キネマの神様のレビュー・感想・評価
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山田節
いかにもな雰囲気がしてなんとなく敬遠してましたが、観てみたら自分好みの作風でじわじわ深々と感動しました。台詞も台詞回しもカメラワークも何もかもが山田洋次監督でしたね!渥美清だったらもっとこうだろうなとか色々想像しつつもとても楽しめました。大好きな宮本信子さんもピッタリな役でしたし、モノクロでみる北川景子さんの美しさも際立ってました。出演者みんながとても役に合っていて素敵な雰囲気が感じられましたが、とりわけ若き円山郷直役の菅田将暉に心を鷲づかみにされました。実はずっと小松菜奈のファンだったので、全く個人的かつ不条理な感情から菅田将暉くんを敵視してたのですが(笑)、「花束みたいな恋をした」(21)とか大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の源義経を観るうちにすっかり魅了されてしまい、最近では小松菜ちゃんより彼の方が好きなくらいです(大笑)。今作は、松竹映画100周年記念作品らしく、往年の大船撮影所の雰囲気なども描かれていて、そこに刻まれてきた映画づくりの佇まいのようなものを感じて、わけもなく涙ぐんでしまうシーンがたくさんありました。エンドロールに志村けんさんの名前がありました。志村けんさんの幻の初主演映画だったことを思い出し、胸が締め付けられました。確かにこれは、志村さんの役だと思いました。
原作の“シネマ賛歌”よりも“シネマ界賛歌”への改変だったが…
散々、この映画の不評を聞き及んでいたが、
それでも、原田マハの原作を読んでいた縁で
鑑賞した。
しかし、「シネマの神様」の意味も違うし、
映画サイトの遣り取り中心話では
映像化は難しいと判断したか、また、
松竹100周年記念の位置付けなので、
“シネマ賛歌”の原作イメージを
“シネマ界賛歌”的に変えたかったためか、
主役や登場人物の設定も違うし、
基本的なストーリーも原作とは全く異なる
内容だった。
この映画化の演出は、「寅さんシリーズ」や
「たそがれ清兵衛」「息子」等々、
たくさんの名作を鑑賞させて頂いた
山田洋次監督だが、
2010年代以降の「母と暮らせば」等では
演出力の衰えを観じさせられていた。
ところが、流石に、過去と現在の
行き来については上手い処理で、
なかなか魅入られる出だしだったし、
ラストの「東京物語」のヒロインが
スクリーンから出て来ることは、
ウディ・アレンの「カイロの紫のバラ」を
思い出させる“シネマ界へのオマージュ”の
一つだろうが、
そのことがゴウの死を表すとの象徴性は
有りがちではあるが納得の出来だった。
しかしながら、例えば、志村けんへの追悼を
エンドロールの中だけで表すのであれば
納得出来るが、
劇中で沢田研二に東村山音頭を唄われては、
不必要に志村けんが思い出され、
あくまでも沢田研二前提での
この作品への没入感を断ち切られてしまう。
あと、全体的な構成として、
ゴウが映画界を去る理由が唐突過ぎるのと、
晩年で脚本で名を上げること、
つまり専門家として
一矢を報いたことは描かれたが、
テラシンへの賞金寄付や、
表彰式での妻娘への手紙の言葉ではなく、
テラシンがゴウに言い聞かせた最後の言葉が
ゴウ自身の口から出るのではなくては、
彼の人間性としての復活を充分に
感じ取れなく物足りない。
あの希望に満ちた若い頃のエンディングが
単なるノスタルジー的に浮いた印象で、
ただただ、ゴウの残念な人生観が
強調されたかのように感じてしまった。
監督の映画界への想いは解るが、
何か空回りしている感じで、
結果的に、鑑賞後の希望に酔い浸れた
往年の山田洋次作品感を得ることは
やはり、出来ないまま終わってしまった。
松竹映画100周年記念作品と謳っているが、志村けん追悼作品とすべき...
