例えるならというわけわからない質問があれば恥ずかしいが青くて痛くて脆いと答える他ない。
当時映画館で見て放心した映画。
アマプラでも見れるようになっているのは知っていたが自分にダメージが来るのが分かっていたのでなかなか見れずにいたが本日鑑賞。無事致命傷をうけて鑑賞後1時間以上放心状態。
人と映画の話をする機会が増えたのでおすすめするため見直したが間違いなくだれにでもおすすめできる作品ではない笑
たぶん7割くらいの人には刺さらずに、「は?なにこれ」ってなる映画。
自分は刺さりすぎて勢いで当時だらだらと付き合っていた彼女と別れる決心がついたりした映画。
共感できるかできないかをおいておくならここまで展開が予想できないというか見たことがない映画はなかなかない。
もう大学生といった歳ではないが一生自分に刺さり続けると思う映画をありがとう。
自分の殻にこもっている人を客観的に見て、これが殻にこもることなのだ...
始まりと終わりよければ全てよし
一緒にやってきたパートナーが死んだことを明かして、じゃどういう顛末だったのかで引っ張る中盤あたりはアクセルがかかって良い感じにみえる。その後、死んだ=決別した、そして実はずっと近くにいたという真相は意外だし傑作か?と思いきや・・・
3年後の主人公が友達とかもけっこういて楽しそうだし、秘密結社モアイはなんやかんやで悪いことをしていたんで主人公はそこまで懺悔する必要もないし、別れ方もはっきりせずもやもやするしで後半はちょっとみてられない。それにモアイが大きくなる過程を丁寧に描くとか、魅力的なサークルというのをもっとアピールしないと、主人公が言うようにつぶして飲みサー作ればいいんじゃねとなっちゃう。
主人公が変われなかったように相手の女性も横断歩道の白い線を踏む癖が変わらず、そこからまた人生がリスタートするような晴れやかな結末は相当良くて、ラスト1シーンでかなり挽回した。
すべてはラストシーン
他人と関わることを避けてきた大学1年生の楓、
「人に不用意に近づかないこと」「誰かの意見に反する意見をできるだけ口にしないこと」
そうすることで自分が傷つくことなく生きていけると思いながら生きてきた。
そんな楓が自分とは真逆の女の子(秋好)と大学で出会い、グイグイと楓の心のシャッターを開け、いつの間にか彼女の思想に感化されて二人はモアイというサークルを設立する。戦争や暴力を反対し、世界平和を願う彼女。
目立つ事が苦手な楓のためにモアイは秘密結社のようなものとして、二人で地道に活動するサークルだった。
そんな"ふたりぼっち"だった筈のサークルはいつしか巨大サークルへと変わっていた。モアイに何が起きたのか?
二人の出会いや二人の思い出の回想と共にストーリーは展開していく。
青くて痛くて脆い、
若い人に見てほしい作品。自分を庇うが為に心を歪めないで欲しい。どうか、大切な人を大切にして欲しい。
タイトルそのまま突っ走る
原作未読のため、
物語がどこに辿りつくのか見当もつかなく
秋好と言うキャラがパンチあり過ぎて
付いていけるか心配だったけど、
そこは楓こと我らが吉沢亮さんの目線でしっかり
状況が確認出来て、
モアイを取り戻すと言うところからは安心して見れました。
吉沢亮さんは格好良いのに、この青春のなんとも言えない
思い出すだけで叫びたくなるような誰にもある苦くてダサい失敗を、ちゃんとダサく演じてるのがスゴい。
秋好との最後の会話はもう辛くて見てられなかった。
杉咲花さん初め脇を固める俳優さんたちも、
演技のしっかりした人ばかりで、
観ててワクワクしました。
秋好とのケンカからの
吉沢亮さんのなりたかった自分となれなかった自分、
変えたかった世界と変わらなかった世界、
そしてちゃんと傷つこうまでの演技は圧巻でした。
今更ながら観ました。良かったです。 自分も吉沢亮側の人間なので、あ...
