THE BATMAN ザ・バットマンのレビュー・感想・評価
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今までのバットマンをリセットして観れるか、新たなバットマン映画として 評価が分かれると
本編始まっては、ファレルの音楽、ダークな映像、映像画角でシュールな作品の予感。今までのアメリカンヒーロー(アメコミ)、DC、MARVELモノ、TVシリーズの作風、感覚での展開を予想してラフに構えていたら、ノーラン監督路線とも違った作りで、見事に期待を遥かに超えた良作でした。映画「羊たちの沈黙」(本格的な謎解き、シュールな映像)、「ダイハード3」(爆破犯行)に、災害型パニック映画、雨の中の雑踏(ブレードランナー)のような描写、スパイダーマン(アクション)のような、多々、色々な要素が散りばめられ、監督は映画「ダークナイト」超えを宣言していたと思われる1つにカーチェイス、この映画はもともとアクション映画ということを彷彿させる迫力ある映像で、IMAXを使わない作品としてはトップクラスの出来に。他、キャトウーマンの誕生秘話的内面、バットマンの早期の混沌とした内面の環境秘話、ペンギン早期、ジョーカーか?・・、などなど、映画一本で3本分ぐらいの内容(時間も長いが感じさせない、ジャンルも多要素)のお腹いっぱいの作品でした。
今までのキャラクター、作風を作品をリセットして、単品バットマンとして見れるかで、評価は別れると思います。
アメリカンヒーロー物あまり好まない(私)の方でも、意識せず本格的なダークミステリー大作として観てほしいし、実際、予想外の出来に、期待を良い方に裏切られました。
★dtsx観賞⭐ IMAX撮影でないので、音重視で選択。(映像は4kレザー投影館選択)
★重低音⭐
★音圧⭐
★分離度⭐
★移動音⭐
★サイド、上、後(活躍度)◎
★サラウンド⭐
★音楽⭐
音楽は、アベマリアに、ショパンのピアノソナタ2番「葬送」や、ラフマニノフを彷彿させる作品sonata in Darkness(クラシック、ピアノソナタが好きな方にも12分ほどの曲聴けます。絶品です⭐)が、ほか、バットマンの短いメロディをフレーズを繰り返し要所に使用する事による作品の真髄に擦り込まれるべく深みにハマり、ニルバーナの曲の問いかけるものへ、観るものに投げかけてくる、現代文明(人の心、生きる事に生ずるさまざまな歪み)時代背景(映画背景)までも(見る人により深くも、浅くも観れる)考えさせる見方もできる映画でした。
期待しすぎない方がいいかも
過去作が、霞むような作品ではなかったかなと。
ブルースはカッコいいです。
キャットウーマンも魅力的!
でも、なんか、そうしちゃったかー、、、。みたいなところが多かったように思う。
キャットウーマン、ゴッサムシティから出ていくんだ、、。
キャットウーマン、バットマンの正体を知りたがらないんだ、、、。
あまり衝撃的なこともなかったし。
決定的なのが、映画館出る時に、次も観たいな!という気持ちはあまりなかった。
暗い、暗すぎる。だがそれがいい!
陰鬱とした暗~い世界観。救いがないストーリー。ひたすら暗い。だがそれがいい!
個人的にはほぼ理想のバットマンを観れた。
凝った仕掛けの連続殺人、犯人から提示される謎により殺人の動機を考えさせる展開、後追いさせられて犯人の思惑にはまってしまう主人公たち。
推理小説の型といえばそれまでだが、犯人の動機や世界観の暗さから、名作「セブン」を連想させられる。犯人の部屋が見つかったところとか、犯人がつかまっても終わらないところとか、やっぱセブンに似てると思ってしまう。
いくつも展開があり、「まだこのあと展開があるのか」と何度も思わされる。まるで12回くらいのドラマを観た感覚。でも飽きることはなくてずっと面白い。
刑事もの+マフィアもの+スパイものみたいな感じで、「これバットマンじゃなくてもいいんじゃね?」と思わないでもないが、よく考えたら、警察でもない正体不明の人物が武器を駆使して犯人追うなんて、ヒーローものじゃなきゃできないか。それで思い出したが、ペンギン追うときにめちゃくちゃな交通事故起こしてたけど、あれってバットマンは罪に問われないの?
