シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!のレビュー・感想・評価
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舞台と映画の美しい化学反応
台詞に酔いしれ、大笑いして、涙が出て、ドキドキして、楽しくて面白かった。
舞台と劇場の高揚感を久しぶりに思い出すことができた。コロナが恨めしい。早く舞台に役者が上がって、スタッフが働けて、お洒落した客が上演前や休憩中にロビーを散歩して思いがけず知り合いに出会ったり。そして開演ベルが鳴っていそいそと自分の席に戻って、ワクワクしながら幕開けを楽しみにする日が待ち遠しい。
舞台監督役のルシアン、ドミニク・ピノンではないですか!「デリカテッセン」の時から好きな役者さん!
舞台監督、綱元、衣装係、楽屋、大道具、小道具…皆が居て成り立つ舞台の空気がひしひしと伝わってきた💦
ビストロ・オノーレの教養ある店主、素敵!そしてラブレターの時代、いいな💕
たくさん笑ったけど、泣けちゃったよ、コロナだから。
映画も演劇も・・・
シラノ・ド・ベルジュラック自体、見た記憶が無いのだが、過去、何回も上演されてる舞台劇の裏側を面白おかしく描いた今作品。中々、興味深い内容だった。どこまでがフィクションかは定かではないが。
にしても映画も、演劇も、つまるところは脚本が命なんですね。この映画では、そのことを再認識しました。
素晴らしい!が、何このタイトルw
内容は文句なしだと思った
芸術の制作過程をシラノ〜の物語の出来上がるまでになぞらえて教えてくれる
個人的に映画、音楽が大好きで創作もしてたせいかツボにハマった感じ
劇作家の制作過程(かなりの無茶振りもされる)を見ていくことによって
キャラクター達に感情移入していきラストの初公演のシーンで
全てが解放されていく感じがした
芸術って難しい
制作しやすいからといってイイものが出来る訳でも
無茶振りされたからってイイものが出来る訳でもない気がする
精神と密接に結びついてるから難しいよね
でも紆余曲折して辿り着き名作が完成したのはお見事
なんか久しぶりに感動したなぁ
キャスト、衣装、時代背景のある街並みのシーン、音楽、みんな良かった気がする
これをきっかけに演劇も観に行こうかなって気分にさせられた
とりあえずシラノ〜の物語の映画でも探してみようかな
舞台を知らなくても楽しめるノンストップドタバタコメディ
実際の舞台「シラノ・ド・ベルジュラック」のことは知らず、その舞台が出来上がるまでの話らしいということを知っても特に前情報を入れずに観たけど、問題無く楽しめました。
時代背景や美術に衣装、ちょっとファンタジックな劇伴等、個人的に大好きな要素が重なったってのもあるけど、かなり面白かった!
話としては、19世紀パリの売れない劇作家エドモン・ロスタンに大物俳優の主演舞台を手がけるチャンスが舞い込むが、上演まで3週間、決まってるのはタイトルだけ!という状況を、アホなイケメン友達の恋仲を取り持つという体で勝手に相手の女性と文通を始め、そのやり取りにより執筆が進み、様々な困難が訪れるもの個性豊かな登場人物たちと一致団結して舞台を成功させる話し。
三谷幸喜ばりのドタバタコメディって感じで、テンポ感が抜群に良く最後まで飽きることなく鑑賞出来た。
舞台俳優陣の個性もさることながら、とにかくオノレ亭の黒人亭主オノレがめちゃくちゃ良かった。
謎のスケット外国人みたいな立ち位置で、実際何者なのかはよくわからなかったけど、舞台から締め出され落ち込んでるみんなを鼓舞するシーンはかなり痺れたね。
(他の方が書いてらっしゃいましたが、オノレ役の俳優さんは既に亡くなられているとのこと。悲しい。彼の活躍をもっと観たかった)
あとコメディ的な面白さ以外で個人的にめちゃくちゃ良かった点が2つあって、一つはバルコニーのシーン。
実際の舞台でも人気のシーンらしいけど、これがなんとも素敵で胸を打つセリフの数々で、わたくしもう30過ぎのおじさんですがときめいてしまいました。
「ロマンティック」とは正にこういうことか。
しっかりオチがついてるのも良かったね。
そして最後の5幕のシーンに完全にやられた。
ここまでのドタバタな勢いから一転、舞台上で行われていた演劇は舞台を超え実際の教会へと移り変わる。
その切り替わり方が絶妙で、息を飲むとはこういうことかと思った。
そして優美で穏やかな教会の中庭で最期を迎えるシラノ…
「役に乗り移る」という表現をここまで的確に表した映像は初めて観た気がする。
最後は拍手喝采で幕を閉じそのままエンドロールへ。
最初から最後まで気持ちの良い映画でした。
なんていうか、「シラノ・ド・ベルジュラック」という舞台作品を、成り立ちを含めて描いてる感じで、舞台として観せていないのに舞台の内容がしっかり分かる、その構成が凄く良かったな。上手かった。
そんな感じでした。
実際の舞台も観てみたいな。
なかなかの傑作!
