透明人間のレビュー・感想・評価
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怖いけど勇気づけられる
少なくとも3回、ビクッとする瞬間があった。ZOZOスーツの計測みたいな全身タイツを着ると人の視界から消え、透明人間になるという。そんなものを開発した彼氏は独占欲、プライドが高く、主人公を自分だけのものにしようと肉体的、精神的DVを働く。身の危険を感じた主人公が綿密な計画を立てて彼の豪邸から逃亡し、高校生の娘がいる親友の黒人男性の家に身を寄せる。すると彼の死亡が報道され、兄だという弁護士が、弟の遺志により遺産を受け取ってくれと言う。それに違和感を感じ、また周囲で起こる不気味な出来事に、死んだはずの彼の気配を感じるが、誰も彼女の言うことを信じない。逃亡時に手を貸してくれた妹にも罵詈雑言のメールを送信し、信頼し合っていた高校生の娘が殴打されるという事故の濡れ衣を着せられ、親子の家を追い出されて収監される。
とにかくどんな逆境でも決して諦めない主人公の行動力、知恵が素晴らしい。エリザベス・モスは顔もスタイルも良くない(と思う)が、こういう体を張った演技は天下一品という感じ。しかし逆に、パーティで出会っただけのそんな彼女にこの男はなぜそこまで執着したのか、何か理由があったのかと思ったが、そこまでではなかったのが残念。
THE CRAZY
恐々としながら観ました。殺される人数は最小限、殺し方も頸動脈を切るとシンプルなもの。124分とワンテーマながら長いと思われる長さ。条件的には良いものが揃っていない中、とても面白いホラー映画として出来上がっていました。
まず透明人間が透明人間ではないという点に驚かされました。人的に作りあげられたスーツを着て透明になれるという斬新すぎるアイデアがとてもよかったと思います。観客視点でもどこにいるかがハッキリ分かっているのに分かっているのが主人公セシリアだけというのが面白さと恐怖を引き立てていると思います。
セシリアの表情や行動が最初は恐怖だったけれど透明人間と相対する旅に狂気に満ちてくるのがゾクゾクしました。アクションシーンもカメラワークも特殊なものだったのでメイキングでどのように撮っていたのか知りたいです。
最後の方はセシリア自ら透明人間となり、エイドリアンを殺す感じであっさり終わってしまったので消化不良ですが、復讐完了ということなのでしょうか。ちょっとモヤモヤ。
サプライズ!!
・映像・効果音が秀逸で、いつ襲われるのかと、ハラハラドキドキしました。
無音で緊張感あるシーンもあり、良かったと思います。
・主演女優の方の好演も素晴らしかった。
・ラストは意外とあっさりで、ちょっと残念な気がしたけど、トータル良く出来ていた素晴らしい作品だと思います。
悪意こそが「透明」
透明であることを利用して、ヒロインを精神的に追い詰めていく流れはなかなか緊張感はありました。
ただ、別に透明にならずともそれくらい追い詰められるのでは?という疑問と、オカルトにありがちな「最初はクソくだらないいたずらから入る」定石をわざわざ踏む意味が分からなすぎました。頭がいいのか悪いのか。
また、投げっぱなしの謎がかなりあり、後味がイマイチすっきりしません。
とりあえずそこそこ楽しめはしたのでこの点数。
おススメ度は低いです。
しっかり戸締まりしましょう!
張り詰めた空気がヒリヒリ感じられて、スゴく面白かったのですが…
元々の主人公である、エイドリアンが天才化学者でサイコ野郎という設定の割りには、見た目に狂気は感じられないし、人物像がブレてる気がしました。透明人間なんだから、いっそのこと姿を現さない方がミステリアスで良かったのかもしれません。
あと、細部のツメの甘さが気になって仕方なかった。ストーカー被害にあってるにしては、戸締まりが緩過ぎる。鍵は少なくとも二重にするでしょう?透明人間になるためのスーツは男女兼用フリーサイズなのか?等々、もう一度観て検証したくなります。
しかし、なんといっても一番怖かったのは、エリザベス・モスの表情。ホントに恐怖を感じました。恐怖で疲れ不眠の時の時の自然なクマはメイクなのか?素なのか?
海辺の豪邸が素敵でした。
見えない恐怖
いやーこれは面白かった!!