ただ、「ジョーカー」と比べてしまうと、衝撃度は落ちるかなー、とは正直思う。終盤でブルース・ウェインが父親の罪に直面する展開では、「そうきたか!」と思ったけど、そのあと驚かされるところはあまりなかった。
なんでなのかなー、と考えてみると、やはり敵のリドラーの魅力があまりなかったからなんではないかな。街の中枢にいる巨悪(権力者たち)の罪を暴いていく、というのは、むしろ主人公側がしなければいけないことなのでは?と思ったほどなのに、最終的に単なる私怨のサイコパス野郎の小物として処理されてしまったのはもったいなかったんではないか。
「ネズミ」(裏ボス)の正体も引っ張りに引っ張ったわりに、驚きもないし、大物感もなかった。
ずっと謎が提示され続けるストーリーって、最後の最後に謎が解明されるとき、すべての未処理の伏線が一気につながって、「なるほどそういうことか!」ってなるところが気持ちいいのに、そういう瞬間もなかった。
しかしやっぱバットマンの世界観はいいなー。味方も敵も特殊能力を持ってるわけじゃなくて、あくまで人間、というのがいい。このバットマンは世界観的にジャスティス・リーグには参加できなさそうだけど。
そういや、ジャスティス・リーグシリーズの続編はもうこれで作られないことは確定なのか…。バットマン変わっちゃったから。アベンジャーズみたいに展開したかったのだろうけど、失敗してしまったということか。
迷探偵 バットマンandゴードン
世界観が終始重く、展開が遅い。無駄なシーンが多くて3時間が長いと感じる映画でした。
内容は、バットマンがゴードンとめちゃくちゃ話し、現場検証します。そして次々殺されてしまうので、間抜けに見えました。唯一カーチェイスはかっこよかったな。それでも★はあげられない。
bgmも微妙。悪い展開ときは暗く重いbgmを使っていますが、良い展開のときも同じような曲を使い回して、メリハリが無かった。
この作品を見て、前作クリストファー・ノーランの偉大さを実感しました。
暗い
自分が映画及び映画の主人公に求めるのは
明るく 圧倒的に強く カッコ良く そして映画はテンポよく
なのですが この映画は
暗い 勝つのはギリギリ 地味 そしてテンポが今一(なので長い上映時間)
バットマンという素材自体はいいものなのですが
ダークナイトが当たったものだから暗い基調になってしまうのでしょうか?
個人的には ダークナイトよりも前に作成された映画の方が好みに合うので
今回もちょっと!? てな感じでした!
リドラーが結構早くから登場していたのは 伏線回収劇をしたかったのでしょうか?
意図がよくわかりませんでした!
善悪とは何かを問う
バットマンになり早2年。殺された両親の想いを胸に悪への復讐を心に誓い過ごすウェイン。
だけどいまだ解決の糸口さえ見えない犯罪の数々。
自問自答を繰り返しながら過ごすウェインの前に、リドラーと名乗る犯罪者が現れ、彼の心の中を嘲笑うかの様に権力者たちを殺めていく。
人である以上、一点の曇りもない善人は存在しない。
その弱みにつけ込み蝕む者。それを利用しのし上がろうとする者。人との関わりを持つ以上、その行為の善悪は表裏一体で存在する。
リドラーの問いに翻弄されつつも自己の行いの中で出した答えが今後待ち構えているだろう困難にさえ折れることのない気概を感じた。
そしてラストの走り去る姿を観て、また彼の勇姿を待ち望む自分がいた。
ハードルの高さにしては健闘した方かな
ダークナイトトリロジーの伝説的な評価の高さ。
皮肉にもDCEUという失態が更にそれを加速させていた。
それ故にもはや世界一と言っても過言ではない程に上がりきった"バットマン"という名のハードルを課されたにしては、よく健闘した方かなと思いました。
良かった点は、俳優さん達の演技。
もちろん吹替え声優さんを含めてです。
全員素晴らしかったですが、特筆すべきはロバート・パティンソンとポール・ダノ!