青春時代の仲間、友人関係は「無垢」ではない
観た人の年齢によって、印象が違う映画だと思った。
つまり、「観た人自身の人生」に照らす内容が多い映画だということ。
映画自体の設定で言えば、主役の二人は20代そこそこの大学生。
本人なりに色々あった20年だとは思うが、社会にも出ていなくて、
ある程度、互いの家庭も含め「同じようなクラス」の人たちとだけ、
付き合っている時代だ。
20代の男性は、同年代の女性に比べて、
精神的に幼い(まぁ、この先もずっとそうなのかもしれないがw)。
で、男性たちも、それがわかっているだけに背伸びする、頑張ろうとする。
「承認欲求」は流行りのキーワードかもだが、昔から20代男子はその塊だ。
青春時代の仲間、友人はけっして「無垢」ではない。
それは大人のノスタルジーが引き出す幻想だ。
当事者たちにとって仲間、友人は「嫉妬の対象」であり「恋愛の対象」でもある。
オジサン、オバサンは思い出してほしい。
友人間での「彼氏、彼女の奪い合い」は、学生時代がもっとも盛んではなかったか?
そんな不安定で複雑な人間関係が、青春時代の仲間、友人だと思う。
それらを表現しているのが、この映画なのだ。
青春時代の光と影。大人になると「影」の部分は、心の奥底にしまっている。
それを引っ張り出されるような気がするので、この映画は心がモゾモゾする。
仲間や友人が「嫉妬の対象」「恋愛の対象」であることは、20代で終わることはなく、
この先の人生にも続く、言わば人の性。
それは(この映画の展開より)もっと醜く、面倒な状況も生み出すんだよな・・そんなことを大人になってしまった自分は、考えてしまった。
ラストシーンは、若さに託した希望なのかな。
「まだ挽回できるよ、若いんだから」そんなメッセージを感じた。
良い映画です。
青春とは、タイトルのようだ
君膵が好きで、TV録画を何度も見た。本も読んだ。
ただ、構成は映画の方が圧倒的によかった。
だからこの作品の本も読んだ。
しかし小説は全く頭に入ってこなかった。
読み終えられないのだ。
半分でストップして、また初めから読み直すことを3回繰り返した。
どうしても主人公の心情と行動や、他の登場人物のイメージがうまくつかめなかった。
そしてとうとう映画を見た。
確かに内容は濃いものだった。
誰にでもある若気の至りというのか、どうしても自己中心的に物事を考えてしまうこと。
自分でしておいて、それでもまだ根に持っていて、どうしても許せない思いを、ついに行動にしてしまう。
楓が自分の頭の中で考えていることはすべて、彼の世界であり、彼の世界に侵入してくる矛盾は、彼の考えとは違ったもので、彼はそれを拒否したい。
しかしながら彼の生きる信条は、人を傷つけたくないから、自分も傷つきたくないから、だから人に不用意に近づかないこと。
最初楓は、心の中では寿乃の言動を「痛い」と否定しながらも、勝手に彼の居場所に入ってきた彼女を押しやることができないまま、いつしか彼女のペースに乗せられていた。
おそらくそれは楓が変わるきっかけとなり、実際に試行錯誤しながらの活動は面白いものだった。
ただ、
楓はいつも背中にナイフを隠している。
言い訳や自己正当性となる考えを絶えず作り出そうとしている。
物語が楓の思考によって進むことで、読み進めるための原動力である「もう寿乃はこのせかいにはいない」という言葉の秘密を追いかけ始める。
さて、
寿乃が死んだのは、最初は脇坂が関わっているものだと思っていた。
しかしそれは、楓の心の中の寿乃を、楓自身が抹殺したことだった。
寿乃に対する全否定の気持ち
これの事実がその後を読み進めるための原動力となる。
秘密結社モアイ
遊ぶための口実
背中にナイフを隠し持ったまましていた遊び
小説を半分読み進めてもまだ現在の寿乃が登場しないことで、私は読むのを断念していたことに気づいた。