執念深いストーカー夫+透明化がここまで恐ろしいことになるとは!
見えないからこそ、居るか居ないかも分からない、それを誰にも信じてもらえない。しかし、彼はすぐそこに居るかもしれない…透明人間という古典SFな題材を現代的なアレンジと襲われる恐怖という視点で描いた傑作スリラー作品
主人公は女性、透明人間の恐怖に苛まれる側の視点から精神的に追い詰められる恐怖をヒシヒシと感じる作品になっていました。
エリザベスモスの熱演により、追い詰められる主人公、セシリアの焦燥感とひっ迫感が見事に表現されており、特に眼の演技が(メイクも含めて)良かったなぁ
透明人間というSFじみたファンタジーのような存在に現代的なアレンジを加え、よりリアルな恐怖として画面に現れる。
さらに執念深いストーカー夫というサイコなキャラクターとジリジリと彼女を孤立させ追い詰めていく様も恐ろしい。
前半に出てきたアイテムや写されたモノが後半に活きてくるという(予測通りと言えばそうだが)展開や恐怖を煽る音響、些細な音が不穏さを増す演出などスリラー映画の王道演出もつぶさに押さえつつ、どこに居るのか見えない恐ろしさをさらに盛り上げてくれる。
見えない恐怖だけでは無く、見えないからこそもたらされる孤立や精神的圧迫を描いたスリラー作品だ。
冒頭、セシリアが夫エイドリアンの屋敷から脱出出来るかどうかの緊張感もハラハラとさせてくれるし、車のガラスを割るというエイドリアンの暴力性も見せてくれる。
セシリアは表に出るのも恐怖を覚えていたが、エイドリアンが自殺し遺産を相続。彼の死に拭えぬ疑問がありつつも、お世話になっている親友ジョーンズの家族の為にそれを使うが…脚立や消火器など後々使われるアイテムや既に彼が居ることを示す包丁の動き(ちゃんと画面中央に置いてるのが素晴らしい)なども見逃せない。
また、透明な彼は彼女を孤立させる為に周りの人間へと危害を加え始める。中でも、妹へ送った酷いメールで仲違いさせる様は透明人間という存在でなくとも起こりうるリアルさがある。アカウントの乗っ取りや成りすまし、パスワードの流出で我々の身にも起こりうる(メール1つで仲違いが生まれることも含め)恐ろしさが表されているのもまた現代的な題材だと感じた。
無数のカメラが動き回る、異質かつ不気味さのあるデザインと光学迷彩スーツという男の子心をくすぐるような存在は透明人間にリアルさをもたらしてくれるよう。
ついには、彼女の妹を殺しその罪をセシリアに着せるという手段に出たが、精神病院へと送られ、追い詰められた彼女にさらなる衝撃が…ここで何故彼女が執拗に狙われるのか、新たな事実が判明する。それは拒否していたはずの妊娠。避妊薬がすり替えられていたのだ。それに協力していたのは、エイドリアンの遺産手続をした兄のトム…だが、彼女の反撃が始まる。
さて、この辺で少しだけツッコミ処を。
透明人間であるエイドリアンの執着するところは分かったものの、結局彼女を、子供をどうしたいのかよく分からないんだよなと感じました。こんな風に恐怖で支配した所で…まあそこも分からなかったということか…
あとはセシリアの行動もイマイチ。確かに追い詰められ孤立していたとは言え、もう少し対策を練れば彼の正体を周りの人間な分かってもらったり反撃も早めに出来たのでは?なんて思ったりもしました。
で、セシリアは自殺のふりをして、停めに入ったヤツをペンでめった刺し、ついに透明化スーツも故障気味になり他の警官たちにも存在が確認されたが、透明を活かし警官たちを翻弄していく。
ここの透明人間に翻弄される警官たちのシークエンスは見ていて面白いルックだし、見えない敵に襲われる感じは「プレデター」も思わせる。
終盤では、ジェームズの娘を狙った透明人間との対決、やっと出てきた消火器で相手の姿を確認し、銃で決着…と思いきや透明人間はエイドリアンではなくトムであり、エイドリアンは監禁されていた…しかし、セシリアはそんなことはないと感じており…
ラスト、セシリアはエイドリアンを自殺に見せかけて殺した。彼の開発した光学スーツを利用して監視カメラも把握した上で完全犯罪を成し遂げたのだ。
あのスーツがもう一着あることは彼女(とジェームズ)しかしらない。見事だ。彼女は透明人間よりも恐ろしいかもしれない"見えない殺意"を持って全てに決着をつけたのだ。
そのなんとも言えない余韻も含めて、透明人間という存在を新たな視点と現代的なアップデート、世相の反映をを施し、サイコスリラーとして存分に楽しめる作品!