ロバートはブルース/バットマンの背負う過去をより寂しく、より切なく魅せてくれました。
吹替えの櫻井孝宏さんもそんな雰囲気にとてもよく似合っていましたね。
ポールはリドラーの粘ついた気持ち悪いヴィランとしての質感をとてもよく表現していました。カリスマ性の権化であるジョーカーとは違う、もっと陰湿でサイコな性格を。
吹替えの石田彰さんも流石の一言!
バットマンとの面会中に叫ぶ声なんかは皮膚の下が痒くなるような気持ち悪さでした(笑)
もう1つ良かった点として、一貫した演出です。
暗い。とにかく暗い。ジョークのひとつもない。
デッドプールももう弄りたく無くなるだろうと思えるほど潔く徹底的でした。
好き嫌いが別れるであろう最も大きな部分ではあるでしょうが、僕は好きです。
ただ、悪かった点は他のほぼ全ての要素。
まず戦闘シーンやバットモービルのようなガジェット類は地味だなと思わざるをえません。
やはりヒーロー映画の醍醐味である部分を現実的な世界観を構築する為に犠牲にするのは如何なものかと...。
すんげーSFなコンタクトレンズは出てきたのに。
あとは脚本の細部にツッコミどころが多すぎますね。
特にバットマンが気絶するシーン。
ゴードン以外の警察は基本的にはバットマンをあまり信用していませんよね。
何故気絶しているバットマンを確保した時、まずマスクを剥がす!とならなかったのでしょうか。
それはゴードンが何とか阻止した...とするのも警察官があの数では無理がありますよね(笑)
他にもキャットウーマンや探偵もの的要素など、若干大きな要素が多すぎて中途半端になってしまっているような印象でした。
残念。
まとめると、DC映画はそろそろ本当に知名度と予告編の期待感が高いだけのフランチャイズになりつつある...と感じさせてくれる作品でした。
いや面白かったですけどね。
もっとやれると思うんですよね...。
ブルースとセリーナ→◎ゴードン警部とアルフレッド→X
金曜レイトショーレイトショー『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
やっと公開ですが、・・・
注:3/11には、内容的にちょっとって描写ありです。
私的に子供の頃からアメコミヒーローと言えば、バットマンとスパイダーマンとスーパーマン
その中でも1番好きなのは、特殊能力を持たない生身の人間設定のバットマン
今までのバットマン=ブルース・ウェインは、大富豪ならではの資金力で超ハイテク武器を駆使して悪に立ち向かうんですが・・・
今回は、その部分の見せ方がさりげなく、素顔を隠したコスプレ探偵って設定で・・・
いつ着替えたのって感じのバットスーツは、過去最強に強靭さを思わせる凄さで、まだ未完成って感じのバットモービルが、最高にカッコいい!!
幼き頃のトラウマと憎悪に苦しみながら葛藤する若きブルース・ウェインは、一切笑わないし、3時間ずっと画面も含めてまぁ暗い。。。。^^;;;
過去のバットマンシリーズと比べてもよりダークでシリアス
ドラマシリーズGOTHAMの世界観と通じていて、細かな設定は違えどあの最終回の続きって感じでも楽しめますが・・・
バットマンお決まりのオリジンは描かないって事でしたが・・・・
所々の描写でしっかり匂わしてくるのも含めて、登場人物相関図と各キャラのオリジンの把握が出来てないと、初見でコレを面白かったと理解するのは難しいと思うし3時間は長い。
2時間半くらいには出来たような気がするのと、内容的にR指定まで振り切るべきだったと思う。
しかしバットマン演じるロバート・パティンソンとセリーナを演じたゾーイ・クラヴィッツは、素晴らしかった!!
ペンギンに関しては、コリン・ファレルである意味が・・・スピンオフで、あの姿になるまでが描かれるのかな!?