101本目
ポルト・サン=マルタン座の観客のひとりになった気分になる
観ている間ずっと楽しく、思い出しても愉快な傑作である。登場人物が一癖も二癖もある人間ばかりで、それぞれをアップで撮ったり引きで撮ったり、または人物の周りをカメラがぐるぐる回るようなカメラワークが秀逸で、登場人物の典型が更に引き立つ。
音楽もよかった。ラヴェル作曲の「ボレロ」は、毎年正月にオーチャードホールのニューイヤーコンサートで聞いているが、延々と続く小太鼓の軽快なリズムに乗って同じメロディが楽器を変えて繰り返され、最後はすべての楽器の大合奏になるという、大変に盛り上がる曲である。本作品ではいよいよ大団円を迎えるというシーンでこの曲が流れる。観ている方も弥が上にも気持ちが高揚してくる。とても上手な演出だ。
詩人で劇作家というと、亡くなった寺山修司を思い出す。「さよならだけが人生ならば また来る春は何だろう」ではじまる「幸福が遠すぎたら」という詩や、劇団天井桟敷の主宰で有名だった。大江健三郎と同じ1935年生まれで、47歳の若さで亡くなっている。「幸福が遠すぎたら」は、井伏鱒二が翻訳した漢詩の一節「花に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だ」に触発されて書いたもので、その結びは「さよならだけが人生ならば 人生なんかいりません」である。
本作品の主人公である詩人で劇作家のエドモン・ロスタンは寺山ほど尖っておらず、むやみに他人に体当たりしていくこともない。寧ろ気を遣うことで疲れてしまう面さえある。しかし人間関係など物ともせず、才気煥発で、見るもの聞くもの触るもの、五感のすべてから溢れるように言葉を紡ぎ出すことができる。稀有な才能だ。
詩や小説を書いたことがある人ならご存知だと思うが、白紙を前にして暫くは産みの苦しみが続くが、あるとき突然、想像力が入道雲のようにすごい勢いで湧き出して、筆が止まらなくなることがある。憑かれたように書くという言い方が一番近いと思う。筆が勝手に走り出すのだ。今ではタイピングの指が自動ピアノのように動くとでも言うのだろうか。恍惚として、とても幸福な時間である。
ロスタンが脚本を書く場面では常にそんな幸福感が彼を取り巻いている。描くのは悲劇でも喜劇でもいい、とにかく人間を描くのだ。自分自身の内面を見つめ、欠点を暴き悩みを抉り出す。慢心や油断、虚栄といった感情もすべて掴みだして、それぞれを登場人物に当てていく。人間は多面的だ。登場人物がどれだけいてもいい。ひとりひとりに委ねるべきものは必ずある。あとは大団円に向けて物語を綴るだけだ。
熱に浮かされるようにして書かれた芝居だが、ロスタンを取り巻く人々の熱も相俟って、壮大な恋愛物語が出来上がる。最後の通し稽古。そして本番。「ボレロ」のようにリズムを取りながら役者たちが「シラノ・ド・ベルジュラック」を演じる。合奏することでそれぞれの楽器が互いを補完して迫力のある音が生み出されるように、役者たちの演技が昇華してひときわ輝く舞台となる。
観る人すべてをまるで映画の中の劇場ポルト・サン=マルタン座の観客のひとりになったかのような気分にする素晴らしい作品であった。
【やっぱり悲劇、でも、映画は面白おかしく】
1890年代のフランスでは、冒頭で紹介のあったドレフェス事件が起こったり、普仏戦争からしばらく経って、世界的に不穏な空気が再び漂い始めた時期だと思う。
そして、リュミエール兄弟が、映画の原型となる活動写真を発明した。
作品の中でも、もう演劇は古いものになって、これからは活動写真の時代だみたいなセリフがあるが、きっと舞台芸術も世情や新たな発明で岐路に立たされていたのだと思う。
エドモンに、それまでとは趣向を変えた喜劇作が依頼されたのも、そんな時代背景があったのかもしれない。
だが、シェイクスピアもそうだが、ギリシャ悲劇も、いつの時代も世界はずっと悲劇を求めてきた。
娼館で結核を患っていたチェーホフも悲劇の戯曲作家だ。かもめや桜の園などは有名だと思う。
