「うん。微妙!」マトリックス レザレクションズ こんつさんの映画レビュー(感想・評価)
うん。微妙!
マトリックス3部作何度もリピ、考察サイトを読み漁り、当時はPS2のマトリックスゲームもやっていました。
今回新作と聞き、マトリックスが好きな私的には嬉しい気持ちもありましたが、予告ムービーがなんとも言えない微妙さを醸し出していたので期待はせずに劇場に行きました。
実際見てみると、その通りなんとも微妙でした。
【微妙な点】
①映画全体のデザインが微妙
私が一番気になったのは映画全体のデザインです。登場人物のキャラクターから衣装、機械のデザイン、建物、cg、敵、全てどことなくダサいです。
マトリックスは1999年公開という比較的昔の映画ですが、それを感じさせない独特な世界観と美しさがありました。
今回の映画は全くそれがありません。
キャラも命がかかっているやりとりをしているとは到底思えない謎の軽さ。ネオと会話する意味深なシーンがあってもその後掘り下げられるわけでもなく、え、そのキャラ&シーン必要だった??という気持ちに。全く魅力がありません。
旧作のマトリックスに侵入したクルーたちのやりすぎなくらいキメキメの衣装は、現実と非現実との対比を感じさせていたのに、今回はただのストリートギャングのような衣装にクソダササングラス…普通に一般人と紛れてしまいます。スタイリッシュさが皆無でシンプルダサい…
仲間の機械達もリアリティのないSF映画のようなデザイン。孔雀があの様なファンタジーっぽい形を模している必要があったのか疑問です。
旧作は自分の使命を全うするために特化した実用的で、ファンタジーだけどどこか現実味と納得感のあるデザインでした。
第二のザイオンもファンタジー感満載で、人間が日々を生活している空気が全く感じられません。ホログラムでカモフラージュしているのは良いが、分厚い防壁等がなければ侵入されて即終わりでは…?
マトリックスの中ででてくる建造物も、どこかセット感があって空間が狭く感じます。現実にそんなのあるの?という印象。
モーフィアスと戦闘したところやサティーと会議した仮想空間もなぜあんなファンタジー??ロード・オブ・ザ・リングにありそうな空間、、
また、今回はCGが至るところで利用されていましたが、CG感が消せてません。新幹線から見える桜、、、
とにかくダサい、リアリティのないファンタジー。
②ストーリーが微妙
3で死んだと思われたネオとトリニティが生きていた!、機械との和解により電力不足で機械同士の戦争が起きた、等の設定はまあ百歩譲ってアリとして、
ネオを救いに行く根拠、トリニティを救いに行くことに協力する根拠に説得力がない。
ネオのsosを察知して、英雄だし助けようとする気持ちはわからなくもないが、命をかける理由があるのか?
旧作は機械との戦争で常に死と隣合わせの世界で、戦争を終わらせる救世主という希望にすがりたい、人々の思いがありました。
今回は別に救世主プログラムのために機械達が人間のコロニーを滅ぼそうとしてるわけでもなく、そこまで困窮しているようにはみえない。ネオを見つけ出して命を賭して助ける必要性が感じられません。
またトリニティが助けられるかも!ということがわかっても、第二のザイオンを危険にさらしてまでやるものか?過去の英雄の一人だったとしても、サティーの復讐心があったとしても、満場一致で助けに行く根拠がわかりません。
③カメラワークが微妙
戦闘シーンが数々ありましたが、近い&人がいっぱいいてゴチャゴチャしてなにがおこってるのか全くわからない、、
旧作のスタイリッシュでド派手で胸アツなかっこいい戦闘は見る影もありません。
日々のループを表現してるのだとおもいますが、似たようなカットシーンの継ぎ接ぎ。わけがわからないだけです。
最後のトリニティと空を飛んで急に船のシーンに切り替わり、どうやってみんな脱出したのかわからない。
なぜカウンセラーは乱闘の中黒猫の元に行こうとしていたのか?
トイレでスミスをぶっ飛ばしてその後どうなった?スミスに気絶とかの概念あるのか?
総評すると
とにかく不自然でわからないことだらけ。
水槽の中の脳が表現できていない、
テーマもリアリティもないただのもっさりSFファンタジー。
トリニティとネオが幸せになれたことだけは良かったね、という感じです。