松竹映画100周年記念作品と謳っているが、志村けん追悼作品とすべきかな。企画当初のテーマとは随分と変わってしまったのではないかな。
「主人公ゴウを演じる志村けん」を演じるジュリー。当然そこには無理が生じる。
ラスト間近の授賞式がウルッとさせるところ。しかし、どうせ主人公がああなるのなら、この授賞式直前にすべきだったと思う。コロナを絡めたかったのかもしれないが、以降の場面に蛇足感。
本作にキネマの神様は満足できないと思う(笑)
原作と違って、次はどうなるんだろうというわくわく感がなかった。 残...
原作と違って、次はどうなるんだろうというわくわく感がなかった。
残念ながら沢田研二の声は、艶があって美しすぎる。容姿とはミスマッチだ。
北川恵子、リリーフランキー、野田洋次郎は昭和を彷彿させる。
嫌いにはなれない駄作
現代パートが全体的にキツい。
演技と撮影が緩い。
孫の才能はなんなん?とかなりご都合主義なストーリーで好みではない。
映画を題材にするハードルは越えられてない。
なんというか、普通な出来にまとまったという感じかと。
志村さんが主演の予定だったんですね。。。
とんでもなく惜しい話です…
あと監督のクレジットがデカ過ぎて笑いました。
涙が止まらない
映画の中で映画を扱った作品は少なくない。
でも、これは特別。
素直に感情移入できた。
自分も映画に憧れていた一人だ。勝手だけど自分に被った。
大好きな沢田研二が主役だ。でも、スクリーンには沢田研二じゃない…志村けんがいた。自分には志村けんにしか見えなかった…
初めて志村けんがいなくなったことを実感した。
色々感慨深い
志村けんの代役を沢田研二がやって話題になった作品。
ストーリーは色んなベタな展開を繋ぎ合わせた感じで、出演者の演技もちょっとわざとらしい。(邦画を観るのが久しぶりでそう感じたのかも。セリフに合わせていちいちジェスチャーが入るのが気になった)
でも、結構満足できた。楽しめた。
主人公のダメなおじいさんは志村けんが演じてるところが想像出来た。沢田研二が良くないという訳じゃないけど。
俳優は、リリー・フランキーが良かった。あと、北川景子は完全に昭和の銀幕スターに見える。
作品の中のキャラクターでは、おじいさんと孫のコンビが良かった。
沢田研二を映画で見る機会があまり無いので、また別の作品に出たら見てみたいと思った。
安定の仕上がりだが…
作品として見るに堪えない訳では無い。
逆にあーいいお話しだなぁと感じる事は出来る。
昭和の頃の言葉遣いと演出は心に沁みる。
しかし!
綾瀬はるかさん主演の「今夜、ロマンス劇場で」のモチーフそのままパクリなの?と言わんばかり。
ダメよ、こういう事しちゃ。
それと志村けんさんの突然の不幸で代打起用された沢田研二さんの下手さに愕然。
顔が似てるだけでの安易な代打はキャスティングミスも甚だしい。反省せよ。
これだけ名優たちをちょい出ししまくって、この作品とは大人の事情と忖度しか頭に浮かばなくなった。
新型コロナの部分はいるの?
沢田研二を「志村けん」だと思い込むようにしながら見始めたら、いつの間にか「志村けん」に見えてきた。
さらに再生スピードを1.3倍にしたらもっとそう見えてきた。
ストーリーは見たこと在るような、無いような?
ストーリーがベタすぎて、あまり新鮮さもなく、感情移入は出来なかった...
ストーリーがベタすぎて、あまり新鮮さもなく、感情移入は出来なかった。
志村けんが出演するはずだったと思うと、重ねて観てしまいちょっと切なかった。
北川景子が昭和の女優の雰囲気が出ていて、思いの外良かった。
題名に違和感
「2021年。監督・脚本:山田洋次。原作は原田マハの同名小説。
映画を愛する山田洋次スピリットいっぱい詰まった映画です。
劇中映画が小津安二郎監督の「東京物語」
主役の北川景子が昭和の銀幕スターそのままの美しさとオーラ。
ケタ違いの美しさにうっとり。
なかなかいいと思うのですが、今ひとつ沢田研二のキャラクターに
共感を持てませんでした。
助監督だったゴウ(菅田将暉)は、初監督作の撮影初日に大ケガをする。
才能の無さに気付いたゴウはそのまま、撮影所を去る。
そして撮影所のそばの食堂の看板娘・淑子(永野芽郁)は、
そんなゴウに付いてきてくれる。
そして50経て、妻の淑子(宮本信子)と娘の歩(寺島しのぶ)に、
博打と酒の借金を払わせ続けているダメ親父のゴウ(沢田研二)
妻と娘(宮本信子と寺島しのぶ)が、どうしようもなく所帯やつれしている。
苦労してきたんだ。
妻と娘を幸せに出来てないんだ。
やはり男として失格!!
