ソニア ナチスの女スパイのレビュー・感想・評価
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貫きたい想いがある
他の作品のレビューで、戦争は強制的に選択を迫るものと書いたすぐ後くらいに観たので、似たようなことを作中で言っていたとき、なんだかちょっとタイムリーだなと感じた。
そして本作もそのような内容だったかなと思う。
選びたくない二択を迫られる。本当に選びたいものを選べない。選びたくないのに選ばさらるを得ない。
つまり自由がないのだ。自由とは自分の意思で選ぶこと。それがない。
それでもギリギリ、たった1つだけ、どうしても譲れなかった「想い」を貫いた報われぬ女優ソニア。
作中では「今更」と言うが、どんなに遅くとも、間に合っていなくとも今更なんてことはないんじゃないか。
第二次世界大戦中のことが2000年代前後になってようやく明るみに出るようになった。もう機密ではなくなったからだ。
それに伴い知られざる秘密として様々な映画が作られるようになった。本作もそんな一本である。
ある意味で、戦後の精算がやっと終わるところにきているのかもしれない。
やはり、今更なんてないんだ。
前半はちょっと退屈かもという感じだったが、関係が複雑化してくる後半は中々サスペンスフルで面白かった。
中立を保ち直接戦争しているわけではないスウェーデンが舞台というのも観る機会が少なく目新しくて良かった。
邦題(副題?)が良くない
なんの予備知識もなく鑑賞。これ、ナチスの走狗としてスパイ活動に従事した女優というより、女優という立場、家族の立ち位置そして国際情勢に翻弄された同情されるべき女優さんの話というのがザックリとしたまとめじゃないでしょうか。とすると、「ナチスの女スパイ」というのは間違っていないけど当たってもいないと思いますけど。。。
(実際、スウェーデンのスパイの方が本筋なんですけど)
話としては各国入り乱れての諜報活動なので、途中でわけが分からなく、、、なりかけます。注意深く人物を観察していくことが必要です。
それと、いわゆるスパイ映画のスパイではないです。そこはいいところでした。
スパイって辛すぎる
女優として将来を嘱望されていたのに、スウェーデンのスパイとして利用されたソニア。成功しても、極秘なので勲章も報酬も貰えないし、ナチス協力者として、誹謗中傷を浴び、その功績も公にできず事実も伝えられない。汚名を受けたたま女優生命を断たれ、恋人も失い可哀想でした。しかし、あの恋人ってハンガリーのスパイだったんですか。外交官にスパイ活動は欠かせないものですからね。何だかモヤモヤでハッキリしない描き方がイラッとしました。-本人と関係者の死後、真実が公表されて名誉回復しましたが、こんな人生は辛すぎです。
真実を歪曲した罪は、少し、いや、かなり重いかもしれない‼️❓
実在する人物の映画で、複雑そうなので予習して観た。
ドラマチックに描きたいからだろうか、弁務官が男として人間味溢れているが、事実はかなり違う。
彼はバリバリのナチスで、それもかなりの権力者でした。
権力ではゲツペルス以上、残忍さではヒムラー以上。
だから、ソニアの諜報活動は、かなり凄惨で壮絶であつたらしい。
製作者がナチスに配慮したとは考えられないから、準備不足なのか、ソニアの女としてのドラマしたいからなのか。
全体的に、かなりぬるく、メリハリが無い内容です。
でも、北欧とナチスの映画は珍しいし、ナチスにはドイツ語があうのでなかなか雰囲気の良い映画でした、暇ならどうぞ。
運命に翻弄される…
とは彼女の人生そのもの。ナチス統治下のノルウェーで、ナチス賛美の演劇をしていた彼女は実際どうだったのだろう。父親はレジスタンス。仕方なく女優として生きていく術としてナチスに付き合っていたのかもしれない。父親の解放のために、ナチス高官の恋人になり、スウェーデンの諜報活動をする命懸けの行動、逆にナチスからも諜報活動を依頼され、ハンガリー人の恋人を疑い、幸せになれない人生。家族と共にスウェーデンへ移住したのだろうが、女優としてはナチスのスパイのレッテルを貼られ、大成しなかった。戦争が生んだ悲劇のヒロインだが、もう少し分かりやすく、濃淡ある演出があったら、もっと緊張感もって楽しめたかもしれない。
歴史をある程度勉強してから行くべし。
ノルウェー、スウェーデン、ドイツ、ハンガリーと
いろんな国の人が登場するので
この人がどこの国の人なのか
あと名前が難しくて覚えられなくて
時々頭がこんがらがって、難しかった。
やはり自分の無知さが浮き彫りになる。
映画を見る前にちゃんと歴史を知ってから
観た方がいちいち躓かずに観れるのだろうなと、
改めて思った。
人生何があるかわからないというか
運命の歯車がちょっとしたことで狂ってしまう。
招待されたパーティーに出なかったばっかりに
その後の人生が大きく変わってしまったのだろうか。
映画の中でのシーンが
戦争中の物語ではあるが、
幸せそうなシーンが多いのが印象的だった。
