「佐々木が映す陰と陽、彼らにイン、マイマインされるときの衝動は今年ベスト級」佐々木、イン、マイマイン かわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
佐々木が映す陰と陽、彼らにイン、マイマインされるときの衝動は今年ベスト級
文句なしの傑作!令和に産み落とされた、最高にロックな人生賛歌!咽び泣くほど眩しかった!
石井は、何もかもがとっ散らかった売れない俳優。元カノとだらだら同棲し、俳優の理想論に苛立ちを覚えていた。そんなある日、佐々木を思い出す。バカでどうしようもないほど眩しい、佐々木。そんな太陽が誰にでもあり、かけがえのない日々がいかに稀有だったのかを思い出す。地元を出てから会ったのは、わずか一回。それでも心にはいつも佐々木がいた。しかし、画面に映るのは、可笑しくて仕方ないほどに暴れた学校と、暗いリビングで息をするだけという、佐々木の対比。故に、見えて来なかった佐々木の「陰」を石井は知らない。空白となっていた佐々木の10年と、変わっていったそれぞれの境遇の3人に、佐々木が降り注ぐ。流れる音楽にスクリーンいっぱいで暴れまわる佐々木は、間違いなくロックで、掻き鳴らす。そう、誰もなれなかったあの頃の青春を。
ラスト10分、私はスクリーンにがっつき、咽び泣いていた。そんな僕に、佐々木が煽ってくる、全裸で。私も拳を挙げて叫ぼうじゃないか。自分自身のためだけの、人生賛歌のために。佐々木!佐々木!!佐々木!!!
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