もう少し考えて作って貰いたかった
本作品、昔有った「透明人間」のリメイクでしょ?しかし、こうなったら徹底的、内容を壊して新しい透明人間を作っても良かったかな・・・
お話の冒頭は、大変にスリリングで、本編の期待度は大きくなったが、その後はお話が進むうちにだらだらとやっと後半と言うかラスト近くで動きがあり、見応え出てくるけど、全編通してだらだら話が進むので、ちょっとね・・・・
本作品の内容と発展していく前の話がしっかり有っても良かったと思うね。
前のお話がないので、こちらで想像して考えるしかないので、そのきっかけの具合が分からないので、主人公に襲いかかる方が、どれだけ異常者なのかなどが計れない・・・・
もっと襲う側の異常ぶりを見せないとスリリングとは言えないね・・・・
また、主演になぜ、エリザベス・モスなのか、「アス」で出たからではなく、本作品の内容のヒロインをやるのにふさわしいのか・・・・どうなのか・・・
サントラは意外に不気味に出来ていて、爆音で見るといいのかな・・・・
どうして、人を透明に出来るようになったのかなどのエピソードも加えて欲しかったな・・・・
変な話のひねり方してもね・・・・
期待していた分、ちょっと残念だったな・・・・
これが令和の透明人間・・なのかぁ
パートナーに全てを支配され悲壮感たっぷりな生活から必死の思いで逃げ出したが
見えない相手と戦う事に
しかしその死闘の中、徐々に強さを見出だしたセレブ女性を演じたエリザベス・モス!
ラストのドヤ顔はめちゃくちゃ印象的!
彼女以上のナイス・キャスティングは有り得ない位にワクワク、ドキドキ楽しませてもらいましたね!
個人的にはかなりの好物作品でした!
アメコミの安っぽい悪役みたいな透明人間にはちょいと苦笑でしたが😅
HGウェルズ? いえ、ホラー作品です
あまり細かいことは書けないけど、SFテイストではなく、ホラーテイストの作品です。
アシモフの「ファウンデーション」やハーバートの「デューン 砂の惑星」など、続々と昔のSF作品が映像化が決まっている。そんな中、一足早くH.G.ウェルズ(懐かしいなぁ)か、と思ってたら内容は原案程度で、完全にホラー作品に仕上げてきました。
透明人間モノは何度も映画化されていたのだけど、最近はご無沙汰していただけに、現代風に作り直すとこんな感じか…と納得。
最初の、DV男から夜中に逃げるシーンから、ドキドキ感を盛り上げてくる。
あえて何もない場所でカメラを数秒止めることで、恐怖感を煽るのは、なかなか上手い。これがうまい具合に効いていて、中盤に差し掛かるあたりで、フライパンにかけた具材を燃やしちゃうシーン、よく見るとキッチンカウンターで使っていた包丁が勝手に落ちる。実はこれが小さな伏線で、後で回収されるのだけど、そんな仕掛けも、人のいないところを見るように促されている構成だからこそだろう。普段の映画だと演者に注目するので、見逃してしまうだろうけど、この映画ならではの仕掛けではないだろうか。
主演のエリザベス・モスが、精神的に追い込まれていく女性を上手く演じていた。ラストのからくりも、まあよくある展開といえばそうなのだけど、久しぶりに良いオチつけてもらったので、納得感あります。結局怖いのは人間ってことですね。
私は好きな作品
透明人間だなんてベタだなぁって思いつつ気になっていた作品。
だがしかしだよ、見事に現代版になっていた👏ホラーとサスペンスがいい割合で、なかなか見ごたえ有り。
現代の技術を駆使しもう透明になる技術は完成していて、すでに私たちの周りにもいるんじゃないかしらとすら思えてきた💦怖い怖い😬
主演のエリザベスモス何処かで見たことると思ったら、去年見た《Us》でお金持ちのマダムだった。美しいけどゾッとする顔立ちは、ホラーにぴったりなのかも✨
さらに調べたら《GET OUT》《Us》のスタジオが制作しているとか。納得❗