私的には、ゴードン警部とアルフレッドに終始違和感しかなかったのがマイナスポイント
で、バットマン最大の宿敵ジョーカーは、出てくるのか!?
最初に出てくるピエロメイクの半グレは、GOTHAMにも出て来たのでもしや!?既に彼はいるのかと思ってましたが・・・
ラスト、アーカムに収容されたリドラーに語りかけるヤツが・・・・!!!!!
続編が、楽しみです!!
あらすじ・ネタバレ・解説
【あらすじ】ゴッサム市長、警察本部長、地方検事など、街の有力者が次々と殺害される。
彼らはいずれも、麻薬王マローニの検挙という偉業に携わった功績者だった。
犯行声明を発表した謎の男「リドラー」はバットマンを名指しし、街の権力者たちの「仮面」を暴くよう指示する。
警察や世論からの強い風当たりを受けながらも、ゴードン警部補や謎の女セリーナ(キャットウーマン)と協力。ペンギンやファルコーネらの悪人と対峙する。
だがやがてたどり着く真実は、バットマンの存在意義すらも揺るがすものだった。
大切な存在を失いかけながら、ゴッサム市を壊滅の危機から救うバットマン。
それは彼が、復讐心からではなく、崇高な善意から行動した瞬間だった。
経済格差、腐敗と汚職に満ちたこの街は変化するのだろうかー。
【ネタバレ】ゴッサム市に蔓延し、人々の心身を蝕む麻薬。
その生産・売買を取り仕切っていたマフィアのマローニを検挙した功績は、ゴッサム市長・警察本部長・地方検事らの連携によるものです。
しかしその情報提供者は、もう一人のマフィア王であるファルコーネでした。
ファルコーネは有力者に情報提供し、ライバルであるマロー二を蹴落とします。
そして麻薬の支配権を掌握。見返りとして麻薬収入の一部を、有力者に与えていました。
ゴッサム市の権力者はマフィアと利益を分け合うほどに腐敗していたのです。
また、マフィアが台頭する温床となったのは、バットマンことブルース・ウェインの父親が、孤児支援のため生前に設立した児童基金でした。
ブルースの父親は善良な医師でもありながら、マフィアとのつながりを持っていました。
ウェイン家の醜聞をもみ消すために、ファルコーネに仕事を依頼したこともあったのです。
ファルコーネは、ブルースの父親によって悪事を暴露されそうになったため逆に彼を暗殺。
ファルコーネこそがバットマンの復讐の標的であることが判明します。
リドラーの正体は会計士であり、街の有力者とマフィアとのつながりを帳簿から知り得ました。
彼は孤児院の出身でしたが、ブルースの父親が暗殺され、児童基金がマフィアによって食い潰されたことによってないがしろにされたことを恨んでいたのです。
(なぜバットマンの正体まで知り得たかは不明。おそらくダークナイトのように帳簿から)
両親殺害の復讐のために犯罪者をボコボコにしていたバットマンですが、自身の父親にも悪の一面があること知り、信念の根幹が揺らぎます。
ですが執事アルフレッドが傷つけられたり、セリーナ(キャットウーマン)と共に行動することによって、バットマンの行動原理は、「復讐」とは異なるものへと変化していきます。
そして何より、「人殺しはしない」というルールだけは変わりませんでした。
ファルコーニとリドラーを捕らえたバットマンは、リドラーが最後に残した防波堤破壊計画・新市長候補暗殺計画を阻止するために奔走するのでした。
「腐敗を暴く」という目的を共に達成した点で、バットマンはリドラーの計画を実行したと言えるかもしれませんが、「殺人を犯す」という一線を決して超えないことが、バットマンをリドラー達犯罪者とは異なるものにしているのでした。