そして沢田研二も寅さん調でそこそこ演じてますが、ゴウの影の部分。
夢破れた「絶望」「諦め」「自分への失望」「妬み」
そう言った「人間の弱さ、哀しさ」を少しも表現していない。
まぁ、これは脚本の責任でしょう。
沢田研二の見た目も「呑気な父さんの緩みと匂い」を強く感じてしまいます。
映画って観たお客さんが感動して泣くものですよね。
出演者たちが泣いてどうするんだ!
って、思ってしまいました。
(コロナ禍を盛り込んだのも、志村けんさんがゴウ役の予定が
コロナで亡くなり、そこをどうしても描きたかったのでしょうが、
映画の完成度を欠いた原因かも知れません)
ラストの辻褄合わせも、思いつきの域を出ず、深みはないですね。
普通に楽しめました
明るく楽しい娯楽映画。
松竹の記念映画とのことで、キャストもかなり豪華だった。沢田研二は、明らかに志村けんの代役としての自分を意識していて、たまに、志村けんを彷彿とさせるところもあって、でもそれゆえに、全体的に演技演技してしまったなぁと思う。ちょっともったいない。
本来、結構演技はできていたと思う。昔のカッコ良かった頃のジュリーの映画は良かった。
なので、今の沢田研二として演技してもよかったのではと思った。若い頃の沢田研二役に菅田将暉を起用したあたりは、とてもよかったです。
山田洋次監督が懸命に作った力作
紆余曲折を経て、昨年(2020年)夏に公開された山田洋次監督作品だが、公開時には申し訳ない…と思いながらスルーした映画。ようやく鑑賞。
実際に観てみると、「現代と過去(50年くらい前)とのパラレル・ドラマ形式」になっており、過去ドラマの方が素敵な感じで大船撮影所なども良く撮られていたと思う。
ただ、過去パートで「小津監督などのような映画ではなく、スクリーンから映画スターが飛び出して来て観客とやりとり…」というあたりは、ウディ・アレン監督作の二番煎じであり、個人的にはやや残念だった。
また、劇中のテレビで「新型コロナのニュース映像」(横浜のクルーズ船)も流されて、明らかに脚本を書き換えた箇所と分かり、その後の「テアトル銀幕」という映画館の中などでもマスクしている人だらけとなるあたりはコロナ禍を明確に描いている。
途中で、沢田研二が「♪東村山音頭」を歌うあたりは、当初予定どおりなのだろうが、沢田研二には気の毒な気がした。
テアトル銀幕で上映された映画『東京物語』では、小津安二郎監督が撮った場面(汽車が走る場面)と山田洋次監督が北川景子を使って撮った場面が混在している。
北川景子に原節子の代わりはハードル高過ぎだが、頑張っていたのは感じられた。
山田洋次監督は、自分が映画少年だった頃から映画館で感動を与えてくれた映画監督であり、ACTミニシアターでのトークショー、柴又に行った時に偶然の「とらやロケ」に遭遇(倍賞千恵子さん、伊藤蘭さんのロケ)、『家族はつらいよ』完成披露試写会での出口での監督ご自身での見送りいただく…など何度もお会いして尊敬している監督の一人。
これまで、山田洋次監督作品は74本観ているので、本作が75本目。
本作は、新型コロナ前に製作発表されたものの、新型コロナが始まった2020年の主役=志村けんさん死去、主役を沢田研二さんに変更、脚本修正、公開しようとした2021年には沢田さんと連絡取れないだったかの公開日がなかなか決まらなかったこと等々、新型コロナに振り回された映画のひとつ。
山田洋次監督が懸命に作った力作であることを強く感じる映画であった。
<映倫No.122417>
単なる松竹映画100周年記念作品だけに終わらずに、コロナ禍を記憶する映画ともなったことで、本作はきっと未来まで長く記憶される映画になると思います
本作は松竹映画100周年記念作の冠がついています
それでは、松竹映画の設立記念日はいつのこと?
