「【最後から○番目の恋】」43年後のアイ・ラヴ・ユー ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【最後から○番目の恋】
シェイクスピアの冬物語は、紆余曲折はあるけれども、悲劇で終わらない。
運命の再会を果たし大円団で終わるのだ。
悲劇が有名すぎるシェイクスピア劇としては珍しい話のように思う。
たとえ、いけない恋だったとしても、好きになってしまうことは…、恋に落ちてしまうことはあると思う。
たとえ、別れたとしても、本当に好きだった人に再会したいという気持ちを僕は否定できない。
こんなエンタメの世界の恋ほどドラマチックじゃなくても、みんな、そうじゃないのかなと僕は思うのだ。
年齢を重ねたからといって、恋愛から遠ざかる必要はないだろう。
恋愛の仕方や、気持ちの表し方が若い頃とは違っても良いじゃないか。
長年連れ添った夫や妻が亡くなったからといって、殻に閉じこもる必要もないだろう。
前に、最後から2番目の恋というドラマがあったが、これは、差し詰め、最後かもしれない恋というところだ。
最後でも、もしかしたら○番目でも、恋をした方が、認知症にだってなりにくいはずだ。
最近薬が必要なくなったと言ってシェーンが見せた女性との写真。
健康にだって良いはずなのだ。
クロードは、なんちゃってアルツハイマーを始める前に、用意周到に文献を漁り、過去を思い出す方法はないのか彼なりに入念に研究していたのだ。
自分のことを思い出して欲しいという動機はあったけれど、本当は、リリィに、在りし日の自分の華やかな舞台の姿を思い出して欲しかったのだ。
だから、その目的を果たして、クロードはケアハウスを離れ、家に戻ったのだ。
なんか、とても潔くカッコいいじゃないか(あんなジジいだねど)。
クロードは、もともと雨に打たれるのは嫌いだったのだと思う。
これからは、敢えて雨に打たれることもないだろう。