【解説】「仮面を暴く」というリドラーの目的は、『ダークナイト』におけるジョーカーの役割と共通しています。
『ダークナイト』におけるジョーカーは、単にバットマンの仮面を剥がす=正体を知ろうとするだけではなく、善良な市民達が身につけている仮面、すなわち道徳・モラル・倫理観が偽物であることを示そうとしていました。市民の善良さは、打算的・利己的なものに過ぎず、極限状況においては自分の身を守るために人々は倫理観をかなぐり捨てるであろう、と。しかし劇中において市民は自らの善良さを示し、バットマンもまた、不殺の誓いが本物であることを示します。
このような「人々の仮面を暴く」というジョーカーの役割は、『ザ・バットマン』におけるリドラーの役割と類似しているのです。
ちなみにジョーカーは、嘘をつくことによって人々を誘導し、翻弄することを得意としていますが、「嘘つきでありながら真実を暴こうとする」という倒錯性が特徴的です。
バットマンもまた、「仮面を身につけた姿こそが本性であり、素顔こそ仮の姿」という倒錯性を『バットマン・ビギンズ』において完成させており、ジョーカーとバットマンは「倒錯性」という共通点を有していることがわかります。
ジョーカーが数多くの嘘をつくことにより、『ダークナイト』という物語は「嘘→真実の暴露」の連続によって構成された作品となっており、疾走感のあるエンタメ作品としても仕上げられています。
『ダークナイト』において描かれたジョーカーの倒錯性は、『ジョーカー』においてより明確に描かれており、彼は人生のどん底へと突き進むほどに浮揚していくのです。
他にも、バットマンに対する世論の風当たりが強い点、警察が必ずしもバットマンの味方とは限らない点、汚職警官が多い点、政治家・司法官が汚職によって腐敗している点、有力者が標的となる点、悪役がメディアを利用して劇場型犯罪をおこない市民を焚きつける点、会計士(経理士)がバットマンの正体を見抜く点など、多くの点で『ダークナイト』(3部作)との類似点が見られます。
ナイトクラブでの格闘シーンや、武装した集団との戦闘シーンなども、『ダークナイト』を想起させやすいものとなっていました。
ラストシーンでバイクに乗って哀愁を漂わせる点でも似ていますね。
結果として『ダークナイト』の影響力、普遍的なよさが確認されました。
貧富の格差に強く注目した点は、『ジョーカー』から継承されています。
格差の原因としてバットマン=ブルース・ウェインあるいはウェイン家の責任を強く追及した点においては、『ザ・バットマン』は『ダークナイト』を超えると言えるでしょう。
『ダークナイト』3部作においても、ブルースという有数の資産家が経済格差の解消にとりかからないのか、と匂わせる場面はありました。ノーラン監督としても、ゴッサム市における経済格差を背景とした犯罪率の増加を描く以上、大金持ちであるブルース、あるいはウェイン社の責任を理解していたでしょう。しかしあくまで、ウェイン家やブルース個人の責任を明確に描くことはせず、単に「経済格差」と(を)表現するに留めていました。
そのような状況を変えたのが、生活困窮者の側からゴッサム市を描いた『ジョーカー』であり、『ザ・バットマン』はバットマン自身が、ウェイン家あるいは自身の責任を突きつけられている様を描いたものと言えるでしょう。
また、『ダークナイト』とは異なり、両親の死にも自業自得の側面が多少あり、ブルースは複雑な感情を抱かざるを得なくなっています。
それゆえに『ザ・バットマン』においては、ブルース個人の抱える痛み、疲労、傷つきが深みを増していると言えます。