ホラーを見るたびわかるのは、女って強くて怖いってこと😏男性のみなさん、お気をつけあそばせ😌
技術だけなら・・・
トニー・スタークと互角に戦えるでしょう。(笑)
ってか、鑑賞しながら、「マーヴェルかDCのキャラに居るんじゃないの?」とか、素直に思えたから。
この手の作品で、2時間超えるのはどうかと思えたけど、飽きることなくサクサク鑑賞出来るのがスゴイ。
脚本なのか編集なのか。
残念なのが、ヒロインに全然魅力を感じない部分。
精神病院辺りから、『ミザリー』のキャシー・ベイツ見えてしまい、違和感を覚えたかな。
個人的には美人とかには見えず・・・
スタイルも良いとは思えず・・・
終わり方が悪くなかったんだけど、この女性に拘る理由が明かされていないようになっている為、ここだけがスッキリしなかったです。
ホラー映画の傑作
透明人間モノというと、お金を盗んだり覗き見をしたり、兎に角下世話な作品が多かった。それだけ人々の間に透明人間願望があるということなのだろう。そしてその反面で透明人間になってしまったら社会から認知されない不幸を描く側面もあった。そう言えば昭和に一斉を風靡した女性デュオのピンク・レディーに「透明人間」という歌があった。
透明人間という言葉には人それぞれのバイアスがあると思うから、邦題の「透明人間」は、もしかしたら損をしているかもしれない。原題の「The Invisible Man」の直訳で「見えない男」にするか「姿のないストーカー」くらいでもよかった気がする。
本作品はこれまでの透明人間モノとは一線を画していて、ホラー、それもかなり怖い部類のホラー映画に仕上がっていると思う。そして主人公セシリア役のエリザベス・モスがとんでもなく上手な演技で孤立無援の恐怖感を共有させてくれる。本当に観ていてかなり怖かった。
窮鼠猫を噛むの諺の通り、どんなに弱くて力の差があっても、生き延びるためには大人しくやられっぱなしではいられない。序盤を観て一方的な展開かと思いきや、実はそうではない。セシリアは暴力にひしゃげてペシャンコになるような弱い人間ではなかったのだ。物語を通じて変わっていくセシリアが一番恐ろしいと言っても過言ではない。主演女優賞クラスの演技だった。
ストーリーは面白いし、思い切りがいい。容赦ないと言っていいシーンがいくつかある。次にどうなるのかを頭の中でいくつか候補を考えながら観ていたが、予想を裏切られるシーンが多かった。ツッコミどころはいくつかあるけれども、見えないためのメカニズムや、見えない男の不気味な振る舞いなど、いくつかのアイデアは素晴らしい。いろいろな面で新しい作品だと思う。
サイコスリラーというジャンルで宣伝されているが、凡百のホラー映画よりもよほど怖い作品なので、ホラー映画の傑作と位置づけたい。
イマイチパットしない
この手の作品は漫画ッポイSFアクションみたいなのが多いけど今回はサスペンス劇場それはそれで良いのだけどこれは共犯なのか単独犯か?自殺したなら遺体があって埋葬されるはずだがその点はどうなってるの?もっと現実面が省略気味❗
ヒロインをヒロインのままに終わらせないサプライズ
定番の設定だけに、そのまま終わらないだろうと思ってたが、思わぬ方向に行くもんだから新鮮だった。
しかも一体全体どちらが現実かも疑わせるヒロインの精神状態の描き方が見事で、私の思考はすっかり路頭に迷ってしまった。
モラハラ夫の設定だが、実際には見えてこないだけに最後は異様な気持ちになる。
なんていうサプライズなんだ!
私にとってはメッチャ面白かったです
なぜこんなにレビューの評価が低いのか理解できません。
私にとってはこんなに面白かった映画はなかったです。
今年の中では一番でした。
スリルとサスペンス、そして最後はノアール小説のような終わり方。
過去の作品の中(東宝映画含めて)でも特別良かったと思います。
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