劇場公開日 2020年6月5日

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ルース・エドガーのレビュー・感想・評価

全77件中、1~20件目を表示

4.0不穏で、いい意味で人を不安にさせる

2020年7月31日
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学校で一番の優等生は、実は恐るべき存在ではないか? そんな疑念が雪だるま式に膨れ上がるミステリーだが、ミステリーを解き明かすことが重要な作品ではない。むしろ疑念は大きなるばかりで、すべては見た目とは違うという普遍的な真実と、それによって右往左往する大人たちの姿があぶり出されていく。タイトルロールの優等生ルース・エドガーについても、一体どんな人物なのかを明確に提示してくれたりはしない。少なくとも、劇中の親たちが思うような子供でもないし、先生が抱いた疑いも的中していたとはいい難い。ただ、押し付けられたイメージに抗う子供の底知れない複雑さに、観客として狼狽えるしかないのである。もちろんこの映画の背景には人種や差別の問題が横たわっているが、われわれが、普段いかに物を本質を見ることなく、都合のいいものを拾い集めて生きているかを突きつけられて、いい意味で不安になる映画だと思う。不安になれてよかった。

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村山章

4.0自分に見えていない部分に光を注ぎたくなる一作

2020年6月30日
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牛津厚信

3.5やらない善よりやる偽善

2024年3月8日
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難しい

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jnk

4.0バランスとアンバランスの均衡

2023年11月4日
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アメリカという国は、一部の優秀な人間がその他の愚民を率いる教育方針だ。有能な者はどんどん引き上げ、ついてこれない者は次々切り捨てられる。 アメリカという国は、個人レベルから、自分の利益のためならばそれ以外がどうなってもいいと考える。自分が、自分たちが全てを得ようとする。 アメリカという国は、人種のるつぼだ。差別も根強い。差別への反発として抵抗意識も強い。 アメリカが抱える問題点や、アメリカ人らしい思考を巧妙に組み込んで、笑えるくらいにおぞましく恐ろしい脚本は関心するしかない。 ある意味で、アメリカという国を表現したらこうなりましたのような作品だ。 メチャクチャ面白いというわけではないので絶賛はできないけれど、当事者のアメリカ人ではないからこそ関心を持って観られる作品だったのではないかと思う。 アメリカ人にとっては普通の日常で、何が面白いのかわからないだろうから。 つまり、この作品に潜む不気味さがアメリカ人にとっては不気味に感じないということだ。 チラッと映る、アフリカ系だけのチアの面々が「私たちは出来る」と掛け声をかけながら練習に励むシーンなどは、更に凝縮された「濃縮アメリカ」のようで、面白くもあり気味悪くもある。 物語のバランスに対して、アフリカ系だけのチアというのは実にアンバランスだ。このバランスとアンバランスで均衡が取れているところが気味悪さの理由だろう。 なんともチグハグなのである。

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つとみ

4.0日本映画と欧米映画の根本的なちがい・・

2022年6月27日
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photograph →光を記録する。 撮影 → 影を撮る。 (『陰翳礼讃』に関しては別場所で話してます。) カメラで何を撮るか、 何を残すか、 何を伝えるか。 そもそも多勢の観客の心に打ち込む考え方が出発点から違っていたはずだった事が、、、、 つづきは某所で・・・

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蛇足軒瞬平太

3.5それでも子どもをしばるもの

2022年5月7日
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元の名前をどうしても母親が発音できず 名付けた新しい名前はルース。 光という意味だ。 ここに象徴される親子の関係性。 名前を変えさせられ、デニスという魚を投げつけた子どもから、セラピーを経て品行方正の学校が誇るルースへ。 頭が良いからこそ求められる子どもになろうと もがき続けてきた少年。 母は小児科医、父も地位の高い士業という 意識の高い育ての両親だ。 そこに生まれた歪み。そのあらわれを指摘した 女教師ハリエットに復讐しようとするのは、息ができないほどがんじがらめになっている状況への怨みでもあるはず。自分に期待する母と、ハリエットという女教師、 どちらも型を押し付けることに変わり無いからだ。 ボヤ騒ぎの後、家で、クリスマスプレゼントの隠し場所のを知っていつも驚いたふりをしてきた遠く告白するシーン。 ハグしながら、あなたには未来がある、何にだってなれる、絶対に。という母親の言葉はまたルースを縛るものに聞こえる。 自分をかたにはめ、しばるものは誰なのか。 自分か周りか。それは何なのか。 自己満足なのか愛なのか。 「自分ありのままでいればいい」と言う母の言葉が 空虚でもあり重くもある。 親と養子縁組が多いアメリカでなくても、 親として身につまされるものだと思った。

