MOTHER マザーのレビュー・感想・評価
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壊れて修復不可能な母と息子がいた
救いがない現実を刮目するしかない
長澤まさみが毒親を演じたネグレクト系の児童虐待もの。
予告編のミスリードもあるが、事件的なことや殺人がどのように行われたのかそしてなぜ?というミステリー的なことには重きが置かれていないことに少し驚いた。母親がいかにだらしなくて、いかに壊れてて、いかに孤独に弱くて、そしていかに男を魅了するのかが徹底的にスクリーンに映し出されるのだ。
そういう意味では長澤まさみが女優として挑戦してる意欲作と言える(蒼井優に比べるとかなり物足りなく感じるのも正直な感想ではあるが)。この挑戦的な長澤まさみを堪能する映画なのだろう。一方阿部サダヲのミスマッチったらない。売れないとはいえホスト役に違和感しかなかった。
結局最後まで観て、この話をどう受け取ったらいいのか戸惑ってしまう。あまりに救いがない。でも、実際に起きた事件をベースにしているのだからさらに嫌な気分になる。彼らのような母子に正論や常識で責めることは無意味。自分たちはどう考えたらいいのか、何ができるのか考えさせられた。時代を感じる映画だ。
長澤まさみ劇場
もっと酷い役かと思いきや
遊びの無いハンドルを握っている感覚
面白かったが、ただただ胸糞悪かった
「実際の事件をモチーフにしている」という事前知識しか無い状態での鑑賞です。
様々なレビューサイトで結構高い評価を受けていたので、多少はハードル上がっていたと思います。
結論から申し上げて、私はこの映画を観て後悔しています。人間の心理描写や演出、細かな部分まで計算された脚本、役者陣の演技などは本当にレベルが高くて見応えがありましたが、ストーリーがとにかく胸糞悪いのです。最初から最後までずっとイライラするような描写が続くんです。個人的に「面白いけど胸糞な映画」といえばデビット・フィンチャー監督の「セブン」を想起するんですが、個人的にこの作品はセブン以上の胸糞でした。鑑賞注意です。
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一切仕事をせずに知人や親類からの借金で生活をしている秋子と、秋子の息子で学校にも通えない周平を描いた作品。様々な男と行きずりで関係を持つ自堕落な母親にすがらないと生きていけない周平。
ネグレクト(育児放棄)や束縛、慢性的な金欠。そんな辛い状況を生きる周平が、何を考えて何を学び、どのような行動をするのか。そして祖父母の殺害事件がどのようにして引き起こされたのか。
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主人公の少年・周平が自堕落な母親からどのように育てられ、どのような環境に身を置き、そしてどのような経緯で祖父母の殺害に至ったかを描いた映画になります。
「少年が祖父母を殺害した事件についての映画」というのは、予告編やコマーシャルでもはっきりと明示されているため、ネタバレにはならないと思います。
最初から最後まで、人間のクズみたいな母親から周平が酷い仕打ちを受ける描写が続きます。これが私には本当にきつかった。息子を道具のように扱い、片や自分は男と遊び歩く生活を送る。周りの男達は秋子(母親)に匹敵するクズ男だったり、まともな人でも秋子に簡単に誑かされてしまいます。周平を救ってくれそうな人が何人か現れますが、秋子に阻まれてそれも叶わず。途中で周平が秋子に反抗するような場面もありましたが、結局は秋子に押し通され、自分の望む選択ができませんでした。
作中に何度も「周平が秋子の呪縛から逃げられるんじゃないか」という希望的な場面を見せつつも、結局周平は秋子から離れることができず、最悪の結末を辿ることになるのです。これが私にとってこの作品の一番胸糞な部分です。
あと、秋子が映画のラストで罰を受ける形になるのですが、それまでの様々な悪逆非道な行いに対して、「これだけ?」と思うくらいのちっぽけな罰しか受けないため、それもイマイチ納得いきませんでした。
以上のような理由で、正直観ていて辛くなってくるし観たことを後悔するほどの映画だったのですが、それは決してつまらなかった訳ではなく、ここまで心揺さぶられるほどに映画としての完成度は高くて面白かったと思います。単純に好みの問題です。
万人にオススメできる作品ではありません。私のように、イライラが止まらなくなる人もいると思います。しかし、胸糞に耐性のある方は是非鑑賞してみてください。細かな心理描写や役者陣の熱演は一見の価値ありです。オススメです。
不自然さのない演技にひきこまれました
迷った挙げ句…
親子(母子)の幸せ・・☆
実話に基づくということを知らずに鑑賞しました。
長澤まさみ演じる母親と息子。
それにまつわる人々の話し。
「万引家族」というよりも、途中で「誰も知らない」を思い出した。
万引家族は、なにかしらある種救いのような感情がわくシーンがあるが、
この作品は最後まで一貫した別のものがある。
長澤まさみ、阿部サダヲも良いが、何と言っても周平役の(少年・幼年期とも)演技が
素晴らしく、どんどん引き込まれていく。
子供を自分の一部と言い切る母親、それに応えようとする息子。
この話は、極端な形であるとはいえ、一つの愛の話なのかもしれません。
最後になっても、「お母さんが好き」という周平。
きっと本当に心からそう思っていると思った。
親子の幸せは、他者からはわからない計り知れないものがある。
周りがどんなに「かわいそうだ・」と評しても、そうではないものが
身の周りには溢れている。
家族には、正解などないということを、改めて考えた作品。
人間の風景。
愛が故の悲劇
ひどすぎる。母。
最低の女を、最高の演者と演出
重くて深い
答えが見つからない。
親は選べない
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