透明人間のレビュー・感想・評価
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予想外の展開だった
見ている自分のメンタルも破壊してくれそうなホラー演出だった。セリフで状況を説明をするような野暮なことはなく、登場人物の会話や映像から徐々に背景がわかってくる。冒頭のシーンもよかった。波打ち寄せる断崖絶壁に佇む海辺の大豪邸からセシリアが脱出するシーンは、見ている自分の心臓もバクバクした。
何もないところをじっと映し続けるカメラワークが効果的で、透明人間の存在を知っている自分(観客側)の不安をやたらと掻き立てる。音使いもまたよくて、バイブ音など心理的にドキッとする。
映画としては、よくできていたんだけどね。なんせ自分のメンタルがよくないときに見たせいもあって、なんかしっくりこなかった。大変失礼だけれども若く成功した実業家が執着する女性としてエリザベス・モスっていうのは、ちょっとどうなの。演技力は抜群なんだけれども、ずっとその疑問があり続けた。
それと、完璧な光学迷彩って可能なの? 攻殻機動隊の光学迷彩の性能だったら現実的にできそうだけれども、全くの透過って不可能な気がする。
それでもラスト30分は、全く予期しない展開でよかった。
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「透明人間」って、概念みたいなものだと思っていたよ…。
常軌を逸した執着から常識を超えた展開が生み出され、攻め入るような緊迫感に襲われて終始息を荒げて観ていた。
愛する女に逃げられて自ら命を絶ったエイドリアン。
自身を縛り続けてきた彼の中から抜け出せたはずのセシリアに、死してなお虐待の手が伸びる。
罠だらけのシナリオに嵌まり、どんどん孤立して精神を蝕まれていく様が本当にキツい。
囚われ続けたが故の幻覚と副人格の現れなのか、霊的な存在の悪戯なのか、物理的に透明になったのか。
誰がおかしいのか分からない混乱と恐怖の中、確実に存在感を増していくエイドリアンの所業が気持ち悪い。
白く吐かれた息、シーツに浮き上がる足跡の何と恐ろしいことよ…。
追い詰められるうちに変化していくセシリアの目付き、危うさと覚悟を孕んだ表情にドキドキした。
「彼」への警戒心と抵抗心を露わにすればするほど異常者扱いされ、弱まりつつも、絶対に屈しない強さも生まれていく、絶妙な状態。
目には目を、歯には歯を、執念の策には執念の策を。ラストのゾクゾク感よ。堪らない。
エイドリアンの異常性を直接的には見せないつくりがまた意味深だと思った。
セシリアが彼の元から逃げ出すところから映画が始まるので、それ以前のことはほとんど分からないまま。お互いの家族や友人関係も詳しくは触れられないまま。
見方を変えればまた違った結末が見えてきたりして。
良いバランスの余白だなあ。好きだよ。
ストーリーの面白さはもちろん、映像的な面白さと快感もかなり強い。
海岸のスタイリッシュな家と装置はまるでSF。
見えない相手とのアクション、非現実的なのに痛々しく激しい暴力描写。
浮き上がるナイフや拳銃に震えてしまう。
「何かが居る」ことを示し続けるカメラワークも最高。キレてるわあ。
興味深いのが、透明人間には一種の「無敵感」が生まれること。
「透明人間になったら何をしよう?」と考えるとき、思いつくもののほとんどは違法で倫理に反した行動になるじゃない。
正体を消して好きに動けることで、自分の欲望や悪意は簡単にエスカレートしていくものだなと思った。
もしかすると、ネット上の匿名の発言が過激になりやすいのも同じような現象なのかも。なんて思ってみたり。
人を殺さずに生きていきたいよね。欲望の実現もしたいけどね。
シドニーのキャラがとても好き。
完全に面白かった。
近未来犯罪とホラーの境界線に足を踏み入れた
『 ザ・マミー 呪われた砂漠の王女 』からスタートした、ユニバーサル・モンスターズを連続リブートし、ユニバース化する企画「ダーク・ユニバース」において、ジョニー・デップ主演で映画化される予定であった「透明人間」の企画は白紙となったが、ユニバース化ではなく、独立した世界観として連続リリースする方向にシフトした第1弾として製作された今作。