お酒を飲んでパーティーしたり、
タバコ吸ったり、
彼氏といちゃついたり
お洒落な洋服を着たり
かなり上流階級のお金持ちの物語なんだなと思った。
そんな上流の人も
スパイという形で
戦争に関わってしまうこともあるのだなと思った。
リアルなのかガバガバなのか。
なんだろうなぁ。とても興味深く、事の成り行きを見守ってしまう映画でした。が、気持ちの起伏に乏しくってですね。
WW2時代にナチスを相手にしたスパイもの、と言うんで、緊迫感にあふれた駆け引きを期待していた自分がおりましてですね。
はっきりと言うと。期待値以下でした。
ごめんなさい。
でも、リアルでは、こんな感じだったんでしょうかね?十二分に危険なミッションである事には間違い無く。
いずれにせよ、ご本人の名誉が回復して何よりです。
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12/30 追記
ミリヲタとして、この映画の背景等をちょろちょろっと。
◆ノルウェーの重要性
WW2開戦当時、英仏はドイツ本国へ侵攻する計画は無く、ドイツもノルウェー侵攻は考えていませんでした。英仏の戦略はあくまでも「ドイツを経済的に弱体化させて戦争の継続を不可能にすること」。
ドイツは、鉄鉱石のほぼ全てを輸入に頼っていました。特に開戦後は、その全てがスウェーデン産。夏季はボスニア湾のノレオが出荷港でしたが、冬場は凍結と荒天となるため、ノルウェーのナルヴィクとスウェーデンのオクセレェーセンから積み出されていました。
つまりドイツに取ってノルウェーは、ライフラインを左右する国だったわけです。
◆北欧諸国の中立政策をぶち壊したのはチャーチル
もともとノルウェーはWW2に対して中立を宣言していました。ドイツ国内では、軍事上の重要性からノルウェーを占領すべきと主張する海軍と、フランス以南と西部戦線で精一杯だった陸・空軍との間で戦略が一致せず。ヒトラーは、北欧諸国が中立政策を維持する限り侵攻しない、との判断を下します。
つまりは、ノータッチがヒトラーの指示。
これに対し、当時英海軍相だったチャーチルの立てた戦略は以下の様なものでした。
・ノルウェーの領海に機雷設置
・運搬船が機雷を避けて領海外を航行せざるを得ない状況を作る
・イギリス海軍が運搬船を阻止してドイツを日干しにする
・ドイツ海軍が動き出す
・戦闘を開始し、同時にノルウェーの一部を占領
この作戦は、ヒトラーの耳に届きます。英仏のノルウェー占領で鉄鉱石が入って来なくなることを恐れたヒトラーは、極秘密裡に侵攻計画を進める事を指示。ナチス内でも機密保持のため「ヴェーザー演習作戦」と呼ばれます。
◆ドイツ軍のノルウェー侵攻と占領
詳細は割愛しますが、ドイツ軍はデンマーク、ノルウェー(1940/4/8)に次々と侵攻。戦争の準備が全く整っていないノルウェーは全く抵抗になりません。ノルウェー政府はイギリス大使に軍事支援を要請(1940/4/8)。
4月9日、ドイツはノルウェーに最後通牒。その内容は「ノルウェーは英の干渉を自力で排除できず、中立を守れない状態にある。よってドイツ軍はノルウェーの一部を占領するが、領土と主権は尊重する。ただし全面的に軍事力を放棄しドイツ当局に協力せよ」。典型的な軍事占領の通告です。ノルウェー政府と王家は、これを拒否。オスロを離れ、最終的には英に落ち着きます。
この後はノルウェー軍と連合軍対ドイツ軍の戦闘が始まりますが、6/10にノルウェー軍が降伏し戦闘は終了。クーデターで政権掌握したクヴィスリング政権が樹立されます。
◆両軍に取って痛かった消耗戦
この戦争で、ドイツ軍は駆逐艦10艦を失っています。ただでさえ劣勢であった海軍力。連合国側との不均衡は決定的となりました。
ノルウェーでの戦争は4月~6月。西部戦線で英仏が痛めつけられ、有名なダンケルク脱走に至ったのが6月5日。英は米の欧州戦線参戦無しにドイツ軍を降伏させ、ソビエトの領土拡大を止めるのは無理ゲーじゃね?なんて本気で考え始めたのでないかと思われます。
日本の真珠湾攻撃は、アメリカの欧州戦線への自動参戦(日独伊三国同盟があったため)を意味しましたが、これはノルウェーの戦いの1年以上後の事です。
◆ソニアの親分は誰なのか
マリアは海岸線の写真を撮っていました。駆逐艦を大量に失い、海軍力に乏しかったドイツは、ノルウェーの海岸にトーチや砲台を築いて、連合軍の上陸の防衛としていたからです。
当時、ノルウェーの政権はドイツの傀儡。王家も英国に逃れています。よって、ソニアの仕える組織は英国に逃れたノルウェー政府、及び英国と思われます。
彼らは、ドイツにスウェーデンが挙兵するとのガセネタを掴ませようとします。ドイツ軍が無駄に兵力を移動させてくれれば、西部戦線に影響があるからです。
以上、この映画の背景等についてでした。
戦争の歴史を紐解いて行くと興味深いです。どこかで日本も繋がるんですよね。
また、今まさに、目の前で起きている事をどう解釈するのかへの示唆もありますから。
ソニアの本心は???