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bikke

2.0ピンとこない

2022年5月1日
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オクタビア・スペンサーがいつもの明るく楽しい黒人おばちゃんじゃないのは新鮮だったけど、ウィルソン先生のルースへの疑惑の真意が読み取れなかった。精神疾患の姉妹を持つ自分と未来明るい秀才のルースを比べて嫉妬した?ルースの両親たちも不自然。花火の件最初は隠しておいて、一番ダメなタイミングでヒステリックに叫びながら詰問、しかも相手の言葉を遮ったりして。毒親そのものだけど、そういう意図はなさそうだから映画の雑音にしかならない。あとステファニーが結局なんの役割をしてたのかホントに分からなかった。私の頭が悪いんだろうか?とも思わないでもないけど、全編に流れる思わせぶりな空気感が腹立ったので、この映画の作りが悪いということで矛を収めます。

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三毛猫泣太郎

4.0解釈が難しかったけれど

2022年3月25日
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結論のハッキリしてない物語はだいたい自力では理解できないけれど、今回はうっすら理解したような気がしました。アメリカという国で生きるには箱に入らないといけない。ルースは女性教師はもちろん養父母からも優等生のとされる重荷に抵抗して、女性教師への行動となるわけですが。最後に女性教師から言われる、この国で生きるためには箱に入るしかない、光はわずかしか届かないなどの言葉を聞きます。そして、ルースは自分が改めて恵まれていること、今与えられている恵まれた箱に収まるのが得策だと思ったのでしょう。レールを逸れていわゆる黒人の道に都落ちしますか??それはしたくない!だったら養父母の信頼を取り戻し、もとの道に。ちょっとしんどいけど、それっきゃないんだなって感じのラストに思えました。

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かーりー

2.5ナオミ・ワッツに釣られて鑑賞。 結局、なんでハリエット先生にあそこ...

2022年3月6日
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ナオミ・ワッツに釣られて鑑賞。 結局、なんでハリエット先生にあそこまで意地悪するのか??よくわかりません。 サイコパスの物語?

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J417

2.0小さな事が大きな事になる不安

2022年3月1日
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鑑賞方法:DVD/BD

これだけわかってればいい。 「アフリカの黒人が養子としてアメリカ人の夫婦と住み、学校でも家でも模範となるような生活を送っているのだが、ロッカーに怪しい花火を保管していたことから周りが疑問を持ち始める。」 以上 あとは駆け引き・心理戦とでも言えばいいのかな。親・教師等と少しずつズレを感じ、今までと同じコミュニケーションができなくなる流れ。 自分だったら溜め込んでないで普通に聞いちゃうけどなぁ。「違法な花火持ってるって聞いたんだけど、お前のものなのか?」てね。本当だとしてもドラッグや銃ほど重みを感じないので軽く聞けると思うんだけどな。。。  優秀だから将来いい人生を送れる可能性が高い、台無しにしてはいけない…と周りが慎重すぎるよ。社会に出たら色々と揉まれるから成績優秀=成功するわけではないので。  話題が小さい。  しかし、人生を充実させたい人・既に充実してる人にとっては、些細なことでも周りに与える影響で、もし大きな出来事に発展したら...と不安が生まれるだろう。私の場合、特に仕事してる時なんか些細なことでも気になったりするから「どれだけ影響を及ぼす展開になるのかな」そう思って観てました。  映画ではマイナスに進む流れですが、プラスになることも世の中は多いと信じたい。出会う人との相性、置かれている立場...個人的には主人公より、全裸になり仕事に影響を及ぼす黒人親子の方がわかりやすかった。もちろん他にも話題はありますが、全体的に静かに進む展開なので退屈だったというのが本音。シリアスな話だしナレーションあった方がわかりやすかったかな。  最後は何だかストレス発散に走ってるだけに思え、問題解決には見えなかったけど「それが人生」てことなんですかね。  成功してる人は闇を抱えてるもの。そういうことなのかな…

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はむちん

3.5サイコサスペンス系?