事件の真相を追及するにつれてブルース個人の苦悩も深く掘り下げられていく様は、3時間という時間をかけて説明するだけの価値があり、アクションシーンのリアリティと合わせて、視覚的な楽しさ・物語的な楽しさを満遍なく網羅した作品に仕上がっています。
現在に合わせたバットマン
バットマン映画といえば、「リターンズ」以降に顕著だが、
「社会的強者のバットマン」VS「社会的弱者のヴィラン」
の図式があり、「ヒーローが勝っためでたしめでたし」みたいな爽快感の無いのが魅力。
今作も「裕福な孤児のブルース」と「貧困孤児のリドラー」の対決であり、
そのリドラーも、社会の闇の真実を暴くと言う、必ずしも間違ってるとは言えない動機があり、
ブルースもその自覚があるからこそ、自分の正義が揺らいで憔悴すると言う鬱展開こそ、映画ファンがバットマン映画に求める物。
クライマックス、洪水シーンを良く3.11に公開できたなとも思うけど、それ以上にリドラーのSNSのフォロワーの襲撃は、Qアノンのホワイトハウス占拠を連想する。
Qアノンは、白人男性と言う一見強者だが、実は首の皮一枚で社会と繋がっており、どっちかと言うと隠れた弱者寄り(と、少なくとも彼らは感じている)であり、
今作は現在という時代にあっているバットマンだった。
ゴッサムシティは今日も雨
駆け出しバットマンの奮闘記、全体的に暗いいいぞ、もっとやれ
バットマンの魅力て、コミックでも嗤うバットマンの登場とその人気から見るに正義の心はあるけど一歩間違えば最恐のヴィランていう危うさに惹かれる
今回のバッツも復讐に取り憑かれてかなりヤベー奴感漂う仕上がり
リドラーとの頭脳戦で氷のような明晰さをみせたかと思えばペンギンとのカーチェイスはサイコ合戦(今回のコブルポットは陰鬱な中の癒し枠)ゴッサムのプリンス、完全に情緒不安定である
街の権力者は腐敗しきってて、ガッツリフィルムノワールしてるのに、最後はちゃんとヒーロー映画らしくブルースのヒーローとしての在り方を持ってきていていろいろな要素が楽しめ、なんだか得した気分
ただバランスのいい映画だけにブルースのお父さんとファルコーネの繋がりのところだけやけに浮いてて違和感がある
ファルコーネが自分の都合の良いようにウェイン父の方から記者を始末するよう頼んできたと偽ったていうのはまあそうなんだろうけど、家族を守ろうとしたただただ善人でしたてアルフレッドの言葉も嘘臭く聞こえる、仕えてたからフィルターもあるだろうし、アルフレッドからみてブルースは傷ついた子どもに見えてるのであのタイミングではそうとしか言えんてのもあるだろうけど、“人は見たいものを見る”てのはジョーカーに通じるものがあるのかなあ
ブルースにとって両親が聖域化してしまっていて下手に触れられないせいか、もとある話と映画のシナリオを合わせるにあたって上手く処理出来ていない感じがする
市長選に立候補してるのに志しを同じくした仲間はいなかったのか、とかスキャンダル起こした以外の親戚全然出てこないとか、お父さんの像がイメージできないから当時そこにいてある程度事情も知っているはずのアルフレッドが暗号解くだけが取り柄の無能にみえる、戦いかた(物理)は教えましたが、じゃねーだろ
最後に出てきたのはジョーカー?このシリーズは続くのでしょうか、パティンソンバットマン良かったから続いてほしい
やたらスーツで濡れるシーン多かったので大変だっただろうなあ
評価の分かれそうな印象
