「関西弁のメンタル最強説」事故物件 恐い間取り U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
関西弁のメンタル最強説
案外怖かった。
中盤までは。
罰当たりだとは思うけど、ドキュメントなホラー映画なんて早々ないだろうと思われる。
しかもリアルタイムときたもんだ。
当然、僕らはその情報を加味した上で鑑賞する。
「何が起こってるんだろ?」
原作を読んだ人は、その映像化を。未読の俺は怖い
物見たさで。
序盤は結構新しい感覚に戸惑う。
ゾクっともビクっともする。それを面白がってる俺がいる。映画としては良い滑り出しだとご満悦なのだ。
でも、はたと気づく。
これ、実話なんだよなあ…。
所詮は他人事ゆえの感覚なのだろうけど、面白がってていいのだろうかとの疑問も抱く。
映画と現実との境目が曖昧だからこそなのか。
関西弁も中々皆様達者に扱ってくださる。
と、中盤までは4.0くらいな評価だったのだけど…。
終盤が映画に、創作に、フィクションに振り切ってるよでつまらなかった。
原作未読ゆえの感想なわけだけど、原作もその通りならバチカンあたりが協力してもいいレベルなんじゃないかと思う。
映画的な盛り上がりが必要だったのだろうと思うけど…映画の文法を引っ張り出さずにはおれないのだろうけども、も少し違う方向でも良かったんじゃないかと思う。
木下ほうかさんの役所がまぁ面白くて…今作品における人間の業の深さを一身に背負ってる。
あと、不動産屋の女性の方。
横山って役名だったか…お見事でした。
フィクションに傾くギリギリな芝居だったように思う。彼女のような立ち位置をキープ出来る人は稀だと思う。
そして、1番驚いたのが。
関西弁の破壊力だ。
全部、緩和して笑いに転化していきやがる。
「なんでやねん」で全部丸く収められる力でもあるかのようだ。
これがまた面白い組み合わせで…ホラーx関西弁。
緊張と緩和を繰り返しつつ、その緊張さえもエサにして結局ニュートラルな感情に落ち着く。
でも、その場を離れ、関西弁が聞こえなくなった1人の空間…きっと映画館で感じた緊張は再燃する。
時限爆弾のようだ…w
関西弁のもつイメージって、とんでもなく偏ってるんだなあと感慨深い。
エンドロールで現物が拝めるのは中々な説得力で…だからこそフィクションに振り切ったようなラストは残念だった。
ただ、ある意味、未知の領域へのアプローチであるのは確かなわけで…禁忌の謎が解明されるのかもしれない。
誰もが手出しできなかった恐怖の扉。
その扉を笑いを武器に開けていく芸人。
勇者なのか愚者なのか。
学術的な見地からも期待してる人はいるのかも。
少なくとも事故物件が風評被害と証明されれば不動産業界の救世主にはなり得ると思う。
余談ではあるが…。
本編が始まる前にクロちゃんを起用した番宣が流れる。
アレ要らない。吐き気をもよおす。
企画者はどんな需要があると踏んだのだろうか?品性を疑うわ…。