望みのレビュー・感想・評価
全334件中、101~120件目を表示
何もしなければ何もできない大人になる
登場人物の感情の機微が丁寧に描かれていて、とてもよかった。小説の映画化だが、展開が早いということもなく2時間に綺麗に収まっていたように思う。
悪人が(少年以外は)出てこない作品で、各個人の望みや願いによって、"責めるべき人"が変わってくることで、非常に考えさせられた。ひたすらに息子の生存を願う母、心優しい息子であることを祈る父、平穏な暮らしを望む娘。この3人のどうしようもない感情が交錯し、さほど大きな動きがないストーリーだがかなり引き込まれた。
また、被害者遺族(倉橋くん関係者)や、マスコミなどのいわゆる野次馬との関係がかなり重要だと思った。自分が願うものや信じると都合の良いものを信じることで、事実とは異なる対象を攻撃してしまう。昨今のSNSの広がりやマスコミの報道など、憶測で起こる誹謗中傷などについて考えさせられるものだった。特に竜雷太さん演じる高山さんの謝罪シーンが非常に印象的だった。そして、事実がわかるまで、噂や憶測に呑まれ勝手な言動を起こすことは絶対にあってはならないと強く思った。
石田ゆり子さん演じる母の覚悟を決めた鋭い目つきや、堤真一さん演じる家族を愛する父の強く優しい目つきに感情移入し、何度か涙も溢れた。
一点気になるとすれば、少々演出がわざとらしく、「ここは印象的なシーンです」と言われたような気分になったことくらい。笑
石田ゆり子さんが良かった
我が子信じるなら望みは1つしかない
それぞれの望み
自分の息子が人殺しかもしれない。
そんな家族の話です。
生きていて欲しい、でも生きていたら
それは息子が犯人ということ。
犯人じゃなくてほしい、でも犯人じゃなかったら
息子は死んでいるということ。
どちらを望んでも、犯人か、死んでいるかという
違う辛さがある中で、葛藤する家族をみていました。
ただしくんは、すごく良い息子さんだったんですね。
死んだ後知る、息子の想いや、周りから見られていた
息子の姿や、いろいろなことがバーってきます。
信じてあげられなかった時間と
信じ切ってから動く時間。
人の感情がたくさん見れる作品でした。
見てよかったです。
ただしくん、死んでしまって本当にかなしいです。
リハビリのサポートする仕事がしたいと願っていた。
お父さんにかけられた言葉を恨むのではなく
プラスに捉えていたこととか、知って余計かなしいです。
水風呂みたいな映画
3月21日
Amazonプライム特典で視聴。
前情報が1mm(堤真一が出てる!しか知らない)の状態で見たため、ドキドキしながら楽しめた。
感想を一言で述べれば、水風呂。
普通、温泉施設に行く時は温泉に入る。
サウナがあったり、水風呂があったりするが、温泉が1番の目的って人が多いと思う。
温泉の好みの温度や、内湯が良いか露天風呂が良いかは人それぞれだったとしても、やっぱりぬるま湯以上が一般的だ。
けれども、水風呂好きな人は水風呂好き。
じーっと入ってると冷たい水の中にいるはずなのに、身体がじわじわと暖かく感じる。
その感覚がたまらないって人もいる。
まさに水風呂って感じの映画。
いつも自分がぬるま湯に浸かってるのがよく分かる(もちろん比喩的な意味で)。
ストーリーは救いのない二者択一
自分の息子/兄は被害者なのか?加害者なのか?
その内実も極端で、
被害者だとすれば死んでいて
加害者だとすれば人殺し。
比較すれば前者を望む父
うちの息子は人殺しなんかじゃない。
比較するまでもなく後者を望む母
うちの息子は死んでなんかいない。生きててくれればそれでいい。
夫婦の異なる「望み」。
果たしてそこに「望み」はあるのか。
多分、セリフには「望み」って使われてなかったと思う。そこもオシャレポイントか。
この話の肝は二者択一。
どちらに転んでも望みなんかない。
さらに、映画とかフィクションにありがちなオルタナティブもない。
オルタナティブというのは、簡単に言えば第3の選択肢のこと。
たとえば、被害者でも加害者でもなく、犯人を追いかけてるんだ!とか。
普通にしてたらそういう発想も家族には出てくると思うんだけど。
〇映像が巧い
怪しい雰囲気
日付が出てくるのとか何かしらの事件感を彷彿とさせていた。
上手くいっていない家族像は、これまでもあった。
例えば、家族ゲームとか(懐!)、流星ワゴンとか(懐2!)
