「見所は木村佳乃」ドクター・デスの遺産 BLACK FILE よしさんの映画レビュー(感想・評価)
見所は木村佳乃
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安楽死事件に挑む刑事の物語。
綾野剛、北川景子、木村佳乃が共演するサスペンス。テーマが「安楽死」ということで「社会派サスペンス」と想像していのですが、かなり様相の違う作品でした。
映画の見所は木村佳乃の名演技。特に取調室の演技は鬼気迫るものがあり、主人公二人を圧倒します。
また、主人公と安楽死を依頼した父親とのやり取りも良かったです。「家族を救うために安楽死を選択した息子」・・・父親の悔恨の嗚咽が心に響きます。
ただ、映画全体としては低評価。
設定やディティールに甘さが目立ち、気持ちが引いてしまいます。
例えば、簡単にネットで検索出来る安楽死HPとか・・・
例えば、連続殺人事件なのに、捜査本部も立ち上がらず少人数で捜査しているとか・・・
例えば、犯人が、主人公の娘を簡単に特定しているとか・・・
例えば、犯人が娘を拉致したことを告げる電話に、病院に駆けだす主人公とか・・・まず病院に電話しようよ。上司に報告して非常線張ろうよ。激高した主人公がそれを出来なくても、冷静な相棒がいる設定なのに・・・
フィクションでどれだけ現実を求めるかは色々な意見はあるとは思いますが、細かいところで「雑」を積み重ねて説得力を失くすのはとても勿体ないと思います。
あと、「安楽死」は賛否両論があるテーマだと思っています。もっと賛成側の意見をしっかりと描いて、主人公が葛藤するような描写があっても良かったように思えます。重たいテーマなのに軽く流された印象も、評価が低くなった理由の一つです。
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