「案外堅実な作り」モータルコンバット moriさんの映画レビュー(感想・評価)
案外堅実な作り
原作ゲームや、過去の実写作品は何も知らずに見ました。
人によってはトンチキアクションものと取れると思いますが、なかなかどうして作り手の丁寧さを感じた作品。
冒頭の日本でのハンゾウ対ビハンシーン、ここだけで既にアクションの格好良さに引き込まれる。アジア描写の丁寧さも伝わった。
突然の人間界の危機、突然の魔界etc…特にライデンの寺院に着くまでのテンポの速さが、何も知らない視聴者を逆に丁度良く物語に引き込ませらていると思う。
最後までとにかく付いて来い!と言われている感じだが、不思議と不快でない。
個人的にこの作品を気に入ったのは、ソニアのキャラクターの良さによるところが大きい。
彼女は作中において何度も苦渋を飲んでいるが、常に真っ直ぐ前を向いてその状況で最善を尽くそうとしてる姿に純粋に心打たれた。
カノウからマークを奪った時の本当に嬉しそうな笑顔、素晴らしい。
よくある女ゆえのからかい文句のテンプレみたいなセリフをほとんど周りに言わせていない脚本もノイズがなくていい。
スコーピオンが出てくる所の劇伴の盛り上がりは純粋にテンションが上がり、外国人2コマみたく少し前のめりになってしまった。
アクションものが好きな人間のツボをおさえていて、人によってはありきたりに感じるだろうけれども、やはり基本を押さえている作品は心地良いです。
オタク目線からで褒めちぎりましたが、刺さった部分がなかった人からすればなんかよくわかんなかったな…で終わる作品ではあると思います。
どんどんキャラクターが出て来て、ほとんど駆け足なので。突然「俺はスコーピオン」とか言われてもね…。
最後に真田広之さん、浅野忠信さん、素晴らしい演技をありがとうございました。