望みのレビュー・感想・評価
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望まない望み
「息子が殺人を犯しているわけがない」と望む父と、
「殺人犯でいいから生きていて欲しい」と望む母。
被害者であることを望むということは、息子の死を望んでいるのか。
息子の生存を望むということは、殺人犯であることを望んでいるのか。
そんなの、どちらも望んでいるわけがないんですよね。だから苦しい。
テーマとしては非常に面白いのですが、極論であるが故に
「どうしてこの両親は、その間にある可能性を考えないのか?」という疑問はあります。でもそこがこの映画をわかりやすく、楽しめるものにしているとも言えます。
重い現実を受け入れ、それでも生きていこうと前を向く主人公たちの様子は、観ている側にも救いがあり私は好きです。辛いテーマですが、鑑賞後イヤな気持ちにはなりません。この映画が好きな方は「人魚の眠る家」もオススメです。私なら何を望むだろう?何をするだろう?と自分事として観れる面白い作品でした。
望み。いいタイトル。
望み
石田さんの途中気が狂ったような
演技がとても良かったです。
最後、その心内が分かり、
この『望み』の意味の深さも少し、分かりました。
被害者か、加害者かのどちらかを望む、
ではなくて
被害者である事を分かりつつも
加害者であって欲しい。
それが望みということ。
父と、妹の『死んでれば良いのに』という感情
その後悔をずっと抱えて生きていかなきゃいけない。
被害者でも加害者でも
事件の前のように笑える日は
来ないのかもしれない。。。
加害者だったとしても、主犯に脅迫されたから、
とか自分や誰かを守るためにナイフを持った
相手が勝手によろけて当たりどころが悪かった、
というのもあると思う。
事件に関係のない部外者は
本来なら何も言ってはいけない。
憶測しちゃいけない。
ネットでの誹謗中傷やラクガキ、
許されない事なので。犯罪。
本当に無くなるように。
あと、マスコミもちょっといい加減にして欲しい。
あれは罪にならないの?
息子の友人が殺害されるという事件が発生し、同時に息子も行方不明とな...
暗い気持ちになった。
この作品が問いかけるのは、家族が「有罪(加害者)だけど生きている」か「無罪(被害者)だけど死んでいる」かの二択だ。母親は、有罪でもいいから生きていて欲しいと願い、父親は、死んでいても仕方ないから無実でいて欲しいと願う。
しかし最後に、母親は後者で良かったのだと心情を吐露する。
視聴者は、何となくこの二択以外の結果を期待しながら観るのだが、結果云々より残された者の意見のぶつかり合いが、この映画のテーマである。あるはずなのに、結果がわかった後で家族は沈黙してしまう。そこをもう少ししつこく描いて欲しかった。何となく、母親が記者に話すことで観客を救われた気持ちに持っていったつもりか。
実際の、加害者家族も遺族も、もっと唐突で残酷なのだろうと思うと、胸糞悪い、何とも暗い気持ちになった。
悲しすぎる「望み」。
こういうストーリーで、望みというタイトルなのか。
深いなあ。そして、悲しいなあ。
殺人犯として生きている。被害者として殺されている。
親としてどちらを望むかということを、
問いかけられたら、という作品ですね。
でも親だったら、やってない。そして、
必ず生きているという望みを持ち続けるんじゃないかな。
そんな感じがしました。
自分の家族が事件に巻き込まれたらと考えさせられる
相反する二つの「望み」
被害者であっても息子の無実を信じたい父と、加害者であっても生きていてほしいと願う母。相反する二つの「望み」を丁寧に描かれていた作品だった。息子を信じたい気持ちは一緒なのに、考え方は全く違う。それだけでも気持ちが混乱するのに、外野からも確証のないことを根掘り葉掘り聞かれるから、もうどうしようもない。余計なストレスで、自分が保てなくなりそうだ。
重苦しい作品ではあったが、息子が加害者なのか、被害者なのか、あるいはどちらでもない何かなのか分からないまま物語が進むので、サスペンスならではのゾクゾク感があって良かった。
家族への信頼、事件の周囲への影響
終始重たい内容ではあったが、108分と比較的短い映画に少年犯罪に関わった周囲の心境などを上手く表現できていたと思う。加害者であっても息子の無事を願う母と被害者であっても善人であることを願う父。息子が被害者と分かった時の安堵感と亡くなった絶望感がなんとも複雑な気持ちになった。
71点
いい映画でしたが、
いずれにせよ最悪な選択肢の葛藤
テーマ性に欠ける
作中起こる事件はもう少し意味を持った事件でないといけないのでは?はぁって感じでした。
実際の事件はこんなもんだよと言われればそうなのかもしれないけどこれは映画のためのシナリオなんだからそれは演出する必要があったはず。
竜雷太さんの演技はわざとらし過ぎて辛かった。
刑事役に加藤雅也さんとか、新聞記者に松田さんとかありえない二枚目持ってくるなんて、監督自体がこの映画を作るにあたり思い入れがないとしか思えない。もっといやらしい役者を使い、この家族には味方などいないんだという外堀を作り孤立感を出す必要があった。
この家族には味方などいないと観客に印象をつけてお互い疑心暗鬼になりながらぶつかり合い心削りながら、そうじゃない俺は家族を守るんだという強い気持ちを持ちながら壊れていきそうな家族を繋ぎ止める強い父親像の映画だったら良かったのになぁ。
登場人物の人間像も薄い、起こる事件も薄い、誹謗中傷で家族がめちゃくちゃにされてしまうとかいう描写も薄く警察に対しての批判とかがあるわけでもない。噂で他者をアジっていく一般大衆へ憎悪の像を映画として訴えたいとかでもなく、なんとも無味乾燥とした何が作りたかったのだろう?と思いました。
僕は昔の映画で 普通の人々という映画が好きだ。
この映画の最後母親が出て行って庭に父親と息子きり話すシーンで
父親が
俺に期待してるとがっかりするぞ。というと
息子が
がっかりしたりしないよ。父さんを愛してるから。
と言う所がある。
被害者だろうが加害者とかどうでも良いことで話が進む。そんなことどうでもいいだろ。家族を相対的な価値観でやってきた家族が絶対的な価値観を内なる長男の記憶と向き合い、どうであっても構わない。俺は被害、加害でも家族も守るという強いアティチュードを確立してドラマが進むとかいうのだったら良かったのにな。原作沿ってるのかもしれないけど読んでないから何とも言えないが、原作もそんな事が家族の岐路だというならそれはそれでお粗末だ。
書きながら思ったのだが、この映画は思いっきり家族間の無味乾燥さを全面に出した方が面白かったかもしれないなぁと思った。
立派な家
一般的に見ればハイクラスの父親
自慢の息子、娘 きれいな奥さん
だけど一皮むけば自分第一で家族の絆とかは希薄。愛情があるように自己陶酔して涙も流す。殴られもするけど、本当の息子の何にも通じ合ってないし、わかったふりで実はわかってない。立派な上物だけで実は魂なんてすっかり抜け落ちてるみたいな映画だったらそれはそれで面白かっただろうな。今の日本がまさにそんな感じだから周りの体裁とか受けを考えてばかりで物事の本質を見ようとしない。
そういうアイロニーが効いた映画にして欲しかったなぁ。
王道のサスペンスドラマ
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