そして、エドモンのシラノドベルジュラックはフランスの人々のカタルシスを刺激した。
クリスチャンへの友情、ロクサーヌへの愛情、叶わぬ恋心、詩人、騎士の強さ、シラノの死、こうしたものか全て合わさった物語は、人々の情緒を最大限に揺さぶるのだ。
映画は、この戯曲が出来上がるまでの数週間をテンポよく、ユーモアたっぷりに、多少は観る側の情緒も突っついたり、ドタバタも交えて、痛快に撮っている。
すこしハラハラさせられる場面や、フランス風のエロチックなところもあって、本当に楽しい。
そして、この有名な悲劇の戯曲作品が、手紙のやり取りを含めて、こんな風に出来上がったのか……と、改めてなんとも言えない、ちょっとハッピーな気持ちにもさせてくれる。
いつの時代も、悲劇は人々に支持されてきた。
人々にはカタルシスが必要なのだ。
ギリシャ悲劇の戯曲がどうやって生まれたか、シェイクスピア作品の誕生秘話など実は誰も知らない。
でも、実は、こんなユーモアや、ドタバタがあったのかもしれない。
そして、こうした戯曲や舞台芸術と切磋琢磨するように映画も発展してきたのだろう。
フランス映画らしさのあふれる秀作だと思う。
こまごま分からないけど
スティーブマーチンのいとしのロクサーヌを見たことがあるだけで、本当の話も作者についても知りませんでしたが、雰囲気のいい映画でした。カフェ主人の黒人は実在なのか何かの寓意なのか、そもそも最初にシラノのこと教えてくれるけどそれがどういう意味なのか、ここが分かればもっと面白かったのかも。
前例はある
エンドロールにジェラール・ドパルデューの映像が出てきたのでビックリ。やっぱりカンヌでの男優賞がきいたのか、それとも自前の鼻でも役を演ずることができると評価されたのか、それは不明だ。
フランスにおける有名な戯曲の裏話。どこまで本当なのかわからないけど、同じくエンドロールに本物のエドモンをはじめ、コクランやマリア、サラなども登場していることから、ジャンヌ以外は実在した人物なのだろう。
崖っぷちの劇作家エドモン・ロスタンは大物俳優の誘いによって脚本をまかされるが、タイトルだけは決まったものの一向にアイデアが浮かばない。そんな折、親友の俳優レオの恋するジャンヌに詩的な言葉を与え、しかもラブレター代筆によって愛をつかもうとさせる。それによって脚本のアイデアが浮かぶのだが、年末の公演が刻々と迫り、切羽詰まった状態で猛スピードで台本を仕上げていく・・・といったストーリー。
このジャンヌというマドンナを登場させることで、映画が戯曲以上に締まった仕上がりになっていました。本来なら出資者二人が元娼婦のマリアを使ってほしいと要請したことから、ずいぶん老けたヒロインだなぁ~と感じていたけど、やっぱりそこは映画向けにもうちょっと若いヒロインを登場させたわけだ。
締め切りが明日まで!とか、前半は目まぐるしく展開するのですが、中心人物を回り込んで撮る演出によって眩暈がするほど凝っていました。音楽の使い方も前半と後半は全く違う。リハーサル時のボレロもいい感じ。
第1幕、第2幕と書き上げながら、舞台稽古も進んでいき、これがハッピーエンドになるのか?とコクランに指摘されつつ、4幕、5幕があるとやり返すエドモン。こうやって劇が変化してのだという過程がとても面白い。伏線としても酒場の黒人店主や“奈落”の使い方なども最高だったし、娼館で出会う結核のチェーホフを登場させるのも上手い。
黒人店主役のジャン・ミシェル・マルシャルさん。2019年に亡くなっていたのですね。もっと色んな演技を見たかったです。
文章から想像を掻き立てさせられるなんて…
スマホや映像にどっぷりつかった現代では高尚な域の世界。劇作家ならではの感性だなー、なんて感心。
面白い伝記作品なんだろうけど字幕追いかけながらだと面白さ半減。言葉のやり取りがもっと楽しめたらもっと深く楽しめただろうな。
良質なコメディ
個人的な好みに、ど真ん中ストライク。
次々と悲惨で、あり得ないトラブルが起きては、それが困難突破のヒントになって & 笑いになっての繰り返しがノンストップ!