これらのファンタジー家族ドラマとは違くて
オルタナティブがない。
「もしこうだったら」「時間が戻せれば」
そういうタラレバじゃなくてあくまで現実的。
個人的には、こういう映画の構成好きなんだよなー。
逆の理由でLALALAND好きじゃなかったね
(音楽はサイコーでいまだにアラーム音だけど。)
内蔵が鉛になったような気持ち悪さが残る。
これはストーリーもあるけど、映像の巧さに支えられていたと思う。
〇豪華俳優陣がすごい
1人1人の感情の機微がよく現れていたと思う。それぞれに焦点をあてた考察も面白いんだろうけど、ここでは特に印象に残ったポイントを挙げておく。
堤真一がうまい
特に泣き崩れるところのタイミングと表情がうますぎて!こちらにまで悲しみが伝わってきた
石田ゆり子がかわいい。
いつまでかわいいんだ。このオバサン。
タダシくんが死んじゃって最悪な気持ちのところでメガネの石田ゆり子がめちゃくちゃ可愛くて癒された
〇疑問点
ちょっとよく分からなかったのが、堤真一が息子の刃物とリハビリの本を息子の部屋から見つけて、息子の無罪を確信するシーン。
いや、もっと早く息子の部屋確認しない??
疑いというよりも、心配で息子の部屋いろいろ見ると思うんだけど…。
あと、もう1つ疑問。
テーマは何だったんだろう?
家族?マスコミ?コミュニケーションの難しさ?
どれとも取れるし、どれとも取れない。
よく言えば、様々なテーマが二者択一という設定で一貫して描かれていた。
悪くいえば、二者択一という設定だけで通してた。
〇総評
映像と俳優陣のおかげで結構よく出来た映画になっていて、ストーリーもわかりやすいので☆3.65くらい。堤真一と石田ゆり子が好きなので☆4。
けど、見た方が良いか、見ない方がよいかという二者択一であれば
見ない方が良い。
普通の人はハッピーな話を見た方が良い。
水風呂好きな方(もちろん比喩的な意味)には良いかも。
そうじゃなくて、温泉に入りたい人は、この時間にトイストーリーを見た方が良い。
想像以上に衝撃的で感動的で悲しすぎる展開
先日「ファーストラヴ」を観に行って、堤監督のサスペンス映画には毎度驚かされますが、今作もかなり衝撃の物語展開で、期待以上の作品でした。家族が一つの事件によって追い込まれ、平穏な日々を失っていく。この映画はそんな家族の崩壊がとても強く出ているように感じました。
ある日突然息子がいなくなり、その日に事件が起きる。その時からずっとハラハラしながら観ていました。息子はどこへ行ってしまったのか。何をしているのだろうか。事件とどう関わっているのか。被害者なのか殺人の犯人なのか。考えれば考えるほど浮かんでくる疑問に悩まされる家族。息子は誰も殺していないと信じたい父親。たとえ犯人だろうと息子に生きていてほしい母親。両親は同じことを考えているようで、全く違うことを考えていることが浮き彫りになっています。今やネットでいくらでも情報が舞い込んでくる時代。息子が犯人だと勝手な憶測をネット上でされている家族がどれほど追い込まれていくか。この家族の立場になってみると、かなり恐ろしいです。観ているだけで辛くて涙が出そうでした。誰もが「殺人犯の家族も殺人犯」と思い込んでいる世の中なので、当然両親や妹まで世間やマスコミや被害者に遺族からも突き放され、誹謗を受けます。事件の裏側は明かそうとしない警察も、その中に加わっているようなものなのかもしれません。痛ましすぎて鑑賞中に感じた胸の中の緊張感、焦り、そして悲しみはとても言葉では表せません。
堤真一と石田ゆり子というベテラン俳優2人に、清原果耶と、出番は少なかったけど暗くて心に深い悩みを抱えた高校生を演じた岡田健史という才能ある新人が家族役を演じています。清原さんは兄を思う優しい妹役で、涙ながらに必死な演技力がとても良かったです。岡田くんも、家を出て行ったあとは恐らく誰よりも出番の少ない役でしたが、悩んでいることは誰にも話さない、でも心優しい高校生でした。この2人の演技力は素晴らしいものだと思います。よくよく見れば、清原さんは「僕は明日、昨日の君とデートする」にも出ていましたね。「僕明日」を初めて観た当時はあまり意識していませんでしたが、もう一度観たらよくわかりますね。岡田くんは「新解釈 三国志」に出演していて今が旬の若手俳優ですね。今後もこの2人の映画には期待したいと思います。