公開前から様々なハードルを求められた作品と感じていた。名監督クリストファー・ノーランのダークナイトシリーズ。誰もが知るヴィランをフィーチャーしたJOKERなど関連作品に名作が並んでいるが故にこの作品にも当然期待がのしかかる。
実際に蓋を開けてみると、うーん。難しい。
そもそもバットマンというキャラクターの設定上、誰もが共感し憧れるヒーロー像を演出するのは難しい。
ストーリーの方向性は当然ヴィラン映画のようなテイストにならざるを得ない。
そのため、作品を通して終始暗い。映像の明暗、ストーリーの内容どちらに関しても暗い。
私はかなり気に入ったが、好き嫌いが極端に分かれそう。
しかし、敵役リドリーが投げかける謎解きと連続殺人がストーリーにスパイスを与え、「プリズナーズ」での容疑者役でも強烈なインパクトを与えたポール・ダノの好演が光っていた。
おそらく2部作もしくは、トリロジーになることも考えられるため今後の展開に期待。(JOKERの登場も含めて)
MCU然り、続編にヴィラン役の復活を匂わせ次回作への期待を煽るマンネリ化した手法はいつまで通用するのか?と、ふと感じた。
アメリカでの観客動員数から非常に評価が高いことを事前に知っていたが日本での公開でここまで席が埋まっている事に驚いた。
洋画の再燃に期待。
【“聖歌、アヴェ・マリアは富める子にのみ響く・・。そして、真の変化を求めて。”今作は壮大な娯楽大作で有るとともに、格差社会の闇を抉った社会派作品としても十二分に通用する、重厚で見応えある作品である。】
ー 今作では、主に二つの曲が流れる。
一つは美しいソプラノで歌われる聖歌、”アヴェ・マリア”であり、もう一つは、”ニルヴァーナ”の陰鬱極まりない、故カート・コバーンが物憂げに歌う”サムシング・イン・ザ・ウェイ”である。
今作では、この二つの曲の使われ方が絶妙に巧い。
知能犯リドラーにより殺された市長の葬儀では、涙する市長の息子の姿と共に”アヴェ・マリア”が流れる。
”聖母(マリア)よ、子の嘆願を聞いて下さい・・。”
そして、序盤とラストでは陰鬱極まりない故、カート・コバーンが物憂げに歌う、”サムシング・イン・ザ・ウェイ”が流れる。
”橋の下の、粗末な掘っ立て小屋で・・。防水シートが漏れを引き起こした・・。”
今作は、格差社会が生み出した哀しき物語と歌詞のシンクロ具合が絶妙なのである。-
◆感想
・不器用で、殺された親への復讐の念に駆られる一歩間違えれば、ダークサイドに落ちそうな危うさを抱える若きバットマンことブルース・ウェインをロバート・パティンソンが笑顔を封印して見事に演じている。
・知能犯リドラーが現市長を”床を剥がす金属器具”で殴り殺した後に、銀のテープで顔をグルグル巻きにしてその上から描いた言葉。
”嘘は沢山だ・・。”
・そして、警察本部長、地方検事が次々にリドラーに殺されていく。
- 三人が善人の顔の裏で行っていた事が、徐々に明らかになっていく過程が、サスペンスフルであり、引き込まれる。何が善で、何が悪なのか・・。-
・キャット・ウーマンの描き方も良い。バットマンには素顔を曝すキャット・ウーマンことセリーナ(ゾーイ・クラヴィッツ)。そして、彼女の哀しき過去が明らかになり・・。
- キャット・ウーマンは過去作では謎の女怪盗として描かれていたが、今作は一人の女性として魅力的に描かれている。ブルース・ウェインもそんな”似た者同士”の彼女に惹かれていく・・。-
・序盤はサイコキラーとして描かれていたリドラーが、ブルース・ウェインと対峙した時に言った言葉。
”同じ孤児なのに、一人は光輝くビルの中で、悲劇の子供として同情を集めていた。が、俺たち孤児院に居た300人の気持ちがお前に分かるか!”