同じくリー・ワネル監督によって「狼男」のリブート企画がライアン・ゴズリング主演で進められている他、『透明人間』自体も続編製作も決定しており、更に女性版となる『インビジブル・ウーマン』もエリザベス・バンクス主演で映画化され、更には『トイ・ストーリー4』の監督であるジョシュ・クーリーによってアニメーションとのハイブリッド作品『リトルモンスターズ』といった異色作、その他にもユニバーサル・モンスターズを扱った多数の企画が浮上してきている状態である。
それらの起爆剤となったのが今作であるが、娯楽アクションテイストを強調した『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』と比べて、数段ホラーテイストが増しており、ユニバーサル・モンスターズはエンターテイメント化するよりも、何なら原作よりもホラーテイストを強調したて方が世間にはウケることが証明されたと言ってもいいだろう。
確かに今までにもユニバーサル・モンスターズを再始動させる企画映画として『ヴァン・ヘルシング』や『ウルフマン』が公開されたが、1作で止まってしまっているのは、エンターテイメント性を強調したことが理由なのかもしれない。
ただ、今作がヒットしたからといって、ハイペースで量産することで質を下げることだけは避けてもらいたいところだ。
AI産業や軍事産業において、科学の進歩によって可能性が広がってはいるが、それと同時に、今までSFやファンタジーの世界であったことが現実に起こるかもしれないという恐怖も与えている。
この『透明人間』に関しても、透明になる能力のあるプレデターや2000年の映画『インビジブル』の頃は、おくまでSFとしてとらえることができたが、軍事産業で、風景や物体と同化させることができるステルススーツが現実化されつつある現代において、今作で描かれる恐怖というのは、実は起こりうる可能性のある恐怖を描いているのだ。
「誰かに見られている気がする」「何かがそこにいる気がする」という、感覚的だったりオカルティックな部分も現実の恐怖として襲いかかってくる中で、「映画だから」と言い切れない、今後起こりえる新たなストーカー行為や支配的圧力要素が詰まっていて、近未来犯罪とホラーの境界線に足を踏み入れた作品となっている。
『インシディアス』のリー・ワネルの神経を逆なでするオカルト演出と『パージ』『ゲット・アウト』などのリアルとオカルトの境界線を描いた作品を多く手掛けてきたジェイソン・ブラムのマッチングによって、新たな恐怖体験を作り出すことに成功しているといってもただろう。
十分。
予想外に面白かった!
そこに!いる!(いないっ!)
ここ近々で1番“表情”で伝える女優
ユニバース崩れか!
恐怖の本質
見えないもの(認識の外)に対して、人間は本能的に恐怖を感じます。逆に、理解の範疇の出来事には、恐怖は感じません。
透明人間とは、まさに見えないものの究極!古典的ではあるけれど、王道なのです。
人間を透明にする仕掛けも、現代的な説得力のあるものでした。詳細は語りませんが、各国の軍事当局が、こういうモノの開発を目指していると聞いた事があります。
悪は人間関係を分断しようとする。
この映画は、ただ単なる恐怖が描かれているものではなく、そういった普遍的なテーマが底流に流れています。
孤立によって、更に人間の恐怖が掻き立てられる…
主人公の奮闘ぶりには、無知を知へ、孤立を連帯へと転換する様が描かれております。
それは、現代社会のあらゆる闇を打ち砕く方途に繋がる事なのかもしれません。
ラストの展開は意外でもあり、一種の爽快感を伴うものでした。
あまりサスペンス的な映画は好みではないのですが、見に来て良かったです。
スリラーではなく、サスペンスです。
ヒロインの容姿を見て、透明人間は陽動作戦だと思ったのだが?!
無駄が無駄じゃない
一にも二にも謎のカメラワーク。
このカメラワークいる?っといった“気持ち悪い”カットが何個もある。一例として1番印象に残ったのは主人公が朝ごはんを作り、火をつけたままその家の娘を起こしに行くとき。起こしに行く主人公を写すわけでもなく遠くからキッチンを映すのみ。
この気持ち悪さがあそこにもうすでに透明人間が“いるのかもしれないしいないのかもしれない”という怖さを掻き立てる。
ホラーとしてとても怖く緩急がすごくてItやチャッキーよりも純粋に怖かった。
そして、最後に事件の真相が全て明らかになるわけではないので見た人たちが色々と考察できる。
友人や家族、カップルで見て観終わった後に色々と考察し合うのもいいかもしれません。
陽キャの陰湿嫌がらせMAXバージョン
面白かった
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