これは辛い。
岡田くん見たさに見ましたが、全然出てこない。
それはいいとして、内容が本当に辛い。
私は親になったばかりだから、親目線ですごく共感出来たので、こうなってしまったら辛い。
息子を加害者であっても生きていて欲しいと思えるかどうか、家にあんなに張り付いてたマスコミは被害者とわかった途端に居なくなるってどうゆう。
その今までの苦痛の損害賠償金は払われないものだろうかと、見ているながらにも少しイライラしました。
親になって子供が加害者だって疑われたら、息子を信じるか、信じないかの葛藤、仕事も家も存続できていかなくなってく様をリアルに描いた作品だと思う。
特に、母が息子の好きなものを食べさせてあげたいってところが感動しました。
内容がリアルでいい映画でした。
家族
もし我が子が事件を起こしたら?
母親は生きてさえ居てくれたらいいと願う。
父親は息子を信じたいと望む。
自分にも思春期の息子が居るので、もし自分の身に起こったら、やっぱり最悪の事態を覚悟するだろうと思う。
そうすることで、最悪な状況になった時のショックを和らげる癖のような思考。基本ネガティブ思考なので。
夫は『あいつはやってない。』と言うだろうか?
『まだわからない。わからないのに心配した所でしょうがない。そのうち帰ってくる。』と言いそう。超楽観的な夫なので。
物語の建築士の家が素晴らしく理想的な家で、リビングの一角に母の仕事スペースにアイランドキッチン。
絵に描いたような幸せな家庭。
お客さんを子供の部屋に、いつでも案内するというのはやはり、やりすぎだよなぁと思う。
前もって『今日は見せるからね。』と言ってくれていればいいけど、自分が子供なら、大人に愛想笑いなんてできない時もあるし。
ナイフが自室に置いてあるのがわかった時の安堵。
リハビリの本に父親に言われた言葉のメモが見つかった時の、やっぱり信じていた通りの息子だったという感情はよく見てとれた。
岡田健史くんは影のある役が良くお似合いです。
我が子がもし進路変更を余儀なくされた時、どんな言葉をかけたら良いだろう。
最後まで信じられる親になりたいものです。
重い、やるせない
正直こんなに重い作品だとは思っていなかった。
ただしくんは、普通になんともなく家に帰ってくるのだろうと。
甘かった。タイトルの『望み』、これはあらゆる人の立場に立っての「望み」だったのだろうと気付いた。それぞれの「望み」の重みや感じ方、捉え方などは全く比べ物にならないものだろうが、、、。
石川家の母演じる石田ゆり子さんのヒステリックかつ現実味のある演技、堤真一さん演じる優しい父、清原果耶さん演じる妹、全てのキャラクターがぴったりだった。
何とも重い作品で、見終わった後もやもや。
でも石田ゆり子さんの、ただしくんの優しさや行動についての言葉を聞いて重かった空気や気持ちが少しすっと和らいだ気がした。
望みという言葉の意味
自分にも息子がいるので、感情移入してしまう作品だった。
望み…
その言葉の意味が複雑に絡み合ってしまった。
あの家と、あの家族と、望み。
あなたは何を望む?って、
鑑賞しながら複雑に心が動かされる。
そして、マスコミという職業。
まだ事件が解決もしないまま、関係者の家に落書きやイタズラをするような人間も…
ゴミとかクズとか書いてっけど、お前らがクズだろって…その辺までモヤモヤさせられた。
そして、見終わった後に改めて、石田ゆり子も堤真一もやはり素晴らしい役者さんなんだなと感じる。
娘役の子もとても好きだ。素晴らしい。
普段から子供とたくさん話すことの大切さを改めて。
おもしろかった
全334件中、101~120件目を表示