映画を見れば楓の心情はわかりやすいが、小説の半分までではよくわからなかった。
この物語は、
確かに楓の成長を描いているが、彼がどれだけダメなのかはなかなかわからないのだ。
寿乃の考え
戦争をなくしたい 暴力では何も解決しない 世界を今より良くしたい なりたい自分になろう
この純粋な発言は、現代では「痛い」とされる。
それは確かに正しいことのようだが、主張する場所やタイミングを推し量れないで発言してしまうことが「痛い」とされるのだろう。
一緒にいたくない。
これが楓の本心だった。
一緒にいれば僕まで「痛い」と思われていまう。
モアイのチラシ配り
それはほぼ寿乃ひとりでしていた。
結局そのチラシを受取ってしまった楓と二人で活動を始めた。
それに共感した大学院生の脇坂が、もっと大きな組織を目指す必要があると言ったことで、モアイは大きくなった。
その過程で付き合い始めた寿乃と脇坂
これが楓の心を大きく揺り動かした。
それを知ったことで、以来一切活動に参加しなくなったのだろう。
やがて2年が過ぎ、巨大化したモアイは就活サークルと認識されるようになっていった。
それは楓が思い描いたものではなかった。
しかしそもそも、楓は何かを思い描いていたわけではなかったのだろう。
あまりにも別物になってしまったモアイを、傍から見ている学生にはとても奇妙で怪しいと思われていた。
楓は友人トウスケのモアイを否定する言葉に乗っかり、モアイを潰してしまおうと持ち掛けた。
これがこの物語の主軸となる。
映画では楓の心理が良く描かれている。
私は、楓にとっては寿乃との出会いが物語の初めだが、楓の信条なるものがナレーションされるだけなので、彼が背中に隠し持ったナイフ(比喩だが)を彼の思考として描かれていることがピンとこなかったのは、彼に共感していなかったんだと気づいた。
ここがこの作品の難しさだった。
さて、
とうとうモアイを解散まで追い込んだ楓
その説明会の場所で3年ぶりに寿乃と対面した。
寿乃が電話して話したいことがあるというのをずっと無視してきた楓
話は、一方的に楓の主張から始まる。
寿乃は、楓が彼女を好きだったことに気づく。
「気持ち悪い」
動揺する楓だったが、「お前なんか受け入れなきゃよかった お前は誰でもよかったんだ お前なんかいないほうがよかった」とぶちまける。
しかし、
寿乃が楓に話したかったこととは、いったい何だったのだろう?
彼女は隠れるようにして姿も見せなくなった楓に対し、一度は賛同してくれた寿乃の「この世界をよくしたい」という思いを作るためにもう一度参加しようと呼びかけたかったのではないだろうか?
しかし、彼女はすでに解散を決意していたはず。
そうであればそれは、「もう一度楓が参加してくれることが私の願いだった」となったのかもしれない。
同時にネットに書き込んだ張本人が楓あったこと。
そのショック
彼女言いたかったことは「なぜこんなことしたの?」に変わっていたのだ。
彼の激しい感情の吐露
完全なる決別を感じた寿乃は、説明会の会場で淡々と解散について話した。
この物語の結論は、
そんな楓が、もしあの時傷つくことを恐れなかったらということを思い描く。
傷つくことへの恐れ。
彼の背中に隠したナイフの正体
これを捨て去ること
だから、寿乃に謝罪したい。
無視されてもいい 拒絶されてもいい
その時はもう一度、端然と傷つけ
つまり、
避けても避けても、出来事は起きる。
逃げてもまた同じことが起きる。
「それ」は嫌だと思うが、「それ」が嫌である以上、また現れる。
「それ」が嫌でなくなれば、「それ」は単なるそれで終わる。
この普遍的なことをこの物語に乗せている。
少々まどろっこしかったものの、よく理解できてよかった。
作品も面白かった。
杉咲花さんがこの役に飛びついたのもよく理解できた。
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