第二次世界大戦中のノルウェーでナチスドイツとスウェーデンの両方のスパイをした女優ソニアの話。
父親を人質に取られたら従うしかないよな、って思いながら観てた。
ナチスの拠点責任者に好かれるようにして秘密書類を盗もうとしたりするシーンが有り、バレれば即処刑だろうから大変だったと思う。ドキドキした。
外交官の彼氏も裏切るが、本気で好きだったのだろう。
戦時中で大変な時代にいろんな制約の中でウソも生きるすべだったのだろうと思わせる作品だった。
スリル感はもの凄くあるわけではないし、淡々としているところもあるん...
スリル感はもの凄くあるわけではないし、淡々としているところもあるんですが、個人的に好みな作品でした。
一人の女優が自分の意思とは反しながらもそうせざるおえない立場になる。そして色々な場面で自分を押し殺さなければならないのが伝わってきて、なんとも悲しいストーリーでした。
二重スパイ?ほぼ三重スパイでしょ・・・
序盤はちょっと複雑すぎるほどの登場人物。そしてノルウェー語、ドイツ語、英語が飛び交い、ここは一体どこ?となる場面がしばしば。ノルウェーの女優として人気を博していたソニア・ビーゲットに、ナチスの国家弁務官テアボーフェンがプロパガンダに利用しようとし、中立を保っていたスウェーデンの諜報部員も近づいてくる。
レジスタンスだったソニアの父親が逮捕され、肺病を患ってることを心配していたソニアにとって、「父親を解放してやる」と言われたら乗るしかない気持ちを利用される。卑怯者!と言いたくなるほど、ナチスもスウェーデンもやることがえぐい。しかし、巧みに両者のスパイ行為を操る知的な才能を発揮し、体を張って潜入するソニア・・・
ハンガリー大使館のパーティで知り合った大使アンドルと恋に落ちるソニア。スパイ行為のためとは言え、ナチスの弁務官とも寝てしまうのだ。そもそも夫は離婚する予定ではあったのだが、男女関係においても三重構造となっていた。謎のスパイ“マリア”の正体を突き止めろ!わけわかんない素人なのに、ソニアは徐々に凄いテクニックを使うのです。
スパイがうようよ動き回ってるというスウェーデン。それほどスパイが暗躍したからこそ中立国でありえたのか?この物語のように犠牲となる人がいてこそ成り立っていたのかもしれませんね。
時代に翻弄された美しき女優ソニア
ナチスに侵攻されつつあった、当時の北欧の状況を知る事が出来、とても見応えが有りました。
父を救う為、母国の為、意に反してスパイ活動に従事した実在の女優ソニア・ヴィーゲット( 1913 - 1980 )をイングリッド・ボルゾ・ベルダルが熱演。
ナチス高官達を相手に諜報活動を続ける緊迫した場面、娘としての葛藤、恋人が居ながらナチスの高官との関係を続ける苦悩など、時に妖艶に、時に知的に、魅力的な女性を演じられていました。
予告編を観た時から気になっていた作品でしたが、クラシカルな色彩で映像も美しく、とても見応えが有りました。実話だという事に驚かされました。
映画館での鑑賞
称賛は期待しない
ナチス支配下のノルウェーにて、人気女優のソニアがスウェーデン諜報部の目に留まり、ナチスへのスパイ行為を依頼される物語。
父親と弟がレジスタンス
夫は粗売国奴
自身も女優としてのステップアップの為とは言え、ナチスの商売にある意味加担
そんな複雑な状況の中、次に侵攻される恐れのあるスウェーデン諜報部のアクレルからナチスへのスパイ行為を依頼される。
捕らえられた父親を救う為に、仕方なく取引に乗ったソニアだったが…
中立国のスウェーデンは各国のスパイがイッパイ!!
