劇場公開日 2021年6月25日

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「自分が何者かは自分で決める!」ピーターラビット2 バーナバスの誘惑 とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自分が何者かは自分で決める!

2021年6月25日
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自分のキャラクターや存在意義、だれが家族かも。ちんまりしてないハッピーオーラあふれ出して、自然と笑顔こぼれるような作品。ビアよりマグレガーさんの方が正しいことを言っているというまさかの展開。今回もドーナル・グリーソン演じるマグレガーはひどい目に遭いまくってボクたちを笑わせてくれる!
湖水地方から逃げて(RUNAWAY)カラフルな大冒険。テンポの良さと愛すべき仲間たちの魅力が光る。風景とマッチしたヴァンパイア・ウィークエンド(エズラ・クーニグ)の音楽が作品を彩っていた前作から、今回もクークスなどサントラが最高。まさかのグリーン・デイが流れ出したときは思わず笑ってしまいそうになった。よくないことをしている、闇落ちを示唆するような角度をつけたカメラワークが印象的。
"That's why I'm on the billboard." 看板に載っている理由がわかった!表現としての誠実さか、より売れるようにという商業主義かという永遠のテーマも扱いながら、終盤はそれすらも一周回ってネタにしちゃうまさかのアクション特盛り展開!絵本から飛び出したみたいに空から飛び降りて、カーチェイスしたり……まさしくヒーロー?自らが物語であることを自覚的に描くモンタージュ総集編的美味しいとこ取りアプローチは、前作のロンドンから戻る終盤でも見られたものだけど、今回のそれはもっとパーティーお祭り感があって思わずニヤけてしまった。見せ場に次ぐ見せ場。これを作中で言及されるような形で、ハリウッド映画を揶揄して、などと見るのは簡単だけど野暮というものだろう。
家族のあり方はなにもひとつじゃない。本作は前作が好きだった人はもちろん、前作の不謹慎なユーモアなどに好感を抱かなかった原作ファンにも届きそうな間口の広さで、個人的には例えば『パディントン』とかも思わず重ねてしまった。英国が生み出した愛すべき動物キャラクターたちとその家族に笑わせてもらいニッコリほっこりする。あと、ドライフルーツも食べたくなった。スーパーグラスも歌ってる、Alright!

とぽとぽ