劇場公開日 2020年11月27日

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「青春の妖精」佐々木、イン、マイマイン LADAさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5青春の妖精

2022年9月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

色々あって見逃していた作品を三連休の最後に観る。

暗く、何を言っているのか分かりづらく、転換も悪い。自己陶酔感がすごい。邦画を嫌う人間が喜ぶほどに、日本映画の嫌われがちな要素を掻き集めたような作品。

だけどこの作品が嫌いかと言われたら嫌いじゃない。でも好きかと問われても困ってしまう。そんなある意味で唯一無二な映像を観た気がする。

佐々木の魅力はわからない人も多いだろう。

あんな奴が学生時代に居たら甚だ迷惑だ。一番苦手なタイプだ。ああやって人の心情にズケズケと土足で立ち入り、心を掻き乱して去っていく。こう言うタイプは友だちにするべきではない。

何故なら自分を肯定できなくなるからだ。どこかで「こう言う風に生きてみたい」と思ってしまう。「あいつみたいに生きられたら」と憧れてしまう。本当に憎たらしい。皆、社会に屈して真面目に生きていこうと努力しているのに、佐々木と言ったらそんなことはお構いなしに生きる。踊る。

実在しそうで、そんなのまやかしで。でも本当に見たんだよ!なんて、きっと目を輝かせて話をするんだろう。佐々木は青春時代の妖精のようだ。ああ言う風に生きてみたいと思っても、彼は妖(あやかし)の類いだから真面目に考えるなんてやめた方がイイ。そうに決まっている。

LADA