調べてみるとこのようです
1920年(大正9年)2月11日に「松竹キネマ合名社」が映画の製作・配給を目的に設立されました
同時に広大な撮影所用地と人材募集の新聞広告を出しています
松竹キネマ蒲田撮影所ができたのは、この1920年の6月25日、第1作が公開されたは11月1日のことでした
しかし、そのどれも創立記念日ではないそうです
では、いつが松竹映画の創立記念日なのでしょうか?
少しややこしいのですが、それとは別の「帝國活動冩眞株式會社」という映画会社が、1920年11月8日 に東京本郷に設立されていて、この映画会社を「松竹キネマ合名社」が吸収合併します
それが翌1921年4月28日のこと
合併後の新社名を「松竹キネマ株式会社」としますが、商法上の存続会社は「帝國活動冩眞株式會社」になるそうです
ということで、松竹映画の正式な創立記念日は、この「帝國活動冩眞株式會社」の設立日ということになるようです
つまり松竹映画の創立記念日は、1920年11月8日が正解だそうです
良く似た題名の「キネマの天地」は、松竹大船撮影所設立50周年記念作品です
松竹大船撮影所は1936年1月15日の開所です
同作は1986年8月の公開でしたからちょうど50周年だったのです
蒲田撮影所から大船撮影所に移転した理由は、蒲田撮影所が手狭になってきたこと、トーキー時代になって近隣の騒音からも逃れる必要があったからだそうです
さて本作は同作と同じ山田洋次監督です
山田監督は1954年に松竹に入社されたそうです
野村芳太郎監督の助監督などをされて1961年に30歳で監督デビューされています
それが本作で描かれている松竹大船撮影所です
つまり松竹映画100周年の歴史は、「キネマの天地」と本作「キネマの神様」の両方をみないとならないわけです
本作の主人公ゴウは、山田監督の助監督時代の様々な思い出が投影されているのだと思われます
ゴウの年齢は78歳と劇中で紹介されます
ということは、回想シーンの助監督時代は50年前の28歳頃のことでしょう
ん?計算が合いません
2021年の50年前は1971年です
本作の回想シーンに登場する映画や服装や自動車などは1950年代後半のそれです
回想シーンは50年前ではなく、65年前ぐらいの松竹大船撮影所の話なのです
山田監督はあえて、計算が合わないことを承知でご自分がこの松竹大船撮影所でリアルタイムで働いていたころの様子を再現されているのです
個人的なノスタルジー?
それもあるでしょう
しかし、その時代こそが松竹映画の黄金期であったからそこそ、その時代の松竹大船撮影所に計算が合わなくとも時代を設定して描かれたのだと思います
登場人物や描かれるエピソードは野村監督や小津安二郎監督など、当時大船撮影所で活躍していた今では伝説の巨人たちの逸話がてんこ盛りです
だって山田監督はその現場の目撃者なのですから
生き証人なのです
劇中に何度も登場する小料理屋・船喜
松竹大船撮影所の近くに実在した松尾食堂がモデルだそうです
松尾食堂は松竹大船撮影所ができてしばらくしての開店だったそうです
助監督時代の若い山田監督は、この松尾食堂の小上がり陣取っている川島雄三監督らに、劇中のゴウのように御用聞きのように通っていたそうです
他にも渋谷実監督や大島渚監督など、日本映画黄金期の巨匠から松竹ヌーヴェルバーグの若い新進気鋭の監督までそうそうたる映画人が通っていたお店だそうです
劇中でゴウが自分ではそうそう行けない店だという台詞があるように、撮影所の人間でも通えるのは、監督、所長、役員ぐらいの高級店だったようです
淑子もモデルがいるそうです
こちらも松竹大船撮影所の近くにあった食堂「月ヶ瀬」の看板娘の益子さんと目されています
益子さんは二枚目スター佐田啓二に見初められて結婚したことで有名です
中井貴一の母になった方です
本作は松竹映画100周年記念作品なのですから2020年に公開してこそ意味があります
ですから公開予定も、当初2020年12月の予定だったそうです
それがご存知の通り、この年の正月明けからコロナパンデミックとなってしまいました