国家弁務官をはじめ、映画監督の夫、小男爵、そして恋してしまったイケメン外交官、さらにはカメラ小僧まで、出てくる登場人物皆なんとな~く怪しい雰囲気。この中に、鍵となる「マリア」が!?
映画全体としては、これといった派手な展開はなく、地味な印象も。
しかし、ミステリー要素のある映画は好きだし、ありがちとはいえ蝙蝠な展開も緊張感があって良し。
最後の最後、アクレルとの会話シーンはグッと胸が締め付けられる思いに。
たとえ一国の自由を守ったとしても…まぁそうですね。
ここだけ語り口が少し優しく(悲しく?)なるのが凄く切なかった。
また、スウェーデンが中立国というのは知っていたけど、その中でもこんなスパイ合戦が行われていたことに驚いた。
よくよく考えりゃ、隣のノルウェーが侵略されている中で知らん顔はできませんもんね。
何よりソニアも、その後大変な人生を送ったのでしょう。
元から売国奴呼ばわりされていた部分もあってからの、このスパイ劇だったので。。
スパイとして白日の下に晒され、しかし女優としての日の目を見ず…何とも皮肉で悲しい物語だった。
1940年代女優の強気ファッションを楽しみました。
北欧の地図を頭に入れてから観ることをお勧めします。特に海に囲まれているのは軍事的要であることを改めて勉強しました。さて、内容は007等のスパイ映画の緊迫感や派手なアクションはありません。ナチスとスェーデンの諜報機関にリクルートされた人気女優。演技力を見込まれ更に反ナチスの肺疾患の父親を拉致され人質にされた。父親を奪還するためには二重スパイになるしかない。スパイとしての訓練はゼロ。恋愛話も挟み込まれている。市井に暮らすフツウの人達が否応なしにファシズムに取り込まれてしまうことを実感。人間の弱点や大切な人を楯に理不尽なことを強いられたら承諾することもあるだろう。実話の女優そっくりのキャスティングでした。1940年代の人気女優らしいエレガントで時に扇情的な魅惑ファッションを楽しみました。
少し淡々とし過ぎて・・・・
毎年、第二次世界大戦、それもヨーロッパで起きたドイツ関連モノの上映があり、毎年楽しみにしています。
随分見てきましたが、戦争で被害に合う方は、それぞれ色々と有るんだなと改めて思いました。
本作品も、戦争により運命をある意味狂わされた人のお話で、見ていてその事実に驚愕しました。
映画の内容ですが、淡々と話が進むので正直、私にとっては、少々お話を追っかけて行くのが苦痛だったかな・・
山も無ければ谷も無いと言うか・・・・2重スパイに陥った女性であり、ある意味有名人と言う事も有り、それは想像すれば、ハラハラドキドキなんだろうと予想して見に行きましたが、意外にあっさりと言うか・・・・
ある意味、現実って結構淡々としているものなのかな・・・・・
もう少し緊張感が伝われば、見ていて良かった思うのですが・・・・
全体的には、悪くないですが、正直、お話の進み具合が淡々としていたので私的には、少々退屈感が有ったな・・・
もう少し緊張感や題材である彼女のエンターテイメント性などが描かれていると良かったかな・・・
ノルウェー作、スパイ物
第二次世界大戦中、ナチス占領下のノルウェー。女優として活躍しながらスパイとしてナチスに潜入した女性の驚愕の実話。激動の時代を生き抜いたソニア・ヴィーゲットの真実の物語(チラシより抜粋)
驚愕は、ちとオーバー。それにスパイ物にもかかわらず緊迫度が全く物足りない。主人公の女優も華が全くないと思ったら、ラストに実際の人物写真が出て、あらま、瓜二つ。似せるために、わざわざこの女優さんを起用したのだろうか。平凡な作品でした。
女性は強い。
スウェーデン語とドイツ語と片言の英語が行き交うスパイ活劇でした。
ヨーロッパの映画ファンってこれぐらい聞き分けてしまうものなのだろうか、羨ましいです。
これぞ洋画!と言わんばかりの癖のある俳優さんたちで全く初めて見る方達でしたが、それが良かった。
スウェーデン諜報局のロルフ・ラスゴードを発見。渋すぎる、かっこよかった!
ああいう面構え、大好きです。
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