「ヒーローがヒーローでいる理由なんているか?」砕け散るところを見せてあげる 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ヒーローがヒーローでいる理由なんているか?
全体にみえるアラは、清澄の見事なヒーローっぷりで大目に見よう。
助けたいじめられっ子が、よく見たら可愛かった。そこ、もし、可愛くなかったらどうだったんだろう、とも思う。それに、原田知世(役名は伏せて)の穢れのない笑顔にはどうも違和感が付きまとう。
堤真一が登場してからの一連の展開は、あのデカい物体の出現も含めて、ついていけなくもないが、順番はまず「通報」だろう、と思う。
戦隊ヒーローものの範疇ならいいが、ここかしこにカッコツケた大人の嫌らしさが漂うんだよなあ。おおかたの好みの分かれ目は、あのパフォーマンス集団が好きかどうか、かな。
と、そうそう。
玻璃が清澄に警告を伝えにきたとき、清澄の来ていたシャツには、「keep your friends close and your ・・・」と書かれていた。「友達を手放すな」か。あ、何かのサインだなと思った。だけどそのあとの「そして・・・」のあとを見落とした。
ググると、“Keep your friends close and your enemies closer.“とヒット。
「友は近くに置け。敵はもっと近くに置け。」、これつまり、映画『ゴッド・ファザー2』でアル・パチーノ扮する主人公マイケル・コルレオーネのセリフ。まるで清澄の心の声が漏れているようで、これ自体が突撃のサインだったわけか。そりゃヒーローだもん、通報なんか眼中にないか。だって、「ヒーローは悪の敵を見逃さない」んだもの。その天晴な純真さ、中川大志なら許せるな。