調べたら、どうやら元々この劇自体がコメディ舞台として作られたもので、その映画化らしい。
だからちっとも「本当にあった話」ではなくて、これ自体が作り話のようです。
邦画でいえば、三谷幸喜の『ラヂオの時間』や『清須会議』に、(別の監督作品ですが)『前田建設ファンタジー営業部』を足したようなノリですな。
映画ならではの、衣装やCGで再現された19世紀のパリの街など見どころも多数。
観にきてよかった一本であります。
切羽詰まると名作が出来る
劇作家が100年以上続く名作コメディを作る過程の話。
公演開始の直前になっても脚本が書けず、友のラブレターを代筆する中で劇の案が浮かび一気に書き上げたらしい。
切羽詰まった時に出来た名作のようだ。
シラノを知らないが、テンポよく話が進むから退屈せず観れた。
飲み屋の黒人の親父が良い味出してた。
大人向けなシュールな、若干退屈な??映画!!!(笑)(笑)
大人向けなシュールな、若干退屈な??映画!!!(笑)(笑)
フランスのオペラ座??なのかどうなのか??(笑)
多分、あまり打ち合わせのない漫才ののりな、演劇なのでしょうと推測しているのですが、
どうなのでしょうか???(笑)(笑)
大人数コントみたいな。(笑)(笑)
バカ殿様を高貴にしようとして、逆にわかる人は高貴でなさに苦笑したり笑うものなのかどうなのか。???(笑)(笑)
劇作家の名声はつくるものではなく創られるものなのか??(笑)どうなのか。
そんな、俳優さんのすごさや女優さんのすごさをすこしばかり感じてしまったり。
まああくまで昔??の。(笑)(笑)
そんな感じで、あるいみ、観ているときは若干退屈ですが、その分観終わったときに達成感を
感じてしまえる映画でして。(笑)(笑)
まあ、ブラックフライデーで買いすぎてしまった人にはいいのかもしれません。(笑)(笑)
でも個人的にはいいとおもってしまいました。(笑)(笑)
みんな劇作家!!!???
いやーみんな劇作家なのか。??!!(笑)(笑)
みんな役者さんがアドリブで劇を作り出す。
確かに、ある程度の筋やキャストはあるけれど。
キャストが、セリフはアドリブ??でどんどん紡いでいく。??(笑)
そんな中で、独身男性と独身女性とのキューピットなのかどうなのか!!!???
二人の父親と、嫁を養う??お金のない??作家さんのそんな数週間をおってみた的な(笑)(笑)
おそらく、俳優さんの適当さに笑いが起こるのかどうなのか??
そんなヒヤヒヤ感と、またある種の盛り上げ役的観客と。(笑)
古き良き、ヨーロッパにおける、数少ない娯楽としての舞台のあらましを。
地味に、シュールに、描いた感じで、途中やや眠い。(笑)(笑)
フランス語が英語に聞こえてきてしまったり、個人的には。(笑)(笑)
なんか、良かったと思います。(笑)(笑)
だ い す き
19世期末から20世期に掛かる時代を題材にしたフランスコメディ。もう、これだけで個人的にはウハウハ。「英雄は嘘がお好き」系統ですか。伝統芸だすね。
テンポ早いです。ガンガン飛ばします。キャラ立てもひと台詞で終わらす一瞬芸。お見事としか言いようが無いです。軽い詩劇の言葉廻しが楽しいw
シラノの5幕が実写になる反則技が、これまた好き。此処だけは、すけべ根性出して泣かしに来てますもん。
名作でも、傑作でも、大作でも、感動作でも無い。そもそも、そんな大それたものは狙ってない力の抜け具合が、最高に大好き。
ジーン・ミシェル・マルシャル扮する店主の演説場面みたいに、燃える場面あり。マリアが消えたシーンみたいな吹いちゃう場面あり。年末恒例作品としての、お茶の間娯楽性を追求しました!な映画ですが、フランス人が作ると、何でこんなに楽しくなるん?
