砕け散るところを見せてあげるのレビュー・感想・評価
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題名が良い。しかし中身は意余って舌足らずというか、描きたいことは分かるんだけど描ききっていないというか、中途半端というか、モヤモヤしてスッキリしない映画になってしまった。
①話の2/3くらいは最初の20分程で読めてしまう。しかし、前半のちょっと風変わりな青春物語は、演出も堅実で主演の二人を含め周りの主要キャラクターも好演でなかなか快調。②しかし玻璃の父親(堤真一怪演)がサイコキラーである正体を明かす段になって衝撃の展開というより『The O. C.』に『PHYCO』を接ぎ木したみたいなチグハグな感じになってしまい、あとは観客を置いといて走って行ってしまいオウンゴールしてしまった。
#30 UFOの正体
学校でいじめられてる後輩を好きになって守ってあげるヒーローのお話。
だなんてタイトルからはちっとも想像できない。
途中までは普通の青春物語なのに後半は恐怖映画に早変わり。
高校生じゃお互いを守りきれないでしょ。
こんなストーリーでハッピーエンドなのかな?
ハリとヒマ先がお互い大好きなのはわかった。
【”真のヒーローとは、周囲の目を気にせず世の様々な”悪”を倒すために、無私の献身が出来る人を言う・・。そして、その崇高なる意思は次の世に必ず、引き継がれる・・。”】
ー この世界は、悪意が覆っている。だが、それ以上に善意は強く、世界で困っている人々を至る所で救っていると、信じたい・・。ー
■感想
1.作品構成の妙。
冒頭、男子高校生と思われる男の子(北村匠海)が、”ヒーロー見参!”と言って、アクションを取りながらヒーローになるポーズを取り、それを見ていた母親(原田知世)が、おかしそうに笑う。
その男の子は、自分の父が亡くなった”事件”をモノローグで語る・・。
そして、場面は長野県の田舎の高校に移る。
ー 場面の切り替えに一瞬、戸惑うが、苛めに遭っていた女子高生、玻璃(石井杏奈:ソロモンの偽証以来である。役柄が似ている・・。)を助ける男子高校生清澄(中川大志)との恋愛映画だと思いながら鑑賞。
だが、一転して狂気の世界が描かれる・・。
そして、ラスト再び冒頭のシーンの戻る。
穏やかな笑顔を浮かべる母親の、幸せそうな顔。
巧い作品構成である。 ー
2.空を覆うUFOの意味。
ー 明らかに、悪意が世界を覆っている事の象徴である。ー
3.玻璃の狂った父親(堤真一)が意味する事。
ー 時に、常軌を逸した人物が引き起こす悲惨な事件が、世を揺るがす。不気味な表情を浮かべた堤真一の表情・・。あの父親は、狂気の象徴であろう。ー
4.様々なヒーロー達
1)清澄・・・好きになった女の子を、周囲の目を気にせず自分の身を呈してでも守ろうとする姿。
2)玻璃・・・苛めに遭っていても、負けない姿。そして、狂気の父親の行為を予知し、命懸けで清澄に告げに来る姿・・。
3)尾崎姉妹(松井愛莉、清原果耶)・・・玻璃を身体を呈して、クラスメートから守る妹。姉も、無表情だが、清澄の行為をキチンと見ていて、(多分)妹に影響を与えている。
4)クリーニング屋のおばさん(木野花)
ー ヒーローは、困っている人にそっと、手を差し伸べるのである。ー
<事件後に、清澄と玻璃が再び出会い、結婚し、玻璃の出産日に清澄が身命を賭して行った尊崇な行為。
清澄の真のヒーローの心は、未だ見ぬ子に確かに引き継がれたのだ。
だからこそ、現代の玻璃は、清澄が亡くなった事を、涙無しに誇らしげに語れるのだ・・。>
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