- リドリーを演じたポール・ダノの演技も光る。
まさかのポール・ダノの起用に驚きつつも、彼が孤児院で育ったリドリーを演じた事で、今作が、只のサイコキラーの物語ではない事が分かるし、リドリーが何故に”再開発”の名の下、私腹を肥やしていたマフィアのドンを摘発する手助けをしたマフィアに取り込まれ、ダークサイドに落ちた本来善なる人であるべき、市長、警察本部長、地方検事をターゲットにした理由も・・。-
・リドリーが仕掛けた腐敗し切ったゴッサムシティを水没させようとした、防波堤爆破シーン。
ゴッサムシティに流れ込む濁流。市長選で盛り上がっていたシティ中央部に逃げ込む人々を”多くのリドラー(孤児達・・。)”が銃撃するシーン。
- バットマンは自ら水に浸かり、人々を救出する。スーパーヒーローとしてではなく、一人の人間として・・。-
<今作は、壮大な娯楽大作で有るとともに、格差社会の闇を抉った社会派作品としても十二分に通用する重厚で見応えある作品である。
ラスト、失意に暮れるリドリーに隣から声を掛けて来た男の姿。
この作品のハイレベルさを維持した次作を期待したい。>
う〜ん、長い。
気軽には見られない。
謎解き謎解き言ってたけど
謎解きにさせる意味がイマイチ分からない。
し、解けて爽快感や納得感も「?」
それに犯人からの怪文書は執事に解かせて
途中のなぞなぞは罠に嵌められた本人ではなく
それを見ているバットマンがガンガン答えて
「これ何やってんの?」と思ってしまった
ペンギンだとかネズミだとかも何が何だか分からなくさせる。
ダークで重厚なのに、残虐シーンとかは無く
グロいのが見たいわけじゃ無いけど
刺激もないからテンポも悪く……
覚悟して見ないと
私のように途中寝て意味が分からなくなります。
終始暗いトーンはダークナイト以上
雨と暗いトーンとそれに重なるような音楽が終始続いていく。
マイケルキートン版は子供で記憶が薄くなっているが、それでも何度目かのバットマンにも関わらず、新しい感覚を与えてくれた。
アメージングスパイダーマンでは「このくだり、飽きた」と思ったので。
現場検証に立ち会うバットマン、一般人に殴られるバットマンと、リアリティは過去と比べると増している。
ヴィランもあくまで人間の能力の範囲ということでヒーローものにありがちな大味化を回避。
市長の息子や、セリーナの境遇がブルースと同じ、親からの負の遺産の受け継ぎと重ねられ、人間ドラマとしても魅せられる。
でも、ペンギンを放っておいて、次回で悪事働くパターンは止めてね。つめが甘過ぎなので。
陰謀論が陰謀論でなくなった世界
バットマンとリドラーの因縁については必ずしも完全な説明がもたらされるわけではないですが、僕はそういう映画の方が好きです。
リドラーは、陰謀論conspiracy theoryに踊らされる貧困層をモチーフにしているのだと思います。ところが、僕たちの世界では陰謀論で済んでいることがゴッサムでは現実になっている。
陰謀論者の怒りと暴力が正当な裏付けを持ってしまっている恐ろしい世界。それが描かれた映画のように思えました。
アクションはテンポよく適度。陰影や構図の使い方はとても上手だなぁと思いました。特にカーチェイス後にバットマンがペンギンに近づくシーンは、コウモリの目線をうまくモチーフにした構図のように感じ、とても小気味よかったです。
かなり時間が長い割に、背景や因果関係を捨象してる部分があると感じる方もいるでしょう。スッキリする映画という訳ではないですが、比較対象となり得るバットマンビギンズよりはかなり出来が良いと思える作品でした。観る価値はあると思います。
ただのコスプレと化したバットマン
1989年~のバットマンが大好きですが、
それを一旦置いておいても
これはない。
こういう話を作りたいなら、バットマンじゃなくても良かったでしょ。
別のヒーロー物語やりなさいよ。
無理やり現代に落とし込んだ?から、
スーツもバットモービルも最早違和感しかない。
キャットウーマンは、ただの猫好きだし(てか、いつキスするほど気持ち動いた??)、
ペンギン男はただの名前だし、
リドラーの知性とサイコパス感、どこにあった??
そしてなにより、
バットマン、全く影の人間じゃないじゃん笑
普通に明るいところで、人前で、警察と共同捜査しちゃってるじゃん。並んで立ってるじゃん。
てか、外で着替えるんかよwww
途中から“劇場版 相棒”観にきたんだっけ?
って気分になってました。
これじゃ、ただのコスプレした警察だわ。
役者さんたちは皆さん良かったです。
だからこそ、尚更残念な気持ちになりました。
暗い!
前編通して映像が暗く、物語としても復習ということで暗い。ロバート・パティンソン演じるブルース・ウェインも陰のある暗い感じが世界観と合っていて、映像としの暗さで見づらさはあるものの意外と良かった。演出や戦闘シーン等々カッコよかったね。次回作もありそうなので期待したい。あと、ペンギン役いい演技するなぁと思って調べたらコリン・ファレルでビビった。
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