良かった。楽しかった。だいすきだす。
とっても!
【1895年パリが舞台。処女作を酷評され、追い詰められた劇作家が”奇跡”のように作り上げた”傑作”舞台劇の制作過程を描いた喜劇。事前に「シラノ・ド・ベルジュラック」を調べておくと面白さは倍加します。】
ー”ベル・エポック”と言えば、”ムーラン・ルージュ” フレンチカンカンも出てきます。サラ・ベルナールも勿論登場します。(彼女は、エドモンを後押ししていたと、劇中で描かれます・・)-
・初舞台劇を酷評された、エドモン・ロスタン。その後、2年間新作が書けず、且つては夫の才能を信じていた妻もどこか冷たい・・。
・そんな逆境の中、エドモンは周囲の人々との ”手紙” ”詩” ”関係性”を巧みに使って、千載一遇のチャンスを手に入れようとするが・・。
<100年以上も上映され続けている舞台劇「シラノ・ド・ベルジュラック」の制作過程を喜劇要素とベル・エポック気風が横溢する当時の雰囲気、意匠を絡めて描き出した作品。
事前にベル・エポックや「シラノ・ド・ベルジュラック」について、ある程度知識を脳内に入れ込んでおくと、面白さは倍加します・・。>
■蛇足 ベル・エポックを舞台にした映画といえば・・
・「ミッドナイト・イン・パリ」 ウディ・アレン監督
・「ディリリとパリの時間旅行」 アニメーション映画
ベル・エポック期に活躍した文化人が多数登場。全て分かった人は凄いと思います。
・ズバリ、「ベル・エポック」と言う映画もありますが、私は未見です・・。
ノンストップ!
最初からラストまで、ノンストップで駆け抜けていく刺激的な作品だった。
ミシャリク監督が、映画「恋におちたシェイクスピア」にインスピレーションを得て作った、2016年の舞台作品を自ら映画化したようで、どうりで展開が“こなれて”いる。
しかしそれだけではなく、舞台背景が急にモアサックの修道院の実景になったり、CGで“ベルエポック”のパリ風景を再現したり、スピード感のあるカメラワークなど、映画にしかできないことを、ふんだんに利用している。
映画の前半では、ロスタンが現実生活から、「シラノ・ド・ベルジュラック」のストーリーに係わるインスピレーションを、次々に得ていく。
この映画が素晴らしいのは、その現実生活のシーンと、映画の後半の舞台(劇中劇)のシーンとを合わせて、全体として「シラノ・ド・ベルジュラック」という戯曲を再現、そしてロスタン自身を主人公にしたニューバージョンを完成していることである。
その他、サラ・ベルナールがロスタンの“保護者”として現れたり(これは史実らしい)、なぜかチェーホフが登場してロスタンに「死」について示唆したり、「フレンチ・カンカン」が出たり、ラヴェルの「ボレロ」が鳴ったりと、もう盛り沢山の、やりたい放題であって、退屈するヒマがない作品であった。
シラノを知らない人は…
「シラノ・ド・ベルジュラック」が誕生されるまでを描いた伝記映画作品。
恥ずかしながら「シラノ・ド・ベルジュラック」の舞台を未鑑賞そしてこの作品も知らずに今回この映画作品を鑑賞したが、シラノを知らない自分には分からない場面やあまり魅力に感じる場面が少なく退屈な時間となってしまった。
元々作品自体が合わないのかシラノを見ればまた印象が変わるのかはちょっとわからないが、少なくともシラノを全く知らない人が楽しめるとは感じることはなかった。
シラノを全く知らない人にはあまり勧める事はできないかなというのが率直な感想である。
あまり予告を見ずに邦題のシラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!ってところで少しファンタジー要素を勝手に期待してしまったが、単にシラノの生みの親の劇作家のエドモン・ロスタンの伝記作品であった。
あまり邦題を気にしないタイプだが今回は少し違和感を覚えた。
全37件中、21~37件目を表示