2022年2月26日
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鑑賞方法:VOD

アメリカ特有の人種問題と養子制度を扱う社会派作品かと思えば、サイコサスペンス色も強く肩透かしを喰らった感じ。個人的にはどちらかにシッカリと振った方が好みだったかも。要は中途半端に感じた。 しかし、オクタヴィア・スペンサーこうい役柄が上手いなぁ…流石だ。両親役にナオミ・ワッツ、ティム・ロスと豪華。

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Iwarenkon

4.0引き込まれた

2022年2月23日
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ジャーニー

3.0効果音…

2022年2月11日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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KEI

4.0とても重く、深い、観る価値ある作品!

2021年10月20日
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 アフリカからアメリカ人白人夫婦の養子になったルース。学校では勉強もスポーツもでき、人気もの。先生の信頼も厚く、誰の目から見ても優等生で親にとっても自慢の息子。  ただ、教師のウィルソンはある課題の内容からルースの内に秘めた危険性を感じ取る。 ウィルソンが課題の文章からそう思うことも少し疑問だし、ロッカーの中を勝手に見たり、他の生徒を皆の前で見下すような発言をしたりと教師としてどうなんだろう。  ルースも褒められるのは嬉しいだろうが、悪いことをした友達を引き合いにだされたり、みんなの前でそれを言われても確かに嫌だろう。贔屓されることなく、下げずまれるのも辛いが、贔屓されるのはされる側の辛い思いもあるだろう。期待に応えなければならないというプレッシャーもあるだろうし。  色々と事件は起きるが、それの真相ははっきりと明かされない。でもおそらくルースが関わっているのだろうと思う。「俺はいい子なんかじゃない」と訴えたかったんだろうな。  人の心の中や考えてることまではなかなかわからないもの。周りの評価、自分の感覚だけで人を決めつけてはいけない、と思い知らされた。

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アンディぴっと

3.5心が落ち着かない

2021年8月6日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公は17歳の高校生で、とても優秀なので皆んなから期待されている。 作文で過激思想を疑った教師(オクタヴィア・スペンサー)は両親(ナオミ・ワッツ、ティム・ロス)に相談する。 見ていると次第に心がざわつき、後味も悪い作品だが、目が離せない。

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いやよセブン

4.5疑わせる映画

2021年6月22日
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鑑賞方法:DVD/BD
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maru

3.5疑惑の青年なのか?

2021年4月19日
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僕にはルースが徹頭徹尾、序盤から終盤まで有能な学生にしか思えない。ある事件によって被害者と加害者に別れた双方の友人を(本来なら双方を救うのが不可能な状況で)救おうと、奮闘する青年にしか思えない。確かに、彼はいくつもの策略を用いたが、あくまでそれは友人を救うためであり、事件自体を表面化させ双方の友人を必要以上の窮地に陥れたのは、かの教師である。ルースが友人を救うために彼女に代償を払わせたのはむしろ当然であり、そこに邪悪さはない。 あえてルースの失点を挙げるなら、若気の至りゆえか、無能で視野の狭い教師をオチョクリすぎ、差別のそもそもの元凶、型に嵌めようと単純に物事を固定する社会の愚かさを、すべてその愚かな教師に(本来なら彼女は彼女で正当性があると底では気づきながらも)委託させすぎたのかと感じた。

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高之

3.0釈然としないのが現実

2021年4月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

完全、明解、単純、なことばかりならどれだけ楽だろう。そうかもしれないしそうでないかもしれない。自身でもよくわからないのではないか、と思われるそんな人物たちを観ているのは…。疲れました。

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なお

3.5息苦しく生きづらい

2021年3月4日
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鑑賞方法:DVD/BD
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奥嶋ひろまさ

3.0自由と可能性という名の不自由と閉塞感。

2021年1月31日
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楽しんだ。 米国の自由と可能性という名の不自由と閉塞感。 皆が其々の仕方で絶望し早晩破綻するだろう様を不気味に活写。 それでも米国は素晴らしいと御託を並べる好青年とそれに聞き入る大衆。 こういう一本も撮れる米国映画の強さ。 劇場で見ねばだった。

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きねまっきい