劇場公開日 2021年2月5日

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「呪怨がまぐれでできた名作だっただけなんだ!」樹海村 mintelさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0呪怨がまぐれでできた名作だっただけなんだ!

2021年2月19日
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「犬鳴村」は冒頭部分の公開を観て、「面白くないな」と思ったので見に行かず、後で大ヒットと聞いて、「なんで?」と不思議に思った。
しかし、レビューを読めばホラーファンからの酷評が並び、最近のホラー映画って観客層を従来のホラー映画ファン以外=ホラーをほとんど見ないような層を狙ってるのかなと思っていた。

仕事で疲れきっていて、感動したり考えてしまったりするような名作はあまり見たくないなーというとき、気分転換に鑑賞。

正直、期待はしていなかった。とはいえ清水崇だし、という希望はちょっとだけあった。
姉妹の住む古い日本家屋の雰囲気や、その中を横すべりしていくようなカメラワークは不穏で好みだった。
しかし、コトリバコをぶっこんできたのは失敗だった。コトリバコを知っているホラーファンを混乱させるからだ。

呪怨にしろリングにしろ、名作ホラーには明確なルールがストーリー上、存在する。
入ったら生きて出られない家、見たら1週間以内に死ぬビデオテープ。不条理であっても、とてもわかりやすい。

ところがこの箱はコトリバコのルールや設定(触れた女子供が死ぬ、もともと献上品であったことからそれなりの細工物であったろうと想定される、など)からはズレていて、コトリバコという話を知っている人間は混乱する。
ならば、コトリバコという言葉を出すべきではなく、ただの呪われた箱という扱いのほうが良かったように思う。

樹海村に取り込まれた人間についても謎だ。
姉の友人夫婦がいたけれど、彼らは少なくとも生前指を切り落とした描写はない。
医者、祖母など指を切り落として亡くなった人間たちは樹海村にはおらず、指を切り落とす意味がわからない。そこにも混乱は生じる。

ご都合主義も満載で突っ込みどころも多すぎるのだけども、口直しにレンタルした「稀人」を観てわかった。
清水監督は雰囲気‼️雰囲気重視でストーリー上の理屈とかどうでもいい人なんだ‼️呪怨がまぐれでできた名作だっただけなんだ‼️

樹海村の住人たちのゾンビみたいな演出もどうにかならんものかせめてなんかひねって欲しい。
CGはいいけど、人間が木に串刺しになってぶら下がっているのなら、もっとちゃんと重力を考えて枝をたわませるとか腕の肉を弛緩させるとかさせて欲しい。
でもきっと無理だよね雰囲気の人だから。

mintel