主演予定の志村けんさんがコロナに感染して2020年3月に急死されてしまい、さらに緊急事態宣言も発令されてとうとう撮影は中断となってしまったのです
映画館も休館要請により、上映できなくなっていました
ただでさえシネコンに押されて経営の苦しい名画座は多くが廃館の瀬戸際にありました
本作の撮影中断だけでなく、沢山の映画が公開延期に追い込まれました
世界中の映画館の休館
それは映画界全体の危機だったのです
本作には、劇中にコロナ禍のニュースが挿入され、マスク姿で登場するのはそれを記憶するためのものです
テアトル銀幕の経営危機もコロナ禍の影響によるものに置き換えられています
松竹映画100周年記念作品を超えて、コロナ禍を映画界が乗り越えていくメッセージとして本作は作られているのです
主演の代役は沢田研二と決まり2021年4月公開を目指して撮影を再開したものの、その公開予定もコロナ禍の猛威で再延期となり、結局2021年8月6日に公開された訳です
その日も第4回目の緊急事態宣言の最中のことでした
しかし本作は厳しいコロナ禍の中、撮影を無事完了させて、映画館で公開されたのです
今日は2022年4月上旬です
コロナの感染者数は一進一退で、なんとなく増えつつあり第七波が来るかもという声もあります
それでも多くの街の名画座も、シネコンも様々な創意工夫で営業を継続されています
新しい新作映画も次々に公開されています
映画の灯はパンデミックに打ち勝ちつつあるのです
映画界の皆様の大変なご活躍と努力のおかげだと思います
コロナ禍のなかでもおして映画館に行った映画ファンの力でもあったと思います
それと、もしかしたらキネマの神様がお力を貸して下さったのかも知れません
本作で描かれた松竹大船撮影所は、2000年6月30日に閉鎖されてしまいました
もう22年も前のことになってしまいました
今はもう跡形もないようです
それでも松竹映画は続いています
これからも新作映画を沢山見せてくれるに違いありません
コロナ禍に直撃されたこそ、本作はそのメッセージを強く私達に伝えています
素晴らしいシナリオで、山田監督にしか書けない見事なものだと思います
ラストシーンは「キネマの天地」のラストシーンと相似形となって締めくくられています
映画から映画の登場人物が飛び出して主人公と交流を始めるというのは、ウディ・アレン監督の1985年の映画「カイロの紫のバラ」が元ネタです
ゴウが語る構想そのままのお話です
沢田研二と宮本信子は、惨めに貧しくただ老いて行くだけに見える団塊世代にも、恋と理想に燃えた若い時があったことを見事に演じていたと思います
懸命に生きて来たけれど、結局何も上手くいかなかった
けれどもずっと愛し合っている妻と娘と孫が残ったのです
それだけで十分じゃないですか
何も惨めなんかじゃ全然ないのです
沢田研二はあれくらいアクを強くしないと惨めさが強くなりすぎてしまうからあの演技なのだと思います
志村けんでも同じようにはじけてみせたと思います
それも菅田将暉と永野芽郁の好演があってこそ引き立ったと思います
特に永野芽郁の演技は心に残るものでした
北川景子は1950年代の映画スターそのもので感嘆しました
特に白黒映画の中の彼女は本当に当時いた女優のような風情で何の違和感もないものでした
寺島しのぶもさすがの演技でした
単なる松竹映画100周年記念作品だけに終わらずに、コロナ禍を記憶する映画ともなったことで、本作はきっと未来まで長く記憶される映画になると思います
賛否両論あると思うが...
沢田研二さんのファンでしたので、久しぶりに見ました。
別に沢田研二さんの演技がどうだとかいうのではなく、シネマファンに向けた賛美歌的映画です。
派遣社員の辛さ、世間の冷たさ、生きていく中での不条理さ、色々語りかけてくるものが多かったです。俳優さんの演技はいまいちでした。北川景子さんの目力の強さと綺麗さが際だっていたくらいです。
でもコロナの時期も重なり、ほんとにリアリティぽく偶然に評価されるべき傑作になりうる一作だと思います。
